今回原作をなぞるだけの話になりそうなので大分カットしています。
場面が解らない方はコミックス8、9巻を参照してください。
コミックスを持っていない方は絶対に損はないので買ってください。
部屋に入った瞬間、聞き覚えのない女性の声が頭のなかに響いた。
『これから貴方をサポートさせてもらうわ。オペレーターの三上よ』
『うわっ、お、お願いします!』
オペレーター勢とは全く関わり無かったから一瞬誰だか解らなかった。
頭のなかに直接声が届くっていうのは何だか新鮮だ。
なんて思っていたら横にいる諏訪さんから声が届いた。
『スライム野郎の弱点がどっかにあるはずだからしらみ潰しに攻撃するぞ!』
『はい!』
原作から単純に一人増えているのだから、早期にエネドラの弱点を見つけられるかもしれないが、それは悪手にしかならない。
あまり早くこちらの狙いを気付かれると、忍田本部長が到着する前に仮想戦闘モードを解除されてしまう可能性がある。
なので、オレはできるだけ弱点の無さそうな部位……顔面辺りを集中して狙うことにした。
それによってか、少したったあと原作通り諏訪さんが撃った時硬質的な音がした。
「おっ、今の手応え……ひょっとして当たりか」
『硬質化したトリオン反応!カバーされた部位を見つけました!反応をマークします!』
「はっはぁ!弱点見つけたぜ!」
「あーあー……なるほど、そう言うことか」
弱点に向けて更に攻撃をしようとした瞬間、エネドラの身体のあちこちから弾にぶつかる音がした。
これほんとずるいよなー……忍田本部長が来てくれなかったら詰んでたじゃん。
「くっくっく……猿が知恵絞っているのを見るのは楽しいなぁ。……死ぬまでそのレベルでキーキー言ってろ!」
「……!」
『仮想戦闘モード終了』
解ってはいたが、体内からブレードが生える感覚はなかなか不愉快なものだった。
仮想戦闘モードが終わったことにより、左腕もなくなり右手だけになった。
ピンチになった、と普通は思うだろうが、後はやんちゃ小僧(33歳)さんの登場を待つだけの簡単なお仕事だ。
「旋空弧月」
忍田本部長ー!サインしてくれー!!
その後、途中までは概ね原作通りに進んだと思う。
オレ自身はプルプルスライムエネドラくんの邪魔をしつつ、弱点をオレが撃つことがないように顔面を壊し続けたくらいだ。
後は風上をとってどや顔してるエネドラの攻撃を意識して位置取りをしたくらいか。
シールドを切っているので忍田本部長みたいに体内を守れないので必死である。
最終的に囮を使って風間隊の逆襲でフィニッシュ。
問題はその後だ。
オレは、原作知識がある。
だからこそ、エネドラのトリオン体が破壊されたときに現れるミラを予想して近くでスタンバイしていたくらいだ。
なのに、ミラは現れなかった。
「……どうします、こいつ。散々暴れて基地内を滅茶苦茶にしてくれましたけど」
「捕縛しろ。捕虜として扱う。相手は生身だ、無茶はするな。だが気を抜くなよ」
「了解」
原作なら、菊地原さんの発言があった辺りにミラが現れたはず。
しかし、エネドラの腕の発信器は反応しないし、ゲートが開く予兆はない。
エネドラも疑問に思ってか、腕の発信器を確認したが変化はなかった。
一体何が起きているのか。
しかし、ミラが来ないならこちらも対応を変える必要があるだろう。
「とりあえず、トリガーは取り上げた方が良いと思います」
「そうだな」
「じゃ、とりまーす」
と、進言しながらエネドラに近付くと、黒トリガーを取ろうとした。
「近寄るなっ!」
生身なのに左腕を無意識に庇いながらも本気で抵抗しようと身構えるエネドラ。
そのあまりにも必死な様子に、こいつにとってはこの黒トリガーこそがオレにとっての銃のような物なのだろうなと思った。
でも、そんな危ないものは日本で持ち続けることが許されないんだよなぁ。
「トリガーオフ」
エネドラも生身だし、片腕だとやりづらいのでトリガーをオフにした。
正面から近付いて、左手を取ると見せかけて右手のブレスレットを引きちぎる。
足元に落として踏み砕くと気を取られて隙ができた左腕からボルボロスを奪った。
「っ、てめぇ!ミデンの猿がぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「トリガーお願いしまーす」
エネドラからボルボロスを取り上げると、発信器を壊された怒りかボルボロスを奪われた怒りか解らないが、生身のまま掴みかかってきたので、とりあえず近くに居た菊地原さんにパスした。
ついさっき、ボルボロスを使っているときはあんなに強かったエネドラが、初心者丸出しのテレフォンパンチをしてくるのが滑稽だった。
こんなやつにわざわざトリガーオンする必要もない。
殴りかかってくる腕を掴むとこちらに引き寄せる。
踏ん張れなかったエネドラが上体から倒れかかってくるので、そのまま無防備な腹に勢いよく折り畳んだ膝をねじ込んだ。
「がっ……!」
鳩尾の良いところに入ったのか、エネドラは腹を抱えて呻いてる。
あんなに、あんなに強かったエネドラも、トリオン体じゃないとこんなに弱いのか。
痛みにのたうち回る姿に、何というか勝手なのは解っているのだが、少し幻滅した。
痛みを感じているということはまだ意識もあるし、これ以上抵抗されると嫌だからエネドラの側頭部へ蹴りをいれた。
あっさりと黙ったエネドラに、ポロリと本音がこぼれ落ちた。
「……なんだ、
この瞬間、