グレモリー家の白龍皇   作:alnas

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新年明けましておめでとうございます。
どうも、jiguです。
遅れてしまい申し訳ないです。
間に合わせようとした結果がこの短さになってしまいました。
書いてる最中イッセーたちの口調がよくわからなくなってしまったのでおかしかったらすみません。


その聖女の在り処は

 

 

 

 

 辺りがオレンジ色に染まっていく頃、俺らはゆっくりと公園の中を並んで散歩していた。

 何故休憩せずに歩いているのかというと、初めてこの公園を見たアーシアの顔が見て回りたいというような顔をしていたのだ。

 ここに来るまでに体力もそれなりに戻っていたから、俺からアーシアに少し公園の中を歩いて回るかと言った。

 心優しいアーシアは俺の体調を気遣って休憩しましょうと言ったが、アーシアのその顔を見てしまった俺の中から休憩をするという選択肢はなくなり、無理やり手を引っ張り歩き始めたのだ。

 

 

 

 

 

 歩いている間、俺たちの口数はあまり多くはなかった。

 辺りからは、子供たちが遊具やボールを使ったり鬼ごっこやかくれんぼをして楽しそうに遊んでる子供たちの声、俺らと同じように公園で散歩をしている仲睦まじい老夫婦の話し声、自分と同じようなサイズの犬に引っ張られ今にも転んでしまいそうな少年の少し情けないと感じてしまう悲鳴、健康のために運動をしているのだろうか?ジャージ姿でジョギングをしている男性の運動をしているとき特有の息遣い、買い物袋を片手に会話をしている奥様方の少しずつ大きくなってくる話し声、風に揺られ木々が奏でる心地よい音色など、さまざまな種類の音が俺たちの耳へと届いた。

 

 

 

 

 

「この街は本当にいいところなんですね……たくさんの人たちが楽しそうな表情をしています……」

 

 

 

 

 

 アーシアはそう呟いた。

 俺はその言葉を聞き、とても嬉しく思った。

 

 

 

 

 

「そうだな……俺もこの街はいいところだと思ってる……こんな街が俺は大好きなんだ。」

「こんなに楽しそうな顔を見ていると、こっちまで楽しくなっちゃいます!」

 

 

 

 

 

 アーシアは笑顔を浮かべながら言った。

 しかし、そんな言葉と表情とは裏腹に、俺の目には寂しげな表情をしているようにしか見えなかった。

 

 

 

 

 

「……アーシアももうこの街の一員なんだ、これからいっぱい楽しんで笑顔で過ごしていかなきゃだな。」

「――――っ!!」

 

 

 

 

 

 アーシアは俺の発言に驚いたのか、少し呆然とした表情をしながら足を止めた。

 

 

 

 

 

「まだ慣れてないだろうけど、慣れるまでも慣れてからも俺でいいなら傍にいられるし、少しずつでも日本語にも慣れていかないとだな。」

「………はい!!」

 

 

 

 

 

 俺の言葉に改めてアーシアは笑顔で返事をした。

 今度こそ、俺の目にも本当に嬉しそうな表情をしているように見えた。

 よかった……アーシアが元気になってくれた……

 

 

 

 

 

 それから少しベンチに座り休憩した俺らはまた散歩を再開していた。

 辺りは先ほどまでと違いだいぶ暗くなってきていた。

 公園内で遊んでいた子供たちは、親が迎えに来て仲良さそうに帰宅している子たちもいれば、家が近いであろう友達と小走りに帰宅を始めていた。

 

 

 

 

 

「少し待っていてください!!」

 

 

 

 

 

 突然アーシアは木々が生い茂っている方向へと小走りに向かっていった。

 アーシアが走り出した方向の先を見ると小さいながら、うずくまっている子供であろう姿を視認できた。

 しかし、アーシアの突然の行動に驚いた俺は動き出すまでに時間がかかり、アーシアの後方を追いかける形で走った。

そして、遠目ながらに俺は泣きながらも驚いている少年の姿と少年を撫でる手から淡い光が発しているのが見えた。

その光景に驚いた俺は思わず立ち止まってしまった。

 

 

 

 

 

『ドライグ、あれってもしかして神器か?』

『俺に話しかけるのが久しぶりだな相棒?随分とあの娘を気に掛けているようだな。』

『……かもな。まぁ今はそれはどうでもいいんだよ。それよりもどう思う?』

『おそらく何かしらの回復系統の神器を所有してるのだろう。流石に神器になった身とはいえ、全てを覚えているわけではないからな。』

『まぁ状況から察するにその類だよなぁ……これもドライグを宿しているからこそだったのかねぇ……?』

『どうだろうな?それより娘のところへ行ってやらんでいいのか?』

『――っと、そうだった。』

 

 

 

 

 

止めた足を再び動かし、俺はアーシアの元へと急いだ。

 

 

 

 

 

「男の子が簡単に泣いてはいけませんよ。」

 

 

 

 

 

追いついた俺が見たのは、膝を抱えながら泣かないように我慢している少年、その少年の母親であろう女性と少年の頭を撫で微笑みかけているアーシアの姿だった。

しかし、そんなアーシアの表情とは打って変わって、女性の表情からは明らかに嫌悪感が見て取れた。

そして、見て取れた感情の通りに少年の手を引き早足にアーシアから離れていった。

 

 

 

 

 

「お姉ちゃん!ありがとう!!」

 

 

 

 

 

 親子の姿が離れていく中、すっかり泣き止んだ少年はこちらへと振り向き大きな声で、アーシアに対してしっかりと感謝の言葉を叫んでいった。

 そんな言葉を聞いてアーシアは首を傾げていた。

 

 

 

 

 

「ありがとう!だってさ。」

「――はい!!」

 

 

 

 

 

人に感謝されることが本当に嬉しいのだろう。アーシアは心から嬉しそうな表情をしている。

 そうだ、忘れないうちにさっきの力に関して聞いてみるべきかな?

 

 

 

 

 

「そう言えば、アーシアも不思議な力って言えばいいのかな?持ってるんだな。」

「――っ?!見て……しまったのですね……」

「……?あぁ、遠目ながらにだけどな?あの子の反応からして多分怪我を治すような類のもの?」

「イッセーさんは……さっきのを見ても何とも思わないのですか……?」

 

 

 

 

 

 不安そうな様子がアーシアのほうを向かなくても痛いほどに伝わった。

 下手に取り繕った言葉で話すほうが良くなさそうだな……まぁそうでなくともアーシアには誠実でいたいしな。

 

 

 

 

 

「ちょっと長話になりそうだし、とりあえず腰を落ち着ける場所に移動するか。」

「はい……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さっきのを見て俺が何とも思わないのかだったよな?」

「はい……」

 

 

 

 

 

相変わらずアーシアの表情は重苦しいものだった。

 おそらく俺があの母親と同じような反応を返すんじゃないかとでも思っているんだろう。

 

 

 

 

 

「まぁそりゃ何も思わないなんてことはないよな」

「そう……ですよね……」

「治癒の力があればトレーニングで多少無茶してもすぐ治せるなーとかね」

「そう……え?」

 

 

 

 

 

 アーシアは何を言われたのかがわからないのか呆然としている。

 

 

 

 

 

「多分だけど、アーシアが怖がってるのは俺があの子の母親みたいな反応をするんじゃないかって思ってたんじゃないか?」

「――っ!?」

「その反応は図星ってところかな?まぁでも無理に聞こうとは思わない。ただ俺はどんなことがあってもアーシアの味方でいる、それだけは信じて欲しいな。」

 

 

 

 

 

 一番アーシアへ伝えたいことを言い、アーシアの方へと顔を向けると――

 

 ――アーシアが驚いた表情をしたまま涙を流していたのだ。

 

 

 

 

 

「アー……シア……?」

「ごめん……なさい……ごめん……なさい……」

 

 

 

 

 

 謝罪の言葉を繰り返しながらアーシアは嗚咽を漏らしていた。

 そんなアーシアへと向ける言葉が探し出せず、俺はアーシアが落ち着くまで頭を撫でることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イッセーさんに迷惑をかけてしまいました……ごめんなさい……」

「別に迷惑だなんて思ってないぞ?もっと頼ってくれてもいいぐらいだ。」 

 

 

 

 

 

数分後、落ち着いたアーシアが俺へと謝ってきたが、それを制した。

実際に俺はそう思っている。もう少し俺に頼って欲しい……そんなに俺は頼りないのだろうか?

 

 

 

 

 

「したら、アーシアも落ち着いたところだしそろそろ帰るか。」

「イッセーさんは……気にならないんですか……?」

 

 

 

 

 

 んー……気になるか気にならないかで言ったらなぁ……?

 

 

 

 

 

「そりゃもちろん気になるさ。でも、無理に聞こうとは思わない。絶対にアーシアにとってそれはつらい思い出なんだと思うから。」

「イッセーさん……」

「なんか辛気臭い空気になっちゃったな。そろそろ帰ろう?」

 

 

 

 

 

 そう言い、俺は立ち上がりアーシアへと手を差し伸べた。

 が、アーシアは俯いたままだった。

 

 

 

 

 

「アーシア?」

 

 

 

 

 

 どれだけの時間が経っただろう?少し肌寒くなってきた。

 俺がそう感じるのだから、おそらくアーシアの身体は俺以上に寒いと感じていることだろう。

 そんなことを考えていると、真剣な表情をしながらアーシアが顔を上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――イッセーさん、私の昔話を聞いていただけますか?

 

 

 

 

 




明けましたよ、おめでとうございます。
新年早々各所で爆死したalnasです。
ゆっくりとした更新ですが、今年もお付き合いください。
では、また次回!
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