ACECOMBAT if ~全く違うzero~ 作:夕霧彼方
途中でパソコンフリーズ&データ飛びで心折れそう
空には多国籍の空軍、彼らの向かう先で何かが落ちた。
「おいおいおい、おれっちは夢でも見てるのか?またアークバードでも目覚めちゃったかな?」
「そんなはずはないのだが・・・」
チョッパーの言葉に自分も頷きたくなる。しかし、青白いレーザーと違い、かの奴は一閃のようなものを感じた。
ナガセに至っては
「え・・・・なんで・・・」
「まるで隕石みたいな流れ星のような」
「どういうことなんだ?」
ああ、俺含めてこの部隊はやはり若輩者集団だな。ジューンがそんなことを考えていると
「ああ・・・なるほど」
そんな中でひとり呟くのが、ヘルエンジェル隊隊長にしてここの最年長、ギュンターが察する。
「なにか分かるのですか?」
<<ああ、こりゃ流れ星だ。地上から放たれるストーンヘンジともいう>>
「?!!!なぜユージアの兵器が?!」
<<知らんよ、まあ恐らくはあのユークの妖艶な姉ちゃんの差し金と言った所か・・・言うだろ?ユージアとユークは三度の飯より火力馬鹿って>>
「それは知りませんが」
<<全機私語を慎め!ブレイズお前が喋ってどうする>>
「すみません」
調子に乗りすぎた・・・。それを見過ごすわけないチョッパーが
「おっ、ついにブービーも仲間か?」
「死んでも御免だ」
<<ラーズグリーズ3、貴様は譴責な>>
「おいおまっ・・・てかサンダーヘッド、それは重すぎだろう!!」
チョッパーの言葉に全員が爆笑する。
現在この空にいるのは約25機、陸海のあらゆる場所から飛んできた連合部隊。もっと出したかったが、前回の戦闘で大分疲弊してしまった。その代り一機一機丁寧に万全の状態にし、質は最高の状態だ。
今、戦闘が始まる。
<<全機聞け、敵の浮上音を確認・・・間もなく上がる。君たちの距離から約55マイルだ>>
サンダーヘッドの言葉に全員がさっきと打って変わり真剣になる。
<<浮上と同時に敵を仕留める。奴らは前二つの艦とは段違いと聞く>>
<<俺たちに任せろ!>>
そう言うと一気に低空飛行に入る対艦攻撃隊。彼らの操るSU-33、ラファールなどには対艦ミサイルが満載である。
この一撃で敵の対空システムを潰しつつ、ヘルエンジェルによって猛攻を加える。
しかし・・・
<<まて、味方の哨戒ヘリが・・・・・全機退避!>>
「え・・・・」
流れるはミサイル警報、それも凄まじい数だ。
<<敵はなんてもん出してきた!>>
<<これは・・・避けるな!>>
<<は、殺す気か?!>>
<<違う、これは嵌められた>>
だが遅かった、敵は戦闘機を補足していなかった。全ては時間稼ぎのため、そして防空体制を万全にするため・・・
「全方位対空ミサイルとは・・・」
<<言ったろ?だからユークは火力馬鹿。投射量が違うんですよ>>
<<のんきなこと言っている場合ですか!>>
ギュンターの豪快な決め台詞にユーマが即座に突っ込む。
<<敵が完全に浮上したみたいだ・・・何機もの航空機をレーダーで捕捉!艦船データから有人機と無人機の混合編成だ!>>
<<リムファクシは全部無人機だったぞ>>
<<秘密裏に作っていたから無人機の製造が間に合わなかったのかもしれないな・・・それよりも敵の迎撃がくるぞ!>>
ギュンター視点
敵の攻撃が止まない。
それどことか一気に接近を仕掛けてくる無人機に右往左往の状態だ。
<<くっそ、あがらねえ・・>>
<<レイジア隊、無茶だ!ミサイル捨てろ!>>
低空を飛ぶレイジア隊のSU-33は明らかに上昇が遅い、非常に重い対艦ミサイルをフルで背負ったままで戦闘に突入するのは至難・・・いや、無謀だ。
高度を稼いだのちに一気に突進を仕掛ける無人機集団。
「ああ、こりゃ無理・・・と思ったけど・・・」
ギュンターは独り言を呟く、その瞬間
無人機とレイジア隊の間に挟んで一気に短射程AAMを放つF-14、間違いなくラーズグリーズの機体だ。
<<早く上がれ!>>
<<ラーズグリーズ・・・申し訳ない!>>
<<さあどうする?!敵さんから一杯来たぞ>>
皆が皆奮戦する・・・しかし急速に迫る無人機、それに劣るが確実にこちらを落とそうとするユーク選りすぐりのパイロットで構成された有人部隊。
ベルカ・ファト・オーシア連合部隊なら優勢を取り、そして時間はかかるが確実に倒すだろう。しかしこんな所で時間を食っているわけにもいかない。敵は完全に槍が発射されるまでの事実上の肉壁だ、全力で戦い、そして対艦部隊を優先的に妨害、撃墜しようとする。
<<くそったれめ!敵の奴らここで死ぬつもりだ!!>>
<<さあどうする?どうしたらいいんだい?>>
<<俺に聞くな!AWACS応えろ!!>>
<<サンダーヘッドより・・・これは・・・難しいな>>
<<か~、つっかえねえ!!>>
ノースポイントの方だかでのことわざ、三人寄れば文殊の何チャラというが、この場合においては戦闘機脳の奴らが数人集まっても駄目みたいだ。
さて、この僅かな時間、ミサイルは飛ばせない、敵は特攻、味方は大混乱。
こんな時はどうするかって?そりゃもちろん
「俺たちが戦うのはいつ?!今だろ!!」
言い切った瞬間にギュンターはぐんと愛機を加速させる。後方に居たのにあっという間に最前線だ。
<<ちょっ・・おい!>>
<<ヘル・エンジェル!何をやってる>>
「うるせえ!てめえらがグダグダしてるの見かねて突っ込んでんだよ!見て分からねえか!俺が全力で突撃してやる!地獄の天使、ここで本領発揮だ!!」
目の前から迫る敵部隊をすり抜ける。対艦部隊に張り付いていた無人機たちは一瞬理解に遅れながらも艦内でコントロールするパイロットはやがて気付き急反転、有人機部隊は迎撃しようとする。
しかし、一度発破をかければこちらのもの
<<うちらは特攻する味方を見捨てろと言われているか?!>>
<<<否!!>>>
珍しく大声なジューンの掛け声に全員が反応する。
<<ならば突破するのみよ!全機鬨を鳴らせ!!!>>
<<<おう!!>>>
<<ありゃりゃ、うちの隊長が目覚めちゃったみたいだ、こりゃうかうかできねーな!グリムよ!>>
<<そうですね、先輩!>>
<<私は一番機そしてヘルエンジェルを守るのみ>>
ラーズグリーズが反転する無人機を叩きにかかる。
<<トゥルより、いつ以来かまた貴隊の護衛が出来ることに光栄を感じる。そして全力を以て血路を開く。2!>>
<<了解です!叩いてみせますこのくらい!>>
トゥルブレンツの2機が先行して無謀の中に躊躇いなく飛び込む。多数の敵と互角以上にやりあう。
<<こちらレイジア隊、すまないが対艦ミサイルを積み過ぎてAAMが少ないんだ、だが最後まで見届けさせてもらおう。作戦変更、全機投棄!>>
レイジア隊は対艦ミサイルを捨て身軽になり、少ないAAMを以て突進する。
そして後ろを見れば
<<隊長、地獄なら一緒に行きますよ>>
<<敵の弾幕に・・・自分の弾幕は効くのかな?ふふっ>>
付いてくる部下たち、彼らに怖いものなどない。だが
「てめえらはそこで待ってろ!」
<<しかし>>
「これは・・・命令だ」
全員が聞いたことのないギュンターの本気の声、彼らは一瞬にして彼から離れる。しかし一機は
<<隊長!いくらなんでも無茶です!>>
ユーマだ、まったく、こいつと来たら
「お前は来るな」
<<隊長!>>
「帰れ」
端的に命令する。彼女は、僅かに間を置いた後静かに了解と呟き、離れる。
そう、それでいい、部下に手柄は取られたくない。そう死ぬ覚悟の手柄を
足の震えとかない、心臓はこれからの攻撃に対しての機体に高鳴らせ、そして脳はこの弾幕はいつ以来か考える。
ああ、自分、今まで以上にハイになっている。そして
「今からぶち込みにいくんだから大人しく待ってろ!!」
完全に昔の自分に戻っている。ユネースト、ラティオにウスティオ、ベルカ国境でも、凍土や砂漠、山岳に平野に渓谷に幾度となく死線に投じられ、整備もままならない、頑丈さだけを信じ、敵の対空砲火に晒されながらも爆撃したり掃射したりしていた日々を。
正直、この機体は時代遅れである。今でも歩兵の特火点としての有用性はある。しかし敵の歩兵、戦車を倒す費用と被弾して修理する費用の効果、空軍にかかる負担、更に時代はマルチロールに進み、制空、攻撃を使い分けてた戦術空軍気質のベルカから、マルチロールの戦略空軍となり、海軍増強をきっかけに兵站強化と戦闘機減勢を始めようとしている。
今回の戦争でもA-10は活躍したが、同時に空軍のお荷物となった。
どうせ、時代はもうこいつを必要としなくなる。その前に
「最後の敵はお前にしてやる!!大人しく・・・死ね!!」
高度を上げる。
上げてから敵の真上、大きすぎるクジラの全容を視認する。
「おーおー、敵さん大きいなぁ、いったいどれくらいするんだい?」
潜水艦とは思えない弾幕がギュンターに集中する。
とにかく凄まじい弾に当たり、機体が悲鳴を上げる。
「まだだ、まだだよ・・・」
遂に機体の翼が取れ、操縦系統に著しいエラーを示す警報が木霊する。
潜水艦内部は読み取れないが、恐らく俺に対して恐怖を抱いてんじゃねえか?
全く、見えないのが残念だが・・・
「全員、仲良く海に沈みなっ!!」
咆哮一発、ギュンターは爆弾を投下、同時に自慢の30mmガトリング「アヴェンジャー」を起動させ掃射する。
ナグファルムに当たった爆弾は爆発、そして掃射を受けて一気に機能を失う。
<<隊長!!!>>
おお・・・この声は・・・
「泣いてんじゃ・・・ねーよ、この位は我らA-10乗りなら普通だぞ?むしろ、25年前の方が歯ごたえあったぜ」
<<そんなの昔で今は今です!>>
ユーマの嗚咽交じりの声に、ギュンターは苦笑して、痛みを覚える・・・ああ
「やべえ、脚・・・被弾してる」
パイロットスーツがズタズタな足の部分は真っ赤に染まり、肉が見える・・・こりゃもう使い物になんねーな。
だが、この勝利の代償なら・・・安いものだ。そんなことより部下のケアだ
「そう言うなよ・・・やりきったんだから・・・。あとは任せたぜ。」
<<ええ・・・やりきってみせます。だから隊長・・・少しの間待っててください。必ず助けます・・・そして、私は伝えないといけないことがあるんですからっ!!>>
<<<おおおっ!!!>>>
一転して自信に満ちた声、そして後半の乙女の声に、しばし激戦を忘れて全員がはやし立てる。
「おう・・・期待してるぞ」
被弾した機体はやがて上手く着水する。
くそ、いい女だよ。いい女だからこそ俺に惚れた理由が分からねえ、しかし
「今は生き残ることが先決だ」
血を流しすぎて朦朧とし始める意識の中、ギュンターは止血の道具を取り出す。
必ず生き残る。そして愛する部下の言葉を聞いてやる。
それが男の目的となった。
そして対空火器の大半を失ったナグファルムにA-10が迫る・・・。