魔槍先生 ネギま   作:エール@ごった煮まぜそば

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次の投稿はいつになるかわかりません。マジで
速くできるかもしれないし、前回と同じくらいお待たせしてしまうかもしれません。
それに今回はいつも以上にかなりご都合主義です。というより無理やり感が半端ねえ…。
作者の力量不足やね。
あとラブコメ練習用にエミヤさんがギルガメッシュの若返りの秘薬を飲まされて士郎になってカルデアで災難?な目に遭うというネタを考えていたのですが、それと似たようなネタをハーメルンで私とは比較にならないほどの人気作家さんが投稿されていたのでほぼネタかぶりになるので封印いたしたいと思います。幸いまだ1000文字くらいしか書いてないし。
開き直ってあげようかなと一瞬マジで考えましたが辞めておきます。




5話 運命《ネギ・スプリングフィールド》が始まる日 その2

ネギ・スプリングフィールド

 

目の前に同じ人間とは思えない頭をしていて立派な髭を生やした白髪白ひげの小柄な老人が立っていた。

この老人が只者ではないことが魔力から伺える、

そして麻帆良側5人の戦いの空気が弛緩していく。

それだけこの老人が皆に信頼されていることがわかる。

 

「学園長、イギリスのメルディアナ魔法学校に視察に行っていたのではなかったのですか?」

眼鏡をかけた優男、確か明石さんと言ったか、が老人の帰還を喜びながらも疑問を呈す。

 

「うむ、麻帆良がピンチじゃと君から連絡があったのでの。メルディアナの校長室にから転移魔法で戻ってきたのじゃよ。これが終わったらまたメルディアナに帰って正式に飛行機で戻ってくるがの。」

「そうだったのですか。助かりました。」

 

この老人が日本最強の魔法使いである近衛近右衛門か。

 

どうするかな。対応次第では戦うことになるかもしれないし、警戒をしておいて損はないかな。

それよりもおじいちゃんのところへ行っているのか…。

おじいちゃんの事は信頼していないわけではないけど、なんか嫌な予感しかしないな。

 

「いきなり現れてなんですか? 皆さんの代わりに戦うのでしたら相手になりますが…。」

「なっ!!」

実力的にはメルディアナのおじいちゃんと同じくらいか少し上なくらいかな? 

この魔法社会においても高い実力だがやりようはある

僕の放った言葉に黒人の男性が信じられないという反応をするが気にしない。

 

「フォフォッフォ、そう警戒せんでくれ、ワシは戦いに来たわけではない。まずは麻帆良を救って頂き、感謝する。ワシはこの通り間に合わなかったのでの。」

「いえ、僕は僕がやりたいように行動しただけなので別にお礼を言われる筋合いはありませんよ。というかこの状況を見て良く僕が手を貸したとわかりますね。」

頭を下げる老人に僕は僕の思っていることを伝える。

 

「それでもじゃ、礼は受け取っておいて損は無いぞい。

後者に関しては明石君から餓者髑髏が麻帆良を襲っているとの報告が入っていての、それらが見受けられず、ワシとタカミチくんがいない今、あの妖怪をどうにかできるのは外部からの助っ人に他ならないであろう。見た所君は西洋魔法使いだし、助けたのはお主しかおらんじゃろう。」

 

「いえ、僕がいなかったらいなかったで、どうとでもなったでしょうけど。それよりそんなことだけで僕を呼びとめたのでしたらさっさと京都に向かいたいのですが。」

「ふぉっふぉっふぉ、そう焦るでない。まずはワシから謝礼をしたいのじゃが、どうじゃ、今夜はこの麻帆良に泊まるというのは…。夏休みで帰省しておる生徒もおるが、君がいたアリアドネーにも負けない素晴らしい学園都市だと自負しておるぞ。」

「は、はあ。」

のらりくらりとかわされている気がする。やりずらいお爺さんだな。

 

「学園長、正気ですか? この者は得体の知れない上に何を考えているのかわかりません。そのような人物を夏休みでいつもよりも人が少ないとはいえ、生徒が大勢いるこの都市に招くなんて!!」

黒人の男性が近衛さんに反発する。

まあ、敵対しかけてたわけだし、これが普通の反応だよね。

僕のような不審人物を守るべき生徒がいる都市に案内するって発想がまず普通じゃないし。

 

「兄貴、なんか妙な事になったな。俺としちゃあ、ことを構えなくて良かったと思っているんだが。」

「そうだねカモ君。まあ、争い事は無い方がいいのは確かだよね。僕が好戦的なのは認めるけど…」

カモ君と内緒話をするが、それとは別に向こうは向こうで話が進んでいる。

当人である僕を置き去りにして。

 

「じゃが、この学園を守ってくれたのも事実じゃ。もう夜も遅いしの、そのような恩人に対し何もしないでこの夜の中追い返すと言うのはワシら、正義の魔法使いの矜持に反することじゃ。」

 

「しかし学園長!!」

「責任はワシがとる。」

 

その言葉を最高責任者に出されれば引くしかないだろう。

どうやらむこうの話はまとまったようだけど…。

 

「あの~、僕が学園に泊るとは一言も言ってないんですが…。」

 

「ふぉっふぉっふぉ、お主が勝手にワシらを助けたように、ワシらも勝手にお主に恩を返したいのじゃよ。まあ、麻帆良が滅びるか滅びないかの瀬戸際から救ってくれたにしてはこの礼は恩返しにすら含まれないようなちっぽけなものじゃがの」

 

「は、はあ、僕は先を急ぎたいのですが、思い立ったら吉日というこの国の言葉もありますし。別にお礼が欲しくてあなた達を助けたわけでもないですし。」

 

「急いでも京都は逃げやせんよ。立ち止まって周りを見る時間というのも案外大切な事なんじゃよ? それに今日はもう遅い。お主みたいな子どもはもう少し大人を頼るべきじゃよ。」

 

「その言葉、セラスさんにも言われましたが、僕にも僕のかなえたい願いがあるので立ち止まるより突っ走っていきたいって言うのが本音なんですけども…。」

 

「フォッフォッフォ、そういう向こう見ずな所は父親そっくりじゃの。」

 

心臓が異常に大きく跳ねた。時間が止まった気がした。

そしてこの人がおじいちゃんに会っていたと聞いた時から感じていた嫌な予感が確信へと変わった。

 

「学園長、彼の父親を知っているのですか?」

「良く知っておるよ。25年前にこの子の父親が初めて日本に来た時からの知り合いじゃ。」

 

間違いない、この老人は僕の正体に気が付いている。

父親であるナギ・スプリングフィールドは日本を気に入り、たびたびこの日本を訪れているという。

おそらくその時にこの老人、近衛近右衛門と知り合っている可能性は十分ある。

 

「フッー、おじいちゃんの仕業ですね。だから極力誰にも話したくなんて無かったのに…。」

原因がわかり、口からため息とともに愚痴が勝手に出てきた。

 

「ふぉっふぉっふぉ、彼を責めないでやってくれんかの?彼は彼なりに君のことを思ってワシに君のことを話したんじゃからの。」

「僕はあまり僕のことであまり周りに迷惑をかけたくはなかったんですけどね。ですので見逃して頂けると助かるのですが…。」

 

「それこそ余計な気配りと言うものじゃよ。君はまだ子どもなのじゃからもっと周りの大人を頼るべきじゃ。君も君として生きるときが来たのじゃよ。この麻帆良は本国の手が届きにくい場所じゃし、ここでしばらく過ごしてみるのもありかもしれんぞ」

 

「おい、爺、何そこのぼーやと二人だけでわかりあっているんだ。私たちにもわかるように説明しろ。」

エヴァンジェリンさんが僕と学園長以外のメンバーを代表して疑問を呈す。

 

老人が口を開こうとする。

口封じにこの老人に攻撃を仕掛けてもいいのかもしれないが、この老人の本当の実力がわからない以上、迂闊な行動は危険かもしれない。

しかもここは麻帆良という近衛近右衛門のテリトリーの中なのだ。実力以上の力を発揮してくるであろうということは容易に想像がつく。

それにこの老人は魔法社会の中でも大きな力を持っているのが想像できるし、そこまでして敵対してメリットが得られるとは思えない。

レイ・ライトノートとしても生きづらくなるし、それどころか後ろ盾が完全じゃないまま、僕の正体を公表されるかもしれない。

逆にその権力を味方につけることができればさっきカモ君に言っていたセラスさん、おじいちゃんに続き三人目の権力者の後ろ盾ができる。

いよいよ僕も覚悟を決める時が来たのかもしれない。

レイ・ライトノートという名を封印し、ネギ・スプリングフィールドとして生きるための覚悟を…。

おそらく、この老人は僕を引きとめに掛るであろう。

引きとめたうえで僕の身分を魔法社会に公表して、立派な魔法使い(マギステル・マギ)としての修練を積ませて、英雄の息子を育て上げたという実績が欲しいと言うことが手に取るようにわかる。

だが果たしてそれでいいのだろうか。僕は僕としての人生を生きたい。

誰かに操られるような、誰かの思い通りに生きるような人生なんてまっぴらごめんだ。

それでは政治の玩具にされているのと何ら変わりない。

考えているうちにも近衛近右衛門が話を進めて行く。

 

「ふぉっふぉっふぉ、この子の親は少しばかり有名での、じゃからこの子自身、身分を隠して行動しているんじゃよ。まあ、最もその身分もアリアドネーの騎士団総長(グランドマスター)が直々に用意した物であるからちゃんとした身分として証明されているんじゃがの。」

「ずっと思っていたんだが、セラスの奴、この少年に肩入れし過ぎなんじゃないのか? ここまで過保護だと何か理由があると勘繰って…、まさか!!」

「フォッフォッフォ、そのまさかじゃよ。」

 

どうやらエヴァンジェリンさんにもばれてしまったようだ。

拳に力が入る。もうここまで動いてしまった以上、今更殴りかかって止めるなんてことは無意味であろう。

 

「どういうことですか?エヴァンジェリンさん。」

「何かわかったのかね。エヴァンジェリン。」

長い刀を持つサイドテールの女の子と黒人の男がエヴァンジェリンさんに尋ねる。

 

「私はセラスとはちょっとした知り合いでな。私の予想が正しければ、おそらくここまでやってもセラスの奴は、まだまだこのぼーやの父親から受けた恩を返しきれたとは思っていまい。いや、このぼーやに自分ができる全ての事をしたとしてもまだまだ全然足りないと思っているだろうな。」

「なんだと、そこまでの人物なんて…、いやまてよ、この少年が探している人物は確か…、まさか!!」

 

ここまでいえば誰にでも、例えば少し後ろで魔力切れによって座り込んでいる魔法生徒達にだって僕の正体はわかってしまうであろう。

そしてなぜ、僕が強大な魔力を持っているのか、なぜナギ・スプリングフィールドをこんな無茶をしてでも探そうとしているのか、全て辻褄が合ってしまうのだ。

 

「うむ、想像の通りじゃ。のう、ネギ・スプリングフィールド君。」

 

この場にいる人物全てが驚きの声を上げた。

「兄貴、ばれちまったな。」

「そうだね、カモ君、いずれはばれるかなとは思ってたけど、こんなに早くばれるなんて思ってもみなかったよ。」

 

「なん…だと…、彼は6年程前に行方不明になっているはず。それに仮に生きていたとしてもまだ9歳くらいのはずだ!!

そのような姿でこのような力を持っているなんて考えられません。」

明石が驚きの声を上げる。

 

「それをいうならナギは10歳のころには麻帆良武道会で優勝しておるよ。ネギ君、君の本当の姿を見せてくれんかの?」

「いいですけど、あなたは僕をこの学園に引き入れて、立派な魔法使い(マギステル・マギ)になるための修練をこの学園で積ませたいと考えていると言うことは容易に想像がつきます。

でも、生憎ですが、僕はメガロ・メセンブリアの元老院に下手をしたら命を狙われている可能性すらあります。理由はわからないですが。そのような厄介な人物を守るべき生徒がたくさんいる学園都市に招き入れるのはあなた方にとってリスクしかないと思うのですが。」

 

セラスさんは事あるごとに暈して政治の道具になると言っていましたが、それにしてはMM元老院に対して注意し過ぎている。それ以上の事もあると考えておいて損はない。

 

 

「この学園は本国の手が届きにくいと言っておるじゃろう。この学園でそのような狼藉を働く者をワシは許さんしの。

それに君の言い分も確かじゃが、君の自分自身のための夢をこの学園で見つけて欲しいのじゃ。それを見つけてから父親を探すのも悪くはないじゃろう。」

 

「僕自身の夢、ですか?。 父を捜すと言う当面の目的があるのでそんなの考えたことが無かったな。簡単に探すことができるとは考えたこともなかったし、もしかしたら一生を賭けてでも無理な場合すらも想定していましたし。」

 

「ふむ、なら聞くがの、仮にナギを探しだして見つけた後、君はどうするんじゃ?

君はなんのために生きるのじゃ?

願いをか叶え終わってから探すというのもありかもしれないがの、君は正義の魔法使いにも、立派な魔法使い(マギステル・マギ)にも無理をしてなる気はないと言っているみたいじゃし、君が目的を果たした後、どのような事をそれからの指針にして生きようと考えているのかね?その答えをこの学園で見つけて欲しいのじゃよ。」

多分、その言い分は本当に近衛さんが思っていることであろう。しかし僕には止まれないもう一つの理由がある。

 

「僕が旅をしている理由のもう一つに永久石化(アイオニオーン・ペトローシス)に掛ってしまった村のみんなを治癒することができる強力な治癒魔法使いを探すという目的があるんです。一刻も早く見つけてみんなの石化を解いてあげたいんですが。この学園にそのような魔法使いはいないですよね?」

 

「うむ、残念ながらそのような強力な魔法使いは世界を探しても数人もいないであろうな…。君がこの学園で治癒できるような物すごい魔法使いに成長するという手段もあるんじゃがの。」

やはりどうしても僕をこの学園に引きとめたいのであろう。

周りの魔法先生達も僕の正体を知って反対するものがいなくなっているのか、静かに状況を見守っている。

 

「そうですか。だとしたらなおさらここで足を止めてる暇はないんですが。修業は旅をしながらでも出来ますし。」

 

「では君が村人たちの石化の呪文を解いたとして、自分たちの治癒のために将来を捨てて君が石化を治してくれたと石化している村人たちが知ってしまったらどのように思うのかの?

欲張りかもしれんがの、自分の夢を目指しつつ、村の人々の石化を治す、という道を取っても罰は当たらないと思うのじゃよ。」

「…ッ」

 

その質問はずるかった。

いつも父の悪愚痴ばかり言っていたスタンおじいちゃんも父とは別の人生を歩んで欲しかったから言っていたのだろうし、アーニャのおかあさんもきっと僕自身の人生を歩んで欲しいと思っているだろう。父をしたって集まってきた村のみんなも…。

口には出さなかったけどネカネお姉ちゃんだって僕に自分の人生を歩んで欲しいと考えているのは明白だったし。

そんな僕の事を考えてくれていた人々が自分たちのせいで僕の生きる未来を制限してしまったと考えてしまったら傷つくに違いない。

そう考えると近衛近右衛門の言い分に何も言い返せなかった。

 

僕のためを思っての発言も確かにあるだろうが、このようなきれいごとを言いつつも僕を自分たちの思うように育てたいと言う意図が見え隠れしている。

完全にこの人たちを完全に信頼しきるのは危険だとわかっている。

でもこの場で足を止めてもう一度自分の未来について考えてみるのも悪くはないと思う自分も確かにいるのだ。

 

「最後に一つだけ、なんでそこまでして僕をこの麻帆良に引きとめようとしているのですか? 満足のいく回答が得られなかったら、この場にいる全ての人の記憶を消して、コンピューター関連も全て壊して僕は去ります。逆に納得のいく回答であれば、あなたの口車にのって麻帆良にしばらくは滞在しようと思います。」

 

緊張が再び周囲を支配する。それもそのはずであろう。

僕はこの世界屈指の実力者である近衛近右衛門と封印されているとはいえこちらも実力は最強と言っていい実力を誇るエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルがいる前で全員記憶を消すと豪語したのだ。そして僕にはその手段がある。

 

「うむ、ここは魔法世界のよりよい未来のためという建前は捨ておいてワシの本心を話した方がよさそうじゃの。ワシはお主の父親が10歳のころから知っている。ワシの義理の息子も君の父君の戦友にして親友じゃ。もはや、ナギはワシの息子の一人と言ってもいいとワシは勝手に思っとる。その息子の子どもが幼い身でありながら自分のために生きていないのを見てそのまま見過ごせるほど、ワシは人間ができておらんのじゃ。ここにいる皆には申し訳ない、自分本位な話なんじゃがの。お節介をやきたくなってしまうのじゃよ。」

それは紛れもない本心だった。こちらの目を見返し、目をそらすこともなく瞳にはなつかしむような感情すら浮かんでいる。

 

「ははは、そのためにメガロメセンブリアの元老院に目をつけられても構わないと言うのですか?」

 

「うむ、本国の連中が何を言ってきても構わんよ。学園の皆はワシが守って見せる。無論ネギ君、君もじゃ。」

「そうやって、甘い言葉で誘い込み、僕を自分好みに育て上げようとしてるんじゃないですか?」

「否定はせんよ。それにこの事をしれば、魔法に携わる者じゃったら、君によりよい道を進んで行ってもらいたいと皆が考えてお節介をやいてくるであろう。自分のために君の力を狙って口八丁に君を騙そうとする輩も大勢出てくるじゃろう。

じゃが、今の時点でお主はそこまではっきりとした自我と自分の考えを持っておるのじゃからそのような甘言などに惑わされずに君は自分の道をいけるとワシは確信しておるよ。」

 

「なるほど、あなたの思いはわかりました。うん、少しの間ならここで休憩するのも悪くないかもしれませんね。まあ、他の皆さんが良ければですがね。」

「うむ、それでは。」

 

返答の代わりに魔法を解く。

この世界の一般的な変装魔法とルーンの魔法を組み合わせたオリジナルの魔法である。

ある程度の衝撃ならこの魔法は解けないし、おそらく誰も見抜けないであろう。

まあ、ルーンの魔法を追加したのはネカネお姉ちゃんとアーニャに変装がばれてからなんだけど。

 

人差し指の指輪が光、次に全身が輝きを放つ。

金髪ではなくなり赤と黒が混ざった髪になり、鋭さが消え丸くなった目、青から茶色に変わる瞳、身長も手も一回り程小さくなった。

レイ・ライトノートとしてではなく、ネギ・スプリングフィールドとしてこの世界で初めて大勢の人前に姿を現した。

 

周りの魔法先生、魔法生徒全てが声を出せずにいる。

 

「それがお主の本当の姿か…。ナギそっくりじゃの。年齢詐称薬の類も使わずよくあそこまでの変装ができるの。」

「その言葉を言われたのはセラスさん以来です。まあ、変装術に関しては企業秘密ですね。」

 

「皆の衆、ネギ・スプリングフィールド君を学園に招き入れるが良いかの?」

「彼の父への思い、村人への思いを聞いてそれでもとどまると言ってくれたのだ。手のひら返しになってしまいますが、ここで断ってしまえばそれこそ正義の魔法使いの恥ですよ。」

先ほどまで反発していた黒人の男が一転、穏やかな表情で意見を放つ。

どうやら反対の意見もないようだ。頷いて同調している者すらいる。

僕が言うのもおかしい話ですし、なんか単純すぎる気もしますが…、それでいいのか麻帆良学園。

 

「今日はもう遅いし、ここらで解散するとしようかの。皆、麻帆良の守護をするために長時間戦ってくれて御苦労じゃった。謝礼は後で君たちの口座に振り込もう。それでネギ君の寝床を決めたいのじゃが。宿直室か学園長室あたりになるが良いかの?」

 

「僕としては寝られればどこでもいいですよ。今日もさっきまで森で野宿していましたし。」

「くくく、案外野性児だな、ぼーや。おい爺。このぼーやがこの学園にいる時の寝床なら私の家に案内するぞ。ぼーやが寝るスペースくらい確保できる。」

エヴァンジェリンさんが名乗りを上げた。

 

「ふむ、エヴァか…。では任せてよいかの?」

 

「え? いいんですか?あと僕としては女の子に部屋にいきなりお邪魔するのは少し心苦しいのですが…。」

「気にするな、先ほど助けられた礼だ。いいだろう?茶々丸?」

「はい、マスターが決めたことならば…。」

緑の女の子もエヴァンジェリンさんに同意する。

それにしてもこの子少し、周りの女の子と違うような…。

 

「学園長!! 仮にも英雄の息子ですよ。それにエヴァンジェリンはナギに封印されたのでしょう?息子であるネギ君に何かするかもしれません。同室させるのは危険なのでは?」

黒人の男が学園長に食ってかかる。

「フォフォフォ、エヴァなら大丈夫じゃって。余計なまねはせんじゃろうて。ワシとしては孫のこのかと一緒の部屋に住んでもらって機を見てお見合いをしてもらいたいんじゃが…。」

「学園長、最近それのしすぎでお嬢様に嫌われ気味なの気が付いています?」

「ひょ!?」

先ほど剣を交えようとした眼鏡をかけ白い髪、白いスーツに身を包んだ刀を持った女性が学園長に衝撃(笑劇)の事実を伝える。

 

「ふ、そのような騙し打ちは小物がすることよ。悪の魔法使いにも悪の魔法使いなりの美学がある。まあ、家賃として血を少し頂くかもしれないがな。くっくっく。」

「なっ、やはり危険のではないでしょうか?」

 

エヴァンジェリンさんが意地の悪い発言をし、黒人の男性が律儀にもそれに乗っかる。

それを見かねて僕も自分の主観を述べる。

「大丈夫ですよ。少しだけの時間しか話してはいませんが、それだけでエヴァンジェリンさんが優しくていい人なのは何となくわかりますよ。」

 

「ええ、そうですね。マスターはなかなか素直になれないだけで本当は心優しいお方です。」

「クス、同室の人がそういうなら大丈夫ですね。」

エヴァンジェリンさんの従者であるらしい緑の髪の女の子が僕の言葉に同調する。

 

「こら、貴様ら、私の人格を勝手に決めるな!! 私は「闇の福音」と呼ばれた悪の魔法使いだぞ!! そのような年頃の少女みたいな性格だと判断するんじゃない!!」

「ではネギさん、案内いたします。こちらです。」

僕たちは麻帆良に向かって歩き出す。

 

「あ、はい。お願いいたします。あなたのお名前は?」

「すみません、絡繰茶々丸と申します。ガイノイドです。よろしくお願いいたします。」

「よろしくお願いします。」

「こらあああ、無視するな!!」

ガイノイドってなんだ?まあ、時間はあることだし、気になったら聞くことにしよう。

エヴァンジェリンさんの怒りの声をBGMにしながら麻帆良学園へと向かう。

 

「まさか、闇の福音にこのような一面があろうとはな」

くっくっくっと笑い声を上げながら後ろで先ほどまで銃を持っていた褐色で長身の女の子が笑っている。

「そうでござるな。あのように話していればくらすめーとともすぐに仲良くなれるでござるのに。」

「まあ、あの人なりに考えがあるのでは?」

それに続くように忍者な女の子と刀を無ってる女の子が続いている。

 

「それよりも、ネギ殿といったか、お主はしばらくここに滞在するのでござろう?」

不意に後ろから続く女の子3人組から声をかけられた。

 

「あ、はい。そのつもりですが…。」

「拙者よりも遥か高みの腕前と見たでござる。もしよければ、暇を見つけて手合わせしてを欲しいのでござるが…。」

「はい、いいですよ。」

「あ、あの、私とも手合わせをして頂きたいのですが…。」

「大丈夫ですよ。僕はしばらくエヴァンジェリンさんの家か、有名な図書館島という所にいると思いますので、いつでも声をかけてください。それよりお名前を教えて頂きたいのですが。」

あれよあれよと言う内に忍者の子とサムライガールと手合わせする約束を取り付けられてしまった。

 

「失礼しました。私は桜咲刹那と申します。京都神鳴流という流派の剣術を使います。」

「拙者は長瀬楓と言うでござる。甲賀忍法を自己流にあれんじした楓忍法を使うでござる。」

「私は龍宮真名だ。傭兵で主に銃を使う。私はこいつらみたいに手合わせは望まないが何か依頼や頼み事があれば承ろう。もちろん有料だがな。」

「ははは、個性豊かなメンバーですね。」

「お前も人の事を言えないけどな。」

この世界でネギとして初めて自然体で会話をしたように思える。

 

「おっと、僕の自己紹介ですね。僕はネギ・スプリングフィールドです。まあ、知っていると思いますが、ナギ・スプリングフィールドという魔法世界では有名人の息子です。主に槍術と魔法を使います。

魔法剣士です。いや、槍をメインにして戦っているので魔法槍士ですかね。よろしくお願い致します。

こっちのオコジョはアルベール・カモミール、通称カモくんと言って僕の友達です。」

「おう、よろしくな。お譲ちゃん達。」

「エロいから注意してください。何か粗相を起こしたらその場で裁いて貰っても構いませんよ。」

「ちょ、そりゃねえよ、兄貴!!」

 

笑いが起こる。その瞬間、ネギとして初めてこの世界に認められたような気がした。

 

不安や懸念点はたくさんあるけど、とりあえずは、僕の、ネギ・スプリングフィールドとしての人生がここから始まっていくのだ。

 




まほよで橙子さんが青子にかっていた魔術を解呪するときに使用したエイワズの原初のルーンなら永久石化(アイオニオーン・ペトローシス)を多分解くことができるのではないかと作者は考えております。UQホルダーでは石化解除専用のアプリもありますし…。
しかし村のみんなは地系最強の呪文と言われている永久石化をくらって何年も経っています。
もともと魔法の形態が違う裏ワザ的な物で無理に解いてしまうと、新しい問題に直面する可能性も考えられなくはないので、ネギは大事を取ってこの世界の魔法で正式に解呪しようと考えている次第です。
また相変わらずノリと勢いで書き進めているのでおそらく矛盾点や突っ込み所が多々出てきていると思いますがよろしくお願いいたします。

ノリでエヴァ・茶々丸と同居することにしたけど、アスナとの関係やあの部屋だから起きたイベントなどどうして行こう…。
他にも超にネギ君のスペックが筒抜けじゃね?とか刹那、手合わせなんかしてるより、きちんとお嬢様を護衛しろとか他にも色々突っ込みどころ満載ですね。
まあ、何とかなりますよね!!(自分で自分の首を絞めていくスタイル)
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