……全然投稿してないのが丸わかりですね。すみません。
物語はもう少し続くので、どうかお付き合いください。ずっとファイトばかりで退屈でしょうが……。
では、どうぞ!
「あれ、確かあんたって……」
「シオリのチームメイトの!文化祭の時は楽しんで劇見せてもらったよ!」
こちらは別のMFS。トウジの相手はヒナだ。互いに顔見知りのため、場の空気はそれなりに和らいでいく。
「あの劇提案したの、あんたたちだったっスね。ま、大成功したからよかったっスけど」
「まさかトウジ君も、他のクラスの劇に乱入するとは思わなかったな~!驚きだよ!」
「へっへっへ!そう言ってくれると、やった甲斐があったもんっスよ!」
口を動かしながら、手はファイトの準備。デッキをシャッフルし、互いに手札を整える。
「トウジ君のクランは、あの劇を見る限りディメンションポリスかな?」
「ところがそうじゃないんスよね。あれは劇に合わせて使ってただけ。本命は、別にあるっスよ」
「手の内がわからないって事だね。でも、この大会に参加してる以上、目的は決勝大会の参加権!このファイト、勝たせてもらうからね!」
「いいっスよ。俺も……負けられない理由があるっスから」
グランドマスターカップ決勝大会。全国から数多くのファイターが集まるこの大会に、このクリスマスカップで勝てば参加することができる。
けど、今の俺には……それ以上に明確な理由ができてしまった。
「……始めるっスか」
「そうだね。行くよ?」
「「スタンドアップ!ヴァンガード!!」」
舞台は化学施設。壁には謎のケーブルが埋め込まれ、青く発光して不気味さを演出している。
「星輝兵 ダストテイル・ユニコーン!(5000)」
「銀の茨のお手伝い イオネラ!(5000)」
ヒナさんのクランはペイルムーン……。ソウルに溜め込んだカードを活かしてファイトを進めていくクランっスね。
特に銀の茨のカテゴリーは、序盤からソウルを溜め込むことができるカードが多い。ソウルを活かせるカードも、もちろん豊富だ。
「リンクジョーカーだったんだ……。厄介なクランだな~……」
「ま、こいつが俺の選んだクランなんスよ。悪く思わないでほしいっスね」
この先には……過去の追憶ヴェルレーデが待っている。ノスタルジアと呼ばれた伝説の1人が、俺がファイトしたいと願った相手が、すぐそこにいる。
そう言う意味では、シオリさんも最上もそうなんスけど……何と言うか、身近すぎて伝説感が全然ないんスよね……。シオリさんなんか、いつもファイトしてるんスから。
ま、そんなわけっス。このクランの文句を言われようが、俺は先に進まないといけない。絶対に勝つ。
「じゃ、私のターンからだね。ドロー!銀の茨 ブリージング・ドラゴン(7000)にライド!イオネラは後ろに移動。ターンエンド!」
「俺のターン、ドロー!障壁の星輝兵 プロメチウム(6000)にライド!ダストテイルはそのまま後ろへ!」
……微妙にライド事故したっスけど、問題ないっス。ペイルムーンはそこまで火力を出せるカードは多くない。完全ガードが1枚なくなるくらい、軽いハンデだ。
「ダストテイルのブーストで、プロメチウムのアタック!(11000) ドライブチェック、星輝兵 メテオライガー。クリティカルトリガーっス!効果は全てプロメチウムへ!(16000 ☆2)」
プロメチウムが回し蹴りをブリージングに決める。これでダメージ2。調子いいっスね。
「ダメージチェック。1枚目、銀の茨の操り人形 りりあん。2枚目、銀の茨のお手伝い イリナ」
「ターンエンドっス」
トウジ:ダメージ0 ヒナ:ダメージ2
「私のターン、ドロー!銀の茨 ライジング・ドラゴン(9000)にライド!」
ブリージングよりも一回り大きい竜、ライジングへ。さて、展開はしてくるのか……。
「銀の茨の獣使い アナ(7000)をコールし、イオネラのブーストでライジングのアタック!(14000)」
あれ?全然リアガードをコールしなかったっスね?手札が悪いのか、それとも……。
「ノーガードっスよ」
「ドライブチェック、銀の茨の獣使い マリチカ」
「こっちのダメージは……と。星輝兵 カオスブレイカー・ドラゴンっスね」
「イオネラのスキル!ブーストしたアタックがヒットした時、デッキの上から2枚を見て……銀の茨の竜使い ルキエをソウルに。残りはデッキの下に置くよ」
ソウルを貯めたのはいいんスけど、ルキエか……。クロスライド先もいるし、そうならないように願いたいっスね。
「アナでプロメチウムにアタック!(7000)」
「そっちは……ノーガードでもいいっスかね」
アナの投げたナイフが、プロメチウムにわずかながら傷をつける。ダメージには、魔爪の星輝兵 ランタンが入った。
「よし!ターンエンド!」
トウジ:ダメージ2 ヒナ:ダメージ2
「俺のターンっスね。スタンドアンドドロー!ライド、星輝兵 メビウスブレス・ドラゴン!(9000)」
「うっ、面倒なのが……」
「2体目のメビウスブレス(9000)もコールするっス!んで、ヴァンガードのメビウスブレスからアタックっスよ!もちろん、ダストテイルのブーストもつけるっス!(14000)」
リアガードのメビウスブレスを残したのは、当然プレッシャーをかけるため。メビウスブレスの効果を知っているなら、このアタックでのガードが重要となるっスけど……。
「……やっぱり、下手にリアガードをコールしなくてよかったね。ノーガード!」
「へぇ、やはりそう言う事だったんスか」
ヒナさんは、メビウスブレスが来ることを見越して、あえてリアガードをあまり展開しなかった。極力ロックされても、被害が少ない道を取るために。もしかしたらと思っていたっスけど、当たりみたいっスね。
「やるっスね……。ドライブチェック、星輝兵 カオスビート・ドラゴン」
メビウスブレスの咆哮が、ライジングの体を貫き爆発を起こす。
「ダメージは……銀の茨の催眠術師 リディア」
「アタックはヒットしたから、メビウスブレスのスキルは使うっスよ。アナを……ロック」
アナの周りに黒輪が現れ、動きを縛っていく。これで、アナのいたサークルでは一切の行動を許されない。
「続けていくっス!リアガードのメビウスブレスも、ヴァンガードにアタック!(9000)」
「ノーガード。ダメージチェック、ミラクルポップ エヴァ」
メビウスブレスのアタックはヒットしたが、ロックできるスキルが発動するのは、ヴァンガードの時限定だ。リアガードの時にヒットさせても、ロックはできない。
「ターンエンドっス」
トウジ:ダメージ2 ヒナ:ダメージ4
「私のターン、スタンドアンドドロー!やっぱり、シオリのチームメイトだけあるな。強いよ、トウジ君!」
「そう言ってもらえると嬉しいっスね。何の目的もなく、ヴァンガードなんてカードゲームしてるわけじゃないっスから」
一歩ずつ近づく事ができている。全国の舞台に。そして……ノスタルジアに。
「だからと言って、このまま終わるわけにもいかないけどね!全てがひれ伏す鞭の音色に、従わぬ者に痛みを与えよ!クロスライド!銀の茨の竜女帝 ルキエ“Я”!!(11000)」
って、マジっスか。恐れていたクロスライドが、実現してしまうとは……。ガードが堅いのは勘弁してほしいっスよ……。
「ソウルにルキエがいる事で、常にパワープラス2000!(13000)」
「厄介っスね……」
「続けて、銀の茨 バーキング・ドラゴン(5000)をコール!さぁ、さっきのターンでノーガードで耐えた報いを見せる時!リミットブレイク!」
「……ノーガードで耐えた報い。なるほど、そう言う事だったんスか」
わざわざメビウスブレスのスキルでロックされ、リアガードのアタックまでノーガードしたのは……早々にリミットブレイクを打ちたかったから。場を整えるのもあるし、あまりよくなかったリアガードをそろえる狙いもあったんスね……。
1枚上手だ。この状況も、向こうの想定内に過ぎなかったって事っスか。シオリさんのかつての仲間ってだけある。
「CB1、バーキング・ドラゴンをロック!ソウルから銀の茨 ライジング・ドラゴン(9000)をスペリオルコール!さらにパワープラス5000!(14000)」
バーキング・ドラゴンがロックされ、その黒輪から立ち込める暗雲からライジング・ドラゴンが現れる。
「イオネラのブースト、ルキエ“Я”でアタック!(18000)」
「くっ……ここは、ノーガードするしかないっスね」
「ツインドライブ!1枚目、銀の茨の操り人形 りりあん。2枚目、銀の茨 ブリージング・ドラゴン。どちらもトリガーなし」
赤い髪をなびかせながら、黒みがかった鞭をメビウスブレスに振るう。痛みを感じているのかは定かではないが、少し後ずさりしている。
「ダメージチェック、星輝兵 ネビュラキャプター。ゲット!ドロートリガー!1枚ドローして、パワーはヴァンガードに与えるっス!(14000)」
「トリガーか……。けど、イオネラのスキルでデッキの上から2枚見て……アナをソウルへ。残りは下へ。で、ライジングでリアガードのメビウスブレスにアタック!銀の茨のヴァンガードがいれば、パワープラス3000!(17000)」
「ま、そうなるっスよね。けど……ガード!メテオライガー!!」
貴重なリアガードを退却されるわけにはいかない。トリガーで手札も増えたし、とりあえず守る。
「ターンエンド!」
トウジ:ダメージ3 ヒナ:ダメージ4(裏1)
「俺のターン、スタンドアンドドロー!」
と、アナとバーキング・ドラゴンのロックが解け、戦線に戻る。次のターンからの攻撃に転じる事ができるようになった。けど、今は俺のターンっス。
「誘え!滅び渦巻く世界へ!ライド!星輝兵 インフィニットゼロ・ドラゴン!!(11000)」
インフィニットゼロが雄叫びを上げる。ルキエは臆していなかったが、他のユニットは威圧されていた。
「無双の星輝兵 ラドン(9000) 魔爪の星輝兵 ランタン(7000)をコール!メビウスブレスで、ライジングにアタック!(9000)」
「ブリージング・ドラゴンでガード!」
「ダストテイルのブースト、インフィニットゼロでアタックっス!スキルでパワープラス2000!(18000)」
「銀の茨のお手玉師 ナディア、銀の茨の操り人形 りりあんでガード!」
まぁ、そうっスよね。ダメージ4でノーガードするなんて危ない選択肢を取るには、まだ早すぎる。
「ツインドライブ!1枚目、星輝兵 インフィニットゼロ・ドラゴン。2枚目、星輝兵 メテオライガー。ゲット!クリティカルトリガー!効果は全てラドンへ!(14000 ☆2)」
インフィニットゼロの放った禍々しい咆哮は、ルキエに衝突する代わりに、ナディアとりりあんを消し飛ばした。
「ランタンのブースト、ラドンでアタック!星輝兵のヴァンガードがいる事で、パワープラス3000!(24000 ☆2)」
「だったら……ダイナマイト・ジャグラー!パープル・トラピージストでガード!」
「くっ、防がれたっスか……。ターンエンド」
トウジ:ダメージ3 ヒナ:ダメージ4(裏1)
「私のターン、スタンドアンドドロー!」
リアガードをコールして攻めに行ったのに、1ダメージも与えられないとは。こっちはトリガーも引いたのに。
完全ガードも使うことなく、数値だけで守り切られてしまう。が、そのおかげで手札は大量に消費させた。向こうの手札は、後1枚しかないっスからね。
「ライドなし。アナを後ろに下げて、銀の茨の獣使い マリチカ(9000)をコール!」
リミットブレイクを使わないのは、ソウルにアタッカーとなるユニットがそろってないから。今のところ、グレードが1のカードがソウルの大半を占めているっスからね。
「イオネラのブースト、ルキエ“Я”でアタック!(18000)」
「ノーガードっス!」
ダメージはまだ3だ。これなら……。
「ツインドライブ!1枚目、ポイゾン・ジャグラー。クリティカルトリガー!クリティカルはルキエに(18000 ☆2) パワーはライジング・ドラゴンに!(14000) 2枚目は銀の茨のお手伝い イリナ!」
ルキエ“Я”の鞭が、往復ビンタの要領でインフィニットゼロをはたいていく。不敵な笑みを浮かべながら、早々にルキエは距離を取った。
「ち……危なかったっスね。ダメージチェック、1枚目、星輝兵 メビウスブレス・ドラゴン。2枚目、星輝兵 カオスブレイカー・ドラゴン。トリガーがない!」
まだこのターンはしのげそうっスけど……先に追い詰められたのは、こっちみたいだ。
「イオネラのスキル!ブーストしたアタックがヴァンガードにヒットしたから、デッキの上から2枚見て……ミラクルポップ エヴァをソウルに!」
エヴァはグレード3。もし次の俺のターンで前列が欠けても、手札の消費なしに立て直すことは可能となった。
「アナのブースト、マリチカでアタック!(16000)」
「メテオライガーでガードっス!」
「バーキング・ドラゴンのブースト、ライジング・ドラゴンでアタック!銀の茨のヴァンガードがいるなら、パワープラス3000!(22000)」
「ステラガレージでガード!メビウスブレスでインターセプト!」
マリチカの鞭をメテオライガーが食いちぎり、ライジング・ドラゴンはステラガレージがばらまいた薬品により接近させない。その間に、メビウスブレスが牽制の咆哮を放つ。
「追い詰めただけでも十分かな。ターンエンド!」
トウジ:ダメージ5 ヒナ:ダメージ4(裏1)
「俺のターン、スタンドアンドドロー!」
向こうはもうライドする必要はないからか、ターンが進むのがやけに早い。リアガードも揃っているし、後はアタックしてじわじわと追い詰めていくだけでいいと言う事か。
だったら……こっちは思う存分ライドしてやる。
「誘え!滅び渦巻く世界へ!ブレイクライド!星輝兵 インフィニットゼロ・ドラゴン!!(11000)」
インフィニットゼロが黒く輝く。同名ユニットへのライドだからだろうか。
「ブレイクライドスキル!インフィニットゼロにパワープラス10000!(21000) さらにライジング・ドラゴンとアナを……ロック」
これでまともに動けるのはルキエ“Я”くらい。そのパワーも、単体では頼りないもの。少しは攻め手を遅らせたっスかね……?
「ランタンのスキル!相手リアガードがロックされる度、パワープラス2000!2体でパワープラス4000!(11000)」
「11000のブースト役か~……」
「まだまだ!星輝兵 コロニー・メイカー(9000)をコール!相手にロックカードがある事で、CB1して、デッキから獄門の星輝兵 バラジウム(7000)をスペリオルコール!」
これで俺のリアガードは5体。相手のリアガードも2体封じた。ここでダストテイルのスキルを使って、さらにロックしてもいいんスけど……ま、このターンはいいっスか。
「バラジウムのブースト、コロニー・メイカーでアタック!(16000)」
「う~ん……。ここはノーガード!ダメージチェック、銀の茨のお手玉師 ナディア。ヒールトリガー!回復はできないけど、パワーをルキエ“Я”へ!(18000)」
トリガーに期待してノーガードしたのだろう。結果としては望んだとおり。けど、ヒールトリガーだったのは誤算だったか。
「ダストテイルのブースト、インフィニットゼロでアタック!スキルでパワープラス2000!(28000)」
「高いパワーだね~!そこは、リディアで完全ガード!コストはイリナ!」
「ツインドライブ!1枚目……星輝兵 カオスビート・ドラゴン。2枚目……星輝兵 コロニー・メイカー。トリガーはなし。なら、ランタンのブーストで、ラドンのアタック!スキルでパワープラス3000!(23000)」
「く……ポイゾン・ジャグラーでガード!」
「ターンエンド。これで手札は使い切ったっスね」
トウジ:ダメージ5(裏1) ヒナ:ダメージ5(裏1)
「私のターン、スタンドアンドドロー!」
勝負はほぼ決した。2体ロックされ、手札も今のドローで得た1枚だけ。動けるのはルキエ“Я”とマリチカだが、マリチカはせいぜいインターセプトを潰すことしかできないだろう。
そうなれば、確実にこっちにターンが回ってくる。リアガードも万全だし、相手にノーガードと言わせることはたやすい。
そうだ、言わせなくてはいけないんだ。俺はこんなところで、足踏みしている場合なんかじゃない。用があるのは、あんたじゃない。
「……伝わってくるよ。トウジ君の勝利への執念。かと言って焦りすぎず、自分のファイトができている。それくらい、強い想い……確かなものがあるんだね」
「執念っスか。ま、勝つ理由もあるし……それもそうっスかね」
あの日、初めてノスタルジアの存在を知った瞬間から、俺はずっと魅せられてきた。素性もわからない伝説の存在。手を伸ばしても届かない……いや、届くはずがないのに。
けど、すぐそこにいる。俺が求めた、ノスタルジアが。ここで負けるのなら、俺は一生、自分自身を呪って生きてやる。
「けど、ただやられるわけには終われないよ!ルキエ“Я”のリミットブレイク!」
「……っ、そう来たっスか!」
「CB1、バーキング・ドラゴンをロックし、ソウルからミラクルポップ エヴァ(11000)をスペリオルコール!コールされたエヴァに、パワープラス5000!(16000)」
しまった、ソウルを見落としていた。ペイルムーンにとって、手札が尽きようとも関係ない。第二の手札とも呼べる、ソウルがある。
「イオネラのブースト、ルキエ“Я”!行けーっ!!(18000)」
このアタックを通せば、俺の敗北。あってはならないシチュエーションだ。
そんなもので……俺の夢を……!
「……ヴァイス・ソルダード、ネビュラキャプターでガード!」
「ツインドライブ!1枚目、銀の茨の催眠術師 リディア。2枚目、銀の茨 バーキング・ドラゴン。クリティカルトリガー!効果は全てエヴァに!(21000 ☆2)」
俺の願いを……渇望を……!
「これで……届いて!エヴァでアタック!!(21000 ☆2)」
壊すんじゃない!!
「……ガード!2体のカオスビート、コロニー・メイカー!!」
「あ……っ!ターンエ――」
「……バラジウムのスキル!ターンエンド時にアンロックされたリアガード1体を、CB1、自身をソウルに入れる事でロックする!俺はライジング・ドラゴンを……ロック」
ほどけようとする黒輪を、バラジウムの投擲した剣がつなぎとめる。武器を失ったバラジウムは、光となって消えていった。
「ロックが解けないなんて……仕方ない。ターンエンドだね」
トウジ:ダメージ5(裏2) ヒナ:ダメージ5(裏2)
「俺のターン、スタンドアンドドロー!」
ガードには成功した。けど、これで俺の手札も尽きた。
向こうの手札は3枚。1枚は未判明っスけど、2枚はドライブチェックで見えている。突破するのは、簡単そうに見えるっスけど……。
「……ハハッ。最後は派手に決めて見せろって事っスか」
どうやら、このドローできた1枚は……最後まで全力をぶつけて勝利してほしいそうだ。
「繰り返される滅びの世界……永久に誘おう!!ブレイクライドアゲイン!!」
「な、まさか……ここで!?」
「そのまさかっス!行くっスよ!星輝兵 インフィニットゼロ・ドラゴン!!(11000)」
再び黒い輝きを放ち、一際大きく唸り声を上げる。インフィニットゼロは、最後までヴァンガードとして戦場に立ち続けた。
「ブレイクライドスキル!インフィニットゼロにパワープラス10000!(21000) さらにエヴァとイオネラを……ロック」
「こ、これじゃあ動けるのは……」
ルキエだけ。さっきのようにリミットブレイクを使ったプレイングも……無駄っスよ。
「ランタンのスキル!今回もロックされたのは2体!パワープラス4000!(11000)」
もうできる事はない。する必要もない。後は……勝利をこの手に。
「ダストテイルのブースト、インフィニットゼロでアタック!スキルでパワープラス2000!(28000)」
「……まだ、最後まで抗って見せるよ!リディアで完全ガード!コストはパープル・トラピージスト!」
「ツインドライブ!1枚目、無双の星輝兵 ラドン。2枚目、星輝兵 ヴァイス・ソルダード。ゲット!クリティカルトリガー!」
ま、トリガーは出なくても勝ってたっスけど……見栄えもいいから、文句はない。
「効果は全てラドンへ!(14000 ☆2)」
「く……」
「これで決めるっス!ランタンのブーストしたラドンでアタック!スキルで星輝兵のヴァンガードがいるなら、パワープラス3000!(23000 ☆2)」
「……うん、残念。悔しいけど、ノーガードかな」
ラドンの放った光線銃が、ルキエ“Я”をまっすぐに貫く。致命傷となったのか、口から血を吐いてその場に倒れこんだ。
「ダメージチェック。銀の茨の竜女帝 ルキエ“Я”。私の、負けだね」
6枚目のダメージが置かれたことで、MFSも機能を停止。ユニットたちの姿も消え、周囲はホールへと戻っていく。
「いや~悔しいな~!さっきはリンクジョーカー相手にも勝てたんだけどな~!」
「いや、いいファイトだったっスよ。なかなか強いっスね!」
「でしょでしょ?またファイトする機会があったら、今度は負けないからね!」
「いつでもリベンジ、待ってるっスよ!」
そう言い残し、デッキを片手に去っていった。残された俺も、デッキを片付けてホールを後にする。
「……勝てたっスね」
ノスタルジアと当たるのがいつになるかは分からないっスけど、このままいけば、ファイトできる時も近い。残りファイトも少ないし、すぐそこまで来ている。
「……やっば。何かもう、体中が震えて仕方ないっスよ」
湧き上がる高揚を抑えきれないまま、俺は1人、観客席へと戻ることにした……。