ACECOMBAT if ~全く違うzero~   作:夕霧彼方

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しばしの眠りのあと、夕霧彼方は目覚める・・・社畜として・・・。


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「いった・・・何をするんだ?アリチェ」

「・・・少々修正の意味を込めて一発いかせてもらいました。隊長は実に傲慢でしたので・・・」

アリチェは見た目は細いが空軍の戦闘機パイロット、その体は柔らかい筋肉の塊だ。そんな人間が全身を使って殴れば鍛えてる男とて吹き飛ぶ。

結川は軽くふらつきながら立ち上がる、傲慢だと?

「何が・・・言いたい?」

「まだ気づかないのですか?もう一発いきましょうか・・・というのは冗談ですが、ですが、少し・・・いや大分呆れてます。隊長に」

アリチェは今までに見たことないくらいに憤怒の雰囲気を出す。

「この世界はあなたが回してんじゃないのです、神様気分も大概にしろということです」

「!」

アリチェの容赦のない言葉に結川が動揺をする。

神様気分・・・言われてみればそうかもしれない。ラーズグリーズの言葉を聞いて、それが起こり、それに憂鬱になったり切れたり・・・

アリチェは続ける。

「隊長が並行世界の、ここと同じ技術水準の世界の人間で、かつここの世界の神様と繋がってるという話、そしてこの世界を以前から知っていたという話。だからある程度の世界観とこの戦争の行く末を知っている。だから何だって話です。あなたは何ですか?このサザンクロスという部隊の隊長にして私たち8人を率いてくれるリーダーでないのですか?神様気分でオーシアの核の暴走を止められなかったことを自分で責めたり、上等兵が身代わりに死んだも同然なこと、そして批判されていることに屈していたり・・明らかに中佐階級の一個部隊の隊長の領分越えてますよね、それと前々から言いたかったのは・・・」

少し言葉が詰まる。後半から明らかに声が震えている。結川は何も言えない、いや、彼女の言葉を聞かなければならないと感じたから。

「そんなに私たちは弱いものですか・・・」

搾り出された言葉に結川は固まる。そんなつもりは・・・そんなつもりは・・・言いたくて言えない、いや、本能で言う資格がないと悟る。

「私たちは隊長に比べれば技量は未熟です。しかしウスティオ、いやFCMB全軍でも上の方だという自信と誇りはあります。しかし貴方はそんな意識を消し飛ばすほど命令は甘く、そして揺りかごに乗せるが如く私たちを守って飛んでいた・・・ベテランならまだしも年が近い人間にされるのは潜在的に屈辱感も感じていました。そして何より軍人でありながら部下が死ぬことを嫌う面、素敵なことですがそれも自分を苦しめ、私たちを苦しめた・・・!!」

アリチェの言葉の一つ一つが結川を気づかせて、そして突き刺さる。

「死ぬことは怖いです!職務とはいえ私たちは人を殺しています!状況によっては自国も敵国も民間人を傷つけ、死んでいます!ですが・・・ですが・・・」

泣いている、彼女は涙を流しながら、でもキッと私を見る。睨むのでなく真剣な眼差しで

「私は国・・・いいえ隊長を信じて飛んでいるのです、だから死んで天国行けず悪魔の道に進もうにも戦うことが出来るのです!!」

ああ・・・、自分は、自分はなんて愚かだったのだろう。結川は何も言えず、固まる。だが、固まっていては駄目だ。彼女に失礼だ

「済まない・・・いや、ありがとう。こんな自分に言ってくれて」

「本当ですよ!馬鹿隊長!」

ここで引いては駄目だ、正解か分からない、だが、この瞬間を逃してはならない。結川は意を決してそして、彼女を強く抱きしめる。

「・・・・・、隊長?」

「本当にありがとう。俺は、逃げてた、軍からも、部隊からも、そして君からも・・・自分が負担すればいいと思って、仲間を無意識に過小評価したり悲劇の人を演じてみたり・・・だが、もう逃げない逃げてたまるものか。そうじゃなきゃ、君に本当に好きともいえない」

「はい?」

ポカンとする彼女、ああ、タガが外れそうだ。

「本当に申し訳ない。覚悟を決めたと同時に・・・な?」

「どういう心理ですか・・・本当、隊長はよくわかりません」

「同感だ、俺も俺自身がよくわからん・・・もう一発殴るか?」

自分の言葉に彼女は、今までで一番綺麗な微笑を見せる

「いいえ、大丈夫そうですし、それより呪いをかけます」

そして一気に二人の顔の間合いは0になる。

少し離れた給水塔

「あー・・・監視班αより、無事ユイカワは立ち直りました・・・てか、なんかこっちが眩暈しそうな初心な下手なラブストーリーが展開されてます」

給水塔に隠れて監視する筋骨隆々な二人組。

ハート率いる空挺部隊の一番槍にして偵察や最前線を監視する選抜隊員。その高いスキルで無駄に結川とアリチェを見ていた。

そんな命令をして、彼らが文句言わないのは一人しかない。

<<ご苦労様、撤収よ>>

「了解!隊長!」

親愛なるハートの前にして彼らは喜んでそのスキルをフルに使う。

 

同時刻

滑走路

「ま、成功みたいね」

「のんきに一緒に走ってると思ったら・・・、部下を雑に使いすぎでは?」

ハートがあっけらかんに言い、エリーゼが苦笑する。彼女に対して何度苦笑したか

「でも安心したでしょ?弟君の次に大事な人だから」

「・・・まあね、弟が信頼する上司だし、アリチェのふわふわ見てたらね」

エリーゼの言葉にハートは笑う。

「でしょ?じゃっ、問題はひと段落したので、あとは部隊で勝手にやってくださいな」

「ありがとう・・・ハート少佐」

「むず痒いわ、エリーゼ。もう変な同盟仲間でいいんじゃない?」

ハートがにやりとして、そしてエリーゼもつられて笑う。

その後ろで男たちが集まる

「おい、エリーゼ弟」

「なんでしょう先輩方?」

コーノが聞き返す。

「あの二人、見た目美人で談笑し合う姿はとても華がある。だがな、とても怖いんだが?どう思う?」

「あー・・・多分一部以外が被害はないんじゃないんですか?」

「その一部が暴走すれば、なんか俺たちに被害がありそうな気がするんだが・・・がんばれ、弟」

んな無茶な、先輩方の要求に珍しく苦々しい顔を浮かべるコーノの姿があった・・・。

 

 

翌日

 

6/19

1000hms

ディレクタス基地、サザンクロス隊格納庫

朝から呼び出され、8人の部下であり仲間たちが目の前に並ぶ。

結川自身が緊張してしまう。だが言わなければならない。

「あー・・・朝から済まない・・・、えっと」

「どうしました隊長?」

グラッドが聞くが、その口元は少しにやけている。

いや、全員が全員、すでに噂をききつけて、まるで子供を見る生暖かい視線になっている。なお、その中心人物のアリチェは少し俯いている。

もう多方面から質問攻めにされたのは言うまでもない・・・。

「まぁ・・・なんだ。俺は君たちを甘く見ていた。自分で背負えないようなことを背負ったふりして振り回して、組織の力を・・・考えてなかった」

考えてきた、どう言おうか、だが言葉に詰まる。そして考えていたことは本番になればここまで詰まるものかと結川自身驚く。

「これからまだ世界は動く・・・どうか、この世界のため、ウスティオやFCMBのため、そしてお前たちの今後の幸せのため、その技術・・・命、貸してくれ!」

頭を下げる。

皆ははぁとため息を吐きながら

「そんなの決まってるじゃねえですか隊長」

顔を上げる。皆笑っている。

「隊長だったら俺たちの命を無駄遣いしない、「その時」を見極めてくれると信じています。副隊長として最後まで支えさせてください。まあアリチェには及びませんが」

「ホークさん?!」

「おっ、冗談言うんだ、ホークも」

赤面するアリチェ、茶化すグラッド、だが残りの5人は・・・なんかロープ持ってる?

「隊長?ただ頭下げるだけなんて、面白くないでしょ?三つ子やってしまいなさい!」

「「「イエッサー姐御!」」」

「何をするんだ・・・まさか?!」

エリーゼの掛け声で結川が三つ子に捕捉される。エリーゼは実に楽しそうに

「サザンクロス名物、反省の干物」

「そうだろうと思ったよ!」

「ついに隊長も仲間ですね「隊長だけでなく、グラッド、道連れ」まじかい姐さん・・・おっしゃ来い!!」

「受け入れるの早くないか干物さん?!」

「生憎慣れましてね?!」

「開き直った?!」

こうしてサザンクロス隊長にして、FCMB随一のエースと呼ばれた男が格納庫前で宙づりになった、こんな面白い話が出回らないはずもなく、光速で各基地の笑い話として広がっていく・・・。

 

 

だが、世界はゆっくりと、大きくねじ曲がっていく。

空白の3カ月、この間にサピンの政治将校失態による、結川の犠牲や、匿名で配信された国境なき世界の残虐な拷問の黙認

これによりサピン内での軍派閥が少しづつ大きくなり歪になり、ウスティオもゲベートとの国民投票で併合が決定するも今度は州の線引きでもめ始め

ベルカは各国のバランスを取ろうにも、あまりにも国境なき世界に侵食され、エリート若手など流出や綱紀粛正の余波で立て直しが必死になる。

 

そんな時、FCMB、オーシア、ユークの新たな取り決めをする会議がベルカの地方都市で行われた。

警備はFCMB軍が重点的に行った・・・はずなのだが・・・

 

惨劇と悪夢は黒く大きい凶鳥と共にやってくるとは誰も思っていなかった・・・・

 

国境なき世界との最終章が幕を開ける。




お久しぶりです・・・。
何も言い訳はしません。
仕事に追われている中、急に思い出したように書いてしまいました。

現在は社会人として、ブラックとも某掲示板でよくけなされる業界で必死に生きています。
ですが、そんな業界も面白いもので、このお話のように個の力で絶対に果たせないことを、バイトの皆さんの力を借りて組織で何とかやっていく、そんな店長のお仕事しています。
筆は完全に折れていますので次がいつになるかわかりませんが、「あ、こいつ生きてたんだ。」のノリで見て頂ければと思います。
エースコンバット7は久々にやってみようかなと思っています。

では、またいつか。オーレリアとレサスが戦争する前にはまた投稿いたします(笑)

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