東方春風駘蕩(完)   作:綾禰

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 私の中では橙は基本マヨヒガで過ごしてる感じです。


この想い、手紙に込めて

 

 

 

 

 

 その日、僕はマヨヒガに来ていた。目的は橙ちゃんと手紙を書く事。

 

 お題は大切な人。と言う事で、僕としては霊夢ちゃんや妖夢も大切な友達だけど、今回は橙ちゃんと一緒に紫お姉ちゃんと藍お姉ちゃんに手分けして手紙を書いております。

 

 ちなみに、僕が紫お姉ちゃん。橙ちゃんが藍お姉ちゃんに書いてます。

 

 

「改めて考えると、何て書けば判らなくなっちゃうね」

 

「うー……文章にするって難しいんですね、太助様ぁ」

 

 

 一言二言で言えば、ありがとう、大好きです! で済ませれるけど、手紙にして贈るのにそれだけじゃ寂し過ぎる。橙ちゃんが言った通り文章にするのって難しい。

 

 

「そうだねー。ありがとうってだけじゃ手紙の意味無いもんね? 思いついたのは良いけど思ったより悩んじゃうねぇ」

 

 

 何々だからありがとう、何々だから好きです。今まで意識しないで二人に感謝してたし、意識しないで二人が好きだったから理由付けみたいで更に難しい。

 

 

「そうだねぇ、橙ちゃんは藍お姉ちゃんのどこが好き?」

 

「藍様の好きな所ですか……? 考えた事無いですぅ」

 

「だよねー。二人のどこが好きじゃないだもん、二人だから好きだもんね」

 

「はい。その通りなんですぅ」

 

 

 一方その頃の紫達は……。

 

 

 八雲宅にて、居間で紫がスキマを開き中を覗いていた。

 

 藍がお茶を淹れて来たが、紫の様子が気になったのか隣に座った。

 

 

「何を見ているのですか? 紫様」

 

「ふふ……ちょっと気になって太助達の様子を覗いてたんだけどね。藍? 期待してて良いわよ」

 

「期待ですか?」

 

「ええ。太助からは私に、橙からは藍に素敵な贈り物があるわ。これ以上は野暮だから見るのは辞めるけどね」

 

「贈り物ですか。楽しみですね」

 

 

 そう言って二人は淹れたてのお茶を飲むのであった。

 

 場所はまたもマヨヒガ。

 

 

「そうだ。ねえ、橙ちゃん」

 

「はい」

 

「藍お姉ちゃんはどんな人かな」

 

「藍様ですか? そうですね、すっごく優しい方です! まだまだ未熟な私を式にして下さり、私のペースで成長する事を見守ってくれてます!」

 

「そうだね。じゃ、その事を書いてみようか」

 

「……あ、なるほど! 流石太助様です!」

 

 

 そう言って今話した事をサラサラと手紙に書き始める橙ちゃん。

 

 僕も紫お姉ちゃんがどんな人か、考えて書き始めた。きっかけが出来たら思いのほか筆が進む。

 

 

「橙ちゃん。藍お姉ちゃんと一緒にやって楽しかった事とか思い出も書いてみようよ」

 

「はい! 太助様」

 

 

 そんな事を橙ちゃんと話しながら手紙を書く。ってか、意見を出してるの僕ばかりじゃあないか? いや、良いんだけどね? 橙ちゃんって考えるの何か苦手そうだから……。別に馬鹿にしてる訳じゃないけど。うん。

 

 そして僕が提案して、橙ちゃんが書いてを繰り返してお互い何とか手紙を書ききる事が出来た。

 

 橙ちゃんには太助様のおかげです!って言われたけどやっぱりそこは橙ちゃんが藍お姉ちゃんの事をどれだけ思ってるかが重要な事だったから、それは橙ちゃんの力だよ。と言っておいた。

 

 最後にマヨヒガに集まっていた猫達に餌をあげる。そしていざ、八雲邸へ。

 

 僕が隙間を開いて橙ちゃんと二人で開けた穴を通る。その際橙ちゃんがビックリしてた。

 

 

「紫様と太助様のスキマってそれぞれ違うんですね。紫様のはえっと……言いにくいですけど目玉いっぱいで不気味なんですけど、太助様のは目玉が無くて安心出来る空間って感じです」

 

「え? 橙ちゃんが入った時の紫お姉ちゃんの穴の中ってそうなの? 僕が入った時は今と同じ感じだけど……」

 

「私以外の時も目玉いっぱいの筈ですよ? きっと、太助様は特別なんですね!」

 

 

 意外な事実にビックリ。後日紫お姉ちゃんが言ってた事だけど、太助にそんな不気味なもの見せてどうするのよって。他の人なら不気味でも良いの? 紫お姉ちゃん……。

 

 そんなこんなで穴を通り抜けて見慣れた八雲邸の庭に足をつける。

 

 戸さえ開いていれば庭から茶の間が見える。そして茶の間には紫お姉ちゃんと藍お姉ちゃんが居た。

 

 

「おかえり、太助、橙」

 

「ただいま。えっとね、二人に見てもらいたいものがあるんだ。時間大丈夫?」

 

「大丈夫だよ。靴を脱いで上がっておいで」

 

「うん」

 

「はい! 藍様!」

 

 

 玄関に行って靴を脱ぐ。その時に僕が預かっていた手紙を橙ちゃんに返す。

 

 

「喜んでくれると良いね? 橙ちゃん」

 

「きっと大丈夫ですよ! 太助様」

 

 

 茶の間に辿りついた僕達はそれぞれ手紙を読んだ。

 

 橙ちゃんは藍お姉ちゃんの初めて出会った頃の感想、好きな所、そして感謝を書いた手紙を読み上げる。藍お姉ちゃんはちょっと涙ぐんでた。

 

 そして僕。紫お姉ちゃんに拾ってくれた事。過ごした日々の感想。好きな所と感謝。を読み上げた……ら、ぽろぽろと涙をこぼす紫お姉ちゃんに私も大好きよぉ太助ぇって抱きつかれてしまった。

 

 ちょっと恥ずかしかったけど、喜んでもらえたみたいで良かったね? 橙ちゃん。

 

 あちらはあちらで、藍お姉ちゃんに抱きしめられている橙ちゃんを見ながら僕はそう思うのであった。

 

 

 

 

 




 もう一話投稿あります。
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