ACECOMBAT if ~全く違うzero~   作:夕霧彼方

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夜鷹

エピソード1、円卓決戦 ガルム

3/3

1045hrs

円卓上空

白煙を上げて乱れ飛ぶミサイル

赤い火線が飛び交う機銃の弾

赤く膨れて四散する戦闘機体

この空の世界に逃亡は許されない、ただ突撃するのみ、戦うのみ、それから逃げれば・・・

この赤土の一部になる。その体の中身をもって・・・

<<なんだよこの敵のチート物資量!>

<<先に制空権取ったのにまた取り返そうで怖いよまったく!>

<<増援の要請まだか?!>

FCMB連合空軍は予想以上の苦戦を強いられていた。オーシア空軍、ユークトバニア空軍は双方の本隊は国境方面に多数用意されてた。それだけの円卓には潤沢な資源が埋蔵されている。まさに魔性の土地だ。

FCMBは押されてはいないが、物資量の差が大きく円卓から補給で脱出する部隊も出ている。そしてそのバランスの崩壊から部隊の連携に綻びが出来ている。

「くっそーー、燃料が少しやばくなってきた」

結川が盛大な舌打ちをする。いくら航続力、スーパークルーズでも燃料の消耗は避けられない、更に現代戦闘とはおおよそ思えないレーダー上に一杯に埋め尽くす戦闘機群。

「おいおい、隊長、俺達やばくない?近隣基地まで到達出来なくならない?」

「隊長、状況は分かりますが、自分たちも危険です。撤退の許可を!」

グラッドとアリチェからの言葉、

「くっ・・・、増援が来れば!ここでこれ以上部隊離脱が進めば・・・」

<<敵連合空軍さらに増援が!一体どこまで出てくるんだ?!>

「「「!!?」」」

アウトレンジからまた部隊が確認される。

「4より、私達は電子戦機でもはや限界です!これ以上円卓で飛行しましたら私達はイジェクトします!」

エリーゼからの声、もはや限界か・・・

「こちらサザンクロス隊、もう限界だ、全機撤退、申し訳ないが残りのみなさん頼みます!」

結川からの決断の声、その時友軍は軽い絶望感を覚えた、なぜなら異世界からの鷲使い、ウスティオ空軍の英雄の1人の撤退は焦りが生まれた。

しかし

<<パーティー会場に間に合った!>

<<獲物が一杯だ!今日はふもとで酒池肉林じゃー!>

突如ウスティオ方面からの大規模航空編隊、しかし機種はばらばらだ。そこにAWACSの声

<<来たぞ!我ら連合空軍で最強のウスティオ傭兵航空隊、ヴァレーの猟犬部隊、ガルム隊達だ!>

「嘘だろ・・・」

<<拝金主義者部隊が円卓にまで進出してきたぜやっはー!>

各部隊沈みかけた士気が一気に高まる。まあベルカ空軍は騎士精神があるためあまり良く思われない。しかし来てくれればそれはそれ、あれはあれだ。

<<敵がうじゃうじゃ居るな、稼ぎが甲斐がありそうだな。相棒、花火に突っ込むぞ!>

<<ああ!>

F-15s/MTO、F-15Cの二機が円卓に突っ込んで行く。

 

1050hrs

「おらーー正規軍ども!さっさと補給に行って来い!無駄にわらわら居たらお前らも叩き落とすぞ!」

「んなことしたら報酬減額だよ。まあいいや、ウスティオの正規軍まがいの傭兵組到着、今から殲滅開始する」

<<気をつけろ!奴らはベルカの野郎とは別の意味で厄介だ!>

<<ガルムだ!敵はガルムを連れてきやがった!>

傭兵航空隊の乱入で、味方は編隊を直したり、離脱がスムーズになる。

傭兵航空隊の数は18機+満身創痍の連合航空隊12機、相手は44機、直径400km、さらに狭い戦闘空域はカオスになる。

「相棒、敵は千ガロンの血を流してでも守ろうとしてるぞ?どうする?」

ピクシーがサイファーに聞く

「言うまでもない、潜水艦時同様粛々と敵を落としてウスティオから報酬ゲットだ」

「了解だ、いつものように役立とう」

言わなくても分かる2人は一気に散開、F-15S/MTO4機、EA-18、1機連合航空隊に食らいつく

<<ガルム航空隊がやってきた!>

<<奴らと同機種で、数がこちらが上だ!仕留めろ!>

<<二人一組で一気に狩れ!>

「舐められたものだ・・・」

サイファーが呟いた刹那・・・

<<??!!>

「そんな機動でその機体を操るとは・・・イーグルドライバーの風上に置けない」

一瞬・・・いや一瞬と感じるほどの高機動で真正面にいたサイファー機は敵の後ろに回っていた。

「ガルム1、FOX1!」

間合いを詰めてガンアタック、一機が吹き飛びもう一機のF-15S/MTOが回避をする。

<<くそ!奴らはばけも・・・>

逃げた一機の言葉は続かず、空中で爆ぜる。

「ピクシー、獲物を横取りするな」

「今日はここで稼ぎたいからな、悪いな相棒、横取りはデフォだ」

ピクシーのF-15Cがすかさず追撃でガンアタック、ガルム両機体の能力は潜在含めて最大限に活用されている。

<<くそ!なんだあいつらは!>

<<片羽は第3世代の戦闘機だぞ!どうしてだ・・・>

<<あのガルムの1番も化け物だ!F-22もレーダーで見てるように正確な・・>

<<それよりも傭兵部隊が・・・戦線が維持が出来ない!助けてくれ!>

10機以上の戦力差の航空部隊で完全に円卓をひっくり返す。

「状況はこちらが優勢だな、よし!ガルム隊より全機、TGT(ターゲット)は全部頂く」

「「「それはさせない!!」」」

「なんなんだあいつら・・・」

「あれが・・・ウスティオ傭兵部隊・・」

正規部隊は言葉を失う。この激戦の地、いつ死ぬか分からない魔性の地でここまで軽口が叩けて報酬を気にする精神が恐ろしかった。

 

円卓決戦・・・

FCMB連合軍の奇襲作戦から始まったこの戦闘は、最後は双方合計100機を軽く超える戦闘に発展。

当初制空権を保有してたオーシア・ユーク連合軍の隙をついたため、FCMBが完全優勢となる。

国境に用意してたオーシア側本隊の物量作戦で練度重視で部隊機数を用意してなかったFCMBは次第と押される。

しかし、ウスティオが用意していたガルム筆頭、ヴァレー基地所属傭兵部隊の活躍により、円卓は解放される。

翌日、大規模な資源採掘生産ラインが稼働開始、FCMBの一番憂慮すべき、資源を確保に成功する。

そして帰還したサザンクロス隊、ヴァルキューレ隊などのエース部隊は即日、円卓解放の功績に略式に勲章が授与され、さらに特殊戦術航空団設立が公に発表されそこに異動が決まった。

特殊戦術航空団昇格に伴い、選抜されたメンバーは全員一階級特進、結川は少佐から中佐に昇格した。

サザンクロス隊、特殊戦術航空団第2航空戦隊3中隊になる。

だが・・・この解放された円卓の一部で、とある反乱分子の組織が資源の搾取の開始、着実にレアアースを密輸出して外貨、部品調達をしてたのはその時気付いていなかった・・・。

その時、気付いた時には、戦争は行くところまで行き、各国は炎で包まれた・・・。

エピソード2、オーレッドに舞う夜鷹(ナイトホーク)

<<AWACSダッチよりクロウ、トランスパレンス、間もなく無線封鎖及び高度制限エリアに突入する。貴隊らの奮闘をここから願う>

「クロウよりありがとさん、きっちり橋は壊してくるからよ」

「トランスパレンスよりも、ありがとさん」

クロウことゼラム・クラッチ中佐、トランスパレンスことダン・ラーク少佐の2機のF-117は高度制限1000フィート以下のレーダー上の防空網の穴を通って進む。

陛下からの勅命であり、FCMB連合軍の先手となるため、慎重かつ大胆に行く・・・。

ゼラムはレーダー上の緑の円の隙間をくぐりながら行くが・・・随分と穴が大きい。

これが世界最強の国の防空体制、よほど他国を馬鹿にしたいのか、すかすかだ・・・。ゼラムはため息をつく。これならラティオ革命戦線と政府軍の戦争でラティオ革命戦線を爆撃してた時の方がよほど緊張する。

橋まではあと10分・・・

ふと横を見ると、編隊を組んでいるダンがハンドサインをする。

[88.1MHz、周波数変更せよ、面白いぞ]

面白い?何があるんだ?無線の受信だけで周波数変更すると

<<ガーー・・・我々オーシア軍は、未だ融和と平和を受け入れない強情なFCMB加盟諸国に対して鉄槌を下し、国民が豊かゆるぎなき世界最強の国を堅持していきます!>

なんだと思ったらオーシア中央政府の軍事放送かよ。

<<我がオーシア軍は今までベルカの独裁騎士から奪われてた資源の宝庫、通称円卓を奪還し・・・>

奪還されたのを聞いてないのか?いや、そんなの言ったら元の子もない・・・。

しかしダンはノリノリで聞いている・・・。まさか・・・周波数変更してると激しいロック調

「フェイス・オブ・コイン・・・あいつ!」

ゼラムがダンを睨むとその視線に気づいたダンは手刀を切って謝る。くそ・・・この後輩

ダンはゼラムの後輩であり、相棒に近い。だがいじられ率で言えば、何故かゼラムの方が多い。

「たく・・・」

ゼラムが悪態をついたとき、いきなり雑音が走る・・・。

「?、壊れたか」

ダンの方にハンドサインでラジオの調子を聞くと、同様に雑音がという答えが・・・。これは・・・その時

<<オーシア国民の皆様、初めまして、ベルカ連邦大統領、ヤルタ・エリクです>

・・・は?ゼラムはどの周波数を変更してもヤルタの声、まさかベルカ大統領の声。嘘だろ・・・まさかの首都に爆弾投下?

<<我々FCMB連合軍は本日11時を持って円卓を奪還し、さらにすでにオーシア領内に侵攻準備が準備されつつあります>

本気で爆弾投下しやがった!

<<オーシア、ユークトバニア連合軍の徹底抗戦をいつまでも言っているみたいだが、既に我が連合は貴国を炎に沈める用意がある>

大統領はさらりと非道な言葉を述べる。完全に舐め切っているが、事実でもある

<<ここで我が連合のエース部隊達を派遣した、オーシア国民の常識ある諸君は絶対にオーシア連合軍の信用が出来ないことを証明しよう>

まさかの・・・防空網を抜けて、高度300フィートで海面を滑るように飛ぶ。あと少しで誘導対地投下弾の安全装置を外す。

<<オーシア、オーレッドの象徴が消えるだろう。それを見て確認したまえ>

完全にばらしやがった・・・!!その瞬間、

「時間だ・・・」

ゼラムは一度深呼吸してダンを見る。ダンもまさかの放送で唖然としてたが、いつでもいけるとサイン。

ゼラムは指3本を立ててふり、そして指を折ってカウントダウン

[3.2.1・・・投下]

スイッチを押して爆弾を全弾投下する。

しばらく自由落下して、レーダーで位置修正し、やがて、オーレッド橋の橋脚、ワイヤー部分に全弾命中、橋を纏ってたきれいなライトと、航空障害灯の代わりに赤い火球が膨れ上がり、橋は真っ二つに折れる。軍事用に一般車両封鎖の橋なので、市民に被害は無いが、あの放送と、これの視覚でのショックは大きいだろう。

「コンプリートミッション、RTB」

ゼラムはそういうと、素早く反転、来た道をひたすら戻る。

帰りは防空網外で待機してたサピン空軍が威嚇してくれたために、何とか脱出、F-117のオーレッド橋攻撃作戦は見事に成功した。

そしてこれからオーレッドが混迷と焔に包まれるのは一部の人間しか知らない・・・。

宴は始まったのだ・・・。

内部の問題の章~fin~

混迷と焔の章に続く・・・

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