もし明らかになっていて間違っていたらご指摘いただけると助かります。
回りくどい文調を直してもっと読みやすい文を作りたい(願望)。
あと最初の予定は遥か彼方に投げ捨てた。もうライブ感で進めていくことにする。
龍宮真名
甲賀忍法によって生み出された爆発と銃火器による爆発、そして剣気による爆焰が連鎖的に合わさり凄まじい破壊力を誇る大爆発が轟音とともに炸裂した。
爆発の中心にいる餓者髑髏はもちろん、肩に乗っていた垂金川も無事では済まないかもしれない。
その破壊力は凄まじく爆炎と砂ぼこりがまだあの大きい餓者髑髏を覆い尽くしていた。
「終わったのですか…」
佐倉愛衣が全身の力が抜けたように地面に座り込む。
無理もない、いくら小学6年生の時にアメリカのジョンソン魔法学校の留学し、その魔法演習でオールAを取った秀才だからと言ってもまだ実戦経験の少ない中学1年生なのだ。
これだけの時間戦い抜き、最後にあのような巨大な妖怪と対峙したのだ。
全ての体力と精神力を使い果たしてもしょうがないであろう。
むしろここまで戦い抜くことができたこと自体、彼女の非凡な才能が見て取れるであろう。
「ほら、愛衣、しっかりなさい。」
「すみません、お姉さま。」
そんな佐倉を見かねたのか、心配してなのか仮契約主の高音が声をかけ手を引っ張って起こす。
こちらも息が切れている。
佐倉のように座り込まないのはここにいる前線の魔法生徒の中で一番の年長者であるというプライド故だろう。
見ると後衛で援護に回っていた戦場慣れしていない魔法使い達も疲れ果てていた。
この破壊力を見る限り敵はただでは済まないであろう。
だがまだ油断はできない。
何しろ一人でこの麻帆良に乗りこんできた猛者なのだ。
次の行動で何をしてくるのかわからない。
その二人と動けずにいる魔法使いを庇うかのように楓と刹那が前に立つ。
それは私も同じだった。
「熱源反応確認、垂金川君麻呂はまだ動けています。戦闘可能かどうかは判断が付きません。皆さんも油断しないようお願い致します。」
「はっ、日本文化を馬鹿にした話し方をしている割になかなかしぶといじゃないか。」
超鈴音と葉加瀬聡美と言う麻帆良が誇る2大頭脳と600年を生きる
餓者髑髏は見てわかるように骨なので熱源を感知することができないが生きている人間であるならばこの絡繰茶々丸の感知能力からは逃れることは難しいであろう。
術者が無事であるなら何をしてくるかわからない。
別空間から全身の神経を麻痺させる毒付きの麻酔弾を弾薬にしているアサルトカービンのコルトM727を取りだして構える。
フルオートとセミオートに切り替え可能でその確かな威力の連射は比較的広い範囲での相手の攻撃に対して対応できるであろう。
本当はボルトアクションのライフル銃のレミントンM700やデザートイーグルの方が使いなれているのだが狙撃ができる戦力が前線に整ってない+敵が巨大過ぎてマグナムでも対応しきれないので状況を判断して中距離から連射で打ち込むことができるこの銃を選択したのだ。
「奴が動く前にたたく。援護を頼めるか龍宮」
「了解した。しくじるなよ、刹那。」
「拙者も陽動をしつつ、本丸を狙うでござるよ。」
「熱源反応未だ目立った動きなし。ですが何か呪文を唱えているかもしれません。」
「この長い戦闘にもうんざりだ。とっとと終わらせて帰るぞ、茶々丸。」
動けるものが口を開き、次々と追い打ちの準備に移る。
楓が16体に分身をして一斉にジャンプで上に飛び上がり複数に分かれて飛びだす
だが次の瞬間、想定外の事が起こった。
煙の中から腕だけが物凄い勢いで飛び出して来たのだ
餓者髑髏の左腕だ。
爆発によってできた煙幕を貫き出てきたそれは餓者髑髏の白い腕で、その技は俗に言うロケットパンチそのものだ。
それだけで十数mはあるそれが凄まじい速度でこちらに向かって放たれた。
その速度と質量のせいで並みの攻撃では弾くこともできないであろう。
避けることもできたが後ろには佐倉をはじめとした疲れ果てた魔法使い達がいる。
我々と違って避けきれずに当たってしまうかもしれない。
最初に迎撃に動いたのは追撃のために気を溜めきっていた刹那だった。
「神鳴流奥義 雷光剣!!」
雷の骨だけの左腕に叩きこまれる。
鉄すら斬り裂く雷の斬撃を餓者髑髏の左腕は弾き飛ばしながら進む。
「ちぃ、世話の焼ける。
次にエヴァンジェリンが氷でできた盾を展開するが魔力不足だと言うことが見てわかる。これはそこまで当てにできないであろう。
その予想通りで硝子を金槌でたたき割るように簡単に氷の盾が砕け散る。
エヴァンジェリンの立場からしてみれば防がずに我々を見捨てて避けてもいい物を…、とっさの事で魔法を展開したのか、それとも弱者を見捨てられない性格なのかは分からないが防御することを選択したようだ。
かくいう私も迎撃という手段を体が勝手に取ってしまっていた。
気が付けば指がトリガーにかかり骨の左拳に連射していた。
「私もまだまだ甘いな」
さっきみた佐倉と高音のやり取りにかつての自分と
この銃もあの迫りくる左腕からしてみたら豆鉄砲レベルですらないであろうがないよりマシだろう。
隣では後輩たちを守るために高音が影の魔法を展開している。
茶々丸も持っている銃火器で迎撃している。
主が逃げないでいるので従者である茶々丸も当然そこに留まっている。
だが次々と破られてしまっている。
しかしそのお陰もあり少しは減速したがまだまだ威力は死んでいない。
何かに当たるまで止まらない呪術でも仕掛けられているのだろう、普通ならその重さに耐えかねて墜落してもおかしくないものを。
葛葉教諭と神多羅木教諭、そしてガンドルフィーニ教諭が生徒たちを守るように前に立つ。
葛葉教諭は神鳴流の対魔法結界を最大にして受け止め、神多羅木教諭とガンドルフィーニ教諭は魔法障壁を全開にして前に立つ。
だが質量が違い過ぎて抑え込めずに拳に物凄い勢いで押し戻されてしまっている。
結界も魔法障壁にも簡単にひびが入る。
圧倒的な質量に速度まで加わっているのだ。
いくら優秀で高位な魔法使いと言えど防ぐことは簡単ではない。
しかしそこに人の背丈ほどもある風魔手裏剣を盾のようにして構え、気を全開にした楓が加わる。
虚空瞬動で減速した骨塊を追い越し防御に回り込んだのだ
恐らく土煙りに動きがあった瞬間には虚空瞬動を発動し、方向転換して戻ってきたのであろう。
急に戻ってきたということもあり、本来の力を出し切れていないように見えるがそれでも楓が加わったことは大きい。
凄まじい速度と判断力だった。
今ここで戦える者全員の力を合わせて、餓者髑髏の左腕食いとめていた。
その甲斐あって左腕の勢いが止まる。
この攻撃を防ぐだけで皆、かなりの体力が持っていかれてしまい、特に教師3人はこの一撃の防御で全部の気と魔力を使い果たしたのか倒れ伏してしまっている。
そして左腕は当然のように餓者髑髏の元に戻っていく。
ロケットパンチの威力で煙幕が晴れたのであろう。
再生しかけの餓者髑髏が姿を現していた。
垂金川もその肩にはっきり姿が見える。頭から血を流していて、火傷もしていることだろう
「もう許さないでおじゃる。日本国内から追い出すだけにとどめようと思っていたでおじゃるが、麻呂が甘かった。貴様ら全員捻り潰してくれるわ」
怒り狂った垂金川の声とともに呪符を投げ飛ばす。
その符が大きな火球になり襲いかかる。
「リク・ラクラ・ラック・ライラック 来たれ氷精、爆ぜよ風精 『
エヴァンジェリンがフラスコを割り魔法を唱えて迎撃する。
冷気と爆風で敵を攻撃する呪文だが、エヴァンジェリンの魔力不足のためか人一人を簡単に呑みこむ様な火球に比べて氷の爆風は圧倒的に小規模で頼りないものであった。
それでも火球は冷気の爆風に当たると破裂し、氷と炎がぶつかり凄まじい爆発を生み出した。
その衝撃を近くでまともに食らったエヴァンジェリンが吹き飛ばされる。
「マスター!!」
茶々丸がエヴァンジェリンを追い、飛び立とうとするが敵の攻撃は終わらない。
主が守ろうとした物を守るために動けない。
「これで仕舞いじゃ、魔法使い共」
その声とともに右腕がさっきの左腕と同じ要領で分離した。
しかもさっきと違って高速で回転しており、貫通力と破壊力をましたそれが呪術の魔法陣とともに向かってくる。
さっき以上の破壊力を携えたそれに対応できるものはもういないであろう。
先ほどの攻撃を防ぐために密集隊形のままでいたことが完全に仇となっており、このままでは一網打尽になってしまうだろう。
さらに先ほどの爆風の余波を受け動けない魔法使いがさらに増えたのだ。
動けない魔法使いに囲まれこのままでは私も危ないであろう。
仕方がない。コウキの夢を引き継いだのにそれを果たせずにここで死ぬのはごめんだし、不本意だが4年ぶりに切り札を切ろう。
刹那も同じことを考えていたのであろう、何をするのかは分からないが体の周りに気が高まっている。
今まさに魔力を解き放とうとした瞬間、新しい影が私達と迫りくる右腕の間に躍り出た。
迫りくる右腕に背を向けて我々を方を向き、守るように立ちふさがった。
白いローブを纏い、少し長い金色の髪をまとめた、鋭い目をしているが私より少し年下ぐらいの少年だった。
カジュアルなチノパンにローブの下から黒いTシャツが見える。
肩にはローブと同じ色の真っ白いオコジョを乗せている。
そしてその腕には先ほど吹き飛ばされてしまったエヴァンジェリンを抱きかかえている
「き、君、危ないから下がりたまえ」
息も絶え絶えのガンドルフィーニが地面に倒れ伏しながら叫ぶ。
「プラ・クテ・ビギナル
少年はガンドルフィーニの言葉に笑顔で応じると、呟くように魔法を発動させる。
まだ声変わりすらしていない幼い子どものような声だった。
その言葉とともに子どもや初心者が使う始動キーが紡がれ、10tトラックの衝突すら防ぎきる風の障壁が展開される。
だがあの迫りくる右腕の衝撃は10tトラックなど軽々越える一撃だった。
ミサイルに匹敵、もしくは凌駕するほどの威力だ。
動けずにいる誰もがあの餓者髑髏の腕がその障壁を貫通して少年ごと我々全員を押しつぶすと考えていた。
その少年がただの未熟で命知らずの魔法使いだったら障壁を簡単に突破されて我々全員とともに押しつぶされてしまっていただろう。
しかしその少年は只者ではなかった。
圧倒的な魔力によって強化されたその風の障壁は我々の予測に反し、簡単に餓者髑髏の右腕を防ぎ、逆に弾き飛ばしてしまった。
「貴様ァ、何者じゃ!!」
「レイ、レイ・ライトノート。」
垂金川の怒り狂った声に反してあまりにも冷静な声で少年は名を名乗った。
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ネギ・スプリングフィールド
探査の効力を持つ〈ベルカナ〉のルーンが中に浮かび、ネギの移動速度に合わせて道案内をするように動く。
魔力の元を辿り、森をしばらく走っていると戦闘音が鳴り響いてきていた。
「ラス・テル・マ・スキル・マギステル」
念のため変装の魔法をかけ、気配遮断のルーンを自分の周りの空間に刻む。
ネギの姿が変化する。
体が一回り大きくなり、赤い髪が金色になり、丸い目も鋭く変化する。瞳の色も茶から蒼に染まる。
それと同時にルーンの文字が自分の周りを一回転したかと思うとネギの周りの空間に溶け込んでいった。
気配遮断のルーン 〈スリザス〉だ。
これで攻撃に移るか魔法を解くかしない限り気配を感じ取られることはないだろう。
セラス騎士団総長から今の段階でメガロ・メセンブリアの元老院に見つかると英雄の息子として政治の道具にされてしまう可能性が高いので、そうなりたくなければセラスの他にも複数強力な後ろ盾が見つかるまでネギ・スプリングフィールドとしてあまり派手に行動するなと口を酸っぱくして言われているのだ。
戦闘が行われているのであれば、ここからはレイ・ライトノートとして行動しなければ…。
「兄貴ぃ、その変装をいつまで続けるんだ? 一応、メルディアナの校長には話してあるんだろ?」
「う~ん、あともう一人くらい強力な後ろ盾が見つかるまでかな。おじいちゃんにもネカネお姉ちゃんとアーニャに変装がばれたから仕方なく話しただけで、迷惑掛けたくないから本当はまだ黙っているつもりだったんだけどね。」
カモ君は僕にこの変装を解いて、ネギ・スプリングフィールドとして行動して欲しいみたいだった。
まあ、自分の命の恩人が変装して、こそこそ動いているのを見て良く思わない気持ちもわからなくはないが慎重に行動をしておいた方がいいであろう。
師匠も昔、弟子のクー・フーリンを睡眠薬で眠らせて戦場に出さないようにしようとしたことがあったらしいが、その薬が効かず結局は戦場に出てきて大暴れしたことがあるらしいし…。
自分がこれで大丈夫だと思っても足をすくわれることはたくさんある。師匠はその弟子の行動に救われたらしいが、今回は僕の人生のこれからにも関わってくることなので念には念を入れて慎重に行動しているのだ。
自分を政治の道具にしようとしている人たちに救われるとはまずないと考えて行動した方がいいであろう。
よし、との掛け声とともに木を駆け登り周囲を見回すと、視界の中に50mはありそうな巨大な骸骨が飛びこんできた。
「カモ君、あれなに?」
「さ、さあ、この国の使い魔かもしれないぜ。」
「あんなのが跋扈していたら魔法なんて直ぐにばれそうなものだけどなぁ。」
「って、言ってる場合じゃねえよ兄貴。良く見たらあの骸骨と女の子達が戦ってるぜ。」
現実逃避もそこそこにカモ君の言葉で我に帰る。
見るとたくさんの魔法使い達がその骸骨と戦っていた。
前線では中学生くらいの女の子達が積極的に戦っている。
あの巨大な骸骨に劣勢に追い込まれているように見える。
「じゃあ、助けに行こうか!!」
木から飛び降りて骸骨がいる方向に駆け出して少し経つと凄まじい爆音が聞こえた。
「なんかやばそうだぜ。兄貴」
「そうみたいだね、急ごうか。」
〈ベルカナ〉のルーンとともに自身にも両足に〈早駆け〉のルーンを刻みスピードを上げた。
全力で駆け抜けると開けた部分に出る。
〈ベルカナ〉のルーンの効果が消え、媒体にしていたルーンの文字を刻んだ小石がことりと言う音を立てて地に落ちる。
森を抜けた瞬間、一番先に目に入ったのは10歳くらいの大きさの金髪の女の子が吹き飛ばされている場面だった。
目に入った瞬間、無意識のうちに飛行魔法を発動させ、女の子を空中で抱きとめる。
「ナ…ギ…?」
僕を見て女の子が驚いたような顔をしてそうつぶやいた気がする。
なぜこんな小さな少女が父の名前を呟いたのか気になるが今はそれどころじゃないようだ。
たくさんの魔法使いが倒れ伏しているその先に巨大な骨の腕が放たれている。
銃を持った長身で長い髪の褐色の女の子とこの国の長い剣を持った女の子が何かをしようとしているが間に合わないであろう。
すかさず、女の子を抱きかかえたまま、魔法使い達の前に降り立つ。
「き、君、危ないから下がりたまえ。」
僕を見た眼鏡をかけた厚い唇の黒人男性が必死に声を出して逃げるように促す。
見た所、自分も魔力切れと怪我で辛いだろうにこの大ピンチの場面で他人を気にかけるとは、これが『正義の魔法使い』なのだろう。
その男にほほ笑みかけ、魔法を発動させる。
「プラ・クテ・ビギナル」
魔法を放つためには始動するために精霊に語りかける合図、もしくはパスワード的なものが必要になる。それが始動キーだ。
そしてこの始動キーは初心者が使う始動キーにあたる。
自分の始動キーは完成しているが人前では使わない。
始動キーは人によって千差万別、世界に一つだけと言うこともあり得る。
始動キーから身元が特定される場合もあるであろう。
誰も信用できず、どこで誰が聞いているかわからない今、オリジナルの始動キーは使わない方がいい。
そしてこの始動キーは魔法使いであるなら
「
10tトラックの衝突すら耐えるこの呪文にさらに力ずくに無理やり魔力を加え防御力を高める。
これならちょっとやそっとの攻撃なら耐えられるだろう。
この魔法のデメリットは一瞬しか出せず、さらに連続して展開できないことだが、少ない詠唱で大きな衝撃に耐える障壁を展開できるというメリットもある。
右腕と障壁が衝突する。
激しい衝撃音と共に面白いように巨大な骸骨の右腕が風の壁に弾き飛ばされた。
思ったよりも簡単に防ぎきることができた。
「貴様ァ、何者じゃ!!」
余程自信があった攻撃なのだろう。この国の伝統衣装に身を包んだ細身の男が怒鳴りつける。
その声には怒りのほかに僅かに怯えたような声色を孕んでいるような気がする。
そして名前を問われた。
もう、こうして偽の名前を名乗るのは何回目になるだろうか。
落ち着いた口調で偽名を告げる。
「レイ、レイ・ライトノート」
その言葉だけでこの空間を支配したような気がした。
「おのれェ、麻帆良側の援軍か?」
「いや、ただの通りすがりの魔法使いですよ。」
女の子を落とさないように片手で支えながらローブを脱ぐとそれを地面に敷き、抱きかかえた女の子を静かに優しくローブに下ろし、怒り狂った男と会話を交わす。
女の子はかわいらしく目をパチクリさせながら、されるがままだった。
というより魔力不足で何もできないでいるというのが正しいのかな
「ならば、なぜで麻呂の計画を邪魔するのでおじゃる!!」
「僕がそうしたいと思ったからですね。それ以外に理由はないですよ。それに女の子を簡単に傷つけるような人を見逃せるわけがないじゃないですか。」
振り向きながら男の質問に答える。
今紡いだ言葉は間違いなく僕の本心だ。
確かに関わらなくていいことなのかもしれない。
正義の魔法使いや
そして無理をしてでもなろうとも思ってはいない。
しかしそれでもできる範囲で自分のやりたいことはやろうと思って行動している。
そしてこれは僕のできる範囲の事だ。なら介入しよう。
自分の心に従った結果の行動だ。後悔なんて欠片もしていない。
「ならば、貴様ごと麻帆良を潰すまでじゃ!! しゃしゃり出てきた事を後悔するがいいの! 行くのじゃ餓者髑髏、一撃でダメなら直接何発もお見舞いしてやるのでおじゃる!!」
男の言葉に従って餓者髑髏と言われた大きな骸骨が動き出す。
右腕もこの会話の間に骸骨本体に戻っている。
だがそのまま餓者髑髏をいいようにさせておくほど僕はお人好しじゃない。
「プラ・クテ・ビギナル
迫りくる餓者髑髏と呼ばれた怪物に向けて風の魔弾を放つ。
数えるのも馬鹿らしい数の風の魔弾が餓者髑髏に纏わりつくとそれらが全て帯状に変化し、餓者髑髏に巻きついて拘束していく。
見た所、魔法障壁の類は餓者髑髏に付与されていない。つまりは抵抗すらできない。
あっという間に餓者髑髏は風の帯に捕えられてしまった。
これならしばらくは動くことはできないであろう。
やりすぎた気もしないでもないが戦場では念には念を重ねておいて損は無い。
「なんじゃ、これは!!!」
男が戸惑いの声を上げる。
自身の最強の使い魔がこうも簡単に捕縛されてしまっているのだ。
うろたえる気持ちもわからなくはない。
うろたえる男を無視してさらに呪文を続ける。
「プラ・クテ・ビギナル |影の地統べるスカサハの《ロコース・ウンブラエ・レーグナンス・スカータク》、
手の中に自分の身長の3倍はある雷で造られた投擲槍が出現した。
通常は宙に浮かせたまま相手に魔力で槍を操って投げるそれを、あろうことか無理やり掴み取った。
槍を持つと投げ槍の要領で、骨の檻に守られる男に向かって文字通り投擲した。
軽く投擲したように見えるのに雷の弾頭は簡単に音速を越え、骨の檻を容易にぶち破り、男を餓者髑髏の肩から連れ去ると100m先の地面に男を磔にした。
これまで何千、何万と繰り返してきたその投擲は狙った獲物を逃さない。
動けない対象なら、ネギは目を瞑っていても絶対に外さない。
磔にした地面にその勢いと魔法の威力でクレーターができる。
『雷の投擲』が消えるまで男はその場から動けないだろう。
「なんと恐ろしい小童じゃ。じゃが麻呂を餓者髑髏から離した所で終わるわけではないぞよ。」
死なないように手加減したとはいえ、地面に磔にされながらも僕に向かって悪態をつけるのはさすがだ。
しかしその悪態もむなしく、餓者髑髏も男も動けないでいる。
『雷の投擲』よって破砕された骨の檻が元通りに戻る。
どうやら強力な再生魔法が付与されているようだ。
欠片も残さず消滅させるか、再生が追いつかないほどの大きな威力の攻撃を連発しまくらない限り、再生し続けるであろう。
「兄貴、面倒くさそうな妖怪だけど、どうするんだ? 大技でドカンとやっちまうか?」
肩のカモ君が聞いてくる。
千の雷は…だめだ、範囲も威力も大きすぎる。周囲数百m以上を焦土に化すそれは隠蔽にも手間と迷惑がかかるし、何より動けないでいる魔法使いを巻き込みかねない。
雷の暴風も却下、餓者髑髏の真後ろ、魔法の射線上に居る男を巻き込んで殺してしまいかねない。
仕方がない、手間はかかるが確実な方法を取ろう。
「カモ君、しっかり掴まっていてね。プラ・クテ・ビギナル |逆巻け夏の嵐《ウェルタートゥル・テンペスタース・アエスティーウァ》、 |彼の者等に竜巻く牢獄を《イーリス・カルカレム・キルクムウェルテンテム》 『|風花旋風風牢壁《フランス・カルカル・ウェンティ・ウェルテンティス》』
周囲の風が集まると強力な竜巻をドーム状に発生させ、餓者髑髏を覆い隠しその中に閉じ込める。
『戒めの風矢』で動けない上に風の牢獄に閉じ込められてしまった餓者髑髏に最早為す術は無かった。
さらに同時に後ろにいる魔法使い達に見えないように虚空の空間にルーンの文字を刻む。
刻んだルーンは火のルーン〈アンサズ〉。文字が光輝くとともにたちまちルーンから炎が発現した。
後ろの魔法使いからは光だけが見え、何をしているのか見えないであろう。
光が風にぶつかると凄まじい勢いで風の牢獄に燃え広がり、竜巻でできた牢獄ごと中身全てを焼き払った。
原初のルーンとなると大きな古城を焼き尽くしてもあまりある火力を誇るルーンだ。
50mほどの餓者髑髏を焼き尽くすのはわけ無かった。
竜巻が消えると灰になった餓者髑髏が姿を現す。
竜巻とは違う夜の静かな風に乗ってサラサラと音を立てて骸骨のオブジェは崩れ落ち、風の中に消えて行った。
ネギはその場から動くこと無く餓者髑髏を消滅させてしまったのだ。
「すげえ…、さすが兄貴だぜ。」
その光景を見て肩のカモ君が呟く。
「ひぃっ!!」
その光景を見た男は磔にされたまま札を取りし、地面にばら撒くと地面から50体くらいの骸骨兵が現れた。
それと同時に別空間から巨大な槍「
向かってくる骸骨兵に魔力を通し雷をエンチャントした槍を真横に薙ぎ払うように一振りすると雷の斬撃が飛び、巨大な槍の範囲外にいる骸骨も含めて、全ての骸骨が吹き飛び、電撃を浴びて炭化して地面に返った。
「な、なんなのじゃ、貴様は…。」
男はその圧倒的な力の差に抵抗する気力を無くしたのかさっきまでの尊大な態度が鳴りを潜め、弱弱しく口を開く。
何年もかけて計画してきた計画を後一歩と言う所で一人の見た目中学生くらいの少年に圧倒的な力で阻まれ、真っ向から捩じ伏せられてしまったのだ。
その喪失感も男の胸中にはあるのかもしれない。
だが所詮は敵対者だ。哀れな姿を見て同情してしまいそうな心を押さえつける。
『お前の才能はこれまで何千、何万人と育ててきた弟子の中でも最高クラスで、クー・フーリン、コンラ、フェルディアに並ぶほどだが、如何せん甘すぎる。その優しさは平時では美徳だが戦場では足をすくわれる元になる。戦場に立つからにはどんな相手にも容赦はするな。殺す時は必ず殺せ、それが戦場を生き抜くために必要な事だ。』
師匠の言葉が胸を過る。
その言葉を思い出し、まだまだ甘い自分を思い心の中で苦笑する。
「見ての通り、通りすがりのただの子どもだよ。」
男の胸中など無視して、「雷霆の槍」を地面に立てて片手で支えながら隙なく油断なく男に向けて言い放った。
型月のルーンまじでわからん。
型月のルーンの魔術を勉強するためにFate(S/Nとアタラクシア)と魔法使いの夜をやり直して、空の境界やプリヤも読み直していたんだけど、逆に混乱したでござる。
何で〈アンサズ〉が炎なんや、何で〈ベルカナ〉が探索なんや、何で〈トゥール(テワイズ)〉が防御なんや、何で〈エイワズ〉が解呪なんや…、
全部きのこ独自の解釈なのかと思ったら、〈ソウェル〉がまほよで対象を包み込むように燃やしとる、つまり元々の意味の太陽に近い運用をしているし…、それとも別に太陽のルーンも登場しているし、わけがわからないよ。
教えてくれきのこ…、俺はどうやってこの魔術を扱えばいいのだ…。
まあ、ぶっちゃけルーンは使用者の解釈によって効果が変わるときのこ大先生が言ってたから私なりにやらせてもらうことにする。
もともとのルーンも本人の解釈によるところもあるし。
空の境界、Fateシリーズ、まほよなどで出たルーンはそのままの効果で、そのほかのルーンを扱う場合はこの小説オリジナルの効果になると思います。
もちろん、型月で違う意味になっていたら頑張って修正します。
もし作者の想像力が付きたり、頭が足りなかったりしたら一つのルーンに複数の効果を持たせちゃうかもしれないです。てかルーンの名前を出さないかも(笑)。
型月作品でも〈早駆け〉のルーンや〈硬化〉のルーン、〈太陽〉のルーンなど使われているルーンの名前が明らかになって無い魔術もたくさんあるし…。
もうやりたいようにやるわ。
あと18の原初のルーンの詳細を知りたいでござる。
ルーン自体24、空白も含めれば25文字もあると言うのに…。
橙子さん、兄貴のほかに、スカサハ師匠、ブリュンヒルデ、シグルドとルーン使いも増えてきたし、そろそろ頼みますよ。
それとルーンの魔法、もとい魔術が割と少し万能過ぎて、ネギまの魔法と師匠の槍捌きや投擲技術、跳躍技術等などが合わさるとうちのネギ坊主、マギア・エレベア何ぞ無くても全く困らないくらいの戦闘力を持っとるwww
当初はルーンも使えたら便利じゃね?と、めっちゃ軽く考えていたけど、ゲームをやり直していく内にこれ、実は割と軽くチートじゃね?という真理到ってしまったんや。
まあ、当初の野望の雷速ゲイボルクを達成するためにテコ入れはすると思いますが…。
軽い気持ちでルーンの魔術を扱うんじゃなかった。
〈スリザス〉⇒単体では型月にはまだ登場していない?(見逃しているかも)一応アンリミテッドコードのランサーのレッドブランチという技のバリエーションの中にこのルーンが確認できる。
スリザスには『計画的な足止め、慎重さを要する、危機の回避』という解釈例があるってどこかのサイトで見たのでこの中で慎重さを要すると危機の回避を合わせ、これをFateの作中でクー・フーリンが諜報活動で用いている、または神出鬼没に現れる要因として使われている『気配遮断のルーン』と勝手に解釈してそのように扱う。
ルーン自体の意味としては巨人、トゲ、助言などがあるがこれらは一旦置いておく。
なおハーメルンにある某小説にも影響を受けている模様。パクリ死ねと言われたら変えるかも…。まあ、そうなったら完全にルーンの名前を出さなくするわ。