ACECOMBAT if ~全く違うzero~   作:夕霧彼方

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撤退戦 前編

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0625hrm

南部ベルカ野戦基地司令部

「何だあいつは・・・」

コム・ジャクソンは呟く、基地の滑走路は戦闘機の残骸で埋まっており、離陸出来なかった。彼は上がれない怒りで空を忌々しく見上げると・・・目を奪われた・・

「なんだ・・あいつは」

もう一度呟く、大きすぎる爆弾を搭載して機動力が死んでるはずにも関わらず、対空砲火を切り抜けて獲物を仕留めようとするその姿。

ゾクリ

彼は震えた、今まで紛争地帯で跋扈する空軍部隊を仲裁という名目で落としてきた、だが敵のエースでもこんな興奮は覚えなかった。まして愛機と総合的には互角・・・いや、こちらの方の機体が有利で自分自身の腕にも覚えがあるのに、落とされるような気がした・・・。俺が求めてる好敵手(ライバル)はベルカでなくウスティオか・・・。

15分後、敵の最後の部隊が爆撃終了で撤退、爆撃部隊はほとんど作戦遂行能力を失い、南ベルカ爆撃作戦は見送りになった。

「おい」

「何でしょうか?」

敵作戦部隊の確認写真を撮るカメラマンにコムは尋ねる。

「あの、爆撃部隊潰したF-15はウスティオのどこの部隊だ?」

「それが・・あのF-15UFX部隊はこの前から結成された新規部隊で、確かサザンクロス中隊とか・・・」

「サザン・・・クロス・・」

「そして尾翼のエンブレムの下に01と書かれてるあたり、隊長機かと、それとそのサザンクロスの隊長ですが、あくまで噂ですが、異世界から来た人らしく・・・戦闘能力も高いと」

「そうか・・・、また会える機会があるなら撃ち落としたいものだ」

この俺を疼かせた男・・・必ず空で会って叩き潰す。そう心に誓うコムだった。

0700hrm

エウレノ市近く

激戦というより山賊のごとく奇襲して一方的に爆撃したエウレノ攻撃隊は、何とか一機も欠けずに戦い抜いた。

しかし無傷というわけでない。リャークス、スタークロス、フィナール、グランド、サザンクロス全機ところどころ穴が出来てる。結川の愛機もところどころで少し機動がおかしい。対空機関砲の攻撃もあるが、一番は・・・

「マンタ爆弾だな、やっぱ」

コンソールを弄り、ディスプレイで簡易チェック、操縦桿の反応具合を調べる。ちなみに今は何をしているのか、それは

「タンカークラウスよりサザンクロス1、給油を開始する、グローブに接続せよ」

「サザンクロスリーダーよりクラウス、了解した」

「速度400ノット、高度4000フィート、距離150ヤード」

「速度よし、高度誤差無し、距離接近中」

段々と空中給油機KC-767に近づく。

「そういや、サザンクロス3よりメビウスの姐さんは大丈夫で?」

「ええ、ウスティオの整備兵諸氏に感謝です」

「というより無傷とは・・・」

グラッツはアイノのF-22を眺める、全然傷がない・・・。

「リャークスリーダーよりサザンクロス3へ、彼女を俺達の基準で考えるのは無駄の極致だ」

「どんだけ?!」

リャークス隊も無傷でない、特にリャークス3は飛行は出来てるが多分ドック行きだ。

「クラウスよりサザンクロス、距離10ヤード・・・接続、速度を維持せよ」

「了解、速度維持」

「給油開始」

結川の愛機がクラウスのグローブにつながり、給油が始まる。そして3分ほどで終了する。

「給油完了、お疲れ様」

「サザンクロスリーダーより、サンクス、クラウス」

「これでもう終了かな、さて、エウレノ全機は今から直接ソーリス・オルトゥス市郊外に緊急設置した野戦基地に降りてくれ、そこで正式に反撃作戦を伝える」

「えっ?シルバン等の北部に配備される予定だったのでは?」

オキボティの言葉にホークがかみつく。

「信じろ、オーシアの奴らを叩き潰すための総力戦だ。幸いオーシアには今弱点がある」

「なるほどね、よし、そっちに行くか」

「それと、バートレット大尉から連絡だ、南部ベルカに駐留する部隊を潰した祝勝会とウスティオを蝕むやつらを追い出す前祝いしよう!だそうだ」

「ふむ、だがその蝕む奴らはそのバートレットの同胞だろ?」

「いや、彼が言うには、同じ国の軍人と考えたくない好戦派軍人ばっかの軍団らしい」

「ふーん」

スタークロスのバッカスは興味無しに呟く。

「まっ、酒が飲めるなら俺は歓迎だぜい!!」

「ほどほどにしなさい」

「サザンクロス5、いつからお母さんになった?」

グラッツの言葉にアリチェの注意、少し笑える。

「さて、給油機と共にかえ・・・駄目だな、お客さん、20機は居るな」

「あいつら!!」

丸腰を狙うか!

「給油機は退避しろ!俺達が行く」

「残弾チェックしろよ・・・、フィナール隊全機に告ぐ、死ぬ気で行くぞ!」

「「「おう!!」」」

「負けられるかぁ!リャークス隊もだ!遅れるな!」

「「「イエス・サー!」」」

「全機機関砲の弾あるな。弾のサーフィンくらわすぞ!スタークロス隊!爆撃部隊と侮られるなよ!」

「「「了解!!」」」

「おーと、対空戦闘とは腕がなる。こうなったら昇天命令だ!敵首都オーレッドまで突っ走るぞ!!グラント隊交戦!」

「「「隊長の意志のままに!」」」

「弾がやばいけど、うん、敵を撹乱させるわ。メビウス交戦!」

全員が国を守るために反転を開始する。それだけ愛国心と士気の高さをうかがえる。俺達の状況は最悪だ。だが悲観したら負けだ。

「サザンクロスリーダーより全機。うちらの家を土足で荒らす野郎どもにお灸を据えるぞ。行くぞ、サザンクロス交戦!!」

「「「Invia un capitano ordina(隊長の命令のままに)!!」」」

壮絶な撤退戦が始まる

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