魔槍先生 ネギま   作:エール@ごった煮まぜそば

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筆が乗っている内に投稿するでござる。
そういえばハーバード大学卒業のパックンは日本に向かう飛行機の中でカタガナとひらがなをマスターしたそうです。それから独学で勉強を続け2年後には日本語能力検定一級を取得したらしいです。現実でもこんな人がいるんですね。




1話 運命が動き出す日

ネギ・スプリングフィールド

 

 

その瞬間、夢から覚めた。あの旅立ちはもう9カ月も前の話だ。5月を越え9歳となったネギは現在、父の手掛かりを追い日本の東関東をさまよい歩き、野宿をしていた。

人ゴミと警察を避けるために森を歩いていたのだがそのうちに迷ってしまったのだ。

今は8月、夏なので野宿もそこまで苦にならなかった。

食べ物も師匠から教わったサバイバル技術で何とかなっているし飲み水は水の精霊の力を借りて確保しているので全くと言っていいほど困っていなかった。

余談だがネギは日本語の日常会話の本と日本をさまよい歩いているこの一週間の間に完璧に日本語をマスターしている。

 

「もう9カ月か、あれから色々あったから時間が経つのが早いような遅いような気もするな。」

 

まだ三日月が上にある時間を見れば時計の針は2時を指していた。

気配遮断のルーンを周囲に刻んで眠りに入っていたので野犬や泥棒などに襲われる心配はないのでいつもだったらぐっすり眠っているのだが、過去の夢を見たのと変な胸騒ぎがして目が覚めたのだ。

「どうしたんだ兄貴?」

「ああカモ君、起こしちゃってごめんね。」

3カ月前に故郷のウェールズで出会いった白いオコジョの妖精アルベール・カモミール、通称カモ君を起こしてしまったみたいだ。

罠にはまっていた所を助けてから慕われてこの旅に無理やり同行してきたオコジョなのだが、頭が回るし、機転も利くし、何より一人旅は寂しかったのでそのまま同行を許しているのだ。かなり親父臭いのとエロいのが玉に瑕だが…。

そのカモ君は羽織っているローブを足場に器用に肩に飛び乗る。

 

妙な魔力がこの周辺に満ちている。

「よし、ラス・テル・マ・スキル・マギステル。……何だこの魔力、感じたことが無いな。日本の固有の魔法かな?あと数も異常に多い。」

 

魔法の始動キーを唱えつつ、探索のルーンを石にに刻む。すると石が独りでに中に浮かび妙な魔力の元を探る。セラス騎士団総長から貰った指輪が光ると同時にその光が石に書いた文字をなぞる様に広がる。

魔力が行きわたり文字がネギから独立し、動き始める。

 

魔術回路を持たないネギはこのルーンの魔術を自分が使える精霊魔法に落とし込んで新しいルーンの魔法として生まれ変わらせた。

魔術回路で賄う魔力を精霊に手伝ってもらうことで解決したのだ。

口で言うのは簡単だが世界からして違う形態のもの(魔術)を自分で使える形態のもの(魔法)に作り変えたのだ。

師匠スカサハをして鬼才だと讃えられ、呆れられたその魔法の才を存分に発揮する。

皮肉にも足りない物を他から持ってくると言う魔術師的な考えからこの魔法は生まれたのだ。

魔術の深淵に直に触れ、精霊魔法の存在も理解しているネギだから生み出すことができた魔法。

精霊の助けを借りているので杖や魔法具が無いと発動できないし、発動のためには始動キーを唱えなければならないのは難点だが、向こうの世界にもこの世界にもネギ意外にこの魔法を使える人間は存在しないであろう。

そしてネギがスカサハから学んだのは北欧神話の主神オーディンが刻んだとされる原初のルーン、そこいらのルーンの文字とは隔絶した能力を持つ魔法なのだ。

なんでアイルランドのケルト神話に伝えられる影の国にいる師匠が北欧で伝えられているこの原初のルーンを使えるのかは知らないがその魔術と槍術とそのほかの秘術をネギは完璧にマスターしたのだ。

 

「そんなこともわかるのか?やっぱりすげえな兄貴の魔法」

 

「僕のはまだまだ師匠には及ばないんだけどね。よし、向かってみよう」

そう決めるや否や、野宿道具を片付け、カモ君を肩に乗せ、魔力を探知して動き出したルーン石を追って駆け出した。

 

 

***************************************

 

エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル

 

 

久しぶりに私の担当外の日に夜の警備の要請がでたので面倒くさいが気分も悪くなかったので茶々丸を連れて出てやったら何やら騒がしかった。

こういう時には私はその性質上呼ばれないとばかり思っていたので少し意外だ。

AAAからの要請により出張に行っているタカミチとイギリスのメルディアナ魔法学校に視察に行っているじじい以外の主戦力となる魔法先生と魔法生徒が世界樹の下の広場に集結していた。

平日の深夜1時だと言うのにも関わらず魔法先生だけでなく高校生の高音・D・グッドマンや中学2年生の刹那や龍宮、佐倉まで召集されていたのだから驚きだ。

ちなみに茶々ゼロは魔力不足のため留守番だ。

 

「おい、刹那何が起こっているんだ?」

とりあえず近くにいた刹那に事情を聴く。

 

「エヴァンジェリンさん、茶々丸さん、こんばんは。すみません、私も龍宮も今来た所なのでわかりません。ですがこれからガンドルフィーニ先生から何らかの説明があるみたいです。」

「そうか。」

 

その会話が終わったと同時に眼鏡をかけ厚めの唇で角刈りの髪をした黒人の男 ガンドルフィーニが階段の上に立ち口を開く。

 

「非常時ですが現在学園長も高畑先生もいないので僭越ながら今回の召集の命を出しましたガンドルフィーニです。現在、ここ麻帆良に向けて南から多数の骸骨の群れが進軍してきているという情報が入りました。骸骨兵自体はそこまで強い力を持たないのですが数が多いです。下級使い魔クラスの力とは言え1500体以上の骸骨兵が見張り部隊の目に止まりました。西洋に伝わる竜牙兵ではなく、あくまで日本の骸骨を使役しているのだと葛葉先生は分析しています。幸い深夜で森の中を通って来ているので一般人には気がつかれてはいないみたいですが早急に対処せねばならない状況に陥ってしまったので動かせる魔法生徒と魔法先生全員に招集して頂きました。まだ全員は集まっていないですが時間が無いのでまずはこのメンバーで迎撃にあたります。」

 

ガンドルフィーニがさらにたたみかけるように続ける。

 

「今、葛葉先生と神多羅木先生とそれに夏目くんが南エリアで対応しているが数が多く今は対応できていますがこのままでは対応しきれないとの応援の要請が届きました。骸骨どもが何を狙っているのかまではわかりませんが学園の敷地をまたがせるわけにはいきません。故にみなさんにはこれらの迎撃にあたってもらいます。準備はいいですか。部隊はこちらで分けます。私も前線に立って戦いますので参謀の明石教授に作戦の指示を行って頂きます。明石教授が今回の作戦の実質的なトップだと思ってください。では明石教授お願いいたします。」

 

呼びかけに応じて眼鏡をかけた黒髪の温和な顔つきをした男性が前に立つ。

 

「本作戦の参謀役を預からせて頂いた明石です。敵が向かってくるが三つの戦力に分かれて向かってくると言う情報が入ったのでこちらも戦力を3つの戦力に分け迎撃いたします。

現在南エリアに集中して敵がなだれ込んできておりますが、時間差で西エリア、東エリアにも骸骨が迫って来ているとの情報が入りました。

そこで私とガンドルフィーニ先生の独断で力、チームワークなどを加味して戦力が均等になるように部隊を組みました。

それでは指示します瀬流彦先生は神多羅木先生たちの応援に南エリアへ、シャークティー先生、弐集院先生、高音くん、佐倉君は西エリアをお願いいたします。桜咲くん、龍宮くん、絡繰くん、マクダウェルくん、そしてガンドルフィーニ先生に東エリアの守護をお願い致します。そのほかのみなさんはまずは南に加勢してください。私は作戦指示のために学園魔法生徒会の指令室にいますので何かあったら連絡してください。そのほかの応援は部隊が整い次第随時派遣致します。

まずは迎撃して頂き、戦力に余裕が出てきたら反撃に転じ戦線を押し上げます。力は弱いですが数が数なだけに今回の作戦は厳しい状況になると考えられますが、どうか皆さん、この麻帆良の地を守るために全力を尽くして頂きたい。」

明石教授がわかりやすく聞きやすい話し口調で迎撃部隊の指揮上げと部隊の配置とメンバーを口にする。

 

「高畑先生と学園長に連絡をいたしましたが、恐らくは間に合わないでしょう。最大戦力の二人がいないことはとても厳しいですがない物ねだりをしていても始まりません。逆に二人に我々の戦力でもこの程度の非常時は乗り越えられるのだと証明しようではありませんか!!」

ガンドルフィーニがまくし立てる。ここにいる魔法生徒、先生、そして恐らくは自分自身を鼓舞しているのだろう。

「では急いで持ち場に着いてください。」

 

その言葉と同時にメンバーが散開する。

茶々丸は背中に背負ったジェットパックで、刹那と龍宮は瞬動術で、私とガンドルフィーニは飛行魔法でそれぞれ現場に向かう。

いつもは学園の結界のせいで力を封印され、全く魔力を出すことができないが、今日は三日月、ほんの少しなら魔力を使って戦える。

 

別に付き合ってやる義理はないが、もしこの件で麻帆良側が負けてしまったら麻帆良が骸骨だらけの都市になってしまう。そうなったら住んでいて心地のいいものじゃないので仕方なく迎撃に付き合うことにした。

ナギもその息子もいなくなってしまった以上ここから出られないのは確定しているようなものなのだから…。

 

「またマスターも素直じゃないんですから…、皆さんが心配なら素直に言えばよろしいのに。」

最近プログラムにない自我が芽生え始めてきたボケロボットが何か見当違いな事を言っている。そのせいで少ない魔力を節約して飛んでいる調整が狂って地面に落ちそうになった。

 

「何見当違いなことを抜かしている、このボケロボが!!。この戦闘が終わったら覚えておけ、そのゼンマイ回しつくしてやる。」

 

 

「これはまた大事になったな。このミッションの給料は弾むのだろうか?」

 

上で行われている漫才をしりめに移動中の龍宮がいつもと変わらない軽口をたたく。

 

「終わった後の事を考えるより目の前の事に集中しないと足元をすくわれるぞ。龍宮。」

 

「何、骸骨兵程度にそうは遅れをとらないさ」

刹那が龍宮の軽口に真面目に反応する。

いつもコンビを組んでいるだけあって、慣れた会話のやり取りが続いていく。

力は入りすぎていないが程よい緊張感もある。そんな空気が4人の間にはあった。

 

「ところでエヴァンジェリン、力を封じられている君が戦力になるのか?」

ガンドルフィーニが緊張感のなさすぎるやり取りに呆れたのかため息をつきながら、戦力確認のためだろう、私に珍しく話しかけてくる。

 

「今の私にも自分の身を守るくらいはできるさ。だがまあ、あまり戦力としては期待しないことだな。今使える私の力は微量だが、居ないよりはましだろう。私も骸骨まみれの廃墟で暮らすのは嫌だからこうして出てやってるだけの話さ。」

 

「そうか、それならいい。危機に陥ってもこちらは助ける余裕などないだろうからな。」

それは暗にこちらが危機に陥っても助けないということを示していた。

それは当り前の事だしいちいち気にしてはいないが、この男の甘さに少し腹が立った

恐らく刹那と龍宮が危機に陥ったらこの男は魔法先生として命を投げ出してでも生徒を助けるであろう。

しかし私は多くの魔法使い達の間で悪の魔法使いとして疎まれ続けている存在だ。不老不死とはいえ結界の中なのでその中で致命傷を負うとどうなるかは見当もつかない。だが正義の魔法使いが私を助けるわけがない。

というよりこうして『正義の魔法使いに気を使われている』こと自体稀な事だろう。

放っておけばいいだろうにわざわざ声をかけるなんて、全く、この学園にはどうしてこう、甘い連中ばかりが集まるのだろうか。

 

そうこうしている内に迎撃エリアに着いた。

 

1㎞向こうに骸骨の軍勢が迫っていることが確認できる。その数は500を越えているだろう。それぞれにどこで用意したのか剣と槍と弓を装備している。

「はっ、これが全部ゾンビだったら軽いアクションホラー映画だな」

「マスター、今でも十分ホラーだと思います。」

軍勢を前にしても私達は変わらない。

 

「では、いくぞ。それぞれ油断しないように。」

ガンドルフィーニと刹那が前に出る。

戦闘布陣は拳銃とナイフと魔法を使ったCQCが得意なガンドルフィーニと魔を断つ神鳴流剣術をつかう刹那が前衛、銃火器のエキスパートである龍宮が後衛、機動力があり実弾から魔法弾を使いこなし、果ては格闘術までこなす茶々丸と空からの魔法と糸で前衛後衛をサポートできる私の二人が中衛、もしくは遊撃隊という布陣に自然となる。

龍宮も私も近接戦闘ができないわけではないが一番得意な畑で戦うのが一番だと理解しているので自然にこのような布陣となったのだ。

また時間が経つにつれて乱戦になると考えられるのでこの布陣は最初だけになるだろうし近接戦闘にもなるだろう。

 

「このミッションの給料と共に今回使う銃弾の代金も学園長に請求するかな。」

龍宮が違う空間からRPGを取りだし、軍勢の中心にぶち込んだ。

轟音とともに爆炎が上がる。

それを皮切りに刹那とガンドルフィーニが骸骨兵の軍勢に突っ込んでいった。

 

「リク・ラクラ・ラック・ライラック 魔弾の射手(サギタ・マギカ)  連弾・氷の17矢(セリエス・グラキアーキス)

それとともに私はビーカーを割り魔力を解放し魔弾の射手(サギタ・マギカ)を放つ。

茶々丸はガトリング砲で前衛をサポートする。

 

まだ夜は長い。

 

***************************************

 

ガンドルフィーニ

 

「おかしい」

戦闘が始まって30分は過ぎただろうか、そんな時にエヴァンジェリンが呟いた。

本部からの援軍が来て大分戦況は安定したがまだまだ骸骨兵はたくさんのさばっている。睨んだ通りこの兵たちは力自体は強くないが砕いても砕いても再生するのだ。

そんな中でも『戦いの歌(カントゥス・ベラークス)』の魔法で強化されている身体能力に引っ張られて呟きを聞きとれるほど聴力の性能も上がっているのだ。

奥で茶々丸君がその格闘術で骸骨を砕いている。

 

 

「何がおかしいのだ、エヴァンジェリン。」

「こいつら、数に物を言わせて波状攻撃に転じれば、最初の10分くらいでこの迎撃布陣を突破して麻帆良の中心部に進軍する兵が現れてもおかしくはない。だがわざわざ私達の相手をしているのがおかしいと言っているんだ。」

 

さすがは百戦錬磨の闇の福音(ダーク・エヴァンジェル)、超絶的に弱体化して魔力も本来の1/100も使えないはずなのに冷静に戦局を分析していたのだ。

話しながらでも糸と鉄扇を器用に使って骸骨兵の攻撃をいなし、合気柔術を使って投げ飛ばしたり、少女の腕力のはずなのに相手の力を使ってその体を砕いたりしている。

とても弱体化しているとは思えない洗礼された動き、合気鉄扇術・合気柔術の極みに到っていると言ってもいいその戦いぶりに戦慄すら覚えるが今は味方、そのまま見解を聞く。

言われてみれば確かに私たちを囲い込むように動いているような気がする。

 

「こいつらの狙いは麻帆良の中心部じゃないとでもいうのか?」

 

「さてな、それは知らんよ。だいたい私は西洋の魔法使いだぞ。日本の妖怪に詳しいわけないだろう。だが特徴はつかめてきたぞ。竜牙兵や日本の一般的な式紙なら砕けたらそのまま消えるか使い魔共の住処に帰るはずだが、こいつらは砕いても骨自体が無事なら再生してくる。つまり元々ある骨を操っている感じだ。何らかの魔法か呪術で動かされていることは間違えないだろう。」

 

「なぜそう言い切れる。」

 

「刹那の方を見ろ、対魔の剣技である神鳴流で斬られた骸骨兵だけは再生が遅い。遅いということは再生していると言うことだ。この結果、この兵どもは自然発生した妖怪ではなく呪術か魔法で操られてると推測できる。普通の妖怪なら神鳴流の剣に斬られた瞬間に魔を祓われ動けなくなる。斬られてから呪術をかけなおしていると言っていいのかもしれん。つまり西洋でいうところのネクロマンサーがこいつらの主とみて間違えないだろう。」

 

「馬鹿な!そんなことはあり得ん。この数の骸骨を操り、再生呪文すらかけているのか?それこそ封印が解かれた君やサウザンドマスター、近衛木乃香くんクラスの大きい魔力を持っていないと不可能だ。」

「だから私にとっても東洋の妖怪は専門外だと言っているだろうが。まあ、考えられるとすればこの襲撃のずっと前から何日もかけてあらかじめ全部の骸骨にそういう呪文(操り呪文・再生の呪文)をかけていた。そして呪術をかけなおす媒体を用意していたと言ったところだろう。神鳴流は呪術者の天敵のはずだし、それに対する対策を整えていたというところだろうな。」

その冷静な見解は筋が通っているし的を得ていた。

600年の叡智は確かなものだと改めて感心する。

 

「くっ、計画的な犯行と言うわけか。」

日本の呪術だったら媒体に使われているのはオーソドックスな札であろう。魔力を込めた札を何千枚も作るとは、もしかしたら年単位でこの作戦のために準備していたのではないだろうか

 

「私の推論があっているとすればそういうことだな。もしかしたら、案外こうして骸骨共を迎撃している私達こそがメインターゲットなのかもな。

ちぃ、さすがにウザったい。こういう敵はタカミチに任せておけばどうと言うことはないのに。」

 

さすがに焦れて来たのかエヴァンジェリンが悪態をつく。

その前に興味深いことをいったが今はそれを詳しく聞く余裕がなくなってきつつあるのも確かだ。

ここへきて骸骨兵の勢いが増してきたのだ。

確かに高畑先生の無音拳なら少ない労力でこの骸骨兵を消し飛ばしながら排除することができるであろう。

桜咲くんも大技を打てば同じような事が出来るだろうが神鳴流の奥義は気を大量に消費するので今の桜咲くんではまだこの骸骨を一掃するほど連発できないであろう。

 

エヴァンジェリンの解説を聞いた龍宮君も手榴弾や焼夷弾など骨を直々に破壊する物に切り替えて対応しているがこの骸骨全てを破砕する銃火器などとっさの召集だった今回、用意できるはずもなかった。

また私についているマイクを通してこの推論は明石教授の元へ行くだろう。しばらくしたらその対策方法が魔法先生全員に伝えられるであろう。

 

しかしさすがにじり貧だった。こちらにも援軍は来ているとはいえ、こっちは人間で相手は疲れ知らずの化物だ。それにあまり戦場に慣れていない未熟な魔法使い達が多い。

私に限っては1時間程度の戦闘で動けなくなるということはないが私以外の、特に後から応援に来た未熟な使い手たちは違う。

もしこの子たちが倒れてしまったら戦況は一気にあちらに傾くであろう。

せめてもう一手、もう一手だけ桜咲くん、龍宮くんに匹敵する実力者の援護が欲しい。

 

とその瞬間、左側から人の身長ほどある大きな手裏剣が飛んできて複数の骸骨を砕いた。

当然再生するが次の瞬間それらすべての骸骨の額に爆符が張り付けられ骨と言う骨が爆発して燃え尽きた。

 

「どうやら助けが欲しいと見える。拙者が加勢するが不満はないでござるかな?」

 

その声とともに紫の忍者服に身を包んだ少女が現れた。

 

「楓か?」

龍宮くんが反応する。どうやらこの少女に心当たりがあるらしい。

そう言えば、魔帆良武道四天王の内の一人に長瀬楓という少女がいたはず。

つまりその少女が助太刀に来たのであろう。

 

「武芸に長けていると言っても君は一般人だろう。そのような君を巻き込むわけにはいかない」

確かにこの少女は強い。ともすれば私よりも強い可能性すらある。だが魔法先生として一般人に戦わせるというのは矜持に反することだった。

 

「楓なら心配ないですよ。ガンドルフィーニ先生。彼女はかなりのてだれの忍者ですよ。」

龍宮くんが500円硬貨を骸骨に弾きながらそう告げる。

「ええ、長瀬さんならこの戦場でも十分に活躍できるでしょう。」

桜咲くんもそれに同調する。

「これから剣をそろえて戦うのでござるから楓でいいでござるよ。刹那殿。」

「では私も呼び捨てで構いませんよ、楓。」

これが戦場じゃなくスポーツの場面であったなら実に中学生らしいやり取りであっただろう。

空気が弛緩仕掛けたがそこはどちらも戦場を弁えていて一瞬にして意識を切り替える。

 

確かに猫の手も借りたいほど切羽詰まった戦場だが一般人に戦わせるのは気が引ける。

「甲賀中忍 長瀬楓、参る」

そうこうしている内に長瀬くんが戦場に本格参戦した。

だが何より驚いたのはこの少女の名乗りだ。私は外国人だからあまり忍者には詳しくないが、それでも確か中忍というのは甲賀忍者の最高位の位だったはずだ。

少なくとも中学2年生の少女が得ていいような称号ではない。

だがその称号を証明するように長瀬くんが戦場を飛びまわる。

 

エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル、桜咲刹那、龍宮真名、長瀬楓、絡繰茶々丸、この5人の中学生を中心として東エリアの戦況は少しずつだが確実にこちらに傾いていた。

 

 

 

 




前回ネギ君に魔槍とは違うやりを持たせた理由は、やっぱりゲイボルグは切り札であって欲しいという作者の思いからです。その結果の槍も作者が悪乗りしすぎておかしな物が出来上がりましたが(笑)。

あとどれくらいの文字数で投稿していいのかわからん。今回はキリがよかったので8000文字ちょいで投稿してみた。
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