折本かおりをネイバーから救出してから半年経った。この日はボーダーが設立して丁度1年である。
今日、1年間の活動をしてきた我々ボーダーに新たな仲間が加わる。新入隊員の入隊式が行われるのだ。この1年でボーダーは日本各地から入隊希望者や職員、技術者のスカウトを行い、数多くの人員確保に結びつけた。人手不足で今だ防衛任務も今いる人数で賄いきれない所もあったが、これでいくらか改善できる。とは言っても彼らはまだ実践すら経験していないひよっ子達ばかりだ。入隊して即戦力になれるものなど数はしれてる。当分は新人育成が主だろう。
さてそんな中、中学生である比企谷八幡は学校内を一人でいた。人見知りで、日頃かは極力他人との接触を控える自称ボッチである八幡にとって一人の時間は一日の大半をしめるだろう。両親はボーダー勤務で本部で顔を合わせるが、休日以外はほとんど家にいない。まぁそんな休日もボーダーでせっせと訓練やら防衛任務やらで忙しい。
一人の時間を満喫出来るのは学校だけだった。しかし、そんな一人大好き人間の八幡に転機が訪れた。
半年前の防衛任務で救出した一般人の折本かおりは同じ中学校に通っている。当時、次の日に学校に来てみたらお祭り騒ぎで、八幡達(主に本牧)はクラスメートからその功績を称えらたのだ。それはクラスの垣根を越えて学校中に知れ渡り、
いつしかヒーロー扱いを受ける始末だ(主に本牧)。
「すごいねぇ本牧くん」
「大したもんだ」
休み時間になる度にクラスではボーダーの話題で持ちきりだ。本牧の回りには人の壁が出来ていた。それはもう溢れんばかりに。ちなみに本牧の前の席は八幡が座っていて、八幡の席の回りにはお察し程度に人が集まる。しかし、彼らは本牧を求めてやって来ただけで八幡目当てにいるわけではない。単に本牧の周りに人がいすぎてあぶれただけだ。八幡にとっては鬱陶しいだけである。
身動きが取れず、逃げるに逃げられない八幡は仕方なく寝たふりをしてその場をやり過ごすことにした。
「いや、俺はただ援護してただけだよ。実際倒したのは先輩ボーダーだし、比企谷の方が凄いよ」
おい、なんで俺に話をふるんだと寝たふりをしていた八幡のアホ毛が本牧を威嚇する。
「比企谷は一人でネイバーの攻撃を凌いで市民を守ったんだよ」
「へぇー」
「比企谷ねぇ」
「つか誰?」
「そんなやついるの?」
わかってましたよ。ボッチで目立つことを嫌う八幡はクラスメートにすら認知されてない事を。本牧は苦笑いして前の席で寝ているのがその比企谷だよと皆の前で暴露する。
「えっ!こいつが?」
「つかいたのかよ!?」
いやいましたよ。普通に、入学当初からずっと席も変わらずいましたよ。ようやく認知されたが、本牧の余計な一言で一斉に八幡に視線が刺さる。
「そう、そこの比企谷が私たちを助けてくれたの、ねっ千佳」
「そうそう、一見頼りなさそうだけど。かおりったら比企谷くん比企谷くんって最近煩いんだから」
「ちょっと千佳、私そんなうるさくないよ」
「そう?なんかずっと比企谷くんの事ばっか話してたよ」
そうなん?八幡もしかして人気者になっちゃうのん?いやいやそんな俺の平和的日常を脅かすとは。折本、恐ろしい子……あっボーダーでネイバーと戦ってるから平和もくそもないわ、てへペロ☆
じゃーねよ!?どうしてくれるんだよ!!本牧さん!!!
八幡の心のライフはゼロよ!!と言わんばかりに八幡は恥ずかしさでプルプル震えていた。
「まぁ、こいつ人見知りだから皆あまり弄らないでやってくれ」
いやそれフラグだからね?弄ってあげてって言うフラグだよ本牧くん?天然なの?あっ筋肉でしたね。
「そうだ、比企谷!!」
「ぐわっ!?んだよ折本!!」
「私、ボーダー入りたいんだけど?」
「はぁ!?」
こうして、折本かおりの爆弾発言がとんでもないことになるとはまだ八幡は知るよしもなかった。
そう言えば、小町どうしよ?
小町「小町まだ寝たままなの?」
八幡「いや俺にもわからん」
かおり「冬眠?ウケるwww」
八幡 小町『いやウケないから』
マジで小町どうしよ?寝たまま?起こす?
ちょうどテイルズやってるんでスヤァzzZにしときますか(すっとぼけ)