舞台は大海原。波が荒れ、空には雲が立ち込める。
「バブルエッジ・ドラゴキッド!(5000)」
「幼き黒竜 ヴォーティマー!(4000)」
絶渦繚乱で強化した私のデッキ……今のベストをぶつけるためには、最善のデッキだ。
「私のターン、ドロー!ホイール・アサルト(7000)にライド!バブルエッジは左後ろへ。ターンエンド!」
バブルエッジは一旦海の中に潜り、その場所からホイール・アサルトが現れる。海の艦隊であるアクアフォースのユニットのため、何事もなく海面に立つことができていた。
「俺のターン、ドロー!タツヤさんが見てるからな。絶対に勝ってやるぜ!」
「あら、私も負ける気はないわよ。色々と託されてるから」
「負ける気がないのはわかってますって!その想いを上回り、自分の想いを貫いて勝つ!それって、何か格好よくない?」
なら、私も格好よくなってみようかしら。あなたの言う、自分の想いを貫き通してね!
「ライド!漆黒の先駆け ヴォーティマー!(7000)」
彼はゴールドパラディンね。でも、シオリさんと違って、解放者じゃない。彼の使うのは……。
「ソウルに幼き黒竜 ヴォーティマーがいるなら、常にパワー8000!さらに、漆黒の先駆けにライドされたことで、幼き黒竜のスキル発動!」
海の上に登場した足場に降り立つヴォーティマー。曲刀を持った竜の子は、1枚のカードを生成する。
「デッキの上から7枚見て……黒竜の騎士 ヴォーティマーを手札に加える!」
安定してライドが行える連携ライド。しかも、この連携ライドの最終形態であるスペクトラルデューク・ドラゴンは、ゴールドパラディンには珍しいスキルを持つことで有名だ。
「続けて、聖斧の奏者 ニムエ(7000)をコール!ニムエのブースト、漆黒のヴォーティマーでアタック!(15000)」
ニムエは音による援護を行い、ヴォーティマーが跳躍してホイールに迫る。
「ノーガードよ!」
「ドライブチェック、黒鎖の進撃 カエダン」
切りつけられたホイールは、しぶきを上げて海面に倒れこむ。
「ダメージチェック、ストームライダー ダモンよ」
「ターンエンドだ!」
リサ:ダメージ1 ヒロム:ダメージ0
「私のターン、スタンドアンドドロー!ストームライダー バシル(8000)にライド!」
ホイールの代わりにバシルがヴァンガードに。攻撃していたヴォーティマーは、ちょうどその時足場に戻る。
「ん?パワーの低いユニットにライド?」
「問題ないわよ。遊撃のブレイブ・シューター(7000)と、タイダル・アサルト(9000)をコール!」
「タイダル……確かそいつって!?」
わかってるなら話が早いわね。このユニットには極力ライドしたくはなかったから、バシルにライドするしかなかったのよ。
「バブルエッジのブースト、ブレイブ・シューターでアタック!ブレイブ・シューターのスキル、アタックした時、レストしたリアガードが2体以下ならパワープラス3000よ!(15000)」
「おっと、サイレント・パニッシャーでガードするぜ!」
ブレイブ・シューターの銃弾は、サイレント・パニッシャーが剣を十字に構えてガードする。
「なら、バシルでアタックよ!(8000) ドライブチェック、ティア―ナイト キブロス」
「ダメージチェック、希望の解放者 エポナ。やったぜ、クリティカルトリガー!効果は全てヴォーティマーに!(13000 ☆2) これでタイダル・アサルトのアタックは通らない!」
MFSの映像でも、タイダル・アサルトが攻撃をためらっている。なら、次のターンまで我慢よ。
「ターンエンド」
リサ:ダメージ1 ヒロム:ダメージ1
「よっしゃ、ここからがお楽しみの始まりだ!俺のターン、スタンドアンドドロー!」
お楽しみというのは……あれのことを言ってるのかしら?
「ライド!黒竜の騎士 ヴォーティマー!(9000)」
ヴォーティマーの姿が、一段と大人びる。グレード0の時みたいな幼さは、もう残っていない。
「ソウルに漆黒の先駆けがいることで、常にパワー10000!さらに漆黒の先駆けは、黒竜の騎士にライドされたことでスキル発動!俺のリアガードを1体退却することで、デッキの上2枚のカードをスペリオルコールする!」
ニムエが黒竜の騎士の槍に貫かれ、光となって槍に宿る。その槍を振りかざすと、周囲に新たなるユニットが登場した。
「……いい感じだ。俺はロップイヤー・シューター(9000)と、ブラックメイン・ウィッチ(6000)をスペリオルコール!」
シャドウパラディンを彷彿とさせるコストなのに、やっていることはゴールドパラディンの得意とするデッキからのコール……。
しかも、コールされたのがあの2体なら、まだこの流れは続いていく。
「ロップイヤーのスキル!デッキからコールされた時、俺は手札を1枚捨てることで、デッキの上から3枚見て……もう1体ロップイヤー・シューター(9000)をスペリオルコール!」
ロップイヤーの隣にサークルが出現し、そこから新たなロップイヤーがコールされる。が、コールされたのがロップイヤーということは……もう1度だ。
「こっちのロップイヤーもスキル発動!デッキの上3枚から……スペクトラルデューク・ドラゴン(10000)をスペリオルコール!」
ロップイヤーの後方に、ハルバードを携えた黒い竜、スペクトラルデューク・ドラゴンがコールされる。まだグレード2なのに、もうグレード3がフィールドに姿を見せていた。
これで1体のリアガードが、4体に増えたことになる。払ったコストは、手札2枚。損失はほとんどない。
「あなたがいい感じだというのがわかった気がするわ」
「そうだろ?けど、まだスキルは残ってる。ブラックメインのスキル!スペクトラルの前のロップイヤーを退却させ、新しいユニットをデッキトップから呼ぶ!」
ロップイヤーに杖を向け、謎の光線を当てるブラックメイン。その姿は煙に包まれ、次に現れたのは……。
「ナイスだぜ。黒鎖の進撃 カエダン(7000)をスペリオルコール!」
グレード1のユニット、カエダン。全く違うユニットへと、ロップイヤーは変わってしまった。
「今日は絶好調だな!ここまでコンボが決まるとは思ってなかった!」
「ここまでリアガードをそろえるなんて、大したものね」
「へへっ!俺はカエダンとスペクトラルデュークの位置を入れ替えて、ブラックメインのブースト、ロップイヤーでアタック!(15000)」
「スーパーソニック・セイラーでガード!」
笛の音色によって、ロップイヤーは魅了されてしまう。その間に、バシルはロップイヤーを海へと蹴飛ばした。
「ヴォーティマーのアタック!(10000) ドライブチェック、漆黒の先駆け ヴォーティマー」
「ダメージチェック、戦場の歌姫 マリカ。ゲット!ドロートリガー!1枚ドローして、パワーはバシルへ!(13000)」
パワーが低いバシルにとっては、ダメージトリガーは助かる。
「カエダンのブースト、スペクトラルデュークでタイダル・アサルトにアタック!(17000)」
「そっちを狙うのね。ジェットスキー・ライダーでガード!」
タイダル・アサルトに振り下ろされたハルバードは、ジェットスキー・ライダーがタイダルを乗せてその場を急速で離脱することで免れた。
「こんだけコールしても1ダメージだけか。ターンエンド!」
リサ:ダメージ2 ヒロム:ダメージ1
「私のターン、スタンドアンドドロー。荒れ狂う海原に今、鎮めの鎖を打て!ライド、蒼翔竜 トランスコア・ドラゴン!!(11000)」
海に大きな渦が出現し、そこから巨大な錨を持ったトランスコア・ドラゴンが浮上する。
「タイダル・アサルトの後ろに、ティア―ナイト キブロス(7000)をコール!バブルエッジのブースト、ブレイブ・シューターでアタック!今回もレストしたリアガードが2体以下だから、パワープラス3000!(15000)」
「ノーガード!ダメージチェック、聖弓の奏者 ヴィヴィアン」
今度はブレイブ・シューターの銃弾がヴァンガードを捉える。問題なくダメージだ。
「トランスコアでアタック!スキルでパワープラス2000!(13000)」
「ノーガードするぜ」
「ツインドライブ。1枚目、翠玉の盾 パスカリス。2枚目、虹色秘薬の医療士官。ゲット!ヒールトリガー!ダメージを1枚回復、パワーはタイダルへ!(14000)」
トランスコアが錨を投げつけて攻撃する。ヴォーティマーは避けられずに、直撃をくらってしまう。
「ダメージチェック、黒竜の騎士 ヴォーティマー」
「さっき何もできなかった分、暴れさせてもらうわ!タイダル単体でアタック!(14000)」
「漆黒の先駆け ヴォーティマーでガード!」
タイダルが右手の剣で切りつける。このアタックに対し、ヴォーティマーをヴォーティマーがガードする。……変な構図だけど。
でも、ここからがタイダルの真骨頂よ!
「タイダルのスキル発動!パワーを5000下げて、ターンに1回スタンドするわ!(9000)」
アクアフォースにおいて、連続したアタックは重要な意味を持つ。指定された回数のアタックで力を発揮するユニットが数多く存在するからだ。
このタイダル・アサルトは、1体で2回のアタックを可能にしたユニット。パワーが減るリスクはあるが、アタック回数自体が意味を持つこのクランにとっては、何の問題もない。
が、普通に使う分にも、このタイダル・アサルトはかなりのプレッシャーを与えることができる。
「キブロスのブースト、スタンドしたタイダルでアタック!(16000)」
「く……ノーガード!ダメージチェック、エリクサー・ソムリエ。ヒールトリガー!ダメージを回復して、パワーはヴォーティマーへ!」
左手の剣で切りつけた攻撃は、ヴォーティマーに命中する。だが、即座にエリクサーが駆けつけ、傷口を癒す。
「ターンエンドよ」
リサ:ダメージ1 ヒロム:ダメージ3
「俺のターン、スタンドアンドドロー!ここは、こいつだな。ライド!剛槍の解放者 ブレオベリス!(11000)」
ヴォーティマーから、鈍重な鎧と槍を持った騎士、ブレオベリスに変化する。
「ガンスロッドとは違ったブレイクライドのユニットね」
どちらもブレイクライドを持つユニットにライドして、ファイトを進めている。どちらも切り札を温存し、勝負を決める一瞬を待っている。
その時というのは……ブレイクライドが発動できる、ダメージ4の時だ。
「コールはなし。そのままブレオベリスでアタック!スキルでパワープラス2000!(13000)」
「虹色秘薬の医療士官でガード!」
薬品を海に投擲し、爆発によるしぶきで進路を防ぐ。ブレオベリスは後続に任せて後ろに下がった。
「ツインドライブ!1枚目、聖斧の奏者 ニムエ。2枚目、聖弓の奏者 ヴィヴィアン。どっちもトリガーなしか。なら次だ。ブラックメイン・ウィッチのブースト、ロップイヤー・シューターで、タイダルにアタック!(15000)」
「スーパーソニック・セイラーでガード!こんな使い勝手のいいユニット、そう簡単にはやらせないわよ!」
「カエダンのブースト、スペクトラルデュークでアタック!(17000)」
今度はヴァンガードを狙ってきた。私はこれをノーガードする。
「ダメージチェック、蒼翔竜 トランスコア・ドラゴンね」
「カエダンのスキル、ブーストしたアタックがヴァンガードにヒットした時、CB1してブラックメイン・ウィッチを退却することで、デッキトップのカードをレストでコールできる。……やったぜ!ブラックメイン・ウィッチ(6000)をスペリオルコールだ!」
まずい。場合によってはもう1回アタックが来る。
「ブラックメインのスキルで、俺はスペクトラルデュークを退却。デッキの上のカードは……剛槍の解放者 ブレオベリス(11000)!」
「く……これじゃあ……!」
「コールしたブレオベリスで、タイダル・アサルトにアタック!(11000)」
「……仕方ないわね。ノーガード!」
タイダルが槍に貫かれ、退却する。手札を考えると、ガードに使うだけの手札があまりない。
「ターンエンドだな!」
リサ:ダメージ2 ヒロム:ダメージ3(裏1)
*****
私と最上君とのファイト。舞台は闘技場だ。
「解放者 チア―アップ・トランぺッター!(5000)」
「魁の撃退者 クローダス!(5000)」
シャドウパラディン……。クランは前と変わってないけど……。
「この前とデッキが違う……」
「あれは昔のデッキを改造したものだ。今使ってる本来のデッキは、この撃退者だ」
現環境でもトップクラスのデッキだ。そして使い手が使い手だから……。
「鬼に金棒だね……」
「俺は鬼なのか」
「今の私からしたら、そう見えるよ」
「……そうか」
今までのファイトとは次元が違うからね。かなりの強敵となりそうだ。
「なら、同じノスタルジア同士だ。アクセルリンクは、惜しみなく使わせてもらおう」
瞳の色が金色に変わっている。最初から飛ばしていくつもりだ。
「それでも引かないよ。今の私にできることを、全力でする!ただそれだけだ!!」
「そうか。なら見せてみろ。あんたの全力とやらをな」
「言われなくても!私のターン、ドロー!小さな解放者 マロン(7000)にライド1チア―アップは後ろへ。ターンエンド!」
クローダスの前に、マロンが魔導書を脇に抱えて現れる。チア―アップは後ろに下がり、トランペットを構えている。
「俺のターン……よし、問題なく見えるな。ドロー、撃退者 ダークボンド・トランぺッター(6000)にライド!クローダスは後ろへ移動する」
紫の髪を束ねた少女が、最上君のヴァンガードとして闘技場に立つ。
「続けて、無常の撃退者 マスカレード(7000)をコール。クローダスのブースト、ダークボンドでアタック!(11000)」
「ノーガード!」
「ドライブチェック、厳格なる撃退者。クリティカルトリガーだな」
早くもトリガーを……!
「パワーはマスカレード(12000) クリティカルはダークボンドに与える(11000 ☆2)」
ダークボンドがマロンにトランペットを吹いて攻撃する。風圧がマロンを襲い、怯んだ隙にクローダスがマロンに突きを入れる。
「ダメージチェック。1枚目、疾駆の解放者 ヨセフス。2枚目、王道の解放者 ファロン」
「マスカレードでアタック!スキルにより、撃退者と名の付くヴァンガードが存在することで、パワープラス3000!(15000)」
「……霊薬の解放者でガード!」
「ターンエンドだ」
シオリ:ダメージ2 ナツキ:ダメージ0
「私のターン、ドロー!」
参ったな。最初から一気に攻めてくる。気を抜けば、すぐにペースを持っていかれそうだ。今だって、危うく3ダメージ受けるところだったしね。
だから……少しでもくらいついて見せるんだ。最上君のファイトスタイルに!
「ライド・ザ・ヴァンガード!勇気の光を受けて輝く、黄金の剣を掲げし戦士!ブラスター・ブレード・解放者!!(9000)」
「……ほう」
マロンの足元のサークルから、溢れる光が解き放たれる。その輝きを切り裂いて現れたのは、ブラスター・ブレード。
「もう1体、ブラスター・ブレード・解放者(9000)をコール! さらに、ばーくがる・解放者(7000)もコールして……アタック行くよ!」
「来い。お前のアタック、見せてみろ」
「チア―アップのブースト、ブラスター・ブレードでアタック!(14000)」
「ノーガードだ」
「ドライブチェック……希望の解放者 エポナ。ゲット!クリティカルトリガー!!パワーはリアガードのブラスター・ブレード(14000) クリティカルはヴァンガードに!(14000 ☆2)」
ブラスター・ブレードが接近し、ダークボンドに2回剣を振るう。ノーガードしたからトリガーは出ないと思ってたけど、そうじゃないということは……。
「ダメージトリガー。ファーストチェック、黒衣の撃退者 タルトゥ。セカンドチェック、氷結の撃退者。ドロートリガーだ。1枚ドローし、パワーをダークボンドへ(11000)」
「ダメージに仕掛けが……。ドロートリガーを発動させるために、ノーガードしたんだね」
「さぁな?俺の狙いが本当にそれだけとは限らないぞ?」
まだ何かあるのかな……?あの瞳の輝きには、何が映っているんだろう?
「考えていてもわからない!ばーくがるのブースト、リアガードのブラスター・ブレードでアタック!対象はもちろん、ヴァンガードだよ!(21000)」
「多少手札は食うが……厳格なる撃退者、無常の撃退者 マスカレードでガードだ」
ブラスター・ブレードは後退し、相手の様子を伺うことに徹する。
「ターンエンド」
シオリ:ダメージ2 ナツキ:ダメージ2
「俺のターン、スタンドアンドドロー」
いつも以上に頭を使う……。何が見えているのかを予想しながらファイトしないといけないからね。
「行くぞ。血濡れし刃よ!うごめき、光を切り捨てろ!ライド・ザ・ヴァンガード!ブラスター・ダーク・撃退者!!(9000)」
ダークボンドの足元のサークルから、黒い闇の輝きが迸る。その闇を乱暴に振り払って、ブラスター・ダークが立ち上がる。
ブラスター・ブレードと、ブラスター・ダークか……。
「督戦の撃退者 ドリン(7000)、ブラスター・ダーク・撃退者(9000)をコール。ダークのスキルで、CB2、ブラスター・ブレードを退却!」
ダークが剣を地に突き刺すと、そこから衝撃波が生まれる。ブラスター・ブレードを捉え、戦場から跡形もなく消し去った。
「ブラスター・ブレードは退却するよ……」
「ドリンのスキル。同じ縦列にブラスター・ダーク・撃退者がコールされたことで、ダメージを1枚表にする」
実質1枚のダメージで、リアガードの退却を行うことができる。使い勝手はかなりいい。
けど、いいよなぁ。ブラスター・ダークにはあんなサポートカードがあるのに、ブラスター・ブレードにはそんなカードないからな……。
他のユニットでダメージは使うし、コストを回復するユニットがいてくれたらいいんだけど。何だか向こうは、優遇されている気がする……。
「マスカレードでアタック!撃退者のヴァンガードは変わらず存在!パワープラス3000!(10000)」
「ここは、ノーガード!ダメージチェック、未来の解放者 リュー」
「クローダスのブースト、ブラスター・ダークでブラスター・ブレードにアタック!(14000)」
「ここもノーガードだよ!」
2体の剣がぶつかり合う。互いに因縁のある戦いだ。
「ドライブチェック、虚空の撃退者 マスカレード」
「ダメージ……疾駆の解放者 ヨセフス」
ダークが一瞬の隙を突き、左肩に剣を振り下ろす。鎧が砕け、ブラスター・ブレードはその場にひざまずく。
それにしても……ヨセフスか。何となく、私は最上君が考えていたことがわかった。
「……さっきリアガードのアタックをガードしたのは、ばーくがるのスキルでヨセフスをコールさせないためだった。そうだよね?」
ばーくがるは、デッキの上から3枚見て、1体をコールできる。一方、ヨセフスはデッキからコールされると、SB1で1枚ドローできる。
最上君は手札を増やされたくなかったから、このような方法をとった。そういうことなのかもしれない。
「及第点、と言っておこう。単にドロートリガーを発動させるためなら、どちらもノーガードすればいいだけの話だからな」
やっぱり、私の予想で合ってたんだ。けど……どうも引っかかる部分がある。
もしそうだとしても、言ってしまえば高々1枚のためにあそこまでガードするかな?
ということは……。
「ドリンのブースト、ブラスター・ダークでアタック!(16000)」
「……ノーガード!ダメージチェック、狼牙の解放者 ガルモール」
もう1体のダークが追い打ちをかける。闘技場の床に、ブラスター・ブレードの血が滴る。
「ターンエンドだ」
シオリ:ダメージ5 ナツキ:ダメージ2(裏1)
「私のターン、スタンドアンドドロー。……っ!」
そういうことだったんだ。今度こそわかった。最上君の真の狙いが。
「なるほどね。最上君は、このカードを手札に加えさせないために、ヨセフスのコールを拒んだんだ」
「……そうか。さっきガードしなかったのは、俺の読みに気づいたからか」
ドローしたのは……光輪の解放者 マルク。どんなカードのアタックも通さない、完全ガードのユニット。
「おかしいと思ったんだ。いくらなんでも、手札1枚のために序盤からガードする必要がどこにあるんだろうって」
「それで、ドローするカードの方にからくりがあると踏んだのか」
「確証はなかったけどね」
ばーくがるのスキルで確認するカードは3枚。確認したカードはデッキの下に戻るため、その次のカードが妨害したいカードということになる。
なら、3回ダメージを受けることで、そのカードを手にすることができる。どちみち私のドライブチェックで手札に加わることにはなっていたけど、マルクはトリガーじゃない。
なら、少しでもトリガーを引く可能性に賭けた。
「これは……してやられたな」
「この前のように、ただあなたの策略に乗せられるだけじゃない!どんな策でも、抗って見せる!」
私だって、成長しているんだ。立っている土俵が違うからって、勝負を決めるなんて早すぎるよ!!