ACECOMBAT if ~全く違うzero~ 作:夕霧彼方
2/24
1105hrs
シルバン空軍基地
普段はレクタの国境監視だけのウスティオの中ではのんびりな方の空軍基地に警報が鳴り響く。
「緊急事態《エマ―ジェンシ―》緊急事態《エマ―ジェンシ―》、レクタ国内において環境汚染の存在を確認、全機緊急出撃《スクランブル》!繰り返す全機緊急出撃《スクランブル》!」
管制塔からの大音量の放送で危機を悟ったシルバンの各要員は素早く機体整備、ナパ―ム搭載のト―ネ―ドを優先出撃、一本しかない滑走路から10秒も間を空けずに次々飛び立つ。
過密出撃でも滑走路事故が起きないのは、管制塔、地上誘導員の練度の高さからだ。
とにかく、ウスティオ空軍は通報から僅か15分でシルバンの大部分の出撃可能部隊の出撃に成功した。
しかし問題点があった。
シルバンに集められた部隊は、レクタの空軍戦力を甘く見て、ト―ネ―ドの対地部隊が大半で、F-15UFXなど対空部隊が少なく、さらに、周辺基地のF-15はF-15REへの改修作業で飛べないという状態だった。
だが、ウスティオはまだ楽観視があった、それはベルカヴァルキュ―レ隊他ウスティオの航空部隊が、レクタ南部の支援部隊を撃破したからだ。
奴らにあれ以上の航空隊は出せない、そう見越しての出撃をしていた。
しかし、その驕りが、いきなり曇天になる空が暗示するように、シルバン航空隊を絶望へと突き落とす……。
その頃
レクタ共和国
ヘッタ―平原
平原の中でたまたま見つけた大人が無理すれば4〜5人入れる穴に2人の姿。
コナンとフェナ―だ。コナンは土壁にもたれかかり、フェナ―はハンドガンを持ってちらちら地上を監視する。
「済まない……」
「何で謝るのですか?教官のせいではありません、むしろ私が早く止血してたら……」
コナンの迷惑かけるの謝罪を止めるフェナ―、コナンの左腕は血まみれで、止血の包帯も赤く染まっている。
コナンのバイクを爆破し、レクタの追ってを撒くことは出来たが、彼の出血は予想以上に酷く、フェナ―の腰に巻き付けてた腕に力が入らず転倒寸前になり、察知した彼女はこれ以上のバイク走行は不可と考え、本部にコナンの緊急事態を告げると、救助発信機を持ち早々に近くにあったこの穴に逃げこんで今に至る。
この穴は、穴の土壁に貼られたボロボロの作戦遂行書からレクタの軍閥内戦時に使われた小塹壕と分かった。
フェナ―の自虐的発言に、コナンは無理して首を横に振り。
「いや…、戦略撤退を優先して行ったお前の判断は間違ってない、私の誇りだ…」
今までのような覇気のある声では無く、弱い声ながらもはっきりと言うコナン。
フェナ―は涙目になりながらも、これ以上教官を心配させてはダメだ!の一心から涙ゆ零さないように上を向く、
その時
ポタッ…
彼女の頬に一筋の水の跡が出来る。
これは…私の涙じゃない……、その時、フェナ―は涙で曇った視界を拭い、空を見ると、今までの晴れ模様は嘘かのように、曇天で覆われ、更に通り雨まで降り始めていた。
「雨……マズイ!」
「ん?……何がマズいんだ」
フェナ―の言葉にコナンは力無く聞き返す。
彼女の頭の中で応急手当ての講習を思い出す。
人間は通常時、長時間は例外だが、多少の雨に濡れても基本的に大丈夫か、風邪など大事には至らない軽微の病気程度だ。
しかし、出血多量の人間はただでさえ血が抜かれて低体温になるのに、更に雨が加われば体温を急激に奪われて簡単に致命的ダメージになる。
私達の着ている迷彩服は寒冷地対応型でも完全防水でもない、雨で濡れれば完全アウトだ。
雨足は状況を反して強くなる。コナンにも降りかかり顔が青くなり始めていた。
フェナ―はどうしようかと頭で考えるよりも早く、突飛の行動に出た。
「教官、失礼します」
「何がある……!!?」
言うや否や彼女はコナンを覆うように抱きしめる。
「お……おい…」
「雨からの教官防護の緊急措置と考えて下さい」
フェナ―は実行してから後悔した。他にも考えれば色んな方法があったが、考えるのを放棄した。
「30になる男に…抱きつく女が居るか…」
大人になったばかりの女に抱き締められて、普通だったら崩壊するぞ!
「教官だからです」
フェナ―はまた恥ずかしい発言して、コナンは戸惑い、本人は口を本気で破壊したくなってた。
「……、そうだ、シ―メンス、ハンドガンは無事か?」
「………あ…」
彼女が振り返ると、雨ざらしになるハンドガン。彼女の使用してたのは、扱いやすいが、雨など特殊環境では簡単に使用能力が落ちるやつだった。
ここ数年で、空軍戦力拡充のため、陸軍に予算が回らず、仕方なく女性隊員は制式採用のベレッタと違い、耐久性、貫通性が低いガンを代用していた。
「機転が良いのか悪いのか…あわてんぼう…だな」
「……[かああ…]」
フェナ―は無言でしかし顔が赤くなる。
コナンは声をあげず苦笑の顔すると
「そうだ……俺のベレッタの弾倉変えてくれ…」
「?り、了解」
彼女は素早く彼の右足のポ―チからベレッタの弾を入れ換える。
フェナ―の持つハンドガンよりも遥かに使い込まれた銃、物質的重さ以上を感じる。
「そのガンは、入隊時に支給された12年物だ……慣れるまで反動が…きついが、きっとお前なら使いこなしてくれる。シ―メンス…いや、フェナ―」
「はっ、はい」
初めて名前を呼んでもらい、フェナ―の体温が上がる。
「君は俺が教えた中で最高の……誇りある隊員だ…君の成績と将来を称え我が愛銃を捧げる……」
コナンが顔が青く、呼吸が早まってるのに笑みを浮かべる。フェナ―はベレッタを取り敬礼して
「謹んでお受けします…」
フェナ―が笑みを浮かべた時…
「動くな…」
振り向くと穴上からAK-74をこちらに向けるレクタ兵、反射でフェナ―は授かったばかりのベレッタを左手で向ける。右腕でコナンを抱える。
「お前らは知りすぎた、貴様が撃っても相討ちになる」
「ちっ!」
油断の怒りから彼女は舌打ちする。
しかしコナンは違った。
「フェナ―も貴様も気配感知はまだまだだな」
「なに……」
その瞬間、レクタ兵の頭が吹き飛ぶ。後から
「大丈夫か?!」
三角三色の国旗パッチを付けた。ウスティオ陸軍の兵士。
「おせえんだよ…、フェナ―をたの…」
「教官?!」
コナンはぐったりする。フェナ―は取り乱す。
穴に入る友軍は
「こちら負傷者発見した!一人は無傷!しかしコナン・シ―タ―伍長が重体!ステージは…」
報告する兵士はコナンを見る、ステージ?なら後方で緊急治療…?だったら…モルヒネで楽にさせられる。フェナ―は祈る。
お願い…?で…!!
「……、後方輸送のCH-47の第3便に乗せてくれ!あと装甲車回せ!」
《了解!》
兵士は通信を切ると、フェナ―は
「ありがとうございます…」
「お礼は愛しの人が助かってから!さっさと運んで!!」
「はいっ!」
ツンデレ兵士の対応にフェナ―は心から感謝した。
その頃上空では絶望が始まってた
1112hrs
ヘッタ―平原上空
20機近い戦闘機が飛ぶ。三点の発射点なのでそろそろ三方に分かれる。その時
「フォ―タ―3より…あまりにも静かじゃないですか?」
ト―ネ―ドを操るフォ―タ―隊、
「リ―ダ―より3、それは言うんじゃない」
「済みません…」
みんなが不安に思う事、敵が不安なくらい感じない。このまま反撃兵器を見捨てるのか?
その時…
ピ―――、ピッ、ピッ
「ミサイル警報?!」
「AWACSリンより全機ブレイク!ブレイク!」
「ダメだ!間に合わな…」
20を越えるAAMがウスティオ航空隊を捉え、喰らった。
ト―ネ―ド4、F-15UFX3機が落ちる。
「AWACS!何故気付かなかった!」
「それよりも再編成急げ!対空警戒怠るな!!」
生き残りの部隊は各隊距離を離して編隊を組み直す。
「こちらリンより各機聞け!敵はオ―シアで採用が始まったB-1Rを使用した模様!あれは対空に改造したB-1ランサ―にAIM-120Cを20発以上同時に放つ、航空機爆撃機だ!更に後ろから2機確認!」
「レクタは何考えてんだ?!」
B-1R[※現在アメリカで開発継続してるのか分からないので知ってる方は教えて下さい]に搭載するAAMは一発およそ35万オ―シアドル、それを大量発射するのは大国でも惜しいのに、ましてこんな経済弱者国がする技でない。
「くそっ!あんなチ―ト機なんて聞いてねぇ!」
「フォ―タ―リ―ダ―よりリン!増援は?」
「今要請して周辺基地のスクランブル待機部隊が来てくれる!あと10分!」
航空隊には確実に動揺でまとまりがない。このまま第2射が来れば、壊滅は免れない。更に最悪が…
《敵は動揺している!このまま叩き落とせ!》
《YES SIR!!!》
「!!?、レクタ空軍の航空隊確認!数は8!機種F-15!」
「あああもう!!一体全体レクタは何なんだ?!」
一人のパイロットが叫ぶ。それが全員の意見だった。
絶望に満ち足りた世界になったその時…
「国を守るのでなくプライドを守る最悪の兵に鉄槌を…」
「?、誰だ?」
その時、背後から高速で接近する5機のSU-37、しかしそれはウスティオのどの部隊でもない。
「円卓前の前菜にもならない戦いだが、3分で落とす。イエロー、エンゲ―ジ!」
「「「Yes sir!!」」」
「おいおい、まじかよ」
「最強の黄色中隊が来たぞ!」
それは、エウレノに向かってたハンス率いる黄色中隊だった。
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