元は“小説家になろう”様にて載せていました。
今現在は“Pixiv”様にもあげております。
……とあるシリーズが、再び日の目を見るまで、あと……?
自分の心にすら嘘をついた魔術師。
良く似ている二人。余り似ていない二人。
これはそんな二人の―――物語。
遥か遠い星…それはハルカンドラよりも遠く。
その星で…良く似た二人が話していた。
いつ、何処で知り合ったかは定かではない。
だが、二人はかなり親しげに話していた。
似ている二人…違うのは?
足があるか、無いか。
手があるか、無いか。
魔法使いが…いきなり切り出した。
「そう言えば…聞いた事あるかい?」
「ナニを?」
「遥か遠くのハルカンドラって所に…強い力を持つ王冠があるって。」
「王冠ネェ…。」
魔術師は余り興味が無さそうだったが…次の言葉で真剣になった。
「その王冠…どうやら無限のチカラを持つらしいのサ!!」
「無限のチカラ……。」
魔法使いは魔術師が興味を持った事を知り、楽しそうに話しだした。
「確か名前は……そうそう、マスタークラウン!!」
「マスタークラウン…良いネ、それ。」
魔法使いは…更に続ける。
「それにハルカンドラには、意思を持つ船…ローアってのがあるって噂サ!」
「ローアって確か…ムカシ、ハルカンドラの人達が作ったって言う…」
「そう!…でも、何処にあるのか、ぜっんぜん分からないのサ。」
それを聞いて、魔術師はバカにした様に言った。
…もしかしたら本当にバカにしているのかも知れないが…
「ソレ、本当の事を確かめてカラ言ってヨォ。」
「なっ!確かにボクは悪戯好きだけど…嘘は付かないのサ!」
「そんな事言って……前ダッて…」
「その時の事はその時の事なのサ!!!!!」
魔法使いは言葉を遮ると、背中に大きな翼を出現させた。
綺麗でいて、それで…危険な翼。
「ドコかに行くの?」
「うん。ハルカンドラよりも更に奥の…ポップスターって所にね。」
ポップスターそれは、魔術師も聞いた事があった。
とても平和で、住人達も呑気でお人よし。
過去に何度も事件はあっているが…大事になる前に片付いている。
何故、片付いたのか…それを質問する前に魔法使いの言葉が聞こえた。
「そこでボクは、カービィって言うお人よしを利用するのサ!」
「カービィ?」
聞いた事はある気もするが…関係無いと思って、消した記憶だ。
「カービィを知らないのサ?」
「ウ~ン…覚えて無いヤ。」
「カービィは…大食いで、呑気で…それで、お人よしな…」
そこで一度言葉を切って…直ぐに続けた。
「ポップスターを何度も救った…いわばヒーローなのサ。」
僅かに表情が暗くなる。
「…それでホントウに、征服できるノ?」
雰囲気を軽くしようと、わざとからかう。
すると思った通り、赤くなって反論した。
「あ、当り前なのサ!!」
そうして飛び去ろうとした。
その直前に…魔術師は呼びとめた。
「チョット待って!」
「なんなのサ!?」
「……成功したら、連れて行ってネ♪」
「…分かったのサ。」
そうして、飛び去った。魔術師は小さく呟いた。
「…マルク、無事でいてヨネッ!」
そして魔術師も…そこを去った。
その数日後……魔術師の住んでいる場所の近くは騒がしかった。
何かと思って出ると…数人が気まずそうに目を逸らした。
「ドウシタの?」
魔術師が聞くと……一人が苦しそうに言った。
「…マホロア…お前、マルクと仲良かったろ…?」
「ソレが――どうした、ノ?」
嫌な予感がした。
聞いてはいけない…でも、聞かなければ…。
聞かなくてはいけない気がしていた。
「マルクが………カービィに敗れて、消え去ったそうだ。」
魔術師…マホロアは……僅かに絶望的な表情を見せた。
=マルクの意識=
あーあ、負けた…。マホロアとも約束してたのに…サ。
怒るかな?……多分ボクの事はどうでも良いんだろうなぁ…。
だってマホロアだしサ。
………とっくに、あの“半分だけあげた”ピアスも捨てたろうし。
………あーあ…………………御免、マホロア…。
=マホロアの方で…=
マホロアは、半分になったピアスを見ていた。
ある時マルクから貰ったモノだ。
生憎付けられないから飾ってるんだけど。
……最後に見たマルクの姿を思い出す。
飛んでいく後ろ姿。その帽子に付いていたのは…片割れのピアス。
「ナンで……約束を破るんだろう…!!」
同じくらい嘘つきで…同じくらい正直だった。
そして…マホロアは決意した。
今度は自分が…ポップスターを支配する…と。
数年後………マホロアはマスタークラウンを手にいれた。
そして、カービィに挑んだ。
でも………負けた。
カービィは強くて……優しい奴で。
…実際は途中から、支配なんてどうでも良くなっていたのかも知れない。
攻撃をされる度に…力が弱まるのを感じていたから。
…………そう言えば…無くして無いヨネ?
マホロアは薄れていく意識の中…マントの端を見た。
そこに付いているのは、あのピアスだった。
マホロアは僅かに微笑みかけると…そのまま消えていった。
=とある暗い場所=
マホロアは、目を覚ました。
暗い場所だった。まるで、あの世の様な…?
いや…多分、あの世なのだろう。
顔を上げて…見慣れた姿を見つけた。
思わず…声をかけた。
「マルク…?マルク!!!」
声をかけた先の…小さな影は、驚いた様に振りむいた。
「マホロア!?何で……」
「それは…その、ボクも失敗しちゃったンダ。」
「マホロア……」
「でも、これで…また一緒に、アソベるんだね。」
「……そうみたいなのサ。」
マルクは僅かに涙を浮かべながら…言った。
「これからは…ずっと、一緒に遊べるのサ。」
そして二人は…綺麗な光に包まれて、何処かへと去って行った。
去った先は…本人達のみ知っている。
“二人は友人説”を聞いてから、ずっと考えていた事。
……こんな裏があっても、良いかな?って。