ACECOMBAT if ~全く違うzero~   作:夕霧彼方

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臨界点

FCMB連合作戦発令第11525号

北オ―シア、南オ―シアに於ける我が連合の脅威残党を排除、駆逐する。

今作戦らオ―シア政府の支持あり、越境、陸空全兵器使用を許可する。

民間人への無差別攻撃、必要外の石油地帯爆撃及び工場破壊はいかなる理由でも断罪に処す。

作戦名は「クリ―クエンデ」[ベルカ語で戦争の終わり]

今作戦の名前通り、任務完了を以て真の戦争終結とする。

各員、奮闘せよ。

発令、FCMB作戦司令、各国国防大臣、大統領

 

3/10

0930hrs

北オ―シア作戦空域

北オ―シアからベルカに侵攻していたオ―シア、ユ―ク残党があと少し西に進んだ所で強固な防御対空陣地と再編成の済んだ軍が居る。

墜落事故と見せかけた暗殺で死んだアップル・リリースの後任としてハ―リング暫定大統領は降伏と全軍即時武装放棄を命令した。

しかし北オ―シアは元々はユ―ク管轄の司令とオ―シア好戦派が多く、国土解放とベルカが奪う可能性がある北オ―シアの原油採掘、石油精製地域死守をスローガンに徹底抗戦を叫んでいる。

更に性質が悪いのは未だにユ―クの方は上から下まで[下はこのまま祖国に帰ったらどんな目にあうか分からない]士気旺盛、オ―シア軍の脱走兵や武器放棄を叫ぶ人物の粛清に督戦隊を作り、燃料は現地の精製施設から総動員、直せるものは直して、人数は一個旅団程度だがオ―シアを凌ぐほどの脅威となっていた。

全体的には士気は数の多いオ―シアの影響で低いが、脅威は脅威、FCMBはハ―リングの声明拒絶の反乱軍として正当防衛の越境排除対象の声明を採択し、オ―シアにおけるFCMB正式な鎮圧作戦をハ―リングに承認。

そして今日、西ベルカやウスティオ方面から空軍出動、防御対空陣地を空爆して機能を奪い、早期降伏ならそれでよし、もし空軍陸軍総動員ならこちらもデジタル最新に更新したB-335、TU-160、B-2と特殊戦術航空団、勇猛な陸軍で徹底的に潰す。

閑話休題

ウスティオから派遣されたのは傭兵のトップエ―スのガルムと普通の部隊のクロウの6機を先遣し、苦戦するならば翌日からはト―ネ―ド、F-2の空爆部隊を派遣する。

まあ、ベルカンエ―ス部隊も揃って護衛を受ける空爆部隊が失敗するはずもない…

自分達はテケト―に飛んで小遣い稼ぎに増援やSAMを叩き潰せばいい

そんな楽観した空気が流れている。

「おい、そういや基地の彼女に飽きたらず他の女性にも手をだし…」

「そんなデマどこから?!」

4機のF-16Cのクロウ隊隊長はPJをからかう。

本当に気が抜けてるのか、地上と同じくらい陽気だ。いや、彼らが空で真剣でシリアスモードになるのも少ないが、それでも抜けきっている。

F-15S/MTOを操るガルム隊の隊長、サイファ―ことレオンハルトも彼らののんびり通信をラジオにして穏やかな気持ちで飛ぶ。

しかし不安の種もある。

「ガルム2、1から離れているぞ、編隊を維持せよ」

「…ああ、悪い」

「?、機体不調か?」

「いや…ただ、悲しいだけだ」

F-15Cを操る、片羽の妖精ことピクシ―、本名ラリー・フォルクはイ―グルアイの言葉に気が抜けた返事。さっきから異常に遅い。

彼が妙に静かというか、オ―レッド市街地空爆を行った部隊を見てから大分変わり、更にその部隊の罪が不問になってからは彼を中心に半径数mが寒くなり、ヴァレ―の陽気な奴らが思わず引くほどだ。

前から傭兵にしては戦争に関して皮肉を述べるのは多かったが、最近は特に無言の拒絶と何かの望みをひしひしと感じるようになった。

相棒はどうしたんだ?

「イ―グルアイより各機、FCMB作戦本部より緊急入電……なっ?!」

「どうした?何かあったか?」

イ―グルアイの言葉で思考が現実に引き戻される。そして次いだ言葉が

「緊急、当空域に爆撃航空隊と護衛機が接近種別不明…しかし良く聞け、奴らは核武装の可能性あり、繰り返す、核武装の可能性あり、目標ウスティオ都市と思われる!」

「なんだって?!」

「ちっ、オ―シアの野郎め」

クロウのPJと1が叫ぶ

レ―ダ―を見ると白い光点が多数接近してるのが分かる。

「撃墜した機体に万が一核があったら?」

撃墜して核が起動したら本末転倒だ

「安全装置で起爆の可能性は無いに等しいから安心しろ!全機考える暇は無い、迎撃せよ、一機たりとも逃がすな、都市に近づけるな」

「「「Yes sir!」」」

全機が加速していく。下に民家は無いので超音速をも躊躇わない。

「…見えた、B-52?」

「戦闘機も多い」

PJは高い視力で発見する。レオンハルトも確認する

「高度は同じくらい…行ける」

「先手必勝だ、ガルム1、エンゲ―ジ」

先手はレオンハルトが放った多目標誘導ミサイルが4本、シ―カ―に収まっている爆撃機、戦闘機に向かって飛来する。

僅か数秒で吸い込まれていき…4機が吹き飛ぶ。

《やられたか…》

《怯むな、片羽の同志以外は殺せ》

全機散開を開始する。爆撃機は直進する

「B-52は直進で突っ込んできた!」

「イ―グルアイより、なら楽だ!爆撃機を中心に叩け!」

「イ―グルアイも無茶言う、周りからもわらわら戦闘機来ているのに」

「よし!自称リア充のPJ!!逝け!」

「何かニュアンスが気になる?!てか自称じゃない!」

クロウ隊は賑やかすぎる…。

「さて、やるか…戦闘機を落とすぞ」

「………」

無言で敵を叩きに始める。

こいつ…あとで絞める。

しかし絞めるチャンスが永遠に無いとは思わなかった。

「しかし、敵が多い…ベルカかウスティオからの増援ある?」

「既にベルカは作戦地域に入り距離があってタイムラグが大きい、実質無いと思え」

「「「報酬二倍じゃ―!!」」」

叫びながらも着実に攻め落とす。

レオンハルトも敵の集団をすり抜けて回り込み。

「とりあえず無駄弾は使わない、ガルム1FOX1」

正確無比に爆撃機のエンジンを破壊する。

《ちくしょう!エンジンが4基喪失!操縦系統も動かない!》

片方の推力を完全に失った機体はしばらくもう片方で周りながら滑空するが、やがて切れたように急速に錐揉みになり落ちていく。

もう一機狙おうとするが

ピ―――

ミサイル警報

「ちっ!ブレイク!」

素早く機体を左に倒して機動回避しながらフレアをまく。

背後のミサイルはフレアの方で爆発する。

「くそっ!多勢に無勢とはこの事か」

「クロウ1よりガルム1、そちらに護衛を回す。爆撃機撃墜に専念してくれ」

「済まないな」

「なあに、戦闘機の方が小遣いは多いし、何より鬼神を守った名声はオイシイ」

「ははっ」

こんな状況でも計算するクロウ1に苦笑しか返せない。

しかしそれよりも

「敵の戦闘機が豪華すぎる…イ―グルアイ、敵の残党軍はF-15を持つ程豊富なのか?」

「なに?イ―グルアイより、そんな話は聞いてない、事前情報には今日で決着つく予定の南オ―シアの残党[ヘルエンジェル、トゥルブレンツが向かっていた作戦]には居たが、こちら北オ―シアは陸軍重視で空はパイロットは居ても機体はF-16ばかりで地上に居ると聞いていたが…どういうことだ?」

「残党軍の隠しの切り札?それとも、更なる裏切り?」

レオンハルトの頭の中で疑問が深まるばかりだ。

「それよりも何でこんな特攻まがいな作戦をするんだ?もう戦争は終わりに近いのに」

「お前は馬鹿か、PJ」

今まで黙っていたラリーが口を開く。彼は機関砲で兄弟機のF-15Eを仕留めてから。

「俺達がしてきた事を思い返せ、確かに最初は国境を越えて敵は侵入してきたが、最終的には正義の名の下や部隊の暴走でオ―レッド市街地を爆撃して、多数の民間人の死傷者を出した」

「しかし…」

「どんな事があろうとその事実は不変する事はない。それの報復に核を持ち込むのも行ったきりの特攻あり得る。たく、国境によって起きた戦争の悲しい現実だ」

「……」

「おい、いい加減にしろ。戦争談義と士気を落とす話は後にしろ。今はウスティオを守るのが第一だ」

「…、了解だ、正義感の強い相棒」

さすがに我慢の限界に来ているレオンハルトに軽く返すラリー。

話ながらも爆撃機を落としていき、最後の一機

「お前はAAMに焼かれて落ちろ」

一本を放つ、そして近接信管が働き爆発する。B-52は火を吹き機体は落ちていく

《くそ、もう駄目か…同志よ、後は頼んだ。片羽と共に…国境をゼロに…》

《了解した、爆撃部隊の核武装の特攻に見せかけた片羽をグランドゼロに行かせない足止めの演技は素晴らしかった。安心して逝ってくれ、もう地獄の蓋は開く》

《ああ……良かった…これで…大国同士崩壊する…》

B-52は爆砕する。

《陽動部隊より、爆撃部隊が全滅したので撤退する。後は任せた、魔法使い…全機撤退》

《了解》

部隊は撤退していく。

「よしっ!最後の一機をしとめた。良くやったガルム1、敵は引いている」

「やった…守れた…」

「ああ、とにかく良かった」

PJを皮きりにクロウ隊の面々が言う。安堵感に包まれている。

「追撃は…駄目だな、弾が無い、更に言えば燃料も…ガルム1よりイ―グルアイ、補給がしたいが…」

「分かった、今着陸可能な基地を調べる。ベルカにも作戦中止すると連絡しておく」

「了解した」

レオンハルトもやっと重責から解放されて、シ―トに身を委ねる。

しかし疑問の多い戦いだった。

残党に無い戦闘機、無謀な爆撃機…どうぞ落として下さいと言わんばかりの直進性…あれはどういう…

「ん?光?」

誰かが呟く。レオンハルトも見ると西方向の空が明るい…夜明け?

いや違う!

今は午前10時になったばかり、空は曇りで覆われている。

何故だ……

思考する前に光の奔流は迫り、やがて

「なっ?!」

「はっ…?!」

目の前は真っ白になり、衝撃が機体を揺さぶった。

核が起爆された瞬間だった…。

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