つながり ~君は1人じゃない~   作:ティア

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ride7 赤と蒼

私は全国を目指すことになった。森宮さんと佐原君、2人に誘われ、私は2人のチームに入ることになったからだ。

 

その傍ら、2人のファイターによるファイトが始まろうとしている。1人は森宮さん、もう1人は……小沢君。

なんだけど……。

 

「……あの、2人とも、もしかしてここでするの?」

 

今いる場所は体育館裏。地面にカードを置いてなら、ファイト出来ないこともないけど……そんなところでしようとは思わない。

 

「……リサさん、俺でも地面でファイトしようとは思わないっスよ」

 

「……わかってるわよ。もちろん場所は移動するわ」

 

「あー俺、ここでするのかと思ってたんだけど……」

 

「「「…………………」」」

 

小沢君……本当に?

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

で、私達はサンシャインに来た。

 

「……ワタルとあの女の子、一体何があったの?」

 

2人の尋常じゃない気迫を見て、店長が私に尋ねて来る。

 

「ちょっと色々あって……」

 

「実力を測るためのファイトっスよ」

 

「ん?君は……」

 

「佐原トウジっス。この前はお世話になったっスね」

 

「あぁ、あの時の!」

 

そう言っている間に、2人は手札の引き直しも終えてファイトを始めようとしていた。

 

「シオリさん、どうやら始まるみたいっスよ」

 

「そうみたい。じゃあ私達は観戦していようか」

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

「始めるわよ」

 

「いつでも!」

 

全国か……!目指したいとは思ってたけど、チームに入れて貰えるなんて!

……けど、早々に実力を見るためにファイトって……。まぁ、ファイト出来るから文句はないけど。

 

「「スタンドアップ!ヴァンガード!!」」

 

「リザードソルジャー コンロー!(5000)」

 

「士官候補生 エリック!(4000)」

 

アクアフォースか……。確か連続攻撃するクランだったはず。

 

「私のターンから、ドロー。アクセラレイテッド・コマンド(6000)にライド!エリックは後ろへ。ターンを終えるわ」

 

「俺のターン、ドロー!ドラゴンモンク ゴジョー(7000)にライド!コンローはそのまま後ろへ。続けて、希望の火 エルモ(6000)を右前、魔竜導師キンナラ(6000)を左前にコール!」

 

森宮さんのヴァンガードはパワーが低い。この隙に多くダメージを与える!

 

「エルモでアクセラレイテッドをアタック!(6000)」

 

「ノーガード。ダメージチェック……虹色秘薬の医療士官、ヒールトリガー!パワーはアクセラレイテッドへ。(11000)

 

「……なっ!」

 

これじゃあキンナラのアタックが通らない!……いや、まだトリガーが出る可能性がある。

 

「コンローのブースト、ゴジョーでアクセラレイテッドを!(12000)」

 

「バトルシップ・インテリジェンスでガード」

 

「ドライブチェック!……バーニングホーン・ドラゴン、トリガーなし……」

 

……トリガーさえ出ていなければ、次のキンナラのアタックはヒットしたかもしれないのに……。

 

「ターンエンド!」

 

まだ1ターンたっただけだ。気持ちを切り替えよう。

 

 

ワタル:ダメージ0 リサ:ダメージ1

 

 

「私のターン、ドロー。ストームライダー バシル(8000)にライド!ティアーナイト ラザロス(10000)をコール。さらにバシル(8000)をもう1体」

 

……?なんでラザロスにライドしなかったんだろう?バシルの方がパワーが低いのに……。

 

「ラザロスで、キンナラをアタック!(10000)」

 

「キンナラ!?……ノーガード」

 

「リアガードのバシルでエルモにアタック!エリックのブーストをつけるわ(8000)」

 

「……また、リアガードを」

 

俺の手札は、グレード2か3のカードしかない。このアタックをガードすることは……。

 

「……ノーガードするよ」

 

「ヴァンガードのバシル、ゴジョーへ!(12000)」

 

「ノーガード!」

 

「ドライブチェック、バトルシップ・インテリジェンスね。クリティカルトリガー!効果はバシル!(17000 ☆2)」

 

くそ……!しかも、ドライブチェックできっちりクリティカルトリガー引いて来たし……!

俺のダメージにはワイバーンガード バリィと、ドラゴニック・オーバーロードが入る。

 

「……ターンエンド」

 

 

ワタル:ダメージ2 リサ:ダメージ1

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

「……ねぇ、佐原君。どうして森宮さんはラザロスじゃなくてバシルにライドしたの?」

 

「あれは……リサさんの作戦っスね」

 

「……どういうこと?」

 

「低めのパワーのユニットにライドする、それはすなわち、相手のアタックを通しやすくすることになる。……ここまではいいっスか?」

 

「うん」

 

「リサさんはそのことを逆に利用して、低いパワーのユニットにアタックを多くヒットさせようとコールしたユニットを、次のターンで倒していくつもりなんスよ」

 

「……え~っと、要するに?」

 

「相手に手札を使わせること……っスかね?」

 

パワーの高いユニットを相手に、序盤からリアガードを展開しようとは思わないが、低いユニットが相手なら、パワーの低いユニットを展開してまでもダメージを与えるだろう。

森宮さんは、その思考を利用し、わざとパワーが低いユニットにライドしておくことで、展開したリアガードを次の自分のターンで倒す。それは間接的に、相手に手札を使わせることにもなる。

 

「……まぁ、小沢君がそれに対抗できることが、このファイトの中でまずしないといけないことっスね」

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

「……ライド!ドラゴンナイト ネハーレン!(10000)」

 

森宮さんがなんでバシルをヴァンガードにしたかは知らないけど、さっきと同じくチャンスだ。

 

「コール!バーニングホーン・ドラゴン、(9000) ベリコウスティドラゴン!(9000) ベリコウスティで、ヴァンガードをアタック!(9000)」

 

「ダメージチェック。輝石通信のラッコ兵、ゲット、ドロートリガー!パワーはリアガードのバシルへ。(13000)1枚ドローするわ」

 

せっかくのダメージトリガーの効果を、リアガードのバシルへ?

 

「ネハーレン、コンローのブーストで、ヴァンガードをアタック!(15000) ドライブチェック!槍の化身ター、クリティカルトリガー!パワーはバーニングホーン、クリティカルはネハーレンへ!」

 

「ダメージチェック、1枚目、ティアーナイト キプロス。2枚目、翠玉の盾 パスカリス。どちらもトリガーなし」

 

「バーニングホーンで、ヴァンガードへ!(14000)」

 

「ガード、バトルシップ・インテリジェンス」

 

「ターンエンド」

 

 

ワタル:ダメージ2 リサ:ダメージ4

 

 

「……私のターン、スタンドアンドドロー」

 

と、ここで森宮さんが、

 

「あなたって……本当に乗せられやすいのね?」

 

「な……何!?」

 

「低いパワーのユニットでリアガードをコールを誘ったり……さっきのトリガーも、ヴァンガードに攻撃させるように、わざとリアガードにパワーを与えたり……」

 

……言われてみれば。じゃあ、ここまでは森宮さんの想定内!?

 

「チームに入れないとは言わない。弱いって言うつもりもないけど……こんなことに乗せられるようじゃ……はっきり言ってまだまだよ」

 

……図星過ぎて言い返す言葉も見つからない。

 

「よく考えてみなさい。あなたが乗せられ、ヴァンガードにアタックし続けた結果、私のダメージが今何枚になっているかを」

 

森宮さんのダメージの枚数?1、2、3……

 

「……まさか!?」

 

「スタンドアンドドロー!ライド!蒼嵐竜 メイルストローム!!(11000)」

 

森宮さんのダメージは4枚……このターン、リミットブレイクが発動する……!

 

「バシルの後ろにメイルストローム(11000)をコール。……さぁ、覚悟しなさい。まずはバシルでネハーレンをアタック!スキルで、このターン1度目のアタックにより、パワープラス2000!(10000)」

 

「単体でパワー10000を……ガード!ネハーレン!!」

 

「バシルのスキルで、後列のメイルストロームと位置を入れ換え、リアガードのメイルストロームでネハーレンをアタック!(11000)」

 

「ノーガード、ダメージは……ドラゴニック・オーバーロード・ジ・エンド」

 

「ラザロスでネハーレンを!(10000)」

 

「……っ!ターでガード!」

 

不味い。いや、不味い以外の何物でもない。もう俺の手札は……1枚だけ。

 

「エリック、ブースト……メイルストローム!ネハーレンをアタック!!この時、4回目以降のアタックにより、メイルストロームのリミットブレイク発動!!パワープラス5000し、(20000) ヒット時スキルを与える!」

 

「……ノーガード!」

 

「ツインドライブ、1枚目……蒼嵐覇竜 グローリー・メイルストローム。2枚目……スーパーソニック・セイラー、ゲット!クリティカルトリガー!効果は全てメイルストロームへ!」

 

「……くそっ、ダメージチェック、ベリコウスティドラゴンと……ドラゴンモンク ゲンジョウ、ヒールトリガー!ダメージ1枚回復して、パワーをネハーレンへ!(15000)」

 

ヒールトリガーが出たのは本当幸いだ。このまま5ダメージなんてことになったら……不味かった。

 

「安心している暇はないわよ。メイルストロームのリミットブレイクで得た、ヒット時スキル発動!CB1で、1枚ドロー。さらにバーニングホーンを退却!」

 

ドローした上に退却か……このターンだけで、かなりの差を広げられたな……。

 

「ターンエンド」

 

 

ワタル:ダメージ4 リサ:ダメージ4(裏1)

 

 

「俺のターン!スタンドアンドドロー!……森宮さん」

 

「何かしら?」

 

「さっき言ったよね?俺には強さが足りないって」

 

「……まぁ」

 

「俺にはまだ、強さは全然ない。けど、全国を目指したいって気持ちは十分にある!今は強くないかもしれないけど、ファイトの中で強くなる!」

 

強さが足りないのなら、いくらでも改善できる。それこそ、チームに入って3人と腕を磨きあうとか、そんな風になれたら、もっと強くなれる。

 

「だからその気持ち……このターンでぶつける!終焉を告げる灼熱の龍!秘めたる闘志を解き放て!!ライド!ドラゴニック・オーバーロード・ジ・エンド!!(11000)」

 

強さは見せられないかもしれないけど、思う以上の気持ちなら見せられる!

 

「コンローのスキル!CB1、自身を退却させ、デッキからバリィを手札に!ジ・エンドで……アタック!!(11000)」

 

「スーパーソニック・セイラーでガード!」

 

トリガーを引く……!

 

「ドライブチェック!1枚目、ブルーレイ・ドラゴキッド、ゲット!クリティカルトリガー!効果は……ジ・エンドへ!(16000 ☆2)」

 

「ここでジ・エンドに?いいの?セカンドチェックでトリガーが出なかったら……」

 

「……このアタックは、ただのアタックじゃない。ヒットするとかしないとかじゃなく、気持ちをぶつけるためのアタック!」

 

トリガーが出る、アタックがヒットする、それ以上の意味を持つアタック……!

 

「2枚目!……ドラゴンモンク ゲンジョウ、ゲット!ヒールトリガー!!ダメージを1枚回復し、パワーはジ・エンドへ!!」

 

「……引いたわね」

 

ガードをすり抜け、リサにダメージが入る。

 

「……ダメージチェック、1枚目、ティアーナイト テオ」

 

後1枚……!

 

「……2枚目」

 

トリガー、来るな!!

 

「……本物ね。まさかここでダブルトリガーを引くなんて。でも、それがファイトの勝敗につながるとは限らないわ……虹色秘薬の医療士官、ヒールトリガーよ」

 

ここで……ヒールトリガー!?

 

「ダメージ回復……パワーはメイルストロームへ」

 

「そんな……ターンエンド」

 

 

ワタル:ダメージ3 リサ:ダメージ5

 

 

「じゃあ、そろそろ終わりにするわ。……スタンドアンドドロー。クロスライド!蒼嵐覇竜 グローリー・メイルストローム!!(11000)」

 

ここでグローリーか……。

 

「クロスライドスキル、ソウルにメイルストロームがいれば、パワープラス2000!(13000) エリックを退却させ、戦場の歌姫 ドロテア(6000) そして、アクセラレイテッド・コマンド(6000)をコール!アクセラレイテッドのスキルで、バシルにパワープラス2000!(10000)」

 

どんどん場が整っていく……。

 

「バシルとメイルストロームの位置を入れ換え、バシルでアタック!スキルで、1回目のアタックなら、パワープラス2000!(12000)」

 

「インターセプト!」

 

「バシル、メイルストロームと位置を入れ換え!アクセラレイテッドのブースト、ラザロスのアタック!(16000)」

 

「ノーガード……!」

 

ダメージトリガーは……ドラゴンナイト ネハーレン。くっ!ない!

 

「……ドロテアのブースト、グローリー・メイルストロームでジ・エンドをアタック!ドロテアのスキルで、3回目以降のアタックをブーストしているなら、パワープラス4000!(23000)」

 

パワー23000……。いや、グローリーにはまだここから強力なスキルを発動できる!

 

「そして、グローリーのアルティメットブレイク!CB1。パワープラス5000し、グレード1以上でガード出来ない!(28000)」

 

じゃあ、手札の完全ガードは使えない……!

 

「ブルーレイ、ゲンジョウでガード!トリガーは……1枚出たら突破!」

 

「じゃあ、私も気持ちを見せるわ。……トリガーを引くことで!ツインドライブ!!」

 

森宮さんはゆっくりとドライブチェックを始める。

 

「1枚目、蒼嵐竜 メイルストローム……2枚目、バトルシップ・インテリジェンス、ゲット!クリティカルトリガー!効果は全てグローリーへ!(33000 ☆2)」

 

「くっ……!」

 

ただのトリガーじゃない……気持ちが応えたトリガー……。今の状況で最も必要なクリティカルトリガーを引いて来るなんて……。

しかも、森宮さんは序盤からクリティカルトリガーを多く使っている……。デッキの残りから考えても、引くのは難しかったはずだ。

 

「……ダメージチェック!」

 

なら、俺も残り少ないヒールトリガーを6枚目に引くだけだ!

 

「1枚目……ドラゴンモンク ゲンジョウ。……ここでヒールトリガー……」

 

今ヒールトリガーが発動しても、ダメージは森宮さんより多くないから、ダメージを回復できない……!

 

「2枚目……希望の火 エルモ。トリガーは……ない」

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

「ヒールトリガーさえ引かれなければな~!」

 

「でも、気持ちは本物よ。他のチームに手渡すのはもったいない程に」

 

「お……俺のことをそこまで……!」

 

「……でも、ファイトの腕はこれからみっちり鍛えてあげるわよ。覚悟しなさい?」

 

「……わかった」

 

小沢君は、気持ちの面で評価を貰えた。ただ、強さの面はまだまだみたいで、これからの成長を期待するだけだ。

 

「じゃあ、ファイトも終わったし……リサさん!これで、晴れてチーム結成っスね!」

 

「そうね。……ここまで長かった。ようやくスタート地点に立てたわ」

 

森宮さんは、色々と思いを巡らせているように見えた。本当に色々あったのだろう。

 

「……ありがとう。シオリさん、そして小沢君。私達のチームに入ってくれて、本当に感謝するわ」

 

「そう言って貰えると嬉しいです」

 

すると、そこに佐原君が、

 

「じゃあ、今からチーム結成の記念に何かしよーっス!」

 

「今から!?」

 

と言っても、時刻は5時過ぎ。時間はあった。

 

「どっかの店でパーっとするとか、そんなの!」

 

「……トウジ、言い方がオヤジくさいわよ。それに、今お金使ったら、封竜解放のブースターが出た時に買えなくなるわよ?」

 

「あっ、確かに」

 

……じゃあどうするものか。

 

「普通に缶ジュースとかで乾杯!……じゃダメなの?」

 

「……まぁ、この状況なら、それが妥当っスかね?」

 

「じゃ、おじさんに頼んで来るよ」

 

小沢君はおじさん=店長にジュースを貰いに行くように頼みに行く。

 

「「……おじさん?」」

 

「ここの店長、小沢君の知り合いみたいで……」

 

「はい、缶ジュース。ちょうど4つあったよ!」

 

私達は缶を開け、前に掲げる。

 

「じゃあ……リサさん!何か一言!」

 

「そうね……。じゃあ……今日と言う日を、私達の中の特別な日として、永遠に忘れないために……乾杯!」

 

「「「乾杯!!」」」

 

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