つながり ~君は1人じゃない~   作:ティア

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ride16 覚悟

 

「……準備はいいかな?」

 

「いつでも!」

 

「「スタンドアップ!ヴァンガード!!」」

 

俺と照山君とのファイト。俺はいつも通りに、レッドパルス・ドラゴキッド(4000)にライド。一方、照山君は……。

 

「リトルウィッチ ルル(5000)だ」

 

オラクルシンクタンクか……。しかも、ウィッチと言うことは……ココかな?

 

「じゃあ俺のターン、ドロー!封竜 カルゼ(7000)にライド!レッドパルスは、そのまま後ろに移動!ターンエンド!」

 

「……僕のターン、ドロー。ダークキャット(7000)にライドするよ」

 

照山君のファーストヴァンガード、ルルには、レッドパルスのようにリアガードとして移動できるスキルを持たない。そのため、序盤の攻撃力に欠ける部分がある。

 

「ダークキャットのスキル発動。登場した時に、全てのプレイヤーはドローできる。僕はするけど……どうする?」

 

「じゃあ、遠慮なく」

 

手札が増えることに悪い理由はない。迷うことなく、1枚ドローする。

 

「何もコールしないで、そのままダークキャットでアタックするよ(7000)」

 

「ノーガード!」

 

「チェック……サイレント・トム」

 

俺のダメージには、ベリコウスティドラゴンが入る。まだ大丈夫だ。

 

「これでターンエンド」

 

 

ワタル:ダメージ1 シュンキ:ダメージ0

 

 

「俺のターン、スタンドアンドドロー!バーサークドラゴン(9000)にライド!続けてコール!バーニングホーン・ドラゴン!(9000)」

 

今の俺の強さで、どのくらい通用するかはわからない。けど、全力で行くだけだ!

 

「バーニングホーンでアタック!(9000)」

 

「ノーガード。ダメージチェック……バトルシスター しょこら」

 

「続けて、レッドパルスのブースト、バーサークドラゴンでアタック!(13000)」

 

「これもノーガードするよ」

 

「ドライブチェック……ドラゴニック・オーバーロード・ジ・エンド」

 

「ダメージチェック……ロゼンジ・メイガス。ヒールトリガーだ。ダメージを回復して、パワーを一応ダークキャットへ」

 

差し引きゼロか……。仕方ない。次のターンでどうにかしよう。

 

「ターンエンド」

 

 

ワタル:ダメージ1 シュンキ:ダメージ1

 

 

「僕のターン、スタンドアンドドロー……。ねぇ、小沢君」

 

「……ん?」

 

突然話しかけられたので、間の抜けた声になってしまった。

 

「小沢君は……どうして、チームに入ろうと思ったの?」

 

「え……?それは……」

 

「……君がどうして、チームの一員として、グランドマスターカップを目指すのか……気になったからね」

 

俺はしばらく考えてみた。どうして、なんて聞かれたことなかったし、思考を巡らせて見たものの、それらしい理由は思い当たらない。

単純な話、近くでチームの話を聞いていて、興味本意でチームになっただけ……。そこに理由は、と聞かれても、答えは出ない。

 

「……考えるということは、そこまでの理由はない……。まして、沈黙してるということは、それは正しいんだろうね……」

 

「う〜ん……。そうだな……特に理由はないかな?」

 

……図星だ。照山君の言うことを否定してもよかったけど、隠し通すことでもないように思えたから、恥ずかしながら、打ち明ける。

……だが、この言葉の後に続いた照山君の言葉は、否定せざるを得ない内容のものだった。

 

「……じゃあ、小沢君は、早々にチームを抜けた方がいいね……」

 

「……!な、どうして!?俺が、チームを抜けた方がいいって……!」

 

「ライド、オラクルガーディアン レッドアイ(9000)」

 

俺の反論を無視して、照山君はファイトを進めて行く。けど、納得いかない。理由がないのは認める。それが、チームを抜けなくてはいけない理由につながるのか……?

 

「サイレント・トム(8000)、サイキック・バード(4000)をコール。……なぜ、チームを抜けた方がいいのか……」

 

そこで言葉を区切り、俺の方をじっと見据えて言い放つ。

 

「……君には、覚悟が足りない」

 

「覚悟……だって?」

 

「レッドアイ……バーサークドラゴンにアタックだ(9000)」

 

「……!ターでガード!」

 

「ドライブチェック……バトルシスターじんじゃー。クリティカルトリガーだ。効果は全てトムへ(13000 ☆2)」

 

覚悟……?理由がないことと、どう関係があるって言うんだよ……?

 

「サイキック・バードのブースト、サイレント・トムでヴァンガードにアタック。トムのスキルにより、このアタックは、グレード0のユニットからガードされない(17000 ☆2)」

 

「ノーガード……。ダメージチェック、希望の火 エルモと、ドーントレスドライブ・ドラゴン」

 

「ターンエンドだよ」

 

 

ワタル:ダメージ3 シュンキ:ダメージ1

 

 

「俺のターン、スタンドアンドドロー……」

 

「……納得行かないみたいだね?」

 

不満を口にしたわけではなかったのだが、まわりから見てもわかるほど、ハッキリと表情に表れていたのかもしれない。

 

「それは……当たり前だよ!チームを抜けた方がいいとか、それは覚悟が足りないからとか……それで納得してチームを抜ける気になれるわけないよ!」

 

「……それもそうだ。けど……今の君は、チームにふさわしくない。それは強さとか、戦う理由とか、そういうことじゃない……」

 

「それが……さっきの覚悟のこと?」

 

「そうだよ。君には覚悟が足りない。今のままだと君は、チームの……シオリさんの足手まといになるだけだ」

 

「なっ……!?足手まといだって!?」

 

冗談じゃない!黙って聞いていたら、好き放題言って……!何様のつもりだよ!?

 

「不満があるなら、ファイトで語るといいよ。……けど、結果は見えてるから」

 

……勝手に足手まといだって決められた挙げ句、その余裕、なんかムカついてきたな……!

 

「終焉を告げる灼熱の龍!秘めたる闘志を解き放て!!ライド!ドラゴニック・オーバーロード・ジ・エンド!!(11000)」

確かに、俺は初心者。向こうは経験者。実力の差はあるかもしれない……。けど、散々言われて、黙って負けを認めるわけにはいかない!

 

「バーニングホーン・ドラゴン(9000)をコール!そして、レッドパルスのスキル発動!CB1、自身をソウルに入れて、デッキの上から5枚の中のグレード3を……くっ!ない!」

 

不発した……けど、仕方ない!それならそれで割りきって、次につなげるだけだ!

 

「ドラゴンモンク ゴジョー(7000)をジ・エンドの後ろにコール!右のバーニングホーンで、レッドアイにアタック!オーバーロードを含むヴァンガードがいるから、スキルでパワープラス3000!(12000)」

 

「ノーガード。ダメージは……CEOアマテラス」

 

「……!?アマテラス!?」

 

ココを主体としたデッキじゃない!?ココはソウルを無くすことで真価を発揮するユニット。今、照山君のソウルにいるルルは、ソウルを無くすために重宝するユニットだ。

 

けど、アマテラスはソウルを貯めていくユニットだ。ココとアマテラスを両立してデッキに入れている可能性もあるけど、それなら最初からアマテラスは入れないはずだ……。

 

「その様子……まさか、ココデッキかと思った?」

 

「………………」

 

「沈黙は肯定と見ようかな?だとしたら、ファーストヴァンガードにとらわれて、デッキを決めつけるのはいけないな。型通りのデッキばかりじゃないんだから」

 

……確かに、ルルを使うこと=ココを使うとは限らない。そう言えば星野さんも、解放者のデッキでありながら、ファーストヴァンガードは小さな闘士 クロンだ。

 

「まぁ、頭の片隅にでも留めておくといいよ」

 

「……それならそれでいい!次!ゴジョーのブースト、ジ・エンドでアタック!(18000)」

 

「ノーガードするよ」

 

「ツインドライブ……!1枚目、バーサークドラゴン。2枚目、ブルーレイ・ドラゴキッド。よし!クリティカルトリガー!クリティカルはジ・エンド(18000 ☆2) パワーは左のバーニングホーン!(14000)」

 

ダメージには、オラクルガーディアン ジェミニと、戦巫女サヨリヒメが入る。サヨリヒメがあるということは……アマテラス中心だったのか。

 

「左のバーニングホーンでアタック!右のバーニングホーンのスキルと同様、パワープラス3000!(17000)」

 

「バトルシスター じんじゃーでガード」

 

「……ターンエンド」

 

 

ワタル:ダメージ3(裏1) シュンキ:ダメージ4

 

 

「僕のターン。……さて、色々と君も不満があって、僕の言うことも納得いってないだろうから、順を追って説明していこうかな?とりあえず……」

 

スタンドアンドドローを終え、照山君は手札から1枚のカードを取り出す。

 

「ライド!CEOアマテラス!!(10000)」

 

最初に思い描いていた場面は、そこにはなかった。ココの代わりにヴァンガードに立つのは、アマテラス。

 

「ここで、ルルのスキル発動!グレード3以上のオラクルシンクタンクがヴァンガードに登場した時、ソウルからリアガードにコールできる!」

 

ルルがコールできるのは、このタイミング。照山君はそれを右後列にコールした。(5000)

 

「さらにルルのスキル!リアガードにコールされた時、SB2で1枚ドロー!」

 

これでソウルは0枚。もしココなら、自身のスキルで、自分のターン中にパワーが3000プラスされていた。だが、アマテラスにそんなスキルはない。あるのは……

 

「アマテラスのスキル、SC1し、デッキの上から1枚目を見て、それをデッキの上か下に置く。僕は……下にしよう」

 

デッキ操作。それが、アマテラスに与えられた能力。ソウルを貯めることもできるが、本命はこちらだ。

 

「……君はファイトの前に言ったね?このチームなら勝てると」

 

と、ここで一旦ファイトを区切り、照山君はさっきの話を再開する。

 

「そのつもりだけど……何が言いたいの?」

 

「だったら聞きたい。……君が言うチームの中に、君はいるのかな?」

 

「いるに決まってるだろ!?4人で全国に行くんだから……」

 

「4人か……。確か君の話だと……シオリさんと、他の2人は強いって聞いたけど?君はどこに行ったのかな?」

 

「え……それは……その」

 

……いない。強いのは、3人だ。まだ初心者な俺は、チームのステータスに含まれるほどの強さを持っていない。

 

「君はまだ、チームとして戦うことを自覚していない。他人頼みで勝つように考えている」

 

「……それは、俺はまだ初心者で、足を引っ張るだけだから……」

 

「初心者……か。いい加減、その初心者ぶった言動はやめようよ。そうやって自分を下に見ると、いつまでもそのままだ。かえって足を引っ張ることになる」

 

言えている。照山君の言葉はもっともなものだ。このままだと俺は、いつまでたっても初心者であることを言い訳にしてしまうのかもしれない。

 

「……サイキック・バードのスキル。自身をソウルに入れて1ドロー。続けて、戦巫女 サヨリヒメ(7000) ダークキャット(7000) 戦神スサノオ(9000)をコール」

 

と、再びファイトに戻る。増やした手札で、一気にリアガードを展開してきた。

 

「ダークキャットのスキル。登場した時、全てのプレイヤーは1枚ドローできる。僕はする。君は?」

 

「……するよ」

 

力なくカードを引く。先ほどの言葉がずっと頭に残り、俺は、結局は足を引っ張るだけなのかと嘆かわしく思う。

 

「ルルのブースト、スサノオでヴァンガードにアタック。カード名にアマテラスを含むヴァンガードがいるから、パワープラス3000するよ(17000)」

 

「……ブルーレイ・ドラゴキッドでガード!」

 

「ダークキャットのブースト、アマテラスでヴァンガードにアタック。僕の手札は4枚以上のため、アマテラスはスキルでパワープラス4000!(21000)」

 

照山君の手札は5枚。条件は余裕で満たしている。

 

「……ノーガード」

 

「ツインドライブ……1枚目、日輪の女神 アマテラス。2枚目、サイキック・バード。クリティカルトリガーだ。効果は全てトムへ(13000 ☆2)」

 

「……えっ?」

 

パワーはともかく、どうしてクリティカルをトムに……?俺のダメージには、ドラゴンモンク ゴジョーが入る。

 

「サヨリヒメのブースト、トムでヴァンガードにアタック。トムのアタックは、グレード0ではガードできないよ(20000 ☆2)」

 

「……コストにドラゴンモンク ゲンジョウを使って、ワイバーンガード バリィで完全ガード!」

 

「完全ガードか……。やっぱり、トムにクリティカルを与えて正解だったみたいだ」

 

「……どういう意味?」

 

「無理にトリガーを乗せて、ダメージトリガーでも出てしまったら、トムのアタックをガードしやすくなるからさ」

 

……確かに。トリガーでパワーが上がっていれば、今のアタックに対して完全ガードを使わなくてもよかった。

 

「ターンエンドだ」

 

 

ワタル:ダメージ4(裏1) シュンキ:ダメージ4

 

 

「俺のターン……スタンドアンドドロー」

 

ドローしたカードを見る。そのカードは、ガトリングクロー・ドラゴン。ドロートリガーのカードだった。

 

「……凄いな」

 

思わず、言葉に出てしまった。けど、そう言わせてしまうほど、俺と照山君の間にある力の差を感じてしまった。

 

今の俺では……きっと、照山君には勝てない。あれだけ苛立っていた気持ちも、ぶつけるどころか、押し返されて自分の無力さを感じている。

 

「……ライドなし。右のバーニングホーンの後ろに、バーサークドラゴン(9000)をコール。スキルによって、CB2……トムを退却」

 

これで、トムはいなくなった。……少しは、あがけているだろうか?

 

「さらにガトリングクロー・ドラゴン(4000)をコール。スキルでCB1、自身をソウルへ……ルルを退却。右のバーニングホーンで、アマテラスをアタック……前のターン同様に、パワープラス3000(12000)」

 

「ノーガード。ダメージは……戦神 スサノオだね」

 

「ゴジョーのブースト、ジ・エンドで、アマテラスをアタック!(18000)」

 

「バトルシスターしょこらで完全ガード。コストは……レッドアイにする」

 

完全ガードか……。けど、このガードは使わせたようなものじゃない。自分で出そうとして出した。俺のように、出さざるを得ない状況で出したのとは違う……。

 

「……ツインドライブ。1枚目、封竜 カルゼ。2枚目、ドラゴニック・オーバーロード・ジ・エンド……トリガーなし。左のバーニングホーンで、アタック。こっちも、パワープラス3000(12000)」

 

「ドリームイーターでガード」

 

「……ターンエンド」

 

 

ワタル:ダメージ4(裏4) シュンキ:ダメージ5

 

 

「僕のターン、スタンドアンドドロー。……さっき、僕は言ったよね?君はチームの足を引っ張るって」

 

……言った。それが正しいとわかって、今では反論する気なんか残ってない。

 

「ファイトの腕は足りている。けど……君に足りないのは、覚悟。チームとして戦う覚悟だ」

 

「……チームとして」

 

「確かに、君の言う通り、シオリさんたちの強さはなかなかなんだろう。けど、君たちはチームとして戦うんじゃないの?だったら当然、君もファイトする日がやってくるはずだ」

 

拳を握り、黙って耳を傾ける。さっきまで聞く気すら起きなかった軽い言葉が、今では確かな重みを持ち、俺の心に響く。

 

「その時、君はチームのために勝てる?いや、勝てないね。今の君は、チーム頼みの勝利しか求めていないから。だから、必要なんだよ……覚悟が」

 

静かに、けど熱のある声で、俺に語りかけてくる。今の俺の強さを、嘘偽りなく告げている。

 

「覚悟を持ちなよ。チームのために戦う覚悟を。誰かのために戦う覚悟を持つ人は、それだけで強くなれる」

 

「覚悟……1つで……?」

 

「嘘だと思う?これは本当のことだよ。覚悟が強ければ強いほど、より強くなれる。君には、その覚悟が必要なんだ」

 

それが、最初に言ったことにつながるのか……。

 

「僕にも覚悟はある。今からそれを、見せてあげるよ!未来への道標、それは闇照らす恵みの光!クロスライド!日輪の女神 アマテラス!!(11000)」

 

「……ここで、クロスライド」

 

「ソウルにCEOアマテラスがいるなら、常にパワーは13000となる!続けて、サイキック・バード(4000)をコールし、スキルで自身をソウルに入れ、1ドロー!」

 

ドローしたカードを見て、照山君は微笑を浮かべる。一体、何をドローしたというのか。

 

「……運がいいよ。僕の覚悟に応えてくれたのかもしれないね……コール!サイレント・トム!(8000)さらにダークキャット!(7000)」

 

「……!」

 

運がいいとしかいいようがない。このトムは、3枚目だ。デッキに4枚入れていると考えても、残り何十枚もあるデッキからドローしたとなると、相当の運だ。

 

「ダークキャットのスキル。もう言わなくてもわかると思うけど……ドローする?」

 

「……するよ」

 

「じゃあ僕もドローして……ダークキャットのブースト、スサノオで左のバーニングホーンにアタック!カード名にアマテラスを含むヴァンガードがいるから、パワープラス3000!(19000)」

 

「……ノーガード」

 

「ダークキャットのブースト、日輪の女神 アマテラスでヴァンガードにアタック!(20000)」

 

「……こっちも、ノーガード」

 

ドライブチェックでは、ドリームイーターとCEOアマテラスが出る。ドリームイーターはドロートリガー。よって1枚ドローされ、パワーがサイレント・トムに与えられた(13000)。

 

「ダメージチェック……ドラゴンモンク ゲンジョウ。ヒールトリガー……だけど」

 

ダメージは向こうの方が多い。回復はできず、パワーがジ・エンドに与えられるだけとなった(16000)。

 

「アマテラスのアタックヒット……これにより、日輪の女神 アマテラスのリミットブレイク発動!CB2、デッキからオラクルシンクタンクのカードを1枚手札に!」

 

照山君はバトルシスター しょこらを手札に加える。これで次のターン、1回は完全ガードで確実に防がれる……。

 

「サヨリヒメのブースト、トムでヴァンガードにアタック!スキルでグレード0ではガードできない!(20000)」

 

「……バーニングホーンで、インターセプト!」

 

「ターンエンド」

 

 

ワタル:ダメージ5(裏4) シュンキ:ダメージ5(裏2)

 

 

「……俺のターン、スタンドアンドドロー。ライドなし。バーサークドラゴンを前列に移動し、その後ろに封竜カルゼ(7000)をコール。スキルで手札1枚を捨てて1ドロー」

 

「……僕だって、最初は弱かった。誰だって、最初は1からスタートするものさ」

 

と、再び話に戻る。俺はファイトを一旦中断し、そちらに意識を向ける。

 

「けど、そんな僕にチームに入ってほしいと誘われてさ。しかも、ちょうど君のようなポジション……控えだった」

 

「チームって……」

 

「昔の話さ。今はまた別のチームにいるけど……昔いたチームは、メンバーが多くてね。6人でチームを組んでたんだ」

 

6人って、相当な人数な気がするんだけど……。

 

「だからまぁ……ファイトごとにランダムにメンバーを決めていたんだよ。だから、弱い僕も、ファイトの機会は多かった」

 

「…………」

 

「そんな環境にいたから、よく分かる。弱い僕が、チームに迷惑をかけないために、自分の力で勝たないといけない。負けられないっていう、強い信念……覚悟を持つことが必要なんだって」

 

「…………」

 

「驚いたよ。そう思うだけで、ファイトの腕って上達するものなんだね。経験とかも必要かもしれないけど、一番上達を助けてくれたのは、やっぱり覚悟だ」

 

「…………」

 

「これくらいにしよう。話はまた次のターンに。さぁ、君のターンだ」

 

話を区切り、ファイトへと戻る。カルゼをコールし、カードチェンジしたところで終わっていたはずだ。

 

「……ベリコウスティドラゴン(9000)をコール。そのままトムにアタック(9000)」

 

「ドリームイーターでガード」

 

「ゴジョー、ブースト……ジ・エンド!ヴァンガードにアタック!(20000)」

 

「しょこらで完全ガード。コストは……CEOアマテラス」

 

「ツインドライブ……1枚目、ブルーレイ・ドラゴキッド。ゲット、クリティカルトリガー!効果は全てバーサークへ(14000 ☆2)2枚目……ドーントレスドライブ・ドラゴン」

 

アマテラスのスキルで加わったしょこらが大きく影響している。もし、それがなかったら、もう少し手札を使わせることができただろうか?

 

「……カルゼのブースト、バーサークでアタック!(21000 ☆2)」

 

「ロゼンジ・メイガス、ドリームイーターでガード」

 

「……ターンエンド」

 

 

ワタル:ダメージ5(裏4) シュンキ:ダメージ5(裏2)

 

 

「僕のターン、スタンドアンドドロー。……長話にもそろそろ飽きてきたでしょ?だから……このターンで終わらせよう。このファイトを」

 

「……っ!」

 

俺の驚きとは裏腹に、照山君は静かに、ターンを進めようとしている。

長いファイトの終わりは、もうすぐそこまで迫っていた……。

 

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