東方春風駘蕩(完)   作:綾禰

30 / 60
 何か更新を三日しなかっただけで三日経つけど更新しないの?的な感想書かれてる方を見かけたけど……大変そうだなぁ(自分の更新ペースを確認しながら)。


友達同士は仲が良くても友達の知らない友達とは仲が良い保証はありません

 

 

 

 

 

 僕は慧音(けいね)先生と並んで里を出てすぐの所で低空と呼べる高さで戦う二人を見ていた。

 

 太陽の光を反射して銀に輝くナイフ達。

 

 太陽の光に負けない明かりを放つ炎。

 

 下からスカートの中が見えない様に慧音先生と一緒に少し離れた所で立っている僕だけど、まさか二人共僕の話を聞かずに暴走するとは……。

 

 隣を見ると慧音先生がため息をついた。

 

 

「……はぁ。下手に戦う能力(ちから)があるとすぐ武力で解決しようとする。太助(たすけ)君はまず状況を理解しようと話をするからな。太助君にはこのまま育って欲しいし、あの二人にも太助君を見習ってほしいものだ」

 

 

 ……喧嘩両成敗で問答無用で頭突きをしてる人に言われたくないと思ってしまった僕は悪くないと思う。

 

 そもそも何故、咲夜(さくや)妹紅(もこう)さんが戦いを始めたのか少し前を振り返る。

 

 時は昼下がり。いつも猫達と戯れている橙ちゃんと一緒にお饅頭を食べようと思い、藍お姉ちゃんからお手伝いしてくれただのなんだの事ある毎にくれたお小遣いを入れた小さめの巾着袋を袖に入れ人里に。

 

 人里の中に空間の穴を作って移動するとビックリさせてしまうからね。素直に里の近場に出てから歩いて移動する事に。

 

 道中顔見知りと挨拶を交わしながら歩いていると横と後ろから僕を呼ぶ声。

 

 

「お、太助じゃないか……ん?」

 

「その後ろ姿は太助様……え?」

 

 

 必然的にまず通りの横に居た藤原妹紅(ふじわらのもこう)こと妹紅さんが目に入り、後ろまで振り向いて咲夜を見る。

 

 

「妹紅さんと咲夜? いやぁ、奇遇だね。商店の並んだ通りだし二人共買い物?」

 

「いや、私は買い物と言うより太助が見えたから……む?」

 

「はい、途中で太助様の霊力を感じたのでこちらに……む?」

 

 

 声をかけられた時も二人の声が重なっていたけど、またも重なる。ちょっと面白いなぁと思っていたら、急に睨み合いを始めた。

 

 

「え! ちょっとどうしたの二人共!?」

 

「お前……私の(弟分以上恋人未満的な)太助の何なんだ?」

 

 

 そう言って咲夜から目を逸らさず、すぐ横まで来た妹紅さんが僕の左肩に右手を添えて威嚇するかの様に問う。

 

 って何で威嚇してるの!?

 

 そして咲夜は咲夜で妹紅さんに言われた瞬間驚愕の表情を浮かべたけど、キッと睨み返して妹紅さんと反対側の来て僕の右腕と咲夜の左腕を絡めた。

 

 

「貴女こそ……私の(友達以上ご主人様未満的な)太助様の何でしょうか?」

 

 

 そう言って僕を挟んで睨み合う二人。……って僕を挟んで睨み合わないでよ!?

 

 

「私の……だと?」

 

「私の……ですって?」

 

「ひっ!?」

 

 

 何!? 何か二人の不機嫌オーラが凄くて怖い!!

 

 体感時間としては凄く長いけど、実際には少し経った頃に僕にとっての救いが来た。

 

 

「先生こっち!!」

 

 

 気付いたら出来ていた人垣を掻き分けて男の子が一人。

 

 あの子は……たまに行く寺子屋で一緒に遊んでる嘉助(かすけ)君じゃないか!!

 

 そして人垣が割れて嘉助君の後ろに続いて来たのは慧音先生。

 

 好奇心から出来た人垣も先生が来ると皆道を譲るから凄いなぁと少し場違いな感想を抱く。

 

 

「妹紅と咲夜さんに太助君? 人垣が出来るなんて何の騒ぎだ?」

 

「慧音!! こいつ何なんだ!? 久しぶりに太助に会えたのに邪魔してきて!!」

 

「先生!! このお方は何ですか!? 久しぶりに太助様に会えたのに横から!!」

 

「何だと!?」

 

「何ですか!?」

 

「……とりあえず説明頼めるか太助君」

 

「二人共落ち着いてね!? いや、僕としても急展開で」

 

「こうなったら勝負で決めてやる。里の外まで着いて来いすっとこどっこい!!」

 

「何ですかすっとこどっこいって!? 私も頭に来ましたよ!!」

 

「お前ら落ち着いて話せ!! 次から次へとすぐ喋るから地の文が全然入ってないじゃないか!!」

 

「先生も落ち着いて! 地の文とか何の事!?」

 

 

 先生のご乱心にびっくりしていると僕から離れた二人が猛スピードで里の外に向かって飛んでいった!

 

 

「あっ、こら!!」

 

 

 飛んでいった二人を追いかけて走っていく先生を放心状態で人垣の皆と一緒に見送っていたら、すぐ近くに気配を感じた。

 

 そちらを見ると先程慧音先生を連れてきてくれた嘉助君だった。

 

 

「太助兄ちゃん、大丈夫?」

 

「ああ、ああ。うん、助かったよ嘉助君」

 

 

 そう言って頭を撫でると嬉しそうにへへっと笑う嘉助君。

 

 ……とりあえず。

 

 

「意味が判らないけど、追いかけないと駄目だよなぁ」

 

 

 僕の呟きに周囲の皆が頷いた気がした。

 

 

 

 

 




 サブタイトルは実際の経験から。
 中学時代の友達メンバーで集まってんのに会社の同僚(知らない人)を連れてこられても対応に困るよ(人見知り)。しかも連れてきた本人が放置して昔馴染みと昔話に花咲かすからその同僚、一人でポツーンと暇そうに。
 しょうがないと思いつつ話しかけたけど、皆が連れてきた立場になった時は気配りしてあげないと駄目よ?(´・ω・`)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。