霊夢みたいに意味がある言葉を辞書で探して名付けたんですよ。で、今の所小説として書く予定が無い設定で名前から察せられる様に、歌に力を持たせる事が出来る感じです。
霊夢ちゃん鼻血噴出事件から数分。何とか収まって只今僕、橙ちゃん、霊夢ちゃんと三人――妖怪は匹だけど便箋上三人で――並んで飛行中。
まぁ、僕の飛行能力はつい最近出来る様になった程度なので直進以外の動きはてんで駄目なんだけどね。
「私の場合は気づいたら浮いてたって感じだったし、やっぱり飛べる様になるまで大変だったでしょ」
「まあね。慣れれば感覚的に飛べるんだと思うけど、今はまだ力の志向を意識しないとまっすぐですら、ちゃんと飛べないよ」
「それでも私より速く飛ぶ事が出来ますから、太助様は凄いです!」
「そりゃ、太助さんだもの」
「…………はは」
お姉ちゃん達もだけど、無条件って訳じゃないけど凄く褒めてくれるからむず痒い……。
結局の所、霊夢ちゃんが場所を知っていると言う事だったので慧音先生とは会わずに人里の出入り口からまっすぐ飛んできた。
警戒はしてなかったみたいだけど、一応気にはしてくれていた見張りのお兄さんには挨拶をしておいた。鼻血の噴射にも凄く驚いていたみたいだったし、心配させちゃったからね。
暫く空中散歩を楽しんでいると思っていたよりも広い竹林と、その手前にある家が一軒見えてきた。そんなに広くは無い畑と井戸が設置されている。ボロくは無いけど、それでも綺麗とは言えない感じがそれなりに使われている雰囲気を
家の中から知った気配を感じた僕はそこに妹紅さんが居ると確信した。ただ、眠っている様で少し弱めの気配だったので少し迷ったものの以前誘ってくれたのは妹紅さんだし挨拶は大事だと考えて降りようとすると、霊夢ちゃんから待ったがかかった。
僕もそうだけど、橙ちゃんも不思議そうに霊夢ちゃんを見る。
「どうしたんですか? 霊夢さん」
「作業人数が増えると取り分が減ってしまうし、何より太助さんが妹紅に捕まって帰りが遅くなってしまうだけだわ。今日は穫った筍を紫に届ける事が目的でしょ?」
「……そうだね。気配的に寝てる様子だし、挨拶する為だけに起こす事も無いか。残念だけど妹紅さんに声を掛けるのはまた次の機会にしよう」
霊夢ちゃんの言い分に納得したところで、妹紅さんの家を通り過ぎて目の前の竹林へ向かう。
綺麗に整列して竹が生えている訳でもないので、見つけた少し開けた場所に向かって降りていく。
「あ! 太助さん、私が先に行くから不用意に降りては駄目よ!!」
「え?」
地面に足が着こうとした所でそんな慌てた声が聞こえてきた。そう言われても、もう足が着いて……ない!?
「おわっ!?」
「太助さん!!」
「太助様!」
落とし穴!? 空から見ただけだったけど、自然な感じで何にも無さそうな地面に見えたのに飛ぶ為に纏っていた力を抜いて降りた瞬間、穴を隠していた蓋が壊れる音と共に視界が急激に流れていった!
予想が出来なかった事態だから仕方が無かったんだと後の僕に言い訳を心の中でしながら、落とし穴の底で着地がまともに出来ずに足首を捻ってしまい、倒れた先に壊れた蓋の材料の小さめの果物ナイフ位の大きさの尖った木材が腕に刺さって、受身がまともに出来ないまま頭を強打してしまった。
二メートル程落ちたと思うけど痛いって声すら出てこない……。
「おやおや? 罠の巡回で来てみたら丁度罠にかかる音が……げげげ!!
「アンタが……太助さんを!!」
「ちょ! 待って!! その人の事は知らないけど情状酌量の余地は無いですかね!?」
「太助様の仇です!」
「二対一なんて勝てる訳無いじゃないですかやだー!」
ぎゃー!? と言う声を薄らと聞きながら、僕は意識を手放していった……。