ACECOMBAT if ~全く違うzero~   作:夕霧彼方

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次回ナグファルム作戦編です!


天上議会

3/18

1400hrs

エウレノ空軍基地

ウスティオの対オーシア前線の一つである戦闘機基地、オーシア・ベルカ戦争開戦の同時攻撃などにより放棄が決定され、基地約1100名のパイロット、整備士、補給部隊、事務員は己の任務を全うできず歯がゆい思いをした。

しかしその悔しさは他の基地で、キャンプ地で、空で、陸で、そして海の方にも遠征し、全力を尽くし、そして・・・多少の犠牲を払い戻ってきた。

エウレノ奪還作戦においては、結川などの特殊戦術組を除いて殆どの隊員が志願したという。

現在はまだ滑走路復旧途中であり、また、落ちた仲間もいて格納庫は寂しい状態があるが、徐々に活気は取り戻していた・・・が。ここで不可解なことが起きた。

 

全軍作戦待機命令

 

徴収された予備兵と、戦時志願兵の軍務の解除が急速に進められているが、正規軍、特に空軍に関しては徹底的な外出禁止令を出している。

「あ~あ・・・行きつけの所行こうと思ったらこれだ・・・」

「まあまあ、とりあえず奪還した場所でのんびりしようぜ」

「それは1日で飽きた」

「早いなおい」

エウレノに長く在籍するベテランの整備士が嘆息をつき、同期が苦笑する。

戦闘機の整備や、何かしらのアクションがあればまだマシだが、今回は何もなく、担当の戦闘機の整備もし尽くしている。

この整備士だけでない、やっとのことで戦争から戦い抜き、家族、両親、愛する人、もしくは行きつけのバーやお姉さんに会いに行けると思ったら、奪還した喜びよりもガッカリ感が強いのは当たり前だろう。

「たく、こんな面倒なこと誰が指示したんだ・・・」

「FCMB主要全軍だろ・・・それなら上しかない」

一人が人差し指を上に向けて言う。

「上?FCMB軍統合参謀司令部か?」

軍の中枢で思いつくのはここである。片方がそうだなあと呟やいたあと、冗談めいた声で

「そこかもしれんし、もしかしたら・・・FCMB常任理事会・・・とかな?」

「なんでそんな大物が・・・」

「さあ、想像だから、1整備軍曹が分かるわけない」

「なんだそれ」

一しきり笑いあったあと

「まあ・・・何かありそうだよな・・」

「うん・・・整備、しなおすか」

「そうだな」

二人は分からない何かのために整備に全力を尽くす。それしかなかった。

 

しかし彼らが想像する遥か上では物事が進んでいた

 

1500hrs

FCMB特別総会、通称「円卓」

このFCMBには死守せねばならないと同時に、最重要なものが、B7R通称「円卓」そこから取られた、会議メンバーで最上級な秘密議決機関。

その円状に席が並び、中央には説明係や、巨大スクリーンが・・・

今ここに、統合参謀総長である、ベルカ軍参謀総長、ベルク・ルナセール上級大将、統合副参謀長であり、ウスティオ最高司令グラン・バッシュ元帥、ベルカ軍参謀次長ザンナル上級大将、以下20名の各国軍の重鎮。

さらに各国外務大臣、特任大使に外交官長に外交官。

極めつけはFCMB諸国元首と、軍、外交、国務の最高決定機関のメンバーがそろい踏みである。

だが、円卓は重要と恩恵と同時に、常に権力者を虜にし、国民が左右される「厄介」なもの。この会議を知る護衛メンバーは主に後者の方の意味・・・厄介で怖い奴でもあると言っている。

 

「さて、今回この場を設けさせていただいたのは、国境なき世界とその仲間とみられる将兵の脱走についてだ」

「事態は急を要するが・・・随分遅いじゃないか」

その言葉に、国務、外務関係者の目が光る。言葉の主は

「おっと、失言をした・・申し訳ない」

と言いつつも全く反省しない。彼の名はネガル・センチュ、ベルカ初の外国登用将官である。

「ネガル、口が過ぎるぞ」

「・・・」

ザンナルの冷静な窘めに、ネガルは一転不機嫌ながらも口を閉ざし一応反抗的な姿勢は解く。

しかし、彼だって納得はできていない。

 

本来、この議題は早急に対処すべき特A級カテゴリの事案。しかし、軍の不手際を槍玉に上げた国務と外務は独断を禁止、ここに文民統制という最強の矛を持ってここに持ち込んだのだ。

それをするために各国軍に圧力をかけて無意味な作戦待機命令も出した。

既に主力はもちろん、かなりが脱走し、むしろ面倒が多い作戦待機命令は無関係な将兵を苛立たせている。

まあ、軍の不手際が起こしたのは確実だが、オーシア・ユークでも国境なき世界が大きく侵食しているのはこちらが原因ではない。

 

実際、現在戦勝国の我々がする外交は外道だ。そして敵であったオーシア・ユークもだ。

 

核に侵されたオーシア北部地域を賠償としてベルカに差し出しつつ、軍人恩給の停止と国民を見捨てる姿勢のオーシア

いくら大量の石油があろうとも、不良債権でしかない土地を拒みつつ、侵食していた円卓に加え、オーシアで貴重な健在な重工業都市を賠償金と一緒に大きく割譲しようとするベルカ

融和を叫びながらも軍事政権と化した国家の奪還のために、ろくな後片付けもせず次の戦争に向かうユーク

最小限の兵力ながら、変に大きな実績を残し、それを元手に資源地帯からの輸送量の大幅なコストダウン、海峡の制限撤廃を要請するサピン

そんなことどうでもいいから、さっさと経済支援しろと叫ぶベルカ属国の弱小国

 

そして一番面倒なのが、FCMB構成国でベルカの右腕のウスティオ。

彼らの実績は連合の中で群を抜いてであり、さらに今回の戦争により大幅な発言力の向上を手に入れた。

内陸の至宝と呼ばれる資源国でありながら、元から手先の器用さから、ネジから精密機械まで、ニューコム社などの中堅軍需企業も持つ、知る人ぞ知るベルカとは違う世界有数の立派な工業国でもある。

今までは8割独立、2割構成国という名のベルカの管区に置かれ、これが円卓の資源をベルカが有効利用できたのである。

しかし、今回の戦争によりウスティオは資源の管理を共同管理とし、事実上実権をこちらに渡せと言っているのだ。

もちろん不可能だが、しかし、ウスティオはFCMBの構成国、ベルカの半属国から、サピンと同じ対等な独立国となり、円卓の管理権限の多くを移譲するのは時間の問題だ。そして、ベルカ混乱時代、同じく国境線で割かれ民族紛争をしていたウスティオとゲベートそして同じ民族が統治する数カ国、しかし領土とさらなる人的資源獲得を狙うウスティオと経済支援と独立してベルカと対等になりたいゲベート諸国が和解交渉を決行。

将来、人口が4000万を超えるウスティオ連邦、または併合され強大な共和国が誕生するかもしれない。

 

話が盛大に脱線したので戻そう

 

このように戦勝国の大義名分、敗北した国の醜き外交は、あの三国元首が手を取り合った「歴史の転換」とも呼ばれる演説の最中でも世界で繰り広げられ、中ではFCMB内でも戦いが起きていた。

悲しいが、それが国境なき世界がさらに大きくなる格好の名目になるとは予想もせず・・・。

 

そのような経緯から、嫌気の差した軍の上層部の一部はこの会議をボイコットしている。ネガルはその中ではよく耐えているほうだ。

 

議長に任命されている、ベルカの国務長官、ソーラは軽く咳払いし続ける。

「さて、国境なき世界についてはあらかじめ資料に目を通しているだろう。現状、我々がやるべきことは・・・国境なき世界が世界に露見する前に撃滅の必要があるということだ」

「そんなことはわかっている。だが奴らの本拠地が掴めない」

「軍では情があるかもしれんのでここは・・・」

「異議あり。議長始めなぜ我々の意見を聞かない」

 

このあとの流れではほとんどが、自分たちの流れにしようとする会議になったので割愛をする。

しかし、何とか決まった要件もある。

 

1.軍の作戦待機命令の解除

2.重要人物と思しきもの、またはスパイを発見次第拘束する。この場合疑わしきものは全員を監視対象とする。

 

一見すれば何を今更だが、次の要件は軍が大いに揉めた。

 

3.軍の統制に関し、期限付きで国務長官以上のサイン、及び議会の審議、国防省の許可がない限り戦闘の許可は出来ない[突発的な正当防衛を除く]

 

しかもこの期限は無期である。

軍の制服組主体であったのを気に食わないと思う幹部が、この失態を槍玉にあげ、更なる文民統制をかけたのだ。この時期になってもこのような行動をするのは、無謀とも言えるが、それが彼らの考えた嫌がらせなのだろう。

こうして、軍の行動に制限がかけられたのが、後に大きな悲劇をもたらす・・・。

 

そして、このような醜い会議を水面下に沈める、英雄の正義の戦闘、ナグファルム撃滅作戦が実施される・・・。

 

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