なんど頂いてもとても助かります。
今回は勘違いものっぽい話になってます。
また原作初期は主人公は関われない(関わらない)為どんどん飛ばしていきます。
どうやら原作が始まったらしい。
こないだ本部に来ていた修くんと少し話をしたが、まだC級なのにトリガーを使ってしまったと言っていた。
トリオン兵倒した?と聞いたら、微妙そうな顔になって倒したと言っていたから、倒せなかったんだろうなぁ。
まぁただでさえ出力の低いC級トリガーと修くんのトリオンじゃ、どんなに頑張っても本体の装甲を剥がせないだろうなぁとは思っていたが。
けど、3バカ(元祖)に絡まれたあとの筈なのに殴られた跡もなかったから、そっちは頑張ったのだろう。
こないだ訓練室でレイガスト弾き飛ばした後、拾いに行くと思ったら顔面を殴られてびびったわ。
修くんはいつの間にあんなアグレッシブな子になったのだろうか……。
今日あったボーダー総出でのラッド狩りは、危険区域内のとこだけ手伝った。
ラッドってどう考えてもヤバイよなぁ。
ラッドがばらまかれて、ラッドが開いたゲートからまたラッドがばらまかれたりしたら絶対やばい。
地雷は人が埋めなきゃ増えないけど、ラッドは勝手に自立して移動するっていうのが悪質だ。
というか、原作が始まってしまったということはもう大規模侵攻までにチームがほぼ組めないということになる。
どこかの隊に入っていれば、大規模侵攻の際に基地の外に出れるかもしれないのに一人だったらほぼ無理だ。
いや、でも結構ピンチだったしワンチャンあるのでは……?
「うーん悩ましい」
なんて考えていたら、イケボな全体通信が入った。
『反応はすべて消えた。ラッドはこれで最後のはずだ』
『みんなよくやってくれた。お疲れさん』
ラッドの残骸が詰められたゴミ袋が山積する公園に修達は居た。
あちこちで隊員達が帰りの準備を始めるなか、遊真が思わずといった様子で呟く。
「しかしホントにまにあうとは。やっぱ数の力は偉大だな」
「何言ってんだ。まにあったのはおまえとレプリカ先生のおかげだよ。おまえがボーダー隊員じゃないのが残念だ。表彰もののお手柄だぞ」
「ほう。じゃあその手柄、オサムにつけてよ。そのうち返してもらうから」
「え」
まさか自分に話が来るとは思っていなかった修は完全に固まる。
そんな修をよそに話は進んでいく。
「あーそれいいかもな。メガネくんの手柄にすればクビ取り消しは間違いない。B級昇進は……自力でできそうだけどまぁついでに貰っても損じゃないだろ」
「ま、まってください!ぼくほとんど何もしてないですよ!?」
「いいじゃんもらっとけとよ。オレの手柄がナシになっちゃうじゃん」
「このままクビになったら、守りたい子も守れないし、師匠に顔向けできなくなっちゃうぞ」
「っ……!」
修の脳裏に、一人で隠れる千佳の姿がよぎる。
他人を巻き込むことを恐れ、自らを危険に晒してでも誰かに迷惑をかけまいと振る舞う幼なじみ。
彼女を助けるには弱いままではダメだ。
千佳は弱い修には、頼ってくれない。
あとついでに先輩。
思わず言葉につまる修をじっと見つめる遊真。
「……なぁ。その師匠っていうのがオサムに戦い方教えたのか?」
「あ、あぁそうだ。戦い慣れてない人はまずは顔面を狙えとか、更に余裕があれば目を狙えとか、トリオン切れでも良いから勝てば官軍とかちょっとアレな感じだけど」
「ふーん」
修に戦い方を教えたやつが、少し気になった。
遊真に絡んできたバカどもと修が喧嘩したとき、温厚そうな修が欠片も躊躇わずに相手の顔面を殴ったことに遊真は心底驚いた。
他にも足払い、フェイント、相手の攻撃に対する回避、地面に落ちている石まで利用するその戦い方は全て実戦慣れした動きだった。
ボーダーとは人間と戦う組織ではないと聞いていたのに、何故修はこうも人間と戦いなれているのかと疑問だったが、どうやら原因はその師匠とやらにあるのではないかと漠然と思った。
「なぁオサム」
「なんだ?」
「その師匠って、ネイバー?」
「えっ!?」
そんなはず無いと言いたげな顔になる修だが、遊真は割りと本気で聞いていた。
バカどもに絡まれているときバムスターが出てきたが、トリガーの出力が足らず倒せないと判断するや否や、修は自ら囮となりボーダー組織付近まで誘導しようとした。
遊真は修とはまだ短い付き合いだがその性格はなんとなく解る。
愚直に真っ直ぐに、誰かの為に簡単に自らの命さえもかけてしまえるタイプだとたった一日の付き合いで解った。
そんな修が、自らを囮にしているとはいえ、近くにまだバカどもがいるのにバムスターを倒そうとせず、どこか消極的とも取れる行動をしたのは違和感があった。
格上相手に徹底的に正面戦闘を避け、適度な距離を持ち散発的な攻撃を繰り返す姿はまるで訓練されたゲリラ兵か何かのようだった。
どこかちぐはぐな修に、誰かの思想が見え隠れしている。
目的のためなら手段を選ばない、そんな誰かが。
「先輩は確かにちょっと頭おかしいなこの人って思うこともあるけど……でも、……」
口では否定しようと材料を探す修も、気付いてしまった。
どこか浮世離れしたところのある先輩は、少し遊真に似ている、と。
普段ランク戦の部屋で話しかけられるまで誰とも話そうとせず佇む姿や、何処にでもある駄菓子を初めて見るようにはしゃぐ姿。
仮想戦闘室での苛烈が過ぎるとすら思う訓練に、ネイバーよりも対人の方が経験豊富なのを窺わせる動きに指導。
ごくまれに見せる、非情とも言える価値観。
今まで考えたことはなかったが、まさかと思ってしまう材料はいくつもあった。
と、そこまで考えたところで修は気づいた。
「……正直思ったより否定できる要素のが少ない。でも、別にネイバーでも問題なかった」
「お、おう」
「先輩は先輩だ。ネイバーだからって今まで教わってきた時間や関係がなかったことになる訳じゃない。」
それは、そのまま目の前の遊真にも当てはまることだ。
「自分の目で見たことが正しいと、ぼくは信じてる」
実力派エリート「………」(まだいる)