つながり ~君は1人じゃない~   作:ティア

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ride4 出会いは新たなる出会いを呼ぶ

「じゃ、早速ファイトを始めるっス」

 

「う……うん」

 

サンシャインにいきなり現れた青年、佐原トウジ。私はその人とファイトすることになってしまった。

別にファイトする分には文句はない。むしろ大歓迎だ。

だが、彼は強いファイターを探しているみたいで……ヴァンガードを再開したばかりの私が、彼が望む程の強さを持っているとは思わないから、不安なのだ。

 

「さ、デッキカットお願いするっス」

 

「は、はい」

 

お互いにデッキを交換し、シャッフルする。

 

(さて……対戦相手の彼女……どれほどの腕か見せて貰うっスよ)

 

トウジはシオリの実力に注目していた。店長が言う程なのだから、まぁある程度は強いのだろうと判断する。

 

「準備はいいっスか?」

 

「はい、いつでも」

 

互いにファーストヴァンガードに手をかける。

 

「「スタンドアップ!!「ザ」ヴァンガード!!」」

 

「私は、小さな拳士 クロン!(4000)」

 

「デスアーミー・ポーン!(5000)」

 

トウジの使うクランはノヴァグラップラー。リアガードをスタンドし、連続アタックをかけるのが得意なクランだ。

 

「さぁどっちが勝つかな?楽しみだ!」

 

ワタルは、このファイトを観戦するようである。

 

「じゃあ私のターンから、ドロー。美技の騎士 ガレス(8000)にライド!クロンは後ろへ。ターンエンド」

 

「俺のターン、ドローしてライド!叫んで踊れる実況シャウト!(7000)ポーンは後ろに。ブーストでアタックっス!(12000)」

 

「ノーガード」

 

「ドライブチェック、デスアーミー・ガイ」

 

「ダメージチェック……ディグニファイド・ゴールドドラゴン」

 

「ターンエンド」

 

 

シオリ:ダメージ1 トウジ:ダメージ0

 

 

(スタンドアップにtheをつける……the族っスか。アニメのキャラに影響受けたとかならわかるっスけど……)

 

「私のターン、ドロー……ライド!沈黙の解放者 ギャラティン!(10000)さらに左右にズームダウン・イーグル(8000)をコール。右のイーグルで、シャウトをアタック!(8000)」

 

「ガード!ザ・ゴングっス!」

 

「左のイーグルでアタック!」

 

トウジはノーガード。ダメージにはデスアーミー・ナイトが入る。

 

「クロンでブースト!ギャラティンでアタック!ドライブチェック……王道の解放者 ファロン」

 

「ダメージ……ツイン・ブレーダー」

 

「じゃあターンエンドで」

 

 

シオリ:ダメージ1 トウジ:ダメージ2

 

 

まだどちらも目立った動きはしていない。そろそろ動きがあってもよさそうだ。

 

「俺のターン!スタンドアンドドロー。ライド!デスアーミー・ルーク!(10000)さらにコール!デスアーミー・レディ(9000)と、デスアーミー・ガイ(7000)っス。その2体でアタック!(16000)」

 

「イーグルで『インターセプト』!」

 

グレード2には、前列からガードすることが出来る『インターセプト』というスキルがある。さらにイーグルには……

 

「イーグルのスキル、インターセプトした時、シールドプラス5000!」

 

「10000ガードっスか、なら!ポーンでブースト、ルークでアタック!(15000)ドライブチェック……おっ!ラッキーっスね!獣神 エシックス・バスター」

 

「グレード3……」

 

「トリガーはないッスけど、グレード3のユニットだから、レディとガイのスキル発動!自身をスタンドするッス!」

 

レディとガイは、グレード3がドライブチェックで出た時、スタンドするスキルがある。

だが、このファイトを見ていたワタルは、別のところに目が行っていた。

 

「エシックス・バスター!?このデッキは、デスアーミーじゃないの!?」

 

「……ん?もちろんデスアーミーっスけど……ただ、エシックスのスキルがデスアーミーと相性がよかったから入れてるだけで」

 

デスアーミーと言われても、ガイとレディしか思いつかないシオリに対し、そこに獣神という知らないユニットが出て来たため、話についていけない。

 

「あの……ダメージは、ぽめるがる・解放者でトリガーはないけど……」

 

「あっ、中断して悪かったっス。それじゃ、再びガイでブースト、レディでアタック!(16000)」

 

「……霊薬の解放者でガード!」

 

「これでエンドっス。次はそちらのターンっスよ」

 

 

シオリ:ダメージ2 トウジ:ダメージ2

 

 

「私のターン、スタンドアンドドロー。世界の平和を願いし王よ!未来を導く光となれ!ライド・ザ・ヴァンガード!!円卓の解放者 アルフレッド!!(11000)」

 

アルフレッドにライド成功。シオリは少し安心する。

 

「さらに王道の解放者 ファロン(9000)をコール。イーグルの後ろへ小さな解放者 マロン(7000)をコール」

 

解放者が集い始め、リミットブレイクの準備を進める。

 

「ファロンでルークをアタック!スキルで解放者のヴァンガードがいるから、パワープラス3000!(12000)」

 

「ここはシャウトでガード!」

 

「く……。次はクロンのブースト、アルフレッドでアタック!(15000)ドライブチェック!1枚目、未来の解放者 リュー。……2枚目、運命の解放者。ゲット!スタンドトリガー!効果は全てファロンへ!(14000)」

 

これでファロンはもう1度アタック出来る。

 

「ダメージチェック、ザ・ゴング。ドロートリガーっスね。1枚引いてパワーはルークへ。(15000)」

 

「なら、ファロンでレディをアタック!再びスキルでパワープラス3000!(17000)」

 

「ここは……ノーガードっスね」

 

「マロンのブースト、イーグルでアタック!(15000)」

 

「通すっス。ダメージは……エシックス・バスター。トリガーなし」

 

「じゃあこれでターンエンド」

 

 

シオリ:ダメージ2 トウジ:ダメージ4

 

 

これで、トウジのダメージは4。リミットブレイクを発動できるようになる。

 

「行くっス!スタンドアンドドロー!ライド!獣神エシックス・バスター!!(11000)」

 

トウジは、先ほどのデスアーミーとは全く異なる姿をしたユニットにライドした。

 

「ガイの前に再びデスアーミー・レディ!(9000)さらにエシックス・バスター(11000)、バトルライザー(3000)をコール!」

 

「バトルライザー……」

 

「まずはガイのブーストで、レディ!アルフレッドにアタック!(16000)」

 

「イーグルでインターセプト、再びスキルでシールドプラス5000!」

 

なかなか重宝するな。このスキル。

 

「続けて、ポーンのブースト、エシックス!アルフレッドを!エシックスのスキルでパワープラス2000!(18000)……まぁ、今は増えても関係ないっスけど」

 

「ノーガードするよ」

 

「じゃあドライブチェック、1枚目、ターボライザー。スタンドトリガー!効果は全てレディへ!(14000)」

 

ターボライザー……じゃあやっぱりこれは………

 

「……このデッキ、スタンド重視のデッキ……?」

 

「ご名答。よくわかったっスね。バトルライザーとターボライザーのスキルを使って、デッキにトリガーを戻し、何度もトリガーが発動するようにする。これがこのデッキの戦い方っスよ!」

 

バトルライザーとターボライザーは、リアガードをブーストしたターン終了時、スタンドトリガーである自身をデッキに戻すことが出来る。

トリガーがデッキに戻れば、トリガーが発動しやすくなり、終盤で有利になる。

また、戻すためにコールしなくても、シールドは10000あるため、攻めも守りも使い分けることが出来るのだ。

 

(けど、初心者にしては、カードに詳しい……。飲み込みが早いのか、それとも元々知識があったか……?)

 

「あの、2枚目のチェック残ってるよ」

 

「あっ、すまないっス!2枚目、ウォールボーイ。ヒールトリガーっス!ダメージを1枚回復し、パワーはエシックス・バスターへ!(16000)」

 

ここでヒールトリガーを引いてくるんだね……。

 

「ダメージチェック……円卓の解放者 アルフレッド」

 

「レディでファロンをアタック!(14000」

 

「運命の解放者でガード!」

 

「なら、バトルライザーのブースト、リアガードのエシックス・バスターで、アルフレッドをアタック!バトルライザーのスキルで、ブーストした時、パワープラス3000!(22000)」

 

「ノーガード。ダメージチェック……小さな解放者 マロン」

 

「ターンエンド。バトルライザーはスキルを発動すれば、デッキに戻してシャッフル」

 

 

シオリ:ダメージ4 トウジ:ダメージ3

 

 

ダメージは負けているが、これはシオリの想定内。なぜなら…………。

 

「……これで、リミットブレイクが打てる!スタンドアンドドロー!まずはクロンのスキル!CB1、自身をソウルに。デッキ上5枚見て……あった!アルフレッドを手札に!」

 

「成功したっスか」

 

「さらにアルフレッドのスキル!CB2、スペリオルコール!武装の解放者 グイディオン!(5000)」

 

アルフレッドのスキルは、デッキトップのユニットをコールするという不確定なものなので、トリガーユニットが出てしまうことがある。だが、解放者が増えたことに変わりはない。

 

「手札からアルフレッドをマロンの前、リューをヴァンガードの後ろにコール!そして、アルフレッドのリミットブレイク!解放者のリアガードは5体、フルパワー!パワープラス10000!!(21000)」

 

アルフレッドが最高パワーとなり、攻撃が開始される。

 

「まずはファロン、グイディオンのブーストをつけて、ヴァンガードをアタック!スキルでパワープラス3000!(17000)」

 

「ウォールボーイでガードっス!」

 

「次はアルフレッドでアタック!ブーストしたリューのスキルで、解放者のリアガードが他に3体以上いるからパワープラス4000!(31000)」

 

「そんなの……無理っス。ノーガードで」

 

「ドライブチェック!……1枚目、ギャラティン……2枚目、猛撃の解放者。ゲット!クリティカルトリガー!!パワーはリアガードのアルフレッド、(16000)クリティカルはヴァンガードへ!」

 

「2ダメージっスか……ダメージ!1枚目はザ・ゴング!ドロートリガーっス!1枚ドローし、ヴァンガードにパワーを!(16000)2枚目は……バトルライザー、スタンドトリガー!」

 

「……っ!ダブルトリガー!?」

 

「パワーはヴァンガード(21000)、リアガードのエシックス・バスターをスタンド」

 

さっき戻したバトルライザーかはわからないが、トリガーをデッキに戻すと言うことは、ダメージトリガーが発動しやすくなるでもある。

 

「……まだ!マロン、ブースト……アルフレッド!リアガードのエシックス・バスターをアタック!(23000)」

 

「おっと、リアガードっスか。まぁ、今の状況ならそっちの方が妥当っスね。ノーガード」

 

(切り替えが早い………普通なら、ダメージ5で追い詰めているところ……ヴァンガードにアタックして押しきろうと考える場面なのに、リアガードを狙って来た……)

 

トウジは、シオリのプレイングに、初心者とは思えないような何かを、感じとっていた。

 

(俺でもリアガードを狙うことはしないと思う……。彼女、相当な強さを持ってる……成長次第では、全国とも対等に渡りあえるような……そんな強さを……)

 

「ターンエンドだよ」

 

 

シオリ:ダメージ4(裏3) トウジ:ダメージ5

 

 

と、ここでトウジは一旦考えることをやめ、ファイトの方に専念する。

 

「じゃあ、スタンドアンドドロー!……宿す感情は欲望のみ、敵も味方も蝕み、強大な力をこの手に!『ブレイクライド』!!夢幻侵食体 デスアーミー・コスモロード!!(10000)」

 

「来た!デスアーミーのエースユニット!!」

 

ワタルはカードの方に気が行っていた。一方トウジは、

 

「……ふっ、決まった!」

 

超ドヤ顔。周りから見て、ウゼェ……と思う程に。そんな中、シオリはと言うと……。

 

「……えっと、『ブレイクライド』って何ですか……?」

 

一瞬沈黙、そして、

 

「いやいやいや!他は!?決めゼリフのことについてとかはどうだったんスか!?」

 

「あ、いや、よかったよ。でも今はブレイクライドの効果について説明してほしくて……」

 

つまり、トウジの自信タップリのライド口上は、ブレイクライド以下ということが間接的に伝わった。

 

「……まぁ、わかったっス。ブレイクライドは、ダメージ4枚以上の時に、同クランのユニットにライドされると発動するスキルっス。ブレイクライドは、まずヴァンガードにこのターン中、パワーを10000与えて、さらに各ユニットごとに決められたスキルを与えるっス」

 

「パワー10000!?それにスキルまで……」

 

「エシックス・バスターの場合は、ヴァンガードがアタックした時、前列2体のリアガードをスタンドさせることが出来るっスよ!」

 

これがブレイクライド……。私も使ってみたいかな。

 

「さぁ、まずはコスモロードのスキル!リアガードを2体レストして、パワープラス5000!(25000)レディとポーンを指定!さらにポーンのスキルで、他のリアガードをレストすれば、パワープラス2000(7000)ガイを指定するっス」

 

この時、シオリは不審に思っていた。

エシックスのスキルで前列がスタンドするのはわかっている。なのに、スタンドしない後列をレストするのは不思議だったからだ。

 

「さらにデスアーミー・ナイト(9000)、デスアーミー・ビショップ(7000)をコール!ナイトのスキルで、ガイ、レディをスタンド!コスモロードのスキルで、ガイとレディをレスト!そこからナイトとビショップをレスト!パワープラス10000!(35000)」

 

リアガードがスタンドしたかと思ったら、またレストしてパワーを高めていく……。一体何を狙って……?

 

「ビショップのスキル!CB1で、ガイとレディをスタンド!コスモロードのスキルでガイとレディをレストし、パワープラス5000!(40000)」

 

パワー40000。シオリにとっては桁違いなパワーだった。

 

「準備は整った……!ここで、コスモロードのリミットブレイク!CB2で、リアガードを全てスタンド!さらに4体以上スタンドしたから、クリティカルプラス1!」

 

「だから後列のリアガードもレストして……!」

 

「ダメ押しのコスモロードのスキル!前列2体レストで、パワープラス5000!(45000)ポーン、ブースト……コスモロードで、アルフレッドをアタック!!(52000 ☆2)」

 

「……防げない。防げたところで……!」

 

ブレイクライドスキルで、コスモロードのスキルでレストした前列の2体はスタンドしている。つまり、後2回アタックが来る。

 

「ノーガード……だね」

 

シオリの6ダメージ目はトリガーではなく、トウジの勝利となった。

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

「……私の負けです」

 

「惜しかったっスけどね。けど、なかなか強かったっスよ。あそこで決められなかったら、どうなっていたか……」

 

実際、それは事実だった。もし、シオリにターンが回って来ていたとしたら、トウジのターンにまで回って来るかはわからなかった。

 

「ところで、お名前何て言うんスか?自分だけ名乗っておいて、そっちの名前知らないなんてね……」

 

「シオリです。星野シオリ」

 

「星野さんっスか。うん、いい名前っスね。覚えておくっスよ」

 

そう言うと佐原君は、すぐにショップを出ていった。

 

「何だったんだろうな?彼……」

 

「俺に聞かれても困るって、おじさん」

 

「でも……強かったな。また、ファイトできるといいな……」

 

そんなシオリの願いは、思いの他、すぐに叶うことになるのだが、そんなことをまだシオリは知らない……。

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

「……見つかったっスよ。有力な人」

 

サンシャインを出た後、トウジは、ある人に電話をかけていた。

 

『本当に!?誰なの!?』

 

「星野シオリっていう人なんスけど……」

 

『星野……?確かそんな名前の生徒、私のクラスにいたような……?』

 

「えっ、マジっスか!?」

 

トウジとある人との通話の中には、度々シオリの名前が出ている。

 

「で、その星野さん。ヴァンガードの腕は初心者らしいんスけど、俺がファイトしてみて、そうは感じなかった……。俺ももう少しで負けそうになったっスから」

 

『トウジが負けそうに!?……確かに、相当な強さみたいね』

 

「どうッスか?」

 

すると、トウジの話している相手は、しばらく考えた後、

 

『……そうね。星野さんに決まり。ただ……』

 

「ただ?」

 

『私も直接確かめる必要がある。彼女の強さを。話はそれからでも遅くない』

 

「……なら、後はそっちに任せるっスよ」

 

トウジは通話を終え、電話をポケットにしまう。

 

「さて……もう少しっスね。もう少しで……!」

 

トウジとの出会いは、また新たな出会いを、シオリにもたらそうとしていた…………。

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