東方春風駘蕩(完)   作:綾禰

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 本日投稿二話目ですので、未読でしたら前話も読んでもらえたら嬉しいです。

 2018/07/12 誤字報告ありがとうございます。割合を割愛に修正。


番外編 こんな未来もありえる話2

 

 

 

 

 これは十年後。いくつもの可能性から生まれたありえるかもしれない、そんな未来のお話。

 

 ある日、太助はレミリアに誘われ紅魔館に訪れていた。内容はお茶会だ。

 

 太助は建築用語に疎いのでルーフバルコニーと言えば良いのか判らないが、二階の扉から外に出て太陽の下、準備されたテーブルと椅子。そして日よけのガーデンパラソルが備え付けられていて敷地内の庭、それから湖の景色が見渡せる場所に座っていた。

 

 ここでまず前提の話をしたいと思う。

 

 レミリアとフランだが、この二人は肉体が成長していた。フランのいつまでも小さいと言うボヤキを聞いた太助が大人と子供の境界をいじってみたら、大人でも子供でもない、十七、十八歳程度の肉体になった。

 

 元々懐いていたフランだったが、より一層太助にべったりとなり、レミリアもいつまでも小さかった体の成長に多大なる感謝の念も感じていた。

 

 パチュリーは喘息が酷く悪化した際に太助に介護された時に、咲夜は出会った当時の一言がきっかけで、美鈴(めいりん)は十年の月日の中自然と、小悪魔は一目惚れと言う形でそれぞれ太助に好意をもっている。

 

 前提の話は以上として、太助はお茶会に呼ばれて主催者達を待っている状態だった。

 

 少し時が経ったかな、と思った時扉が開き屋内(おくない)からレミリアと、レミリアに影を与える為に日傘を持った咲夜が現れた。威厳を出そうとしているのか、太助に視線を向けると小さく微笑みゆっくりとルーフバルコニーにあるテーブルへと歩いていく。

 

 二人は太助のもとへたどり着くと、咲夜は椅子を引きレミリアを座らせ、お茶の準備をする為一言残し姿を消す。

 

 

「久しぶりね。太助」

 

「そんな感じかな? 僕としては毎日の様に誰かと会っていたから久しぶりの自覚が無いんだけどね」

 

「そう……つまり、紅魔館に来る気持ちはさっぱりと無かった、と。それを聞いたら、皆さぞかしガッカリするでしょうね」

 

「あー……ごめん、言葉が悪かった。呼んでもらう位じゃないと会いにこなくてごめん、レミリアさん」

 

「べ、別に私が会いたかった訳じゃないから! 皆が、よ? 皆が。それに、さんはいらないって言ったわ! 咲夜だけ呼び捨てってのもいけないと思ったからよ!?」

 

「そうだね。皆に悪かった。それと、うん。レミリアだよね。レミリアレミリア」

 

 

 判れば良いのよ……とレミリアがそっぽを向くが、その顔は赤かった。が、お約束。太助はその表情の変化を全く気にせず、咲夜のお茶を待つ事にしていた。

 

 と、紅茶の香りが漂ってきた。テーブルを見ると思った通り、紅茶とお菓子、好みに合わせてとレモンと砂糖とミルクが置かれていた。

 

 太助は咲夜に礼を言おうとレミリアの後ろに目線を向けると誰も居なかった。いや、ポカーンとした表情をしたレミリアは居たのだが、件の咲夜が居なかった。

 

 呆けてるレミリアの視線を辿ると太助の後ろに咲夜は控えていた。

 

 

「え? レミリアの後ろじゃないの?」

 

「今はこちらで構いません」

 

「さ、咲夜?」

 

「はい、お嬢様」

 

「いや……はいって言われても」

 

 

 いとも容易く行われる堂々とした咲夜の返事にレミリアもちょっと困った顔をしていた。

 

 

「咲夜……普通は主人の後ろじゃ?」

 

「今は太助様の後ろで構いません」

 

「そうなの?」

 

「そうです……だって、未来のご主人さまですし」

 

 

 ごめん、レミリア。今回も駄目だったよ。と、内心の太助。咲夜の爆弾発言はいつもの妄想と受け止めてる辺り慣れたものだった。

 

 

「み! 未来のご主人様ですって!?」

 

 

 レミリアはレミリアで少し暴走の()がある。主従似たものであるとは、太助のみならず二人を知る者の感想である。

 

 と、太助だけがのんびりしようとした瞬間である。ドーンと扉が開かれた!

 

 

「ひどーいお姉様! 私も太助とお話したかったのに! 何で来る事教えてくれなかったの!?」

 

「フラン!? とパチェと小悪魔まで! 後美鈴も……」

 

「非道いです! 私だけついでみたいに!!」

 

 

 フランの急な登場に驚くレミリアと声には出してないが太助。そして涼しい顔して内心ビックリな咲夜。

 

 

「私が太助の隠しきれなかった妖力に気づいたのよ。そして、小悪魔にフランを呼んでくる様に指示して来た訳。美鈴は気づいたら居たわ」

 

「愛です!」

 

「ああ……もう。太助に聞きたい事があったのに収拾がつかないわ」

 

 

 頭を思わず抱えてしまうレミリア。太助はレミリアの聞きたい事に反応はしたが、突進してくるフランを受け止める動作を優先させる事にした。

 

 過去の少女の体型ではなく、大人へと成長した体なので昔よりも勢いが凄いのだ。

 

 

「太助!」

 

「はは、フランさん……フランも久しぶり」

 

「んー言い直したけど、ちゃんとフランって呼んでくれたから良いよ!」

 

 

 そう言って太助に抱きつくフラン。その好意を黙って見れないのが恋する乙女と言うものか。

 

 レミリアは顔を赤くして離れなさい!とフランを引っ張り、咲夜はさり気なく太助の腕を自分のと組んでいた。

 

 その四人に駆け寄ろうとするパチュリーだが、途中で息を切らしてしまい小悪魔に背中をさすってもらっている。

 

 美鈴はそんなパチェリーを置いて行けない様子でオロオロしていた。

 

 

(本当。何が聞きたかったか判らないけど、レミリアの言う通り収拾つかなくなったなぁ)

 

 

 苦笑するしかない太助であった……。

 

 因みに、レミリアの聞きたかった事は、紅魔館に住まないかと言う事だった。が、これはこれで収拾がつかない話になるので割愛とさせていただきます。

 

 

 

 

 

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