とある蟲王の話です 
 蟲は物を考える
 かの御方と己のために

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 とある蟲王の話です
 短編なのですごい短いけど暖かい目でみてね


蟲の思いは人知れず

 

 

 

 

 

 ある御方は私の事を素晴らしいと言ってくれた

 

 ある御方は自分より強いのではと言ってくれた

 

 またある御方は頼りになると言ってくれた

 

 そして私の創造主は私の事を

 

 

「自慢の子だ」

 

 

 と言ってくれた。

 

 

 

 

 

 

 

違う、私には至高の御方のような圧倒的実力もカリスマ性も創造主の武御雷様には申し訳ないが美しさもない

 

 

そのような言葉はこの私にはあまりにも勿体無い。無論至高の41人の足元にも及ばず、同じ守護者のデミウルゴスのような知恵も無く、アルベドのように下の者を管轄することも出来ない。

 

そしてメイド達のように御方の身の回りの世話もできず只々創造主より与えられた力で武器を振るいナザリックを防衛する。

 

それでも私は栄光あるナザリックを守護するという大役を与えられた身、たとえこの体が塵になろうともこの地を守りぬくと心に深く刻み込んだ絶対なる矛...だった

 

 

ある時、至高の御方と同等の力を持つ千を超える軍隊がここナザリックに攻め込んできた。

 

その軍団はシャルティアを蹴散らしガルガンティアを粉砕し、そして私は力及ばず無様にもこの身を地に伏せてしまった。

 

 

薄れる意識の中、私は流れるはずの無い涙を流していた

 

 

 

私が倒れた後、至高の41人は1500という数を相手に圧倒的力を見せつけ一人残らず光の塵にしてみせた。

 

 

 

ギルドを防衛に成功した至高の41人はその後ナザリックの財を削り、私を含め守護者達を復活してくれた。

 

 

私が復活時に武御雷様は私の手を握り

 

 「よく持ちこたえてくれた」

 

と言ってくれた。

 

私は御方に褒められるような事は何も出来ませんでした。と言いたかったのだが、その時の私は自ら会話をすることは出来ず、下げる事すら不敬なこの頭を下げ御身の元に歩を進める事となった

 

 

 

 

あぁ...情けない、己に刻んだ使命も守れず何がナザリック最強の矛だ。御方の手を煩わせてしまい自分はのうのうと死の底でもがいている

 

 

その間武御雷様達は血を流しながら剣を取っていたのに

 

 

私は生を与えられてから2度目の涙で頬を濡らした

 

 

 

 

 

月日が経ち、御方達は姿を消すようになった

 

また一人また一人とお隠れになりモモンガ様だけがお残りになられた

 

 

きっと不甲斐ない私のせいだ。

 

 

 

 

そんな中ナザリックが異世界に転移した。この事態にモモンガ様にアルベドなどの知恵者を総動員して対処にあたった。

 

 

私はその時も何も出来なかったが、一つ違和感を感じた。

 

 

 

私は自ら言葉を発する事ができるようになった。

それに精巧に作られたレプリカのような心が、本物のになるような、そんな感じがした。

 

 

 

転移後、モモンガ様は名をアインズと変え、王国やまだ知らぬ場所へと足を運び、日々を充実してるように思えた

 

アインズ様が姿をみせない

 

他のお方の様にナザリックを去られるのか

 

私はまた悲しみで涙を流すのか

 

 

シャルティアが世界級(ワールドクラス)の精神支配を受けた時は単身で攻め込み不利な状況から一転勝利を手にした

 

 

私はシャルティアが羨ましかった

 

強敵と戦える喜びが欲しい

 

私も戦いたかった

 

それも

 

シャルティアではなく

 

アインズ様と――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん〜?どぉしたんですかぁ?コキュートス様ぁ?」

 

 

 

目を覚ますと私は湿地の小屋の中にいた

 

 

 

「ウ...ココハ...」

 

 

「ん〜大丈夫ですかコキュートス様ぁ?そんなのでアインズ様からの命令を実行できるんですかぁ?」

 

 

頭の虫達をフリフリと揺らしながら彼女は今、この現状を私に説明してくれた

 

 

「本当に大丈夫かなぁ...今さっきリザードマン等がここから送ったスケルトン達を追い返したところですよぉ。」

 

 

そうかここは...私は今、リザードマンの集落を...

 

 

「スマナイエントマ、少シ考エ事ヲシテテナ。」

 

 

今のは何だったのか...夢でも見ていたのか...

 

 

 

いやアレはたしかに夢ではなかった。何故か知らないが過去に考えた物事が滝の様に流れ込み夢の様にソレを静かに傍観していただけなのだ

 

そんな事今まで一度もなかったのにな

 

「スケルトン達ガ押シ負ケタダト...ソンナ事ガ...」

 

 

「リザードマン質も以外に策を練ってたようでぇ数は圧倒的に有利だったんですけど〜地の理を利用されて一部を除いて全滅したようですねぇ」

 

 

 

そんな、私はまた失敗してしまったのか

 

アインズ様より命じられたリザードマン集落の制圧

 

アインズ様が自らの手で部下まで用意してくれたのに

 

この件でない信頼をさらに無いものにしてしまったのかもしれない

 

失望さえされないだろうか

 

愛想をつかしてナザリックを去ってしまうのではないか

 

せっかく考える事が出来るようになったのに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はどうしたらよかったのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お....コキ....ート...』

 

 

なんだ...?

 

 

 

『おぅおぅコキュートス』

 

 

 

この声は...!?

 

 

 

『こんなところで立ち止まってるなよ。お前さんの剣が泣いてるぞ?武人の名折れだな』

 

 

 

そんな...あぁ...

 

 

 

『お前ならきっと成功できる。自分の力を見ろ、そして成長するんだ。今度は力ではなく精神的にな。』

 

 

私には...できません

 

 

 

『出来る出来無いじゃないんだよ。やるんだよ。やって失敗しても前へ進む事を諦めるな。まぁ大丈夫だよ、だってお前は俺が育て上げた』

 

 

 

おぉぉ...っ

 

 

 

 

     『俺の自慢の子だからな』

 

 

武御雷様...!

 

 

 『頑張れよ、そしてモモンガさんをよろしくな』

 

 

 

尊大なるお言葉感謝します。我が主よ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...エントマ、今カラワタシハアインズ様ノ元ヘ行ク。少シノ間指揮ヲ頼ムゾ」

 

 

 

「了解しましたぁ」

 

 

 

 

 

 

私は前へ進む

 

もう私は私を卑下することはない

 

失敗を恐れない勇気さえあれば

 

自身を変えていけると分かったから

 

私はコキュートス

 

武御雷様より命を与えられたナザリックの絶対なる矛

 

私が皆を守るのだ




 そうして話は繋がる

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