東方春風駘蕩(完)   作:綾禰

10 / 60
 アンチ・ヘイトのつもりではありませんが、幽々子及び妖夢ファンの方注意。


ごめんなさい、そしてありがとう

 

 

 

 

 

 いきなりの土下座にオロオロする橙ちゃんとどうしようかと悩む僕。助けを求めて紫お姉ちゃんと藍お姉ちゃんに視線を向ける。

 

 僕の視線に気づいた二人は微笑んでくれたけど、その目はフォローはしてあげるから何とか考えてみなさいと言っていた。

 

 何か打開策はー……、妖夢もすみませんでしたぁぁって未だに土下座中。ここまでされちゃうと逆に困っちゃうよ……。ん? 逆に困る……。

 

 

「妖夢。気にしてないって言うには記憶にこびりついちゃってるけど……それでも僕は許した。そして紫お姉ちゃん達にも怒らない様にもお願いした。だからもう謝らなくて良いからね?」

 

 

 僕の言葉に妖夢は姿勢を少し上げて見上げてくる。その顔は困惑した表情をしていた。

 

 

「しかし……」

 

「これ以上の謝罪は、僕の心、紫お姉ちゃん、藍お姉ちゃんの心を無下にする行為だよ? 落ち着いて考えて、妖夢」

 

「その通りよ、妖夢。太助君の言う通りだわ」

 

 

 僕と妖夢がその声にびっくりしてそちらを見た。幽々子さんが白玉楼から出てきた所だった。

 

 

「……幽々子さん」

 

「幽々子。私と藍は謝罪を受けたわ。後は、太助に……」

 

 

 紫お姉ちゃんが幽々子さんに声をかけた。その声は穏やかだった事から、紫お姉ちゃんが言った通りに二人は……藍お姉ちゃんも合わせて三人は仲直りしたみたいだった。

 

 

「判ってるわ、紫。……太助君、あの時の事は本当にごめんなさいね。そして、ありがとう」

 

「え? ありがとう……って」

 

 

 ありがとうの意味が判らず紫お姉ちゃんを見るも、微笑み返されただけで意味が無かった。

 

 

「うふふ……私と妖夢を庇い、紫達を宥めてくれた事が当たり前だと思える、優しいのね、太助君は。……貴方のおかげで、親友の紫と喧嘩別れしないで済んだの。ほんと、どれだけ感謝しても感謝しきれない位だわ」

 

 

 そう言う事か。僕が優しいかどうかは判らない。だけど、そうしなきゃいけないって思った。その思いだけは確かな事だった。

 

 そして、その思いが良い方向に動いたんだ。それだけは誇って良いのかもしれない。それこそ、謙虚ばかりは幽々子さんの感謝を無碍にする行為だと思った。

 

 

「僕も、幽々子さんと紫お姉ちゃんが仲直り出来た事を嬉しく思います。それと、妖夢とはこれから良い関係が築けられたら嬉しいと思います」

 

 

 橙ちゃん置いてけぼりの話をしてたら、なんと妖夢が泣き始めた。何故!?

 

 

「私は! 私はこれほど器の大きい太助様を切ってしまう所だったとは!」

 

 

 悔しそうに、後悔の念が感じられる妖夢。これは言わなければいけない言葉があると思った。いつまでも、ごめんなさいでは駄目なんだ。

 

 

「妖夢?」

 

「ぐすっ……太助様」

 

「僕は許したんだ。だから、ごめんなさいの次は、ありがとう。そう言ってくれたら嬉しいな」

 

「! 太助様……ありがとう……ありがとうございますぅ!」

 

 

 そう言って泣きながら抱きつかれてしまった。……紫お姉ちゃんの時と言い、霊夢ちゃんの時と言い、女の子は泣くと抱きつくものなんだろうか。

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。