こちらでは本編でご要望等があった小話を投稿します。
どの順番で投稿するかは完全なランダム……もとい、私の気分というなの執筆状況により変わりますのでご理解ください。

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今回はオマケ第一弾。
十六夜想夢様より頂いた、「泥酔したマリアがみたい」です。
大体のイメージは頭の中で出来ていたので、比較的に楽にかけました。
久しぶりの投稿になるので、変な部分があるかもしれませんがご容赦下さい。

では、本編をどうぞ。


一杯は人は酒を、二杯は酒が酒を、三杯は酒は人は呑む

「どうしてこうなった……」

 

 天井を仰ぎ見ながら、ノエル・ラクラルテは嘆息した。

 それからチラッと視線を下ろせば、彼の膝の上にはご機嫌な様子のマリア・ポッターがいた。

 

「にゃんにゃん♪」

 

 とても楽しそうで何よりです。

 まるで猫のように手で顔を擦りつつ、テーブルの上の食べ物を摘んでいる。

 

「うへへ……」

 

 そして床では鼻血を垂らしたハリー・ポッターが倒れている。

 何処か恍惚とした表情を浮かべているように見えるが、きっと気のせいだろう。

 

「どうせ、僕は、僕は……うぅっ」

「何しけた面してるのよ。ほら、じゃんじゃん飲みなさい!」

 

 テーブルの向こう側では消極的(ダウナー)なロン・ウィーズリーと、積極的(アッパー)なハーマイオニー・グレンジャーが酌み交わしている。いや、どちらかと云えばハーマイオニーが無理やりロンにコップの中身を飲ませているのだが。

 

「――――ZZzz」

 

 左隣ではテーブルに突っ伏し、ネビル・ロングボトムは眠りこけている。

 アルコールに弱いと思ってはいたが、彼の場合はその方が幸せなのかもしれない。

 

「それでね、ジニーったら笑うのよ。ひどいと思わない?」

 

 ルーナ・ラブグッドは暖炉の火を見つめながら話している。

 元々不思議ちゃんな彼女には、もしかしたら火の中に何か見えるのかもしれない。

 

「ごめんなぁ、こんなオジサンで……ヒック」

 

 部屋の片隅では、シリウス・ブラックが何やらコート掛けに向かって一人ブツブツと呟いているのが見える。どうやら誰かに対して謝っているようだが、傍から見ると頭のヤヴァイ人にしか見えないのだが……。

 

「アオオオオオオンッ! アオオオオ―――ギャン!」

 

 リーマス・ルーピンは満月でもないのに人狼にでも変化したのか、窓から三日月を見上げながら犬のように吠えている。ハッキリ言って近所迷惑だし、騒いでマグルに嗅ぎ付けられるのは面倒なので酒瓶をぶつけて黙らせておく。

 

「……どうして、こうなった!」

 

 思わず頭を抱えたくなる。

 こうなってしまったのは、数時間前まで遡ることになる。

 

 

 

 ホグワーツに入学してから、五度目となる夏休み。

 そんなある日、ウィーズリー邸である「隠れ穴」には大勢の魔法使いが集まっていた。理由としては嫌疑が晴れ復職なされたアルバス・ダンブルドアのお祝いと、魔法省の戦いにて命を落としたマッドアイ・ムーディに哀悼の意を捧げる為であった。集まったメンバーとしてはダンブルドアを始めとして彼の創設した『不死鳥の騎士団』の面々に、魔法省での戦いに貢献した『ダンブルドア軍団』の数人。それから場所の提供者であるウィーズリー家の人たちと、『例のあの人』の血を継ぐノエルといった具合だ。

 

「諸君、今宵はよくぞ集まってくれた。君たちの尽力により、魔法省はヴォルデモート卿が復活したことを公に認めてくれた。だが、本番はこれからじゃ。これまでは魔法省に気付かれぬよう密かに動いていた奴らも、派手に動いてくるだろう。より一層、気を引き締めて欲しい。じゃが、今夜ばかりは先のことを忘れて飲もう。我らの勝利と、我が友アラスター・ムーディに!」

「「ムーディに!!」」

 

 ダンブルドアが盃を掲げ、哀悼を告げる。

 それに続いて参加者たちも笑顔を浮かべながら乾杯する。

 こうして宴は始まった訳だが、ダンブルドアは仕事があるからと早々と帰っていった。彼以外にもキングズリー・シャックルボルトといった重役に就く者たちも戻っていったが、主賓がいなくなってもパーティは続いた。最初はマッドアイを悼んで宴は静かなものだったが、お酒が回ってくると皆が徐々に騒がしいものになっていった。

 途中、食料が足らなくなったりしたのでノエルなどが買い出しに行き、戻ってきたら現在のメンバーにまで減っていた。こうしたパーティが好きなウィーズリー家の双子は、何やら新しい企み(ネタ)があるとかで部屋に引っ込んだらしい。ジニー・ウィーズリーは母親の手によって有無言わさずに部屋へと連れて行かれた。

 

「お酒がなくなってしまったぞ」

「ロン。もうお酒のお代わりはないかな?」

 

 シリウスは目の前でから瓶を振り、ルーピンがロンに訊ねる。

 ロンは席から立ち上がると食料庫をガサゴソと漁り、暫くして何本も細長い瓶が入ったケースを持って戻ってきた。しかし大人たちが求めているようなお酒ではないらしく、試しに一本手に取ってみればラベルにはこう書かれていた。

 

『安心安全! 未成年でも気軽に大人の気分を味わえるエール』

 

「何か奥の方にありました」

「成る程……どうせなら皆も飲まないか?」

「え、でも私たちまだ未成年だわ」

「常飲するのはダメだけど、こういう時ぐらいなら別に構わないだろう」

「一本ぐらいなら、大丈夫だと思うよ。モリーにも私から言っておくから」

 

 ルーピンに説得(?)され、全員が盃を手にとった。

 この時点ではまだ、この行動を後後に誰もが後悔することになるとは知る由もなかった。

 

「じゃあ、乾杯!」

「「乾杯!!」」

 

 全員が同時に盃の中身を呷った。

 直後、ガンッと音を立ててネビルが顔面からテーブルに落ちた。隣の席にいたノエルが慌てて様子を見れば、顔を真っ赤にしながら鼾をかいている。一本飲み干す前に力尽きたらしく、手から放れた瓶から中身が溢れている。倒れた瓶を直したところで、ノエルはあることに気が付いた。ネビルがこんな状態だと云うのに、何故誰も気にしてないのかと。思いながら見渡せば、明らかに様子のおかしい面々が目に入った。ただ共通して全員、顔が真っ赤になってしまっている。一部は元々赤くはあったが。

 

「何が、どうなってるんだ……?」

「えへへ、ノエルゥ~」

 

 服の袖を引っ張られたので振り返り、思わず愕然とした。

 そこには同じように顔を真っ赤にしながら、可愛らしい笑みを浮かべている。いや、それ自体も珍しいことなので驚きだが、それ以上にノエルが困惑したのは彼女の頭部だ。どういう訳か彼女の頭頂部には、髪の毛を押しのけて何かが突き出していた。三角の形をしており、表面は細かい毛で覆われている――見紛うことなき猫耳が生えている。

 

「あー、マリア……それは」

「んぅ? 何ゃんのこと?」

 

 本人は気付いている様子はない。

 もしかしたら幻覚か、あるいは自分も酔っ払っているのかと思い触れてみる。ノエルの考えを裏切るように、手のひらにはフニフニとした柔らかく温かな感触が伝わってくる。どうやら本物の猫耳で間違いないようだ。

 

「ふむ……」

 

 しかし、感触が堪らない。

 思わず楽しんでいると、マリアは猫のようにニャーと鳴く。

 

(これはいろんな意味で危ない気がする)

 

 そう思いながらも手が止められない。

 これはある意味、一種の麻薬性があるなとぼんやり考えていると。

 

「何してるんだ! マリアを離せ!」

 

 ハリーが噛み付いてきた。

 ノエルからすれば知的好奇心を満たしているに過ぎないが、傍から見れば二人がイチャ付いているようにしか見えないのは確かだ。そして妹大好きな変態(ハリー・ポッター)が、そんな光景をまざまざと見せ付けられて落ち着いていられる訳がなかった。

 

「ほら、マリア。お兄ちゃんと一緒にいよう?」

「むーっ……やっ!」

 

 不機嫌そうに声を漏らすと、マリアはハリーを突き飛ばした。

 酔っ払っていたのもありハリーはたたらを踏み、そのまま尻餅をつく。咄嗟に後ろ手をついたので倒れはしなかったが、何を考えてかマリアは馬乗りになる。彼女にしては珍しい行動だと思っていると、そのまま両の拳をハリーへと振り下ろし始めた。本来相手を一方的にボコボコに出来るマウントポジションであるが、非力な上に酔っ払ってろくに力も入らないマリアの攻撃は可愛らしいものだった。何だかポカポカという擬音まで聞こえてくる。

 対して威力もないからかハリーも甘んじてマリアの攻撃を受けているが、流石に放置する訳にもいかないのでノエルは止めに入る。

 

「マリア、そこまでにしておけ」

「……解った」

「ハリー、お前もいい加減起きて………げっ」

 

 マリアを上から退かせるも、ハリーは一向に動く気配はない。何事かと顔を覗き込んでみれば鼻血を垂らしながら、恍惚といった表情を浮かべながら気を失っていた。決してマリアの攻撃で鼻を切ったわけではない。

 

「どうすっかな、これ……」

「そんなの、どうだっていい。こっち、座って」

 

 現状に頭を悩ますのも知らずマリアはノエルを椅子に座らせ、自らも彼の膝の上に座ってテーブルの上の残り物に手を伸ばす。元々マリアの体重は軽いので大して負荷はなく、猫耳も相まって本当に猫を座らせている気分になる。

 

 

 

 こうして冒頭へと至る。

 この場で唯一正気なノエルがこの状況を打開すべきなのだが、そもそもどうしてこうなったかについて追究する必要がある。原因自体はロンが持ってきたエールなのは明白ながら、どうしてこれを飲んだら強制的に酔っ払ったのか分からん。ノエルはテーブルの上に置いたままの瓶を手に取り改めてラベルを観る。

 

「………あ? 何だこれ」

 

 注意深く見ていると、小さく何かが書かれている。

 おそらく意識して目を細めなければ、見つけられない程のもの。

 

『一口飲むと大概の人は酔っ払います  WWW』

 

 ノエルが注目したのは最後の文字。

 

「WWW……ウィーズリー・ウィザード・ウィーズ」

 

 下手人が判明した瞬間だった。

 どうやらこのエール(?)はフレッド・ウィーズリーと、ジョージ・ウィーズリーの手により作られた悪戯道具の一種のようだ。あの騒ぐのが大好きな双子が早い段階で宴から退席したのは不思議だったが、おそらくはこれが狙いだったのだろう。この悪戯道具が完成すれば、子供だけでなく大人からも需要があるのが分かる。

 

「はぁ……悪巧み二人、聞いているだろう。降りて来い」

 

 天井に向けて声をかける。

 暫くすると、部屋の戸を開けて件の二人が姿を現した。やはり二人は部屋に戻った後、盗み聞き用の道具『伸び耳』で様子を伺っていたようだ。彼らは室内を見回すと満足そうに頷きながらノエルの方へと近づいた。

 

「やあ、ノエル。調子はどうだい?」

「酔っ払ってないみたいだけど、もしかして飲んでない?」

「俺も飲んだよ。どうやらこのエール(?)、酔っ払わない奴もいるみたいだ」

「そうみたいだね……にしても、面白い状況だね」

「確かに、その通りだな。フレッド」

 

 ジョージが相槌を打ち、マリアの頭を撫でる。

 気持ちよさそうに目を細める少女を見て、ノエルは思わずムッとなりそうになる。

 

「やはり、これはお前たちの仕業な訳だな」

「そうさ! ロンがこれを見付けてくれるとは思わなかったけど」

「これは僕たちが苦労の末に完成させた、『お気楽エール』さ!」

「どうしてマリアに、動物の耳が生えたんだ?」

「何本かに一本、そうした当たりが混じっていたんだ」

「ジョージ、そろそろやることを済ませよう」

 

 そう言うと、フレッドはインスタントカメラを取り出した。本来なら魔法使いがお目にかかることのない代物であるが、彼らの父親であるアーサー・ウィーズリー氏は大のマグル好きだ。それが高じてマグルが作った製品に並々ならぬ興味があり、彼の納屋には何らかの改造がマグル製品が置かれている。流石にハリーとロンが二年生の頃に問題を起こしてからは、あまりそうした車の改造等は行っていないようだが。

 二人はカメラを手に、次々と写真を収めていく。

 鼻血を垂らしているハリーも、朗らかに笑うハーマイオニーも、泣きじゃくるロンも全員の面白い写真が次々と取られていく。最後にノエルに戯れつくマリアを取ると満足したのか、二人はそのまま部屋から出ていこうとする。

 

「いやいや! この始末をどうするつもりだ!」

「あー、大丈夫。みんな明日の朝になれば元通りだから」

「記憶も飛んでるから問題なし」

「明日まで俺にコイツの面倒を見ろと!?」

 

 猫のように顔を押し付けてくるマリアを相手にしながら叫ぶ。

 何とか肩に手をついて退かそうとするが、意地になるのか逆に引っ付こうとしてくる。

 

「お姫の面倒、頑張ってね。王子様」

「でもだからって手は出したらダメだぞ」

 

 そう言い残し、双子はニコヤカに帰っていった。

 

 

 

 

 それから三十分が過ぎた。

 騒いでいた面々もようやく眠りにつき、後残すはマリアだけとなった。

 

「なぁ、まだ離れてくれないのか?」

「えぇ~、このままがいい~」

 

 お姫様は未だに騎士の膝上にいた。

 いっそのこと自分も酔っ払ってしまいたいと「お気楽エール」を飲むも、やはり体質的な問題なのかノエルは未だに酔っぱらえずにいた。酩酊できればどんなに楽なのかと思いながら、マリアの頭を撫で続けていた。これは彼女からの要望であり、決してノエルがマリアの猫耳の楽しみたいが故の行動では断じてない。

 

「……………」

「マリア、どうかしたのか?」

 

 急に黙った少女にノエルは首を傾げる。

 もしかして眠ってくれたのかと思い顔を覗き込めば、何やら堪えている様子。

 

「マリア……?」

「……おしっこ」

「は?」

「おトイレ……おしっこ!」

 

 花も恥じらう乙女が、酔っ払っているとは云え男にそれはない。

 これでは本当に子供の相手をしているではないか、とノエルはため息混じりに思った。

 

「だったら行ってこい。漏らすぞ」

「連れてって!」

「は?」

「おトイレまで、連れてって!」

 

 思わず顔がひきつる。

 咄嗟に室内にいる女性陣へと視線を向けるが、彼女たちは既に夢の中。かといってウィーズリー婦人に頼もうにも、今からでは間に合わないだろう。かといってこのままにすれば、子供状態のマリアは十中八九漏らすことになる。そうなれば翌朝、正気に戻った彼女は羞恥心のあまり死んでしまいかねない。

 

「のえるぅ、おしっこぉ……」

「もう少し待ってくれ!」

 

 いっそハリーを起こすか?

 あれに任せるのだけは避けたい。アレのことだから笑いながら、「マリアのお小水なら僕が全部飲んであげる!」とか言って変態的な行動に出かねない。いや、もしかしたらトイレで放尿するマリアを真正面から眺めているかもしれない。ダメだ、考えれば考えるほどに悪い方向にしか進んでくれない。

 

「うぅ~……」

 

 彼に選択肢など残されていなかった。

 マリアを抱き上げると急いでトイレまで向かい、彼女を便座の上に座らせて出て行こうとした所でクンッと服を引っ張られる。おそるおそる振り返ってみれば、目尻に涙を浮かべながらマリアがこちらを上目遣いで見上げてくる。

 

「一人じゃ、できない。手伝って」

「Jesus」

 

 だが現実は非常である。

 ノエルは意を決して般若心経を唱えながら横を見つつマリアの下着を下ろし、後ろから両足の膝裏に手を回して抱き上げる。準備が済むとマリアは放尿を始め、バシャバシャと聞こえてくるのを必死にこらえる。やがて音が収まると、トイレットペーパーを適当に切り取って手渡す。流石に女性のあそこをペーパー越しとは云え触るのは憚られたので、そこはマリア自身に処理してもらい下げた下着を元せば任務完了である。

 

「………つ、つかれた」

 

 主に精神的な意味で。

 トイレから戻ってきたノエルは、両手と両膝を床に就いた。男として正しかったかどうかの判断は解らないが、人としての矜持はまれたはずだ。誰かに褒めてもらいたいぐらいだと思いながらゴロンと床の上に転がると、その上にマリアが寝転んでくる。

 

「おーい、退いてくれー」

「……やっ」

 

 お願いは見事に拒否された。

 どうしたものかと考えていると、小さな寝息が聞こえてきた。見れば猫のように丸くなりながらマリアが眠っており、ようやく解放されたとノエルは息をついた。本当はマリアを自分の上から降ろそうかと考えていたが、疲れきってそれすら億劫になっていたノエルは結局そのままに自らも眠りに就いた。

 翌朝、色々と面倒なことになるのは……またのお話。

 今はただ、幸せな夢を。




第一弾は如何だったでしょうか?
猫のようにニャンニャンするマリアは、完全に私の趣味です( ̄∀ ̄)。
因みにマリアが尿意を催す件は、要望があったので突っ込みました。こういう場面じゃないと使うのが難しそうだったので混ぜました。生憎と私には飲尿の気はないですが、でも女の子が涙目を浮かべながらプルプルと震えて堪えているのはグッとくるものがあります。

本編を書き直したい気分です。
処女作とは云え、拙い部分が多々あるのが気になるのです。

次回の投稿は未定ですので、気長にお待ちください。
クリック? クラック! また今度!

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