ACECOMBAT if ~全く違うzero~ 作:夕霧彼方
「浸水警報!!」
「応急修復部署を挙げろ!浸水区画を最小限に!」
ナグファルムの全員が艦を最後まで持たせようと努力する。しかし敵の猛攻迫る寸前、このような行為は無意味に近い。
だが、その無意味に意味を持たせるとしたらただ一つ、ここの最大の武器を出し切ることだ。
「艦長!」
「応急要員はミサイル、操舵要員除いて全力であたれ、安心しろ、我々の勝利だ」
グリスがにやりとし、命令を受ける艦員が笑顔になる。
「それでは、発射できるのですね!」
「ああ、奴らが炙り出してくれたおかげで、やりやすくなった。さらに特攻をしかけた攻撃機君は最大の失態を犯した」
ストーンヘンジという超兵器により海面に引きずり出され、A-10の改造ガトリングにより穴だらけの上に乗員の半数は原型を留めず、無事ではない・・・が、命と引き換えに、海面に出たことで周辺の情報と天上議会の行われている都市までのデータ入力が早くに完了したうえ、ミサイルたちは生き残ったのだ。
「少し冷や冷やものだったが、これで我らの願いは叶った。それでは行こう」
グリスは躊躇わずに、フィルフィーリエの解除のカギは既にすべて差し込んである。あとはスイッチを押すだけ。
「我らの・・・勝利だ!」
グリスは喜びと共にスイッチを押す。そして、ミサイルハッチは一気に開き、そして轟音を上げて飛んでいく数十発のミサイル群が飛んでいく。それを確認すると、全員がまるで戦勝したように雄たけびを上げる。
グリスの隣にいる副長もその厳つい顔に似合わず歓喜で涙目になる。それを見たグリスはこう問う。
「副長、君はこれに喜んでいるように見えるが、本心はユークの土を踏みたかったのでは?」
「何を言うのですか」
副長は即答する。
「潜水艦乗りは深海こそ真の死場。最後に敵の咢を食いちぎる戦果を持って死ねるならなお本望!」
「ああ・・・同じ気持ちだ」
瞬間、彼らの世界は、情け容赦ない爆弾とミサイルの嵐によって白く飽和され、そして赤く、そして深海のように黒く染まった。
達成感を味わいながら逝ったナグファルムに代わり、慌てるのは空の精鋭。
<<どーいうこった!奴らミサイル撃ったぞ!>>
<<見りゃ分かるよ!迎撃は?!>>
空の精鋭たちは慌てるが、どうしようもないのが現状だ。
一気に跡形もなく轟沈させた潜水艦は、最期の力を振り絞り、22発のミサイルを放ったのだ。燃料気化爆弾よりも広範囲で、ナパームより性質悪いミサイルを・・・
<<慌てるな!弾道ミサイルじゃなきゃ何とかなる・・・はず!>>
<<楽観的思考はありがたいが、今は確証が欲しいんじゃい!>>
そう、弾道ミサイルなら絶望的だが、奴らは巡航ミサイル、レーダーに映りにくいが止められないことはないはず・・・
「早く防衛部隊と狙われてる地域に連絡を!」
<<・・・あ~、後方の防衛部隊は大丈夫だが、街はダメだな>>
「何でだ?!」
ジューンが叫ぶ、オペレーターは至極落ち着いた声で言う
<<奴らの目標は天上議会・・・簡単に言えばFCMBの全権を握る者たちが集う街に打ち込んだからだ、文官たちは開戦からの軍の独断を嫌い、避難警報が出て・・・更に街にミサイルが落ちれば間違いなく議会にダメージを負う、同時に軍、政治に大ダメージと軍への不信感も大きくなる>>
<<全くもってすべてがダメじゃねえか?!>>
チョッパーが叫ぶ。
<<そうだ・・・だから本当に後ろの奴らに賭けるしかない>>
オペレーターは悔しさを隠しながら冷静に言い放つ。結局勝ったか負けたか分からない。
<<ド阿呆!>>
次の瞬間、大きな声が無線越しに全員の耳に入る。
<<隊長!>>
そう、ナグファルム撃沈に大きく貢献したギュンターの怒声。ユーマが声を掛ける。
<<俺らは俺らの仕事をしたんだ・・・それに、うちらの軍を甘く見ないでくれるかなっ?!>>
<<おい、あんた大丈夫なのか?>>
<<あっ?脚が一本吹き飛んだくらいだよ、命よりか安いだろ>>
チョッパーの言葉にギュンターは当たり前だろと言わんばかりの答えをする。
<<十分やばいよ!>>
全員が突っ込む。
<<逆に考えるんだよ・・・俺らの働きで100発ほどあったミサイルの5分の4は消滅させたとな・・・ああ、悲観的なこと考える奴が多いから死にそうだ>>
<<死なせるかあぁ!!こちらシー・ゴブリン、あと5分で到着する!とりあえず突っ込むから周辺警戒頼む>>
そうだ、今はこの窮地を救った英雄を助ける事しか出来ない
そのやきもきした気持ちは晴れることがない・・・やはり自分たちは・・・
「負け続けの私の連敗記録は伸びるか」
ケストレル艦長アンダーセンは帽子をかぶり直し静かに呟く
「・・・」
作戦指揮を執っていたナスターシャも黙る。
「空の戦士たちにも満足な結果も与えられず・・・そして君の行動も無駄にさせた」
「無駄ではありません。我々は結果は出ています」
「いや・・・負けだ」
オーシアをとにかく愛し、空母という貴重で失ってはいけないものをほぼ無傷で守り、幾重の海戦、不利な事態でもこの指揮を全うし、ひいては艦隊を勝利と栄光へ導いた人間。
しかし彼は口癖のように負け続けという言葉を使う。いったい彼の勝利とは・・・
「不愉快になったら謝るよ」
「いえ・・・若輩者の私ですが、一つお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「うん、なんなりと」
アンダーセンは穏やかにナスターシャの方を向く。20以上離れる老兵に・・・畏怖と尊敬を持って、改めて聞く
「艦長・・・貴方の勝利とは?」
ナスターシャの言葉に、アンダーセンはふっと微笑し
「勝利が次の戦争にならないとき、それが私の勝利だ」
失礼するよ、彼はそう呟いて艦橋から降りていく、彼の言葉にナスターシャはああ、と呟く
あの人はどこまでも現実を知りながら理想を夢見る軍人なんだ。
老兵の背中を見て納得する。
廊下を歩きながらアンダーセンはため息を吐く。
また、負けてしまった。もしかしたらやっとつかめるかもしれないと思っただけに残念は大きい。
アンダーセン、彼は実を言えばラーズグリーズ隊の大先輩にあたる御仁である。
何が先輩かというと、彼はF-14を操り、オーシア3大艦隊と呼ばれる国防艦隊で活躍し、特に、本土守護、決戦の第一、世界即応の第三とは毛色が全く違う先陣を切る猛者の集まり、戦陣の第二こと第二オーシア国防艦隊、その中の最精鋭第4空母航空団18海上航空隊でパイロット、先任、更に隊長と長年在籍し、戦場では「流星」の異名を持つ猪突猛進と見せて冷静な、引退まで12機の撃墜スコアを持つエースであり、また対地ミッションにおいての戦果もトップクラスであった。
だが彼らの航空隊は実力があっても平和の使者にはなれなかった。
勝利は常に敵の恨みを買い、次の戦闘を誘発させ、だからといって負ければ味方が危険な目に陥っていく。
平和を愛し、海軍に入隊した彼に待ち受けた洗礼は、平和を作ることの出来ない現実だった。特に最前線部隊に長く居て、時代は冷戦の代理戦争が良く勃発していた時代、歪んだ思いは更に大きく歪んだ。
そして今も彼は探している。戦争のない世界を、本当の抑止力以上の、平和が次の戦争にならない英雄の翼を・・・理想かもしれない、だが彼は少しそれを掴みそうだとも思っている。
死を降り注ぐ黒い亡霊、だがその死を降らせながらも平和を作る力もあると感じている。
まだだ・・・私はまだ見守らなければならない。真の平和の鳥たちが飛ぶ姿を。私を常に真の勝利へと導いてくれる、私が出来なかった英雄を・・・。
ナグファルムの最期の攻撃から5分後
弾着まであと39分
安定翼を出したミサイルはマッハ1近くの速さを持って天上議会が開かれるベルカの街に突っ込んでいく。
「てめえら準備しろ!迎撃準備だ!!」
「なんですか?穴掘るお仕事じゃないんですか?!」
「本業は違うだろ馬鹿野郎!」
作戦待機命令で防空線の秘匿陣地に展開したまま動けないでいた対空部隊が警報と同時に動き出す。
ベルカ中距離対空ミサイルT-12、射程45kmのベルカ版簡易パトリオットとも呼ばれる。
指揮を執るは対空ミサイル大隊の少佐ベリック、8基64発のミサイルが一斉にくる方向へと指向する。
「ミサイルレーダに捉えました!数は・・・15、報告より少ない」
「妨害波か・・・一応聞くがこれは民間機で無いな?」
「どこの国に高度1000フィート未満で編隊組む航空機がありますか!」
「だよな、発射用意!目標はユークの槍だ!こいつは仲間を多く殺した兵器だ、俺たちが潰す!」
「おうっ!!」
レーダ装置から情報が伝達され、それを人の手で情報解析、狙いをつける。
「隊長、先頭のミサイルが妨害波で盾になるとの情報もありますし、こいつは近接タイプ、本場のヒットトゥキル方式でない・・・ここからでは恐らく初弾10発狙って7発が最も良いかと」
冷静な情報士官の言葉にベリックは苦笑しつつ
「現実言うなって・・・まあ、我ら本土守護せし119対空大隊、んなこと言ってる場合じゃない!イヴレア山顔負けの防空を見せてやれ!」
「各発射班用意!目標変わらずこちらに突っ込む」
「間もなく敵のミサイル射程に入る。全基気を抜くな!あと随伴歩兵はさっさと退避しろ!」
警報が鳴り響き、護衛の歩兵たちは逃げていく。
相手方のミサイルは生存戦略も前世代のもの、対するこっちは2004年採用兵器、負けてたまるか!
「5秒前・・・3秒・・・発射!」
「うてっ!!」
8基の発射機からミサイルが2本ずつ計16本飛んでいく。
「ミサイル敵の巡航ミサイルに迫る、インターセプトまであと30秒」
時間が長く感じる。こいつが外れれば、次のミサイルは更に距離が狭く当てにくい・・・。
「ミサイル同高度、間もなく当たる・・・・。5秒前・・・3秒・・マークインターセプト・・・なっ」
「どうしたぁ!!」
レーダー担当士官の歯切れの悪さに、嫌な気配を感じたベリックが大声で聞く。
「・・・、わが方のミサイル的に翻弄され撃墜数3、繰り返す撃墜数3!」
「くそったれ、奴らの編隊が崩れているうちに次弾叩き込め!高射機関砲部隊!てめえらも進路上にミサイル来たら撃て!」
「撃っていいんですか?!」
「構わん!やれ!」
「イエッサー!」
機関砲部隊は通信を切ると射撃体勢に入る。
矢継ぎ早に次弾へ移るが、正直焦りと不安しかない
「くそったれめ、精密より飽和のユークのくせに良いジャミング使いやがって・・・・ミサイル迎撃からデータ回収にも全力で当たれ!奴ら、カタログスペック越えた奴飛ばしてるぞ!」
「アイサー!」
データ回収担当がレーダ士官と相談を始める。
「後方にはなんと」
副官がベリックに問う。ベリックは悔しそうに
「後は頼む・・・それだけうっとけ」
「・・・了解です」
副官は追及せずに素直に聞く。
情報を素早く後ろに回すのも任務の一つ、しかし
「やはり納得いかん!陸軍の意地見せろ!全発射班用意!」
ベリックは気を取り直して次の迎撃弾を指示する。
弾着まで30分
ベルカ北東部スレニア国際空港管制塔
FCMB空軍が所属する官民両用の空港であり、ついこの間までは軍事基地としていたが、やっとこ民間機の利用も許可された矢先であったが・・・
「スレニアコントロールよりベルカン122便!離陸の中止を!」
「オールウスティオ244便高度4500フィートアラウンドゴーを願います!」
管制塔ほか民間航空機を誘導する者たちは慌てている。なぜなら
「何でやっと平和になった空に戦闘機飛ばすんだ?!」
「分からないが上からのお言葉だ、やるしかない」
「空港運営全要員に告ぐ。空軍用はもちろん民間機用滑走路も現在緊急で空軍の利用が決定した。航空発着の全ては空軍航空部隊を上位にせよ」
「了解!!」
一方滑走路から即応するのはベルカ第11戦闘航空団分遣隊のSU-27、2機、そしてウスティオ第117戦術航空小隊SU-37の2機
そして
「なんだあのオンボロ?」
「知らんか若造」
管制塔の最年少が疑問を口にし、50を越えるベテランが突っ込む。
「ありゃMIG-21、俺とほぼ同い年生まれでつい最近まで生産されてていた傑作機だ、まあベルカではもうほとんど居ないが」
4機の新鋭の機体に負けぬ威圧感を出すMIG-21、ユークで開発され世界でライセンス含めて1万機以上生産されたベストセラー戦闘爆撃機。それの最新世代だが、それでも25年ランナーだ。
「あれが役に立つんですか?」
若い方の疑問はもっともだ、そしてベテランは
「あ?てめーはもう少し勉強してからコントロールに入れ、確かに見劣りはするが、中身は違う・・・世界最強のフィッシュヘッドだ」
そして戦闘機たちは上がっていく。この新鋭4機はあくまで補助、メインはこのMIG-21、この機体がすべてを変える。
弾着まで20分
ベルカ北西部渓谷
「あーー、くそっ!敵のミサイルを捉えられない」
<<あと・・・あと7発・・・>>
迎撃するベルカ空軍、サピン空軍のパイロットはこらえきれず叫ぶ。SU-27、F-16、F-15Sの計12機をもってしてもだ。
最初は順調に落としていたが、ベルカ公国の北西部は山岳、渓谷が入り乱れた地帯、そこを低高度で縫って飛ぶミサイルを追いかけるのが難儀なのだ。必死に食らいつくも、対空ミサイルが中々打ち込めない。更に言えばもっと増援が欲しいのに来てくれない。
理由としては、天上議会に察知されない程度で、尚且つ国境なき世界、灰色の男たちとのつながりが薄く、命令に忠実な人間を選抜するとこれでも頑張ったほうなのだ。
だがそんなこと知る由しない現場のパイロットにとっては苛立ちの対象でしかない。
<<敵のミサイルが渓谷を抜けたらまずいぞ・・・>>
<<ああ・・人口密集地域だ>>
今までのルートは人口の密集も少なく、撃墜もまだ出来たが、あと少しで都市部に入る。そうなれば戦闘機の音速に近い行動を低高度では行えず、かつ、攻撃がバレレば天上議会にも察せられる。
状況が最悪すぎる。
そんなこと考えている時間がない
<<こちらマクロマジックより対応中全機!あと75秒で厳戒ラインだ!>>
<<・・・越えたら・・・>>
<<間違いなく平和が崩れる・・・>>
弾着で一発でも受ければ最悪の事態・・・だが回避したとしてもラインを越えれば確実にばれて戦争の再燃、憎悪の連鎖それどころかFCMBの内部もこじれる。
「・・・よし」
ベルカ空軍中尉であるガルド・アーベルは決心した。いや、覚悟した。
<<何をする気だ!>>
「クラップ3より、ちょっとミサイル掃討してきます!」
一気に低高度に速度を上げて突っ込んでいく。
<<馬鹿やろう!!・・・>>
<<・・・?!>>
隊長や同僚の言葉は聞こえなくなる。高度は3500から一気に1000ほどに、渓谷の中へと吸い込まれる。
自分の腕に慢心や、過剰な自信があるわけでなく、ケラーマンのアカデミー出身やB7Rを担当する防空の精鋭でなく、ベルカの中で最も平凡な人間であり、そしてこれが自殺行為だと分かっている。ただ教官を唸らせたことある空間認識能力と、渓谷地域は自分の所属基地の担当防空地域、ここを踏み荒らされて黙ってられるほど誇りがないわけでなかった。
渓谷の中は人が立ち入れない、愛機のSU-27の機動性を信じ、ひたすらに追っていく。
そして最後尾が・・・
「一つ・・!」
短AAMを放つと一本目の巡航ミサイルに当たり、爆ぜる。
次、二本目は少し先にあるミサイル、妨害波を出す先頭から少し離れているからこれもAAMで落とす。
「ふた・・・」
もう宣言の暇なく次々流れる谷間を縫って追いかける。
あと45秒
ハーネスが食い込み息が出来なくなるが、既に脳は考えることをやめて生存に集中している。
目下の綺麗な川は戦闘機の音速によって波立ち、ここが一般人も容易に入る事が出来る場所で、人が居たら間違いなく吹っ飛ぶ。
そして食らいついたミサイルは次は機関砲を使う。
25mm機関砲を約1秒、70発叩き込み更に一発・・・
次は・・・?!
目の前にいきなり壁とミサイルが迫る。
やっべ・・・ミサイル落として壁に激突してのあっけない戦死か、ミサイル諦めて上昇するか・・・
しかし、考えよりも体は生存を希望した。一気に操縦桿を引き高度を取る。
「ハッ、ハッ、ハッ・・・」
<<馬鹿野郎!!地上に降りたら殴ってやる!>>
<<落ち着いてください、リーダー!それより、ミサイルあと3発・・・>>
隊長たちの声が聞こえた時、既に20秒を切っている。苦しい決断が来た
<<仕方ない、渓谷を抜け次第げき<<そこまでいらんよ>>?!>>
穏やかな声が無線を支配する。
瞬間・・・本当に瞬間である
小型の戦闘機が一気に細い渓谷へと吸い込まれていく。
「なっ・・・」
<<馬鹿な・・・あれは!>>
一瞬止めようとした管制官はやめて歓喜の声を上げる。
<<我らの英雄にして敵の悪夢・・・凶鳥フッケバイン・・!!>>
MIG-21という旧時代で機動性を追い求めるあまり安定性が無い機体、それをためらいなく渓谷へと滑らせる。
並みの・・いやそこらのエースパイロットでさえ天地がひっくり返り、状況掴めず墜落確実な機体の動作、場所での行動で彼は全くぶれず、一本の糸によって導かれるように突き進む。
残り10秒に一発
8秒に機関砲でまとめて2発
そして
<<最後まで飛んで辛かったろう。さあ、仲間の元へ行くんだ>>
50越えての年齢で激しい機動を難なくこなしたうえ、最後のミサイルに穏やかに、そして残酷に語りかける余裕すら持つ。味方でさえもぞっとする。
これが・・・これがベルカ騎士の末裔。キルレート合計47機の実力・・・。
そして人口密集地まであと3秒、ミサイルは撃墜された。
<<ふう、随分楽になったものだ・・・時に、渓谷に突っ込んだのはどなたかな?>>
「は・・・自分であります!」
自分とは4階級上のトップエースに話しかけられ緊張する。フッケバインことウォルフガング・ブフナーは、少し間をおいて
<<君は自分の実力はあるようだが、まだ未熟だ・・・例を挙げればきりがない>>
いきなり駄目出し。そりゃそうだ
<<私が君にさずける言葉があるとするなら・・・>>
また少し間を置いて
<<強くなれ・・・私なんかの老いぼれに負けぬほどにね>>
たった一言、しかしそれが全てを教えてくれる。まだ自分はこの空を守る義務がある・・・一人の英雄に頼らない・・・そんな自分を
「はい!」
力強く返答すると、ウォルガンフはよしと呟いた。
<<たく、何か怒る気失せた>>
蚊帳の外の隊長は消沈し、仲間たちはそれに苦笑する。
ともかく、天上議会、そして多くの国民の目に触れる前にミサイルは始末出来た・・・と思われた。
一部を除いて。
「よし・・・この写真はいい材料になる」
望遠レンズを使い、写真を撮った男。そいつはFCMB軍の制服を着ているが・・・
巡航ミサイルと撃墜の写真、これは後日軍から優秀なパイロット共に脱走した人間のリーダーと思われる人間によって扇動の為に使われると判明する。
未だFCMB軍の人材流出は止まらない・・・。
フッケバインはZERO時代の名前を使用。