ACECOMBAT if ~全く違うzero~ 作:夕霧彼方
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1400hrs
エウレノ空軍基地ミ―ティングル―ム
「一体何度目の会議だよ」
「ぼやくな干物、会議に重要でないものは無い」
グラッドの呟きに結川が圧する。ちなみにグラッドは干物を咎めるのは諦めた。
「そりゃ会議は重要なのは分かるさ、しかしな〜、相手はベルカ空軍の参謀本部大佐シナ・ティート、内容は円卓関連……名前知らないが見下し感MAXに一票」
「じゃあ俺も」
「みんな何を言ってるんだと言いたいが一票」
「私も一票」
「……自分も一票…」
「弟がそうなら私も」
「「「我々も一票合計3票!」」」
全員同意見で笑い合った時
「お―い、会議始めていいかい?」
ウスティオ空軍参謀中尉が苦笑い、おおっと後ろにはベルカの大佐殿が…!
「この方はベルカ空軍第二情報部参謀、シナ・ティート大佐、自分はヒラン・チア、大佐殿補佐だ。それでは大佐殿」
「うむ」
シナはサザンクロスの前に立つ。
「今回君たちに伝えたい事がある」
《おや?これは全員の予想外れか?》
《黙ってろ!干物が!》
グラッドの小言をホ―クが咎める。シナは苦笑して
「自分は電子戦機WSO引退後の叩き上げだ。だからウスティオとか差別しないし、守るためなら何でも協力する主義だ。そうだろう?エリ―ゼ・ファルツ少尉…いや中尉か」
「お久しぶりです大佐」
「「「えええ〜〜!!知ってたの?!!?」」」
エリ―ゼはけろりと言って、皆は驚く。
「姉さん、知ってたの?」
「ええ、私の恩師で電子技術のいろはを叩きこませてくれた人」
「エリ―ゼ君は私の弟子だ。優秀すぎてウスティオに手放したくなかった。というか寂しかったな、私をダメな方に投票するとは」
「弟が選ぶのが私の意志。絶対不変」
「ああ、いつも携帯で弟の待ち受け、機体にも写真を飾り、操縦桿握るパ―トナ―は弟話で精神圧迫で私に直訴にきたり」
シナ苦笑、全員も苦笑。そこまでブラコンなのか……。
「それで、君たちに伝えたいのは、今度我が連合軍は新しい部隊を創設する事が決定した。広範囲戦線、重要局面で絶対に敵を打ち勝つ国境無き最強部隊、特殊戦術航空団、君たちサザンクロス隊はその候補生に選ばれた」
「候補生…とは、選抜とかあるのですか?」
ホ―クが素早く質問する。
「急ぐな急ぐな、確かに選抜試験はある。そう、一週間後、円卓制空戦だ。候補生は先陣の第一波、ニ波で出動、そこで情報収集して隊全体総合点で選抜する」
「随分派手な試験会場だ」
呟くグラッド
「あの…それはより敵機を落とすとかですか?」
心配そうに尋ねるアリチェ、確かに敵をより多く落として殺す競技ならそんなのは御免だ。
「いや、それは違う。確かにより多くの敵を落とすのはもちろんだが、我々が求めているのは、それ以上に少数でも屈しない高い戦闘力と戦略性、相手を最小の戦いで最大の恐怖を与え、エ―スを叩き落とせる実力者を集めたい。
つまり、自分より格下のパイロットばかりの虐殺は減点、エ―スを落とし、敵の士気を落として戦闘を優位にするのは加点になる。
更に言えば、友軍との協力、電子戦機の適切な支援も加点だ。
理解したか?」
「はい…良かった……」
アリチェは小声で安堵を漏らす
「まあ大半は確定してるも同然で、これは形式的な試験だが、気を抜いたら死を持って失格と思え」
シナの真面目な口調にサザンクロスは威圧される。
「了解しました大佐殿、御期待に沿えるよう奮戦…いや、ウスティオを守るためならどんな事もしますよ!」
結川はシナに敬礼しながらはっきり言う。他も彼に倣い敬礼する。
「うむ、円卓でオ―シアユ―ク相手に舞う姿を期待している。時に、隊長のユイカワ君」
シナが来い来いと手招く
「?、はっ」
結川はシナの横まで歩くと彼は結川の耳元で
「私の実の愛娘には劣るが、弟子は大切な息子、娘だ。悪い虫付いたら……殺すよ?」
「…………[コクコクコク]」
シナの本気の殺気交じった忠告に結川は高速赤べこのように首を縦に振りまくった。
シナは満足そうに頷くと
「それでは決戦は7日後、2/21、1000だ。各員我が連合の領土を巣くう醜き大国に鉄槌を、ウスティオの空の騎士に期待する」
敬礼をする。
「シナ大佐に返礼!」
サザンクロスも全員返礼を返す。
「よし、それじゃ円卓制空戦の詳しい話は後日の総ミ―ティングで話すから。じゃっ」
シナが去るとヒランも後からついていく。完全に見えなくなると、一同ほっと溜め息をつく。
「そういや隊長、さっきあの大佐殿に何吹きこまれたんだ?」
グラッドが聞く。結川はふっと遠い目で
「エリ―ゼがいつまでもブラコンで無いと俺の命が無くなる可能性かな?」
「一体何の話だよ!」
「取りあえず食堂でゆっくり話そう。行くぞ!」
「「「yes sir!」」
サザンクロスが食堂に向う、その食堂で事件が起こってるとは誰も思わない…
1415hrs
エウレノ空軍基地食堂
定食を注文してカウンターで待つスタークロス隊の隊長、バッカスが居る。任務を終えて、遅い昼食を取りにきた。
ウスティオの飯のクォリティーは未だに落ちないので、兵站の本気ここにあり。
しかし食料は大丈夫でも、燃料弾薬がきつい。ベルカと繋ぐ主要ルート144号線を解放しても未だに全軍に潤いがない。
俺ら爆撃隊も大変だ…その時
「隊長、ここに居ましたか」
バッカスが振り返ると、二番機のクライシス、
「お前も遅い昼食か?」
「いえ…あの」
「なんだ?仕事か?」
クライシスが口ごもる、バッカスは定食のおぼんを持ち催促する
「あの…20日…て、隊長?!」
バッカスのおぼんの持つ手が震えまくる。
そうだ…忘れてた…あれを…大変だ
「大変だ!」
バッカスはこれまでになく慌てる。
「今からやれば間に合うのでは?」
クライシスが至極当然の問いに
「ダメだ…忘れた時は危険だ…」
彼が慌てる理由、それは彼の幼なじみにして彼女[一説には入籍してない夫婦]の女性に毎月20日に電話をすること、しかしそれを忘れると……なんたって彼女は…
「バッカス・エイムズ中尉、カリサ・マルタイナさんから面会が…エイムズ中尉?!」
伝令の言葉でおぼんを手から滑り落ちる。
「それで…今…彼女は…」
「え…えと…」
「私を忘れるなんてひどい…」
バッカスの背後から腰に抱きつく。
「カ…カリサ」
「私とあなたを繋ぐ電話が無くて心配で…殺しますよ?」
「「「は?」」」
何だか物騒なキ―ワ―ドが、バッカスは震えている。
「いや、忘れてたわけでない…ただ連戦で…」
「嘘よ…浮気したから出来なかった」
「いやいやいや!んなわけない!戦争の激しさを考えれば…」
「はい」
彼女から差し出された書類を見る。
「なっ……!」
開戦時から今までのバッカスのタイムテーブル、ここまで調べるとは!!
ていうか当たり前だ。彼女は民間探偵会社の一員だ。
ここでお気づきになる人は多いだろう。彼女は独占欲が異常なヤンデレだ。
「20日は自由行動が多いです。私を捨てるなんて…、やっぱり私の心の中で安らかに」
「死なないよ!?」
周りの女性陣は察してくれて周りから離れる。賢明だ、なぜなら。
「やっぱりあなたを世から心より、浮気相手を…」
「居ないから!居たとしてもやめてね!お前がそんなことするのは嫌だから!」
「本当に?」
「あ…ああ、カリサが一番大事だよ!!」
バッカスやけくそ、周りの女性陣が色めき立つ。真実だけど口に出すのは初めてだ。
「本当に?」
「クドい!本当だ!」
「嬉しい…」
カリサは更にきつく抱きしめる。
やっとこ収まったその時…
「あれ〜?なんかバッカス隊長さんがラブラブしてる〜!」
空気読めなさMAXのバッカス隊エレナ少尉の言葉、てか今名前呼び捨てしたら…
「この女、誰?」
黒いオ―ラがまたカリサにまとわりつく。
「殺さなきゃ…」
「えっ、ちょ…おい!!」
「ふぇ―?迫ってきた〜!」
「しゃ――!!」
「警務隊取り押さえろ――!」
「「「Yes sir!!」」」
ギャ―ギャ―ワ―ワ―叫ぶ中
「これは〜一体全体何事?」
「分かりません」
取り残されるサザンクロスのメンバーだった。