ACECOMBAT if ~全く違うzero~ 作:夕霧彼方
3/3
1000hrs
オーシア絶対防空圏、B7R、通称「円卓」付近
「なーーんの因果かおれが飛ばされた日に円卓初陣とは・・・」
「なんの事だ隊長?」
「んー、一人話」
結川は雛祭りの後にこの世界に飛ばされたのを懐かしく思う。あまりにもこの半月が濃すぎだ・・・。
結川率いる新生サザンクロス隊は、低高度を維持しつつ円卓に超音速巡航(スーパークルーズ)で迫る。既にヴァルキューレ隊もここから東に10マイル地点で飛んでいる。
サザン、ヴァルキューレ両隊はこの直径400kmの円卓の空の制空の為の先遣部隊、撹乱部隊として飛ぶ、なぜそうなったか、その理由は、両隊に各々有する。その電子戦機を用いて円卓に可能な限り潜入、さらに円卓中心部を陣取る円卓だけの空中管制機、空中給油機を仕留め後は思いっきり暴れる寸法だ。
しかし言うがやすし、簡単では無い。相手はオーシア、ユークでも練度の高い航空部隊が20機以上、敵味方両本隊が急行すればこの空なんて簡単に狭くなる。
しかしそんな狭い空でもなんでも隊が全員生き残り、勝利を収めればそれでよし。
眼下ギリギリ、円卓特有の赤土に吸い込まれそうになりながら結川は
「よし、ここからは無線封止だ、4、頼んだよ」
「お任せ下さい隊長、それではECM、レーダー妨害システム起動、無線封止開始・・・」
通信が切れるそれと同時にレーダーにジャミングが入る。対空部隊が設置出来ないくらいの地上の電磁波+ECMで敵から確認される確率は限りなく低くなる。
「また・・・静かだな」
あのウスティオの一大反攻作戦の前の時みたいだ、やっぱり息苦しく感じる。聞こえるのは自分の呼吸、心拍の音、そして低く唸る戦闘機の排気音。
「この戦いで全てが決まるのかなーーー」
結川の独り言が続く、しかしこのゲームはやっている、ここで終わるはずがない、ここから更に、激しく、残酷な戦いが待っていると思うがそんなの関係ない、ただ第二の故郷ウスティオに尽くすのみ。
1005を持ってあちらの隊のヘルムヴィーゲこと荘錦姫少尉とこちらのエリーゼの同時解除で戦闘が開始される。
作戦開始残り2分になった時
「ちっ」
結川は上を見上げて舌打ちする、敵に見つかった、機種は不明、編隊3機。相手はこちらがレーダーに映らないのを不思議に思ってる、同時に警戒してこちらの出方を窺ってる・・・ヴァルキューレ隊には悪いが・・・打って出るか!
結川は素早く増槽を切り離し、作戦開始を告げる、エリーゼは即座に察知してECMを解除、ついでに無線もだ
「隊長!やっちゃっていいのか?!」
「うちらは撹乱部隊だ!先制してデメリットは無い!サザンクロス隊エンゲージ!目標は空中管制機E-767!ヴァルキューレ隊にはお詫びに彼女達の担当の空中給油機も叩きのめせ!」
「「「Yes sir!!」」」
一気に急上昇をかけて敵に急接近をかける。
<<敵がこんな所に!>
<<エマージェンシー!早急に敵部隊を排除しろ!>
<<機種は敵の新しい機体か・・・なっ、あのエンブレム!>
<<どうした!>
<<こちらサマーサ2!奴らはサザンクロス・・・ウスティオの南十字星だ!>
敵部隊に動揺が走る、しかし伊達に円卓を飛ぶ戦士たちではない、素早く状況をのみ込み迎撃態勢を取る。
「敵部隊が追いかけてきたぞ!」
グラッドが結川に向かい言う。
「分かってる、しかし今は構ってる暇は無い!まずは空中管制機、ついでに火の粉を振り払え!サザンクロス隊、アフターバーナー全力突破」
スロットルを一気に押し込む、推力はA/Bと表示され一気に速度は急上昇する。後方のF-16部隊を引き離す。
「リーダー、E-767を捕捉しました、あと10秒で撃墜可能射程範囲内」
「了解した、AAMセーフ解除、レーダー解放ロック開始」
HUDにはターゲットシーカーが表れて、目標を捉えようと動く。
<<奴ら・・空中管制機を狙ってるぞ!>
<<早く守備部隊を!>
<<間に合わない・・・!>
結川機のレーダーの探知音はE-767のターゲットシーカーが捉えてロックオンの心地よい電子音に変わる。
「サザンクロス1、FOX2」
結川は宣言と2本のAAMを放つ。一瞬の自由落下の後、一気に空を疾駆するAAMはE-767に急接近する。E-767から大量のチャフフレアが投下されるが絶対撃墜可能範囲では到底間に合わなかった。
<<よけきれない・・くそおおおおおおお!!!!>
機長からの悲痛な叫びと共に横腹と主翼に1発ずつ当たり、砕け爆ぜ、やがて空中四散をする。
「敵機撃墜、次行くぞ!」
「隊長容赦ねえ・・・」
速度を落として反転をする、ホークは結川の行動に少し慄く。その時
「よくも先走って下さいましたね」
通信に入る、冷たい声・・・ああ
「申し訳ありませんブリュンヒルデ、お詫びは?」
結川はヴァルキューレ隊隊長ジャスミン少佐、うわお、冷たい声で怒ってるよ。
「サクラでしたっけ、それじゃあ私達を追いかけてる隊を落として下さい」
「機種は?」
「F-22、8機です」
「うん、いきなり猛禽はすこしきつ「最強の鷲でしょ?やってみなさい」了解ですよ!各機目標変更!猛禽を食いちぎれ!」
「「「YES SIR」」」
「舞台のお膳立ては必要ね、ヴァルキューレ各機、後方のF-22以外仕留めなさい」
「「「Yes Mam」」」
SU-47が華麗な編隊を解き、空中給油機だけは守ろうとする戦闘機に殺到する。
「女性部隊に負けるな!4と5は免除でも他は死ぬ気で落とせ!死んでも落とせ!」
「「「ひどい!隊長!!」」」
サザンクロスはまだ軽口を叩いてるが、正直きつい、レーダーにかすかにしか映らない・・・
「4、敵をあぶり出せるか?」
「ネガティブ、何とかターゲットには出来るけど・・・これが限界です」
敵部隊はやっぱり本場のステルス・・・ああ、アメリカ軍との合同演習でF-22用いられてぼこぼこにされたF-15の気持ちが分かる・・・が
「何度も何度も他国のピンポンダッシュ(領空侵犯)されて追いかけっこしてた空自の目視力舐めんなよーー!!」
結川は目で確認出来る限り確認を行う。空自時代に自然に鍛え上げられた結川の視力は3.0、それをフルに使う。そして
「見つけた・・・2!3時方向高度1200上!追いかけろ!」
「了解!」
「3は前から来るやつをよろしく!3機居るけどガンバ!」
「りょうええええええええ?!外道!」
グラッド何か叫んでる・・・仕方ない
「4、5、3の援護をしてやれ、それと三つ子は今下から来る奴らの迎撃!俺は後ろに居る隊長格と遊んできてやる!それと3は上官反逆で滑走路ダッシュの刑!」
「「「了解!「えええええ?!」」」」
また何か叫んでるのが聞こえたが、無視無視、それじゃスーパークルーズをかけて隊長機を狙う。
<<敵が来てる・・・あれが隊長・・異世界から来た鷲使い・・・いいだろう!受けて立つ!エリョージョン1、エンゲージ>
オーシア空軍環太平洋地域航空隊所属の猛禽使い、エドワード・セルミック大尉、腕前はオーシア空軍でもトップクラスに入る。
推力偏向ノズルを巧みに操りまずは様子見をけける。双方バックを取らせる気はさらさらない。
「うっわー、バリバリのエースやんけ・・・て、ラプター乗りが弱いはず無いか・・」
結川は嘆息をつきながら頭の中で素早く比較する。
速度と機動力なら負ないが、ステルスと装備はあちらが上、きついぜ・・・
何周も追いかけてたが、やっとこバックが取り始めた、よし・・・ターゲットシーカー早く収めろよ!結川は少し慌てた
<<ふん、やはり甘い>
エドワードは機体を使い、コブラを使い急減速をかけるやばっ!
結川は素早くエルロンロールを使う、が速度が速過ぎる!しょうがない・・・一気にスロットルを引く、速度が下がり機体が震える。
<<ふっ、速度を落としたって遅い・・・落ちろ>
ターゲットシーカーが重なり赤くなる瞬間に・・・目の前のF-15REAが消えた
<<?!!消えっ!>
結川は速度を最大限まで下げて失速して、自由落下させる。しかし一瞬で補助装置ON、エンジンをスロットルを全開にする。
<<くっ!>
「舐めんなーー!」
エドワードもアフターバーナーをかけて、回避機動を取る。
「よし!行くぞ!」
急上昇かけてハイ・ヨーヨー、空気中の水蒸気が機体の摩擦熱で白い軌跡を作る。平和な空ならだれでも見惚れる二機の戦い、しかしそれも終わりを告げる・・・。
「ステルス機も目視とターゲットシーカーに収められたらお終いなんだよ」
<<くうう!>
完全に油断したエドワードはすでに結川の射程範囲内だった。
「俺の機体にゃ機関砲の弾がたくさん積まれている!落ちろ!FOX1FOX1!!」
毎秒数十発の機関砲が猛禽を飲みこみ食いちぎる
<<旧世代の鷲にまけるはずがーーー!!>
エドワードからの通信が途切れる。
「いーーやっほーー!こちら3!1機撃墜!」
「4より、猛禽は3機損失、こちらは無傷・・・時間です、我々の勝利ですね」
エリーゼはメットの下で微笑する。結川も
「ああ、時間だ」
<<隊長がやられた・・逃げろ!>
<<待て・・・円卓に多数の敵部隊!四方八方からやってくるぞ!>
ヴァルキューレ隊が空中給油機を落とした瞬間、色んな方面からウスティオ、ベルカ、サピン、ファトのエース部隊の機体が侵入してくる。これで円卓の制空権はFCMB側優勢になり、後に来るオーシア、ユーク本隊の勢いをそぐと言う戦法だ。
しかし制空権が連合優勢になっても勝利したわけでない。
本当の円卓での制空決戦が始まる・・・。
--------------------------------------------------------------------------------