比企谷八幡のボーダー活動   作:アラベスク

3 / 15
大規模侵攻直後の八幡と小町です。序盤からネガティブ満載ですのであしからず。


八幡の過去①

ある日突然異世界への「門(ゲート)」が開いた。門からは「近界民(ネイバー)」と呼ばれる怪物が現れ、地球上の兵器が効かない怪物達に誰もが恐怖したが、謎の一団が近界民を撃退した。

 

 

 

大規模侵攻から数時間後、謎の一団により近界民の撃退に成功した。今だ市民は恐怖に怯えて救助が来るのを待つもの、家族を近界民に殺され成すすべもなく崩れ動けないもの、そして、救助のために奮闘する人々で町は溢れかえっていた。

 

その中の一人、比企谷八幡少年は家は倒壊して崩れてしまったが、屋根と柱の間に挟まりあわや下敷きになるところを何とか抜け出た所だった。

 

「はぁ…はぁ…小町無事か?」

 

家が崩れるときに一緒にいた妹の小町を咄嗟に庇い抱き抱えるように命からがら脱出に成功した。腕の中で小町はどうやら気絶していたが、見たところ外傷は見当たらず一息つけた。だが、安心はしていられなかった。見渡す限り瓦礫の山で、このような光景を八幡は今だ嘗て経験したことがない。昨日までの日常は一変して地獄画図と化したのだ。

 

八幡は途方にくれた。何処を見ても何もかもが崩れた様は小学生の彼の心に傷をつけた。幸い小町は気絶したままでこのような有り様を目の当たりにしていない分まだ救われていたのかもしれない。何れはわかってしまう現実に今だけは逃避したかった。

 

しかし、八幡にはまだ小さい妹の小町がいた。兄として小町を守らなければならないプレッシャーに彼の心は消耗していくばかりで、目の前が真っ黒くなっていく。

 

 

 

そう言えば、

 

 

 

崩壊した家から抜け出しその場に立ち尽くして数時間、今だ小町は意識を取り戻さず眠ったまま。ふと両親は何処へ行ってしまったのだろう。日曜だと言うのに朝方から家を開けて仕事に向かった父と母は今どこでどうしているのだろうか。まさか騒ぎに巻き込まれ閉じ込められたのか、或はもう、考えが段々ネガティブになっていく。そうだ、ポケットの中に携帯をしまっていた彼は気づき、ポケットの中を確認する。

 

しかし、出てきたのは潰れて使い物ならない携帯だったものだった。これでは何処にも連絡は取れない。いやまだある。小町の首から吊り下げていた携帯が奇跡的に綺麗に残っていた。一筋の希望を胸に八幡は早速両親に連絡を入れる。

 

 

 

こんな緊急時だと言うのに電波の混線もなくすぐに両親の携帯に繋がった。

 

「もっもしもし?」

 

『………まん?………はちまんか?』

 

出たのは父だった。ノイズで聞き取り辛いが確かに父の声がした。

 

「親父?俺だよ!!八幡だよ!!」

 

『無事か?小町は?』

 

父の声がはっきりと聞こえてくる。

 

「一緒にいるよ。母さんは?無事なのか?」

 

『大丈夫だ。心配かけたな、本当は真っ先に向かうべきだったんだが、中々に手こずってしまって漸く一段落した。今何処だ?』

 

「家の外。家が、家が崩れたけどなんとか這って出れた」

 

『そうだったか。待ってろ、すぐそっちに向かうからな』

 

ようやく八幡は一息付くことが出来た。




次回八幡人生最大級のトラウマを抱える。そして八幡は力を得ることに。

八幡はSE合った方がいいですかね?そこら辺ご意見ご感想よろしくお願いします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。