今日は待ちに待ったヴァンガードzeroの配信日!そこに合わせて投稿する事ができました!まぁ、偶然だけど(え)
ヴァンガードzeroの環境とは違いますが、昔懐かしいカードのファイト、ぜひこの小説で楽しんでくださいね!
では、どうぞ!
照山シュンキ。俺に覚悟を教えてくれた人。何となくでチームに入り、意思が欠落していた俺に喝を入れてくれた人。
次に会う時には……必ず覚悟を見せてやると決意した。あのファイトが終わった時に。まぁ、あんまり言いたくはないんだが、それが俺の目標。
そいつが今……俺の目の前に再び姿を現した。しかも、対戦相手として。
「シオリから出場する話は聞いていたよ。けど、まさかこんなところで当たるとは」
「こっちもだ。この大会に出ているって事は……」
「当然、僕もグランドマスターカップ決勝大会を目指している。そのために、何としても優勝しないといけない。もうハヤトもヒナも、負けてしまったからね」
全然変わってないな。穏やかな見た目に反して、正確に的を得てくるような言動。それに、苛立ちながらファイトしていたこともあってか、こいつの事はどうも好きにはなれない。目標とは別の話だが。
「……へぇ」
「何だよ」
「いや、いい目になったと思ってね。前とは違う、覚悟のある目だ」
当たり前だ。ましてお前に、覚悟のない姿なんかもう見せられるか。
「これは、いいファイトができそうだ」
「あぁ。……今の俺の覚悟を見せてやる」
「じゃあ見せてもらおうか。あの時からどれだけ成長して……覚悟を持ったのか」
「言われなくても……!」
「「スタンドアップ!ヴァンガード!!」」
MFSが選んだのは……荒野。そこに向かいあう、俺たちのヴァンガード。
「ドラゴンナイト サーデグ!(5000)」
「禁書の魔女 シナモン!(5000)」
シナモン?そいつは確か……。
「ジェネシスのユニットだと……?オラクルシンクタンクはどうした?」
「ん?あぁ、オラクルはフリーファイトで使う事が基本だから、僕の本当のクランはこっちだよ。それに、オラクルは初めてファイトする人の力量を図るために使うクランでもあるからね」
つまり、あの時はなめられていたって事か。そう考えると腹立たしい。
だが……奴に本命のジェネシスを使わせることができたのは、俺の覚悟を少しは認めてくれているから、って事でもあるんだよな。
くそ……何かそう言うの、してやられているみたいでムカつくな!
「そうかよ。けど、そんなの関係ない!このファイトで、お前を倒す!あの時の借りは返す!」
「期待してるよ」
「余裕ぶりやがって……。俺のターン、ドロー!ドラゴンモンク ゴジョー(7000)にライド!サーデグは左後ろへ。ゴジョーのスキルで、自身をレストして手札1枚を捨てて……1ドロー!ターンエンドだ!」
ヌーベルロマン・ドラゴンを捨てて、新たな戦力を手札に加える。さて……あいつのジェネシスは一体、どんなデッキなんだ……?
「僕のターン、ドロー。オレンジの魔女 バレンシア(7000)にライド!シナモンは後ろへ。続けて、猫の魔女 クミン(7000)をコール。スキルでSC1」
バンデッド・ダニーがソウルに入る。ジェネシスはソウルを使うカードが多いから、今のうちから増やしておこうと言う作戦だな。
だが……あいつのデッキの切り札は何なのか。ジェネシスには個性的なグレード3が多く存在するからな。リアガードの退却から、ドライブチェックのやり直しまで行うユニットもいるしな。
「君のデッキはヌーベルバーグか。手札とリアガードの管理には気を付けないと」
……まぁ、こっちの切り札は速攻でバレたが。
「じゃ、クミンでアタック!(7000)」
「ノーガード。ダメージチェック、ガトリングクロー・ドラゴン。ゲット、ドロートリガー!1枚ドローし、パワーはゴジョーだ!(12000)」
「トリガーか……けど、シナモンのブースト、バレンシアでアタック!(12000)」
「そこはバルバラでガード!」
バレンシアの投げたオレンジは、バルバラの手によって弾き飛ばされ、爆発を起こす。
「ドライブチェック、烏の魔女 カモミール。トリガーなし。これでターンエンドだ」
ワタル:ダメージ1 シュンキ:ダメージ0
「俺のターン、ドロー!バーサーク・ドラゴン(9000)にライド!サーデグの前にベリコウスティドラゴン(9000)をコール!バーサークでアタック!(9000)」
「リモンチーノでガード」
「ち……ドライブチェック、ヌーベルクリティック・ドラゴン。サーデグのブースト、ベリコウスティでヴァンガードにアタック!(14000)」
「こっちはノーガード」
2体のドラゴンが放つ炎は、リモンチーノが防ぐ。だが、その熱量に耐え切れずに、バレンシアも炎に巻き込まれてしまう。
「ダメージチェック、挺身の女神 クシナダ」
「ターンエンドだ!」
ワタル:ダメージ1 シュンキ:ダメージ1
「僕のターン、スタンドアンドドロー」
序盤だから仕方ないが、あまり大きく差が開いていない。しかも、まだサーデグのコンボも決められていない。
「烏の魔女 カモミール(9000)にライド!クミンを後ろに下げ、戦巫女 サホヒメ(9000)をコール!」
動きがあるとすれば、そろそろか……?俺は手札を確認しながら考える。
「シナモンのブースト、カモミールでヴァンガードにアタック!(14000)」
「ノーガード」
「なら、ドライブチェック……信託の女神 ヒミコ」
ブレイクライドのユニット……。なら、切り札は他にいるって事だ。
「ダメージチェック、ドラゴンモンク ゴジョー」
「クミンのブースト、サホヒメでアタック(16000)」
「これもノーガードだ。ダメージチェック……ちっ、ブルーレイ・ドラゴキッド。クリティカルトリガーだが、不発だな」
もうアタックできるユニットは他にいない。ここでパワーを上げたところで、すぐに俺にターンが回ってきてしまう。
「サホヒメのスキル。アタックがヒットした時、CB1でSC3だ。ターンエンド」
葡萄の魔女 グラッパ、戦巫女 ククリヒメ、猫の魔女 クミンがソウルに入り、ターン終了を宣言した。
ワタル:ダメージ3 シュンキ:ダメージ1(裏1)
「俺のターン、スタンドアンドドロー!」
少し差が開いてしまった。ダメージは3対1。思った通りに、動きもあった。
けどな……そうやって、やられっぱなしでは終われないんだよ!
「進撃せよ!大地を揺るがす炎の王者!!ライド!ドーントレスドライブ・ドラゴン!!(11000)」
バーサークが炎と化し、一回り大きな竜が灼熱を引き裂いて降臨する。カモミールやサホヒメは、完全に見下ろされている。
「ヌーベルクリティック・ドラゴン(9000)をコール!スキル発動!CB1と、どうせバレてるんだ……手札の超越龍 ドラゴニック・ヌーベルバーグを公開!これで俺は、サホヒメを退却させる!」
ヌーベルクリティックの背後の空に、一瞬現れたヌーベルバーグが、まばゆい光を放ってサホヒメを消滅させる。
「それだけじゃない!サーデグのスキル!相手リアガードが退却した時、自身をソウルに入れて、相手に追加でリアガードを退却させる!さぁ、選んでもらう!」
「そうだな……じゃあ、シナモンを退却しよう」
よし、これでリアガードはクミンだけだ。攻め手を少し遅らせることができたか……?
「ドーントレスの後ろに、ドラゴンナイト アシュガル(7000)をコール!クリティックでアタック!(9000)」
「ガード、バンデッド・ダニー」
「アシュガルのブースト、ドーントレスでアタック!スキルでパワープラス2000!(20000) ツインドライブ、1枚目、ブルーレイ・ドラゴキッド。ゲット、クリティカルトリガー!」
トリガーも引けた。流れはこちらに傾きつつあるか?いや、あまり期待しない方がいい。
と、言ってやりたいが……今は違う。
「パワーはベリコウスティ(14000) クリティカルはドーントレスへ!(20000 ☆2) 2枚目、槍の化身 ター。ゲット!クリティカルトリガー!」
「ここで、ダブルクリティカルか……」
見せるんじゃないのか、覚悟を。そんな弱腰で、トリガーも応えてくれるわけがない。だからこそ、俺の見せる覚悟が……トリガーを呼ぶんだ!
「効果はさっきと同じだ!(ベリ 19000)(ドーン 20000 ☆3) 俺の覚悟を……受けろぉ!!」
両手に火球、口からは業火。それらを一斉にカモミールにぶつけ、大爆発を起こす。見方まで巻き込まれそうになるその威力に、クミンは震えていた。
「ダメージチェック、1枚目……蛙の魔女 メリッサ。2枚目……バンデッド・ダニー。ドロートリガーだ。1枚ドローし、パワーをカモミールへ(14000) 3枚目……葡萄の魔女 グラッパ」
トリガーも1枚出ただけで済ませた。流れは一気に、俺の方へと傾いたはずだ。
「まだだ、行け!ベリコウスティ!(19000)」
「……ローリエでガード!」
「ち……ターンエンドだ」
ワタル:ダメージ3(裏1) シュンキ:ダメージ4(裏1)
「僕のターン、スタンドアンドドロー。……確かに見せてもらったよ、今の君の覚悟を」
「あぁ。さっき、そう言ったはずだ」
「前とは全然違うね。このファイトだって、負けられないって想いで挑んでいるのが伝わってくるよ」
お前が相手だからって言うのもあるんだけどな……。
「本物だよ。僕とのファイトを糧にして、ここまで成長してくれるなんて。正直、あのまま気持ちが折れて、諦めてしまうんじゃないかって心配だった」
「……何様のつもりなんだ」
「そんな君の覚悟に、僕も応えよう。僕だって負けられない……覚悟のために」
そう言って、1枚のカードを掲げる。あれは、恐らく……。
「儚き世界に光あれ……希望への道は、今示された!ライド!信託の女神 ヒミコ!(11000)」
カモミールが、美しい紫の髪をなびかせた女神、ヒミコへと変化する。やはり、まずはブレイクライドのためのユニットにライドするか。
「信託の女神 ヒミコ(11000) 戦巫女 サホヒメ(9000)をコール。サホヒメでベリコウスティにアタック!(9000)」
「クリティックでインターセプト!」
「なら、ヴァンガードのヒミコでアタック!ヒミコのスキルでSC1し、パワープラス1000!(12000) ツインドライブ、1枚目……大鍋の魔女 ローリエ。ヒールトリガーだ。ダメージを1枚回復し、パワーはリアガードのヒミコへ(16000)」
ダメージが並んだか。いや、俺は今からダメージを受けるから、あいつがリードするのか。
「2枚目……大鍋の魔女 ローリエ」
「また、ヒールトリガーだと!?」
「言ったよね?僕も覚悟を見せるって。その覚悟に、トリガーが応えてくれただけさ。再びダメージ回復。効果はリアガードのヒミコへ(21000)」
さっきのクリティカル3のアタックが、ほとんど相殺されてしまった……。
「く……ダメージチェック、ヌーベルクリティック・ドラゴン」
「クミンのブースト、リアガードのヒミコでヴァンガードにアタック!(28000)」
「……ノーガード!」
ヒミコが手に持つ水晶玉を掲げると、神聖な光がドーントレスを襲う。ダメージには、バーサーク・ドラゴンが入った。
「ターンエンド」
ワタル:ダメージ5(裏1) シュンキ:ダメージ2
「俺のターン、スタンドアンドドロー!」
流れを掴んだはずが、またすぐに奪い取られてしまうとはな。手札はまだ6枚あるが、もうダメージは5……後はない。
けどな……このまま終われるか!あの時とは違う!俺は変わったんだ!
覚悟を持って……俺は!!
「新たな時代は、暗雲裂く炎と共に!今こそ変革を呼び覚ませ、全てを超えし龍よ!!ブレイクライド!超越龍 ドラゴニック・ヌーベルバーグ!!(13000)」
「来たか……ヌーベルバーグ」
「ブレイクライドスキル!ヌーベルバーグにパワープラス10000!(23000) さらにスキルを与える!」
ヌーベルバーグの姿に、一瞬ドーントレスの姿が重なる。その威圧感は、味方をもすくませてしまうほどだ。
「リアガードにドラゴニック・オーバーロード・ジ・エンド(11000)をコール!」
残りの手札は、完全ガードが1枚と10000シールドのユニットが3枚。守りのために残しておいた方がいいが……。
「…………」
あいつの手札は3枚。2枚はローリエ、1枚はわからない。そこに、サホヒメのインターセプトが加わってくる。
一気に展開して、無理にでもパワーで押せば勝てるかもしれない。ヌーベルバーグのスキルで、ダメージチェックのトリガーは封じられるわけだし。
だが……未判明の1枚によっては、次のターンを渡してしまう事にもなってしまう。そうなれば、下手に守りのカードを出すわけにはいかない。自分の首を絞めることにも繋がりかねない。
どうする……?守りを捨ててまで、このターンで勝ちに行くか?守りを残して、次の俺のターンまで耐えきるか……?
「…………」
考えろ。今の俺が取るべき、最善の選択を。
「……ブルーレイ・ドラゴキッド(5000)を、ジ・エンドの後ろにコール」
「……思い切ったことをするね。ダメージにも余裕がない今、10000シールドを平然とコールするとは」
「何回も言わせるなよ。俺は、お前に覚悟を見せると言ったんだ。後ろ向きな行動で、覚悟を示す事なんてできはしない!!」
これでジ・エンドは、ブースト込みでパワー16000。トリガー次第では、一気にパワーも上がる!
「ベリコウスティで、サホヒメにアタック!(9000)」
「仕方ない。そこはノーガード」
インターセプトは潰した。残るは3枚の手札のみ!
「ヌーベルバーグで、ヴァンガードにアタック!ブーストはつけない!!ここでヌーベルバーグのスキル!このアタックはグレード0でガードできない!(23000)」
「ノーガードするしかないね」
「ツインドライブ!1枚目、ヌーベルロマン・ドラゴン。2枚目、ドラゴンダンサー バルバラ。ゲット!ヒールトリガー!ダメージを1枚回復し、パワーはジ・エンドへ!!(16000)」
ヌーベルバーグの放つエネルギーの奔流が、ヒミコに確実な痛みを与えていく。
「ダメージチェック、檸檬の魔女 リモンチーノ。クリティカルトリガーだけど、スキルで発動しないね」
「その通りだ。ヌーベルバーグのスキルで、俺のターン中に発動する相手のいかなるトリガー効果を無効化する!」
だが、それだけじゃない。ヌーベルバーグにはまだ、ブレイクライドによって得たスキルがある。
「ブレイクライドスキルを発動!手札3枚を捨てて、ヌーベルバーグをスタンド!」
ヌーベルロマン、ター、バルバラを捨ててスタンドする。まだ終わらせない。
「アシュガルのブースト、ヌーベルバーグでアタック!アシュガルのスキルで、ヌーベルバーグをブーストした時にパワープラス3000!このアタックも当然、グレード0ではガードできない!(33000)」
「ノーガード!」
「なら……ツインドライブ!1枚目、槍の化身 ター。ゲット!クリティカルトリガー!パワーはジ・エンド(21000) クリティカルはヌーベルバーグへ!(33000 ☆2)」
これで2体のローリエをガードに使わせることができる。問題は……やはり、残る1枚。
シールド値のあるカードなら、次にトリガーを引いてもガードされてしまう。が、手札は全て使わせられる。逆にシールド値がないカード、つまりグレード3なら、次にトリガーを引くことができたら……!
「2枚目……!」
勝てる。今度こそ俺は、あいつに勝つことができる。
「……チェック」
「…………」
トリガーは……。
「……超越龍 ドラゴニック・ヌーベルバーグ。トリガーはない」
くそ……。ここまで来て、肝心なところでトリガーを引けないのかよ……っ!
「ダメージチェック、1枚目、挺身の女神 クシナダ。2枚目、蛙の魔女 メリッサ」
「く……ブルーレイのブースト、ジ・エンド!(26000)」
「ローリエ2体でガードだ」
ジ・エンドの銃撃は、1対のローリエに阻まれる。隙を突き、ブルーレイが特攻を仕掛けるが、もう1体のローリエに防がれてしまった。
「……ターンエンド」
ワタル:ダメージ4 シュンキ:ダメージ5
「僕のターン、スタンドアンドドロー」
逃してしまった。勝利への可能性を。あそこでトリガーを引いていれば、手札次第では……。
「あの時持っていなかった覚悟。それを君は、見違えるほど見せてくれた。トリガーも応えてくれた。あの思い切ったプレイングも見事だ。けど……まだ足りなかった」
「く……」
「さっき、君は2枚目のトリガーを引けなかった。そのわずかな差が、勝敗につながる事もある。見せよう、小沢ワタル。これが僕が持っていた、最後の手札。そして……」
奴が手札を静かに抜き放つ。このタイミングで手札に動きがあると言う事は……。
「これが、君に更なる覚悟を示す力だ」
「……っ!」
「悲しみの涙も消し去る陽光!戦場と言う歪みに、希望を灯しだす輝き!ブレイクライド!!」
ヒミコの背後で、太陽が光り輝く。逆光に包まれ、ヒミコの姿がかき消されていく。が、次第に光の中から影が浮かぶ。
それは、ヒミコとは違う新たなユニット。そのユニットの名前は……。
「そいつは……!」
「陽光の女神 ヤタガラス!(11000)」
最後の手札はグレード3……。もしトリガーを引いていれば、ガードできずにアタックを通せていたのに……!
「ブレイクライドスキル!ヒミコとクミンにパワープラス5000!(ヒミ 16000)(クミ 12000) ヤタガラスにパワープラス10000!(21000) さらにスキルを与える!」
リアガードを強化しつつ、自身もパワーアップ……おまけにスキル獲得かよ!?
「ヤタガラスの後ろに、オレンジの魔女 バレンシア(7000)をコール。クミンのブースト、ヒミコでヌーベルバーグにアタック!(28000)」
「……ノーガード!ダメージチェック、槍の化身 ター。クリティカルトリガー……っ!」
トリガーの位置がずれていたら……!
「……効果は全てヌーベルバーグだ!(18000 ☆2)」
「バレンシアのブースト、ヤタガラスでアタック!(28000)ここでブレイクライドスキル発動!SB3で1枚ドロー!」
バンデッド・ダニー、バレンシア、グラッパが捨てられる。だが、それだけでは終わらない。このスキルは、あくまで下準備に過ぎない。
「バレンシアのスキル。ソウルからドロップゾーンに置かれた時、SC2。グラッパも同じスキルを発動。SC2だ」
「ソウルを一気に4枚も……」
「さぁ……仕上げだ。これでソウルはちょうど9枚。ヤタガラスのリミットブレイク!!」
「何っ!?」
ヤタガラスには、ソウル9枚を使って発動できるリミットブレイクがある。膨大なソウルが必要となるが、それゆえにジェネシスの中でも強力な部類のスキルが発動できる。
「SB9、2枚ドローして、リアガード2体をスタンド!対象は当然、ヒミコとクミンだ!」
「くそ……またアタックしてくるのかよ……!」
「それだけじゃないさ。ソウルからドロップゾーンに置かれたカモミールのスキル!CB1で、ドロップゾーンからスペリオルコールする!(9000)」
これで後2回、アタックが来るって事かよ……。
「まだだ!バリィで完全ガード!コストはヌーベルバーグ!!」
「ツインドライブ……1枚目、戦巫女 ククリヒメ。クリティカルトリガーだ。効果は全てヒミコへ(21000 ☆2)」
しっかりトリガーは引いてくるか。リアガードがスタンドしたことが活きている……って、待てよ?
この状況、もしかして……?
「さっきのターンと、同じか……!?」
「君の手札は後2枚。1枚はわからないけど、10000シールドだと考えたとしても……」
「トリガーを引けば、突破される……」
カモミールでインターセプトを持つベリコウスティを潰せば、俺の残り手札2枚がそれぞれ10000シールドだとしても、トリガーを引くことで超えられる。
さっきの俺と同じ。俺だって、トリガーを引いていれば勝てたんだ。そのポジションが、あいつに変わっただけ。
「君は引けなかった。僕は……2枚目!」
俺は2枚の手札を見て、それからあいつのデッキに注目する。ゆっくりと引かれた、そのカードは……。
「……檸檬の魔女 リモンチーノ。クリティカルトリガー」
俺とあいつの違いを示す、覚悟の象徴だった。
「効果は全て、ヒミコへ(26000 ☆2) カモミールで、ベリコウスティにアタック(9000)」
「……ノーガード」
ベリコウスティが退却する。俺に残されたのは、手札だけ。
悔しいが……あいつの言うとおりだ。俺の手札には、10000シールドが2枚ある。未公開の手札も、予想と寸分違わぬカードだった。
「君の覚悟は認める。けど……まだ足りない。だから、今はこの敗北を受け入れろ。いつかまた、君が覚悟を持って僕の前に現れたなら……その時は、喜んで相手になろう」
受け入れたくはない。が、そうするしかない。今の俺には……この結果を変えることはできない。
「ラストだ……!クミンのブースト、ヒミコでヴァンガードにアタック!(33000 ☆2)」
「……あぁ、認めるよ。今はな。けど、いつか超える!お前の覚悟を!必ず!!」
「……いい返事だ」
「来い!ノーガードだ!!」
光がヌーベルバーグを包み込む。クリティカル3のアタックを、ヒールトリガーで耐えきる奇跡が起こる事もなく……。
この瞬間、俺は……二度目の敗北を経験した。