ACECOMBAT if ~全く違うzero~ 作:夕霧彼方
2/24
1110hrs
エウレノ空軍基地格納庫
多数の戦闘機が整備されてる中、
「少佐殿!あれはおかしいです!なんで前進翼が後退翼になりかけなんですか?!あれはおかしいです!」
「あなたも中々うるさいわね…私達の専属整備士は黙々としてたわよ」
「それはそれでこれはこれです!弾節約で体当たりって…機体の強度を!」
「もちろん考えたわ、だから三回のところ一回にしたの」
「その事実に驚愕です?!」
格納庫で言い合うのはヴァルキュ―レ隊隊長、ジャスミン・ミリディアナである。長身の彼女を見上げながら抗議するのは突然この隊の整備命令を言われた、ゴ―ドンの後輩、セアラ・ハラ―ス軍曹である。身長が162、中性的顔立ちで名前が女に見えるが男である。
ベルカ機の整備経験があるため、ジャスミン機専属になった。
論点はジャスミンの体当たりについて、SU-47の前進翼が軽く後ろにひしゃげてる
ちなみにヴァルキュ―レメンバーはあまりの人気で現在握手会をしている。
女性はロト隊に夢中になり男性はヴァルキュ―レ隊に夢中になるという話は伊達でない
「とにかく、SU-47での体当たりは駄目です!」
「で、あの改修の機体は噂のF-15RE?」
「話を聞いて下さい〜!!」
セアラが叫ぶ。ジャスミンは少しにやりとする。
[ふふ、暇つぶしのおもちゃに決定]
彼女の元々の専属整備士も抗議したかったが出来ない原因は一つ。
余計に話せば少佐のおもちゃにされる!
そしてセアラはたった今おもちゃに認定されてしまった。
「あああもう!そうです、あれはサザンクロス隊の改修中の機体で、完了すれば猛禽のF-22越えと聞いています」
セアラは律儀に答える。
「なるほどね……、ああそれと、体当たりはやめないからよろしくね、ウスティオの若き整備士さん」
「ちゃんときいてたのですね……て、あっさり拒否はやめて下さい!」
ジャスミンはクスクスと笑い、セアラは後ろから追いかけながら説得を続ける。
一般人から見れば微笑ましい光景、しかし整備士仲間からは、大変だなの同情の視線と苦笑が送られてた。
1110hrs
レクタ共和国ヘッタ―平原上空
黄色サイド
「ウスティオ全機、俺たちが気を引く、予定通り叩け」
《り、了解した!神の御加護を!》
生き残りの部隊が散開する。
TND二機一組で各地に散らばろうとした時
《くそ!奴らが散開する!もう一回見舞え!》
《ネガティブ!あそこまで散開されたら命中率が…》
《ならばあの黄色を狙え!あの悪魔を野放せば俺らが狩られる!》
《Yes sir!!狙いは黄色中隊!》
レクタB-1Rパイロットはセ―フ解除、ディスプレイに発射出来るAAMが表示される。
《囲い込むように設定しろ!》
《了解!シュ―ト!》
AAM要員が宣言同時にタッチパネルを押し、全弾が死角無く放つ。
《!!、リンより黄色中隊!来た、数は24!ブレイク!ブレイクッ!!》
「負けはしない、ブレイク」
ハンスの言葉で一気にSU-37の5機が花開くように散開しフレアを撒く。
その姿は華麗にして可憐、平和な空なら見とれるだろう。
素早い散開にAAMがくらいつこうとして、フレアに邪魔され空を切る。
近接信管が作動していくつもの火球が出来る。
そして24のAAMが無くなると
「敵の切り札が再発前に全力を持って仕留めろ、これは後ろの罪無き市民を守る行動だ。以上」
「「「YESSIR!!!」」」
《ぜ…全弾回避だと?!》
《なにをぼさっとしてる!迎撃してB-1退避を優先しろ!》
《ジック隊、エンゲ―ジ!二機で一機仕留めろ!》
F-15改を操るジック隊が黄色中隊を止めにかかる。
しかし
「そんな程度で戦えると思うのか?舐められたものだ…」
《後ろをと…え?》
ハンスはコブラをかけ急減速、ジック隊の一機が前に出る。
《ひっ…》
「落ちろ、イエロー13FOX1!」
何の躊躇いもなくガンアタック。一機が砕け散る。
《あいつだ!あの13を落とせ!》
《急減速してる今がチャンスだ!》
二機のF-15改がハンスに向かい猪突猛進、既にタ―ゲットシ―カ―に収め
《《ジックFOX……》》
彼らがAAMを放つその前に、二機がAAMで爆砕する。
「グッキル4、しかし不意打ちも戦術の一つだがあまり多用するな、空の上でも真正面から挑め」
「イエス、マスター」
隊長ハンスの言葉に4アンナは素直に返事をする。
彼女にとって教官であり好きな人であり、命に代えてでも守るべき人物だからである。
その時、近くの森から火柱が細長く立つ、ウスティオ部隊のナパ―ム投下が始まった
《ああ!反撃兵器が……》
《防空司令部よりジック隊!B-1は既に安全空域まで撤退した!長居無用!反転して撤退せよ!》
《ちっ、ジック隊撤退だ!黄色の悪魔に食われるな!》
《Yes sir!!》
生き残りの4機のF-15改が逃げる。
「深追いはするな、我々は目的地移動分の燃料しか持ってない、戦闘機部隊壊滅で丁度いい」
「「「Yes sir」」」
《TGT(タ―ゲット)残り1!》
リンの言葉で戦いは成功に等しいと思われたその時…
《!!!、一発取り逃した!シルバンに行く!!》
《このアホ!ドアホ!アホンタラ!何のTNDだよくそ野郎!》
《リンが切れた?!》
AWACSリンは冷静とおよそかけ離れて切れる。
《す…済まない》
《謝るのは後だ!デ―タリンク!弾着地点と予想時間を表示する!さっさと追いかけろ!》
切れてるのを裏腹に適切にデ―タアップをする。
ほとんどのパイロットが慌てる時、
「安心しろ」
《何をだ?!》
ハンスは冷静ににやりとする。
「念には念をだ…そうだろ?メビウス」
「ええ…FOX2!」
ダ―ティボム搭載巡航ミサイルがF-22を操るアイノがAAMを放つ。
それは音速を越えて、小さい目標へ吸い込まれ、爆ぜる。
一つの大きな火球が出来、やがて消える。
《放射能は確認出来ない…成功だ!繰り返す!成功だ!!》
《《YEAhhh!!メビウス万歳!黄色万歳!》》
航空隊メンバーの士気が上がる。
《何という仕掛け……リンより黄色、メビウス、タンカ―を回すかそれともシルバンに止まりますか?》
「ああ、タンカ―を回してくれ、すぐにエウレノに行く」
《了解、要請する》
リンは手際よくタンカ―要請する。
「エルジアにもあんな有能なAWACSが欲しいな…」
《それはISAFも同じよ》
リンが二大エ―スに認められる瞬間だった
1120hrs
ヘッタ―平原
陸軍が到着した時には既に戦闘は終了しかけており、フェルナンデスは空を見上げていた。
「元帥閣下、重傷の斥候を回収しました」
「そうか…、タバコあるか?」
「は?自分は吸わないので…」
「自分持ってます。どうぞ」
「ありがとう」
ウ―ラからタバコをもらい火を点ける。フェルナンデスは深く吸い、煙を吐く。
「はあ、旨い…」
「元帥閣下、タバコお吸いになりますか?」
「ああ、昔にやめたけど時折吸いたくなる…大抵タバコが吸いたくなる時は面倒な予兆……」
「嫌な事言わないで下さいよ」
「だよな」
サ―ガウ―ラとフェルナンデスが笑い合った時
「元帥閣下!緊急伝達です!」
「なんだ?」
伝令の伍長が駆け寄る。
「西部を突破したベルカ連邦陸軍第2軍分遣団が合流と今後の進撃プラン打診の要請を!」
「「………」」
「なっ、言った通りだろ?さ―てお偉いさんの面眺め…機嫌取りに行くか」
ウ―ラが差し出した携帯灰皿にフェルナンデスはタバコを捨てて、歩き出す。
2/24
1130hrs
オ―シア連邦ア―ラスカ基地特別戦時部観測課捕虜管理室
室長の呼集で観測員、捕虜管理員が集まる。
「みんな集まってもらって申し訳ない、グレン・ア―ガイルについてだ」
ベニ―・ファンは少し頬が強ばるが、絶対に見せない。
彼に何がある?
「知ってると思うが、明日にベルカの最新鋭機体の機動改良版、SU-50が届く。で、まさかと思うが、万が一、万が一の為に明日8時半から聴取開始、試験飛行の時には監視を徹底しよう」
室長の言葉にベニ―はショックを受ける。このままでは計画は水の泡、グレンも逃がせないし、試験が成功してましまう……。「それでは、聴取担当は……シザ―、よろしく」
「了解です」
坊ちゃんで軍隊にあるまじき若太りの中尉がにやりとする。ベニ―はこの基地の人が好きだが、彼だけは好かない
「よし、じゃあ解散!」
全員が解散する。ベニ―は室長を呼び止める。
「あの……済みません」
「どうしたファン少佐」
「あの…聴取担当を私に代えるのは…」
「それはいくら少佐でも本部観測の人間、それは無理だな」
室長は眉を下げて言う。彼は年上でも階級は中尉、控え目に言う。
「そうですか…、済みません」
ベニ―は素直に下がる。しかし頭の中は違う。
絶対に機体を強奪せよ、手段は問わない。
本部の命令は絶対、室長は清廉潔白なので潰すのはできればしたくない、ならばあいつから潰すか。
ベニ―は悪女のような笑みを浮かべながら歩き出す。