ACECOMBAT if ~全く違うzero~ 作:夕霧彼方
2/15
0900hrm
ソーリス・オルトゥス市郊外野戦基地
ただ整地された3200m滑走路が一本と、駐屯用のテントがたくさんある。
そのテントは市民や会社から徴収したものもあるので形サイズ色がばらばらである。空軍のパイロットは厚遇でブリーフィング、寝食ともにホテルである。
陸軍整備兵はテントなので恨まれた・・・。
ちなみに整備兵はエウレノのメンバーで、野戦基地司令はカノンと、エウレノとほとんど変わってない面々だ。
そしてそのブリーフィングルーム、結川達エウレノとディレクタスからはみ出た部隊のパイロット総勢50名あまりが居る。その部屋に士官制服を着た人が入る。
「全員そろってるな、初めましてと言うべきか・・・私の名前はリシャール・コニア、階級は少佐だ、コードネームはオキボティ」
「!!」
結川は驚いた、彼がオキボティとは。
「グラッド、少佐の情報はあるのか?」
席順が後ろであることをいいことに、左隣のグラッドに聞く。
「あのオキボティ・・・いや少佐殿はあまり外の人間と会わないらしいし、そもそも彼はエウレノ基地所属じゃないから、初めて顔を見た」
「そうか」
結川は再び前を見る。
「さて、我がウスティオは現在オーシア、ユークトバニアの攻撃にさらされてる状態だ。
幸いにも情報部からの情報で防御を固めてたために未だ陸軍はウスティオ国境線で踏みとどまってくれている。
しかしその国境戦闘は状況が安定していない、そしてさらに早急に対処したい事柄がこれを除いて3つある」
リシャールは少し間を置き。
「まず一つ、B7R奪還任務だ。このままやすやす敵にB7Rを渡しっぱなしも癪だ、しかし問題がある。
それが二つ目だ、今度はシンファクシだ。こいつは厄介でB7Rに侵入すれば問答無用に来るだろう。
しかし奴らが補給のために浮上するチャンスがある、その時に撃沈する、その話は決まり次第また話す。
そして三つ目は・・・レクタの裏切りだ。奴らは戦闘能力も低いのに反乱してきた。我々も連合軍を追い払い次第ファト連邦と共同で奴らを潰す。
そしてここから本題、我々ウスティオ国防軍は正式に大反撃作戦を展開する」
ルームが一瞬ざわつく。
「静かにしろ。
この反撃はちょっとやそっとじゃない、陸空軍出せる武器人員全て使った超飽和攻撃、陸軍は待機用の都市防衛軍団除いた3個軍団総動員、戦闘機は5個航空師団600機だ」
今度は驚きの声で飽和する。
「質問ですが、この作戦失敗したら・・・」
「ああ、国境道封鎖でベルカからの兵器搬入が出来ず、武器弾薬は総動員だから失敗した時点でウスティオは即時降伏する」
エウレノとは違う基地のパイロットが聞く。さらりとリシャールは返す。
「もちろん自暴自棄でない、勝つ確率はある。まず敵の地上兵力はオーシアだけで、まだユークは来てる途中だ。
そしてオーシアの奴らは世界に展開してる部隊の呼び戻しに時間がかかってるためにこんな奴らも動員してる」
そういうとスクリーンに映るのは、
「くっ・・・」
右隣に居たアリチェが咄嗟に目を閉じて下を向く、血で真っ赤に染まったオーシア兵士の写真、周りも、血の気が引いてる、ベテランパイロットや女性では唯一アイノは淡々と飄々としている。結川も目を背けたいが、それは駄目だ。
「大丈夫か・・・」
「は・・・はい」
アリチェは軽く震えながらも気丈に前を向く。強いな。
「さて、これは突撃してきた奴を射殺したんだが、こいつはオーシア陸軍兵でない。オーシア、デルト州州兵だ」
「州兵・・・て民兵か・・・」
ホークが呟く。
「オーシアはユークや世界展開してる部隊の集結の間の埋め合わせだろう。そしてウスティオは簡単に攻略出来ると考えたんだろう。馬鹿な奴らだ」
リシャールはにやりとする。
「さっきの写真といい、こいつ絶対Sだ」
グラッドが呟いた。
「さて作戦の概略を伝えよう。
まず空軍を再編成の後、5個航空師団全機をローテーションをもって敵陣に攻撃、陸軍は空の支援をうけ、ベルカの国境道血路解放と、オーシア陸軍全面撤退、そして戦闘終了後のベルカが国境側で既に待機してるウスティオ国防軍用補給物資を早急に国内に搬入して戦力を整える。
まず、この基地の部隊は全員第一波戦闘要員、つまりな話お前らが戦闘の火ぶたを切り、また陸軍の士気は空軍で左右されるは過言でない、中々重要な役目だ。
基本的に山岳地帯でない平原を中心に、対地攻撃機及び戦車部隊の撃滅を優先、イーグルパイロットもこちらの実績選考で対地特化武装(アタッカー)か対空戦特化武装(ファイター)で行く。
作戦開始の3日後、0600からこちらの武装か人材が消耗しきるか、オーシアを全面撤退停戦を結ばせるまでは徹底的に叩く。超持久戦の消耗戦だ。
犠牲者も比例して出るのは目に見えるが、そこは容赦しない。国を守る誇りがあるならやってくれ・・・質問は?」
「はい」
「はい、サザンクロス、リュウト・ユイカワ、どうぞ」
リシャールは挙手する結川を指す。
「敵の空軍部隊の規模はどの程度かと」
「ああ、言い忘れてた。オーシアは多分前線で戦った奴は分かると思うが。
空軍が出ると陸軍はほとんど出ず、逆もまたしかり、連携が取れてない。
空は空、陸は陸、海は海と完全に3つに分裂して仲が悪い、大きすぎる軍隊の悩みだ、大きい軍隊は小さい軍隊より同じ戦果でも分配すれば小さくなる。小さい軍隊はその逆だ。
つまりの話し、奴らはほかの軍の仲間は知ったこっちゃない。こちらがいかに多くの手柄を出したかを見せたがるかを考える、実益主義だ。
事実1979年、現在は停戦してるが、レサス内戦の武力介入の際、海軍が無差別艦砲射撃、空軍が陸軍に誤った偵察情報で、軍事派閥の激戦地に送ってしまい、最後は味方野戦基地を爆撃して、一個師団消滅、精鋭の空挺師団を壊滅させた事がある、だから相手の空軍の支援はあるとしても少数だ」
リシャールが断言する。怖いな、それ・・・。あれ、でもエーコン5では結構陸海空仲良さそうだったけど・・・・。
「どうしたんだ隊長?頭にクエスチョンマークが浮いてるぞ」
「いや、オーシアってそんなに戦果の奪い合いが激しいんだってね・・・」
「ああ、超好戦派のアップル・ルルースの助長もあるからな」
そうだった!副大統領なのに何故か大統領より権限強いアップル・ルルースが政治仕切ってるんだった・・・。ハーリングならあり得ない。
「それでは他に質問は・・・無いな。
ちなみに前祝いの酒は無しな、酒の勢いで喧嘩して怪我負うパイロットが万が一に出たら話にならないからな!」
「「「ええーーーー!!!」」」
全員が驚愕と同時にブーイングをかける。
「生きて帰ればうまい酒が飲める。
ちゃんと生還しろ!以上解散!」
リシャールは笑いながら、その場を去った。
全員が3日後まで酒以外何するか、グラッドはどうやって隠れて酒を飲むか考えてた。結川は苦笑する。と、それよりも
「大丈夫かアリチェ」
「あ、大丈夫です隊長、御心配おかけしました」
「いやいい、あんなのいきなり見せられたらそりゃ引くよな、でもウスティオ陸軍はあれを毎回見てるんだからすごいよ、俺はすぐに気を失う」
結川の言葉にアリチェが軽く微笑む。うん大丈夫だな。でも俺達は戦闘機を落とすために敵が機内で焦げたり肉塊になり、血は見ないが、陸軍は嫌でも見る、やはり精神的には陸が上か。
「それじゃ、今日の夜にホークとお前と俺で作戦会議、明日は全員で地図上でイメージトレーニングだな」
「了解です隊長・・・あのグラッドは・・・」
「あいつは今、酒でいっぱいだ。だから外す」
「納得です、了解しました」
本当に納得した表情で言うアリチェにまた苦笑を洩らす結川であった。
翌朝
「あの、司令・・・」
「どうした、ユイカワ少佐?」
「あの、うちのグラッド(バカ)を含めて格納庫で数人パイロットが吊るされ干物にされてるんですが・・・」
「ああ、あれは禁酒を破った奴らだ。陸軍兵に見つかって即干物さ」
「・・・・」
結川の口端が引きつってた。