ACECOMBAT if ~全く違うzero~ 作:夕霧彼方
混迷の海を大幅アレンジ相成りました。5要素詰めまくりました。
詰めないと多分不完全燃焼になると思ったので。
次回混迷の海終了
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1800hrs
ユーク艦、グムラクCIC
「戦闘部署発令!!全速力でケストレルに行けっ!」
「敵の主砲が来る!ミサイルも来るぞ!!」
「ここで死んでたまるか!総員何が何でも防げーーー!!」
CICにまで響く音・・いつ自分の艦に着弾するか気が気でないが、目標が出来た今はそんなことに囚われる暇などない。
現在超近距離戦ゆえ、対艦ミサイルも対空ミサイルもまともに動かせず、主砲で勝敗決める数十年前の戦闘になっている。無線はパンク状態、敵味方寝返り艦が入り乱れてまさに混迷という言葉が似合う。
「我が艦の攻撃に怯まずに敵は主砲と進路を塞ごうとしています」
「ノーガードの殴り合いか・・・」
副官の言葉に呟く人物はグラス・カチャン、階級は中佐でこのグムラク艦長。
彼はこの戦争には疑問を持っていた。融和主義の首相ではなく、バリバリタカ派の第一書記実権を握ってた時から気づくべきだった。
「艦長!追撃の艦が!前の艦が!囲まれます!」
「離反友軍艦から支援要請!」
「落ち着け!!」
CIC内はあまりの情報量でパンク寸前になっているところにグラスの大声。CICは静まり返る。
「我々は今は不利だ・・・しかし空を見ろ・・・俺たちには何が付いている?あのラーズグリーズだ・・・白い鳥を落としたラーズグリーズだ!」
白い鳥・・・潜水艦のヘル・エンジェルに鳥のラーズグリーズ、特に後者はオーシアからウスティオに寝返り、撃墜記録と制空重視機のくせに対地で地上兵器をスクラップしまくったことと、寝返りで正式な部隊名が無かったことから、眠りから目覚めて死を降り注がせるラーズグリーズと呼ばれ、これが正式な部隊名となった。その彼らがケストレルに居ることはさっきケストレルの司令部から来た。
「後ろの敵は彼らに任せろ!前進だけを・・・前だけを見るんだ!前方ユーク艦ギルト・・・これを敵と認識して全力で排除しろ!!」
「了解!!」
艦内は周りに囚われずただ一点を見つめる。
グラスは天井を見上げる。CICからは彼らの活躍は直接見えない・・・しかし
「レーダーから活躍を見せてもらうぞ・・・死神たちよ・・!」
彼は静かに呟いた
同時刻
上空
「和平の芽を潰させるな!!ラーズグリーズ・・・エンゲージ!」
<<了解!!>>
空を駆けるのはジューン・シュバルツ率いるラーズグリーズ隊5機。
ゲーム世界と違い、チョッパーは戦死していない。そして彼らの操る機体はF-14にほぼ同じだが中身は全く違う。
F-14S スーパートムキャット21
スーパークルーズにステルス性を付与に単座型、更にこのオーシアバージョンでは可変翼を従来より大きくし戦闘機動を効率的にし、元から大きいタンクを維持し、更にチタンと炭素繊維などを使用して軽量化を図り最悪燃費から最高燃費に、そして目玉であったフェニックス長距離ミサイルによる空母艦隊護衛構想を捨てて、近距離、中距離での要撃任務も可能にし、場合によっては対艦ミサイルと対空ミサイルを大量搭載可能にした戦闘機。これはオーシア軍の中の可動戦闘機で最強に分類される。
しかし先進技術の使い過ぎと元からの整備の難しさ、すでにスーパーホーネットの制式採用で少数の配備に留まったが、この戦闘機をハーリング大統領からの特別輸送でケストレルで組み立てられて配備された。
そして今。実戦の時である。
<<ブービー!おいこら!俺らだけでこの艦隊相手するのか>>
「仕方ないだろ。それに俺たちだけでない。下にも味方がいるんだ!彼らを信用しろ!まずはユーク「味方」艦の後方につく奴らを攻撃する!数が多い、戦闘不能にして弾は少なめにしろ!」
<<了解です・・隊長、私は貴方を守ります>>
<<いちゃつきは後でだ!今は敵に目を向けろ!>>
スノーの言葉に全員が前を向く。
敵のミサイルが来る。超近距離戦、一瞬の油断がアウトだ。
まず素早く全機散開、ジューン、スノー、ナガセがユーク、チョッパーとグリムはオーシアの艦隊に向かう。皆が目標に目をつける。ジューンが目をつけたのは目の前の駆逐艦!
「兵装解除!ラーズグリーズ1フォックス3!」
敵のミサイルの隙間を縫って低空飛行に入って狙いを定めると、一発の対艦ミサイルを放つ。そのまま反転離脱。対空ミサイルも30mm機関砲の迎撃も間に合わず駆逐艦の腹部に命中、火を噴きあげる。
<<ユーク駆逐艦ヤヌーク戦闘不能確認!ラーズグリーズリーダーが1番だ!>>
<<オーシア駆逐艦ファネット撃沈判定!若造もやるぞ>>
<<おいグリム!俺の獲物を・・・>>
<<先輩には負けられません>>
<<可愛くねえ!!後輩が可愛くねえよぉ!>>
次に戦果を出したのはグリムである。彼は最初の頃は頼りなかったのに今では対地対艦に関してはこの部隊のトップ、ジューンと張り合っている。
チョッパーも悔しそうにするが、本当に悔しくなく、むしろ頼りにしているのが分かる。
<<敵の艦載機や増援機が上がってくる・・・注意しろ!>>
目をレーダーに向けると多方面から敵機・・・
「ナガセ、スノーさん!俺が奴らを引き付ける。対艦戦闘を出来るだけやってくれ!」
<<隊長!無茶です!>>
「無茶もあるか!今は平和の芽を摘ませない・・・自分たちのベストを尽くすんだ!」
<<・・・承服しかねます。敵艦を沈黙させ次第すぐに私も増援します>>
<<やいブービー!自己犠牲をきれいにするんじゃねえ!待ってろー、ソッコーで叩き潰して駆けつけてやるっ!>>
<<先輩・・・まずは目の前の敵からです。こちらの空母も発艦しようとしています。合流する前にせめて甲板を壊さないと>>
<<ということだ、海軍パイロットである俺が艦隊を引き付けてもいいぞ>>
<<こちらオーシア艦シバリー、これでもイージスでな!ちょっと待ってな、今からそっちで無双してやる>>
<<ユークよりまずは合流だ!ラーズグリーズに手間かけさせんな・・・まあ体制整ったら暴れよう>>
<<了解だ!>>
自分で言うのもなんだが・・・やはり
「この部隊は自分ら含めて周りもやかましいな!!分かったから早く倒して助けてくれっ!!」
<<<了解!!>>>
正直この戦力差、ひっくり返せないし、増援は絶望的と分かってもうれしいものだ
隊の結束が強まったとき、突如無線に何かをひっかく音が聞こえる。そして次に聞こえてきたのは・・・
「音楽?」
女性の透き通るような美しき声
<<なんだこれは?!>>
<<JorneyHomeか・・・いい曲だ>>
<<敵の音楽だ!早く止めろ!>>
敵味方全員が困惑する。音楽の発生源は・・・
「艦長か・・・ケストレル艦長が流してるぞ!」
あの人は・・・この海戦が希望の一歩だからか・・・
<<本当にいい曲だ、俺たちにも手伝わせてくれ>>
「どこからの無線だ?」
聞いたことない声にジューンが聞き返す。ケストレル司令部から
<<!?、方位040、ユーク戦闘機部隊・・・え?>>
<<どうした?>>
<<ゆ・・・ユークとベルカが並んで・・ベルカの所属は・・・シーフェスディス!シーフェスディス海軍航空隊だ!>>
ユークとベルカが並んできている?!そしてやってくるのは、ユークのSU-35にベルカのSU-33
<<こちらユーク731航空隊、元首の言葉で風向きが変わったことを知った。俺たちも加えさせてくれ!海軍も今こちらに来て対艦ミサイルの準備中だ!>>
<<空母シーフェスディス航空隊だ。あのバカ夫婦以外にも精鋭が多い部隊だと知らしめる!>>
そして後方からもレーダー反応、F-15EにSU-27とF-18の混成部隊
<<オーシア空軍第12航空団と海軍航空隊、それにユーク47航空隊ただいま参上!言うこと聞かない奴らにお灸据えるために遥々飛んできたぞ!ちょっと基地司令監禁して飛んで来たから背後から追討部隊が来ているが・・・まあ気にするな!空中管制機も連れてきた!>>
<<ララーラーラーラ、我々の美声を聞きたまえ。こちらはユーク空中管制機、オーカニエーバ、君たちで言う「空の目」スカイアイという意味だ。僕以外のも来ているぞ>>
<<ケストレル派諸君に告ぐ。オーシア空中管制サンダー<<<あああああああああ?!>>>>やかましい連中だ。私語を慎め>>
ラーズグリーズの面々で無線が飽和する。この無駄な美声は・・・
<<サンダー石頭ヘッド野郎?!!>>
<<相も変わらずだな・・・私語を慎めと何度言えば分かる>>
彼はサンダーヘッド、ホーン・マクワイア少佐である。見ての通りチョッパーとは犬猿の仲である。
<<ケストレル、私たちが来たからには空の交通誘導は任せろ。貴艦は予定通り新しい仲間と合流してくれ>>
<<了解した!かたじけない!>>
<<というわけだ、ただ今をもって指揮権は我々に委譲された。各機全力を尽くせ。空母を守れ>>
<<了解!>>
この環境は・・・
<<隊長!>>
「ああ、壮観だな」
ナガセは感極まって珍しく声が潤んでいる。自分もなりそうだ
<<それでは歌で集いし諸君、敵の増援さらに確認、戦力差はまだあちらが上だが練度と正義はこちらにある戦ってこい!エンゲージ!>>
オーカニエーバの一言で各機が散開する。さて自分も
「改めて・・・ラーズグリーズ1、エンゲージ!」
愛機のエンジンを吹かす。
歌で集った軍隊は正義無き部隊に最後を告げさせる。