ACECOMBAT if ~全く違うzero~ 作:夕霧彼方
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0945hrs
ソーリス・オルトゥス基地
レーパーと戦い終えた戦闘機群が次々に着陸する。戦闘機は誘導路に着くと整備兵に囲まれて、さっきのように愛機は整備に回される。
「やっと着いた・・・うっ!」
何とか戦闘機から降りた結川は地面に足が着いた瞬間に膝から崩れる。体力上げてもらったのに、すぐに使いきったのかよ?!
「隊長!」
先に帰ってたホークに支えられ、他のメンバーも集まる。
「隊長!しっかりしてください」
「おいおい、完全にへばってるよ・・・無理ないが」
「大丈夫かユイカワ君、君は無茶しすぎだ」
上から、アリチェ、グラッド、カイトだ。
「大丈夫だ・・・少々無理した」
「隊長は休んだ方がいいで「それは無理だ」はい?!」
後ろを振り向くと、カロン司令の姿、表情は険しい。
「どうゆうことですか・・・」
アリチェは珍しくキッと睨む。カロンは動じず。
「陸軍作戦司令本部から直接要請があった。反撃兵器で正式生産が決まったF-15UFX通称「マンタ爆弾」制式形式「XBBOM」を搭載した戦闘機10機で後方の補給倉庫、重要施設爆撃作戦が決まった。そして我らは対地特化のF-15UFXエースパイロットを用意した。そして経験者の君は絶対参加になった」
「おいおい司令さんよ~、この坊主の戦闘力は計り知れない、こんな危険な状態で死んだら、ウスティオ空軍の損害は大きいぞ」
「それは知ってる、だから生きて帰ってこい」
「だから、んなむちゃな・・・!!」
バートレットは言いかけて口をつぐむ、カロンの纏う空気が変わる。これが荒くれ6師の巣窟、ヴァレーまとめた司令。
「申し訳ないが、命令は命令だ、特別攻撃隊長として頼む。もちろんサザンクロス始め、優秀な護衛部隊を用意しよう」
カロンは結川を見る、結川の答えは一つだった。
「了解です。すぐですか?」
「隊長!」
「落ち着けアリチェ、やるしかない。最前線の陸軍の進撃維持の為なら戦える」
「約束破りだぞ隊長!」
「黙れ干物・・というわけで、どの機体で?」
「もう準備してある・・・・よろしく頼む」
カロンが頭を下げる、結川は踵を揃え
「了解しました!司令殿!」
精一杯の敬礼をする。
1010hrs
南ベルカウスティオ国境激戦地10000フィート
特別攻撃隊サイド
既にウスティオは前代未聞の全軍総力戦が展開されていた。
<<弾が尽きた?!弾が無いなら貰えばいい!敵から現地調達だ!>>
<<アリエテが防御陣地を潰した!GOGOGO!>>
<<第四軍団!焼き払え薙ぎ払え!今だ!第19歩兵連隊全力進軍!このまま空挺師団と合流するぞ!!>>
第一軍団は中央突破を敢行、第二第三軍団は前衛戦車部隊、歩兵部隊の小競り合い。第四軍団は・・・・横から凄まじい勢いで突っ込んでる・・・。なんかもう防御陣地なんて前菜にもなってない・・・。
そして俺達空軍も空が戦闘機とAAMと機銃弾と地対空ミサイルで飽和している。
<<ふう、敵も必死だが甘いな、ウスティオ空軍舐めんな~!!>>
<<ハイ・ロウ・ミックスコンセプトでなくオールハイコンセプトの空軍にロウコンセプト戦闘機の飽和攻撃は効かん!>>
<<全機、そこの防御陣地が厚い、集中砲火だ!>>
<<B7Rより熱いぞ!熱いぞウスティオ!>>
<<暑いぞ熊○のパクリ駄目!!>>
なんか懐かしいフレーズがあったが気にしない。ともかく現在、陸空共に一応優勢だな。陸はいつ劣勢になってもおかしくないが・・・。
「さてと、全機居るか?」
「大丈夫です、レイピア1よりサザンクロス、大丈夫か?」
「大丈夫だ、お前ら全員落ちるなよ、ここで落ちたら空軍の損害は大きい」
「「「[あなたが落ちたら一番損害が大きいですが・・・・]イエス・サー!」」」
爆撃部隊は返事をする。彼らは本当にウスティオの中ではトップクラス、隊長格ばかりの人間達、一人でも落ちれば士気に関わる。それ以上に結川は士気に関わってた。
異世界から来た鷲使い
どこからともなく出てきた噂は戦場で瞬く間に広がり、事実、彼の部隊はもちろん、関わったメンバーは被害が少なく、運に恵まれてる事から、神に祈るよりも彼を信仰すれば勝てるという確信に変わってた。極限の状態に立つ人間は全てを神と思う事がある。士気の原動力である彼が陸軍の為に爆撃してくれる+成功してオーシアが混乱する。という事態になれば、陸軍の士気は大いに上がり、この戦闘に勝てると上層部は見込んでるからだ。
逆だとどこまで下がるか予想も出来ない。だから上層部はサザンクロスが落ちたという情報が陸の兵士に入らないように徹底的にシャットアウトするだろう。
「さ~て、今日もお仕事の時間だ!カロンのおやっさんに干物にされないようにやるか~!」
「おお、その声は同志バッカス隊!」
「おお、やはりいたなサザン3!」
「おい、干物、護衛部隊と知り合いか?」
「おお、バッカス隊、女性以外全員干物にされた同志だ!」
グラッドが胸を張るように言う。ちなみに冗談言うのはコールサイン、グリニョリーノことオリビエ・ヴィスコンティ少佐だ。
「そうか、今度からはバッカス隊は干物隊か、完全に理解した」
「おいおいサザンクロス隊の隊長さん!冗談は俺だけに・・・マジ?」
「ご希望あらば」
「Sだ!絶対サザンクロスリーダーはSだ!」
人懐っこそうなはしゃぐ女性の声はコールサイン、シェリーのエレナ・ディートリッヒ少尉だ。
Tyhoon使いのお酒大好き隊か・・・・。しかし編隊飛行を見ると完璧だ。
「とりあえず、敵の攻撃が激しくなる。護衛を頼む!特別攻撃隊ゼロアワー!!花火に突っ込むぞ!」
「「「ラジャー!」」」
全機が花火に突っ込む。
<<高高度から敵機20機以上!迎撃機急げ>>
<<最優先迎撃目標だっ!理由?奴らは悪魔の兵器を腹に抱えてるんだよ!>>
<<SAM用意!高高度タイプだぞ!目標は機動力が無いF-15UFXだッ!>>
<<Tyhoonにだけ構うな!そいつらを突破しろ!そして爆弾野郎を潰せ!>>
F-16やF-15シリーズ、F/A-18などオールスターズだ。
「行かせはしない!攻撃隊が成功するその瞬間まで!」
「やる気あるね~、サザンクロスの姐さん」
「同志よ、それはな意中のひ「ゴホン!!」察して?」
「了解した(笑)」
「・・・・?」
アリチェがグラッドの言葉を妨げオリビエが察する、結川は不思議がる。
「よし、ウイスキー!GO!」
「ラジャー!グリニョリーノ!」
ウイスキーことロバート・ボイントン中尉が応えるとアフターバーナーをしかける。
<<敵が来た!>>
<<対多数なのに来た!勇猛果敢の度合いが違う!>>
F-16、3機が接近する。
「はっ!遅い!!」
AAMと機銃を放つ。
<<なああ?!>>
主翼がもぎとられたり火を吹いた。一機が避ける。
「ふふ、私の射程範囲です」
<<??!!>>
アップルジャックことアリス・フッドホップ中尉が柔和な感じで残酷に機銃で切りきり舞いにする。
「さ~てお仕事の時間だ!爆撃投下ポイント接近!高度4000、JDAMマンタ爆弾用意!ナウ!」
「「「イエス!ファイアータイム!」」」
10機の爆撃航空隊が一気に下る。
ピー、ピー、ピー!
「SAM接近!注意!注意!」
「分かってるよ!こんちくしょうッ!」
20発を越えるホークミサイル。なんたるチート!来たら避ける来なくても別のAAMが来る。
「オーシアのチートめ!くそっ!」
攻撃隊の一人が叫ぶ、結川も叫びたい、やっぱり機動が駄目だ!
「あと少しだ!耐えろ!」
「耐えてやるよ若造!」
「異世界人に負けるな!生粋ウスティオ人魂見せろー!!」
「「「Advance Fight[進め戦え]! !」」」
「いっくよ~!シェリーと!」
「アップルジャックで・・・」
「「FOX3!!」」
Tyhoon2機が対地ミサイルを放ちSAMを正確に潰す。
「姉妹みたいだ。よし、全機攻撃用意!」
ターゲットをデータリンクして、HUD上にターゲットが映る。シーカーがせわしなく動く
「フー・・・」
一度息を吐き爆撃軌道に入る。
<<敵は無防備だ!やれ!>>
<<駄目です!勇猛果敢な陸軍が・・・ぎゃああ!>>
<<てめえら!俺らの救いの神を傷つけたら殺すぞ!第四軍団!総員射撃開始!!>>
<<<エーーイム、ファイアーーー!!>>>
<<<Yehhhahurrr!!!!>>>
第四軍団各連隊が弾を出し惜しみせずに狂ったように射撃する。SAMが減った。そして
ピーーー
シーカーがターゲットに合わさる。
「ロックオン!投下!投下!」
翼を開き、またマンタ爆弾はF-15UFXから切り離される。今度は前みたいにアフターバーナーはしていない。
「二度はさすがにしませんか」
「サザン2、さすがに自分も学習機能がある。ちなみにやったら?」
「笑います」
「その即答、喧嘩を売ったとみなす。あとで覚悟してろ」
「・・・・[サーー]」
ホークは少し腹黒かった。しかし結川のSには[本人Mと言う]勝てなかった。
<<爆弾を落とせ!>>
<<無理です!そんな技術、ここには皆無です!>>
<<く・・・来るぞ!うわ・・・わわわ!>>
そして10発のマンタは目標にそれぞれ弾着する。
ドドドドドーーーーン!!!
何発も連続して火を噴きあげるその姿はまさに地獄の修羅の蓋をあけたようだった。
「後方補給施設の破壊、及び部隊指揮所システム沈黙、これで数の暴力の後ろ盾も消えた」
結川が呟いた。あそこで何人の人間が死んだかはかりしれない。しかし冷静でいられるのは魔法だけでない。
殺し慣れたのだ。ただそれだけだ。
ウスティオ軍の士気は最高潮に高まった。
<<全軍、聞けッ!恐れる者は何もない!弾を全弾開放!!!弾の無い奴は銃剣着剣!!突撃開始っ!!>>
<<<<<ウスティオに勝利あり!!>>>>>>
軍楽隊は我先にと飛び出し銃戦の中で精一杯に太鼓をたたき、ラッパを吹く。続いて突撃歩兵が開戦時から作ってた塹壕から飛び出て突撃を開始する。
逆にオーシアの士気は最低限にまで下がった。
<<敵が来たぞ!弾は・・・弾はどうした?!>>
<<横から前から後ろから!わわ・・・わわ!!>>
更に状況は悪化する。
<<み・・・南ベルカ方面軍から緊急連絡!ベルカ陸軍が呼応して南進を開始!規模にして2個軍団!南ベルカの生き残りで士気が高い!各戦線突破されてる!!>>
<<この状況をどうしろと!降伏をしたい!白い布あるか?!ハンカチでもいい!>>
その時・・・ウスティオ、ベルカ、オーシア全軍に無線が入る。
<<国境戦争に携わるウスティオ、ベルカ、オーシア将兵!全軍撃ち方をやめてくれ!オーシア陸軍第12機械化歩兵師団師団長の名を持って停戦を提案したい!空軍陸軍全軍射撃をやめてくれ!!>>
突如として通信が入る。敵の師団長?
<<軍団長殿!そうしますか?!>>
<<・・・まずは敵の親玉の言い分を聞こう。第四軍団撃ち方やめ!撃ち方やめろ!!>>
第四軍団始め、鼓膜を破かんばかりの射撃音はやがて落ち着いていき、双方射撃を停止する。
<<話を聞いてくれる寛容さがあり感謝する。改めて自分の名前はガリック・ジョーン、第12機械化歩兵師団師団長にして、特殊部隊の奇襲攻撃による師団長以上の階級者生き残りは自分だけで現段階オーシア連邦法に則りベルカウスティオ派遣軍最高司令を務めさせて頂く。私からの提案は、独断だが、ベルカ、ウスティオからオーシア陸空軍即時撤退と安全保障だ。降伏などは、政府が判断するため、ここでは出来ないが、停戦措置は出来る。そして、ウスティオ、ベルカ両軍の監視のもと、我が軍の全面撤退、捕虜を出さないでほしい。もちろん、この停戦に反する者達が出た場合は容赦しなくて良い。むしろ身内が反乱したら、身内で対処してくれ。我が軍の指揮系統は既に死んでいる。勝手極まりないが、どうか、頼まれて欲しい・・・。>>
ガリックという軍人は、通信を通して切実に話す。本当ならそんな条件呑めないと思う。さあどう出るか?その時
<<こちらウスティオ国防軍最高指揮官、グラン・バッシュだ、本当ならそんな条件などのみたくないが、口惜しい事に備蓄が底を尽いている。貴官の条件を受けたいと思う>>
<<こちらベルカ陸軍、南ベルカ進撃軍最高指揮官、スワン・フーリック。盟友ウスティオが条件を受けるなら、我が軍も承諾をしよう。>>
予想外にも、二つの軍から承諾の声。予想してたのか?結川は邪推する。
<<両軍の寛大なる承諾、恩に着ます。オーシア全軍に告げる。連隊規模以下の勝手な行動をせず、なるべく集団で故郷に帰れ。私は・・・政府の命令に背いた罰を受ける前にこの世に別れを告げたい。さらばだ、諸君>>
ターーン!
次の瞬間、無線越しに銃撃の音が聞こえると、倒れた音が聞こえる。そして
<<・・・こちら、ウスティオ陸軍最精鋭特殊作戦隊より・・・、師団長は自らの手で頭を射ぬいた。以上>>
沈黙が走る。そして
<<グラン・バッシュより全軍・・・我がウスティオは守られた!超大国の魔の手を防いだぞ!!!>>
<<<<<Yeahuaaa!!!ウスティオ!ウスティオ!>>>>>
勝利宣言で陸軍はウスティオコールで無線を飽和した。
呆気ない最後を迎えた事に、結川は力が抜けに抜けた。緊張感が続く任務でもうまともな思考が出来ない。てか飛行するのも精一杯だ。
「終わったのか?」
グラッドが呆けたような声を出す。
「ああ、多数の犠牲者を出したが、確かにウスティオの地は守られた」
「呆気なかったな」
「ああ」
オリビエの言葉も呆けてて、結川の言葉も上の空のようだ。
「・・・・」
「大丈夫か2?」
「はい、何とか・・・・。無事で良かった。」
「はは、とある部下と約束したからね[あと悪魔とも]。死ねないよ、お疲れ様」
「はい、リーダーもお疲れ様です」
何だか甘い雰囲気に・・・
「シェリーより!私も甘い言葉がほしいです!」
「・・・私も・・・かな?」
「グリニョリーノより、お前らには甘い言葉より甘くて良く効く酒をおごるぞ!」
「「やったー!」」
「本当にお酒好きな部隊だな」
バッカス隊の会話にホークを始め、サザンクロスメンバーは苦笑した。
こうしてオーシアとの戦争は一区切りがついたが、未だにオーシア政府はこちらの円卓を狙っている。
そしてレクタの反乱の鎮圧、ユークと命令を聞かないオーシア空軍との円卓での戦闘があるだろう。
しかし今はこの、やっと戻って来た、脆く甘い平和に包まれたかった。
ウスティオ軍の大反攻作戦~fin~