ちっちゃくなっちゃった、ゆーのくん。   作:形右

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 第二話投稿です。

 でも今回ユーノ君出てきません。

 幼馴染サイドです。


『幼馴染たちの騒乱 ――模擬戦開始――』

 

 我らが司書長ユーノくんが仕事をかけて模擬戦を始めようとしていた頃、管理局の何か所では騒ぎが起きていた――

 

 

 

 × × ×

 

 

 

 ――とある元部隊長の場合。

 

「あぁー……。平和や~」

 しかし、暇である。

「でも、暇やねぇ~リイン……?」

「ですぅ~」

「あー、なんか面白いこと起きへんかなぁ~……」

 なんとも不真面目な部隊長である。

 しかし、そんな部隊長の下へ、彼女の守護騎士で家族な桃髪の女騎士から連絡が入る。

『主はやて、今ちょっとよろしいですか?』

「ん~? どないしたんー? シグナムぅ~」

「シグナム、どうかしたですかぁ~?」

『いえ、ちょっと小耳にはさんだ話なのですが……なんでも、スクライアがアインハルトとヴィヴィオの二人と模擬戦をするという話を聞きまして』

「えぇッ!? なんでそんなことになっとるんや!?」

「ユーノさんと、アインハルト、それにヴィヴィオが……ですぅ?」

『なんだかよく分からないのですが、先ほど模擬戦をやっていたらそんな話をしていた者がいて、少々気になりまして……それで主ならば何か知っているのではないか、と思いまして』

「そんなん言われても、そんなこと知らへんしなぁ……。でもなんや面白そうやなぁ、よっしゃ。リイン、シグナム。ちょっと様子見にいこか?」

「はいですぅ!」

『了解です、主』

 そんな感じで、はやてはちょっと見に行くことにしたのだが、一体何でこんなことが起こっているのか分からなかったが――

「何や、面白そうな予感がビンビンやなぁ♪」

 ――とりあえず今日も彼女の直感というか、センサーはものすごい感度で何か「面白い事」をキャッチするのだった。

 その時、はやてはふと思った。ユーノと言えば、あの二人もこのことを知っているのだろうか? と。

「なぁ、シグナム。なのはちゃんとフェイトちゃんはこのこと知っとるん?」

『いえ、高町の方は今日は久しぶりにスバルと特訓だと言っていたので、おそらく小耳にはさんではいるかと思いますが……テスタロッサの方は、分かりませんね。そもそも今日本局にいるかどうかもよく分からないので……』

「んー……。『クラウディア』は、今のところ停泊中やから、本局(ここ)おるとは思うよ? ただ私も最近二人とあってへんからなぁ~……ほんなら、フェイトちゃんの方には連絡してみよか、なのはちゃんは大丈夫やろ。それにほっといた方が面白……いや、何でもあらへんよ?」

((主/はやてちゃん…………))

 ぶれないタヌ……失礼――部隊長であった。

 

 そして、とある金髪執務官の場合。

 

 本日は彼女の普段添乗している次元航行船『クラウディア』が本局に待機しているので、彼女は現在暇だった。なので彼女は依然彼女が所属していた部隊、通称『機動六課』の頃の部下であり執務官の先輩として六課解散後も面倒を見たティアナ・ランスターに久しぶりに会いに行った。

 そして二人で近況を報告し合い、談笑をしているところに、これまた元・『機動六課』部隊長を務めていた幼馴染の八神はやてから連絡をもらった。

「あれ、はやてだ……。どうしたのかなぁ?」

「はやてさんからですか?」

「うん。どうしたんだろ? 何か事件でもあったのかな?」

 早速送られてきた通信のウィンドウを開くと、画面の向こうに見える幼馴染の顔はにこやかなものであり、とりあえず事件云々とは関係ないようなのでほっと胸をなでおろした。

『フェイトちゃん、久しぶりや』

「うん、久しぶり。元気だった?」

『そら勿論。ところでフェイトちゃん、今暇?』

「え、うん。時間が開いちゃって、ティアナのところに来てたんだ。はやても暇だったりする? なら三人で一緒にお茶でも行かない?」

 どうせ暇ならと、同じく暇らしい幼馴染をお茶に誘ってみる。

 しかし、はやてはそれを制してこういった。

『お茶も魅力的やけど、フェイトちゃん。もっと「おもろい」暇つぶしがあるんやけど……一緒に行かへん?』

「面白い?」

『せやせや、面白そうな事今やっとるらしくてなぁ』

「面白い」という単語とはやてが組み合わさると、何だか嫌な予感というか……ちょっとばかり心配になってくる。どうにも大人になってからノリがよすぎるこの幼馴染は、時たまとんでもないことを仕出かすことが多々ある。かつてのあの儚げな薄幸美少女の姿はもはやどこにもない。(まぁ……もちろん、幸せなのはいいことなのだが)

 そんなフェイトの思いを知ってか知らずか、はやてはそのまま話を進めていく。

『それがやなぁ……。何と今、ユーノ君とアインハルトとヴィヴィオが模擬戦してるらしいんよ!』

「…………え?」

 今なんて言ったのだろうか? 模擬戦? ユーノが……ヴィヴィオとアインハルトと? なんで?

 数々の疑問がフェイトの脳裏を駆ける。というかなんでそんなことに? 

「「え……ええっ!? な、なんでそんなことに!?」」

 これにはフェイトもティアナもびっくりだ。

『さぁーそれは私も知らんけど…… なんやシグナムがこの話を聞いたらしくてなぁ。そんで私らで身にいこかと思っとったんやけど、そういえばフェイトちゃん今本局におるなぁ~って思い出して、誘ってたんよ。どや? 一緒に行かへん?』

「えぇー……?」

「な、何なんですかそれ……」

 とはいえ、何だかこうなってははやてを止めるのは――はっきり言って、経験則上不可能だ。それに実際のところ、なんでそうなったのか気にはなるし、娘同然のヴィヴィオとそのお友達と、幼馴染でかつての恩人で、さらに勉強を見てもらった『先生』的な存在がなんでそんなことになっているのか確かめなければ。とフェイトは思った。(ティアナもヴィヴィオとは友人であるし、ユーノに勉強を見てもらったこともある。←フェイトの推薦)

 まぁ、あのユーノに限ってそれは無いと思うが――もし仮に、本気で戦っているんだとすれば……アインハルトはまだともかく、ヴィヴィオにとってはユーノは相性最悪である。

 ぶっちゃけユーノの捕縛能力は並では止められない。加えてヴィヴィオはまだ幼く経験も薄い。いかに『聖王』の血を引いてるとは言えども、「カウンターヒッター」のあの子ではユーノには敵わない。まず、バリアを破れない上に、ユーノは遠距離での戦闘も得意だ。彼はまさに、攻撃だけが『戦い』ではないことを体現しているタイプなのである。

 ただ、アインハルトはまだ大丈夫な気がする。彼女には『繋がれぬ(アンチェイン・)拳(ナックル)』があるから、上手く行けばユーノのバインドは突破できるだろうし、防御を突破するには至るかはかなり疑問だが、悪くない戦いはするはずだ。

 それに加えて、ユーノは文官である。徹夜なども平気でこなすし、元々放浪の一族なこともあり、割と力もある彼だが……ここ十年ほどは戦闘には参加していない。かなり鈍っているといっても過言ではないから(実際、自分もティアナも体力落ちてたし!)大丈夫だろう……と思う。

 まぁ、そんなわけで、それを見に行くことに決めたフェイトとティアナははやてに場所を聞き、ともにそこへ向かうことを決めたのであった。

 

 

 

 おまけ

 

 

 

「アレ、そう言えばはやて……この事なのはには教えたの?」

『ん? 教えてへんよ~?』

「? なんでですか? 確かに今なのはさんは、スバルと練習行ってますけど……そこまで忙しいわけじゃないですよ? というかあれは自主練らしいですし」

『いや、べつにそういうことやないんよ』

「? じゃあどういうこと?」

 はやてが何故、ここまでしてなのはに教えていないのかが分からない二人は首をかしげる。

『実はなぁ、この知らせを聞いた後に、シグナムから続報がはいってなぁ? 何とそのユーノ君たちが模擬戦しとる場所がやなぁ――――何と、なのはちゃんとスバルの模擬戦しとる会場の真横なんよ!』

「「ええぇぇぇッッッ!?!?!?」」

『いやぁ~早まって教えんといてよかったわぁ~!』

「は、はやてさん? なんでそこまでするんですか?」

 ティアナの当然の疑問に、はやてはにこやかにかつさわやかにこう答えた。

『そりゃあ勿論――――面白そうやからや♪』

 この答えを聞いて――あぁ……この人本格的に駄目だ……、と二人が思ったことはここだけの秘密である。

 

 

 

 そして本命、とある悪m……ゲフンゲフンッ! とある『戦技教官』の場合。

 

 久方ぶりに愛弟子であり、現在救助隊で第一線を張ってるスバル・ナカジマと模擬戦をしていた高町なのは。

 かなり激しく戦い、互いの成長を確認しあいしばしの休憩を取っていた……そんな時だった。

 急に通信が寄せられたので、どうしたのだろうかと思いつつ通信に応じると、通信を送ってきた相手は顔見知りの局員で模擬戦をする闘技場等のスペースを管理している人だった。

『高町一等空尉、ちょっとよろしいですか?』

「どうしたんですか? 何か事件でも……」

 緊急収集かと思い、気を引き締めそう尋ねるなのは。それに合わせて隣のスバルもその瞳に鋭さが宿るが……通信の内容はそういうことではないさらしく、画面の向こうからは朗らかな返事が返ってきた。

『あ、そうではないんです。ただ、高町一等空尉達の使っているスペースの隣での模擬戦申請がありまして、その連絡にと』

「あ、そういうことですか……」

 その知らせを聞き、ホッとするなのは。事件でないのなら、一安心といったところか――と思ったのだが……。

「因みに、その申請をした人は誰ですか? ここを使うくらいですから……シグナムさんか、ヴィータちゃんとか……あ、確かフェイトちゃんも今いるんでしたよね?」

 その申請を出した人物を尋ね、その人物の名が画面の向こうから耳に入った瞬間……なのはとスバルは固まった。

『いえ、確か申請者は…………えっと、あぁ――――スクライア司書長ですね』

「「……………………えっ?」」

 なのはとスバルは相手が何を言っているのかガ……本当に何を言っているのか、分からなかった。

 模擬戦? あのユーノが? 一体誰と、なんの目的で?

 そうは思ったが、ユーノだって全く模擬戦をしないわけではない。今でも時たま、クロノ辺りがユーノを引っ張り出すことはある。

 どうにか、正気を取り戻したなのははこう聞いた。

「あ、あの……相手はクロノ君――――じゃなくて、ハラオウン提督です……よね?」

『いえ、司書長のお相手は――高町一等空尉の娘さんとそのご友人のようです』

「「はい……………………?」」

 二人は今度こそ何を言ったか理解できなかった。

 ヴィヴィオとその友人? 第一候補アインハルト、次点でリオかミウラ。それよりずっと下がってコロナといったところか。

 だとしても、なんであのユーノが子供相手に模擬戦するとも思えない。

 というかあるはずがない。ユーノにかなり絶対的に近い信頼をよせるなのははそう思った。

『なんだかかなりご急ぎのご様子でしたし、何か事情がおありなのかとは思いますが……でも、かなり意外でした。司書長があんなに模擬戦を()()()()なんて。申請があったのは十分くらい前だったので、たぶんもうそろそろ始まっているんじゃないでしょうか?』

 したがる? あのユーノが? そんな馬鹿な、あり得ない。というかもう始まっている? といった疑問となんとも言えない感情がなのはの中を渦巻くが、画面の向こうでは何か用事が入ったらしく『あ、ハイ分かりました。それでは高町一等空尉、失礼します』と言って通信を切ろうとするのが見えた。それを見てなのはは我に返り、慌てて止めようとする。

「あ、ちょ、ちょっと待ってくださ…………!」

 しかし、プツッと通信は切れてしまう。

 その場に残ったなんとも言えない雰囲気が残る。

「な、なのはさん! ともかく隣のブースへ行きましょう」

「そ、そうだね!」

 スバルもなのはと同じような状態だったが、ここにいてもしょうがないという活発な彼女ならではの気持ちが先行したのか、はたまた戦闘機人故の回復速度の速さか、それは分からないが、行動へと移ることを決めた彼女が発した言葉でなのはも再び我に返り、隣のブースへと向かうことに。

 

 ――隣のブースへと急いで移動していく二人。

 

 そうしてなのはとスバルが隣のブースへと移動し、そしてその中に入ろうとしたとき――

「「「あっ」」」

 ――どうやら同じような理由で集まったらしい友人たちと、会った。

「み、皆……どうして――って、決まってる……よね…………?」

「ははは……」

「まぁ、そうやねぇ~」

 なのはの問いに苦笑を返すフェイトと、なのはの反応が予想通りなので面白そうなはやてとその隣でそんな主の姿を見て、呆れているリインとシグナム。

 更にその横では、ティアナとスバルが談笑する。

「ティア~」

「スバル。スバルも来たの…………って、そりゃ来るわよねぇ」

「うん、なんかユーノせんせーとヴィヴィオ達が模擬戦してるって連絡が入って……」

「やっぱり……」

 何だかはやての思惑通りの反応はばかりなので、ため息をついてしまうティアナは決して間違っていない、と思う。

 しかし、当のはやてはその反応を面白がっており、やっぱりこうなったらなのはこう反応するだろうという思惑通りだ。

 まぁ、その楽しみもこの辺にしておこう。

「まぁ、この件の真相はこん中や。入ってみよか」

「う、うん……」

「そうだね」

 はやてが先陣を切って中に入ると、一同はその中で行われている光景に二重の意味で驚くことになる。

 

 

 




 いかがだったでしょうか?

 さて次回から、模擬戦シーンの描写を書いていくのを頑張ろうと思います。
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