オレだけなんか世界観が違う   作:ろくす

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感想、評価ありがとうございます。
前回更新後の反響が思ったより大きく大変喜んでしまいました。

更新が遅くなってしまい申し訳ありません。
修側の描写に悩み、悩み、結局全カットするまでの葛藤期間でした。


やっと目標が叶いそうだ

 

 

エネドラの頭をサッカーボールみたいに蹴っ飛ばしといて何だけどちょっと引かれた気がする。

とりあえず、背中に突き刺さる視線が痛いのでトリオン体に換装した。

流石に銃は出さない。

 

 

「トリガーオン」

 

 

足元のエネドラを右手で持ち上げる。

片手でもトリオン体の方が色々と楽だろうと判断した。

背中の辺りの服を掴んで持ち上げたから服が引っ張られて腹チラしているがエネドラの腹チラとか誰得なんだ。

 

なんて、関係ないことを考えていたら一番近くに居た菊地原さんが非難の眼差しでこちらを見ていた。

原作とでは生身のエネドラをどうします?とか言っていたのは通信室の死者があってこそで、本来はそういう弱者をいたぶるようなタイプじゃないんだろうなぁ。

 

 

「ちょっと、生身の相手にやりすぎじゃない」

「すみません菊地原さん!トリオン体の感覚でついやり過ぎてしまいました」

「片手だと辛いだろうから持つよ」

「歌川さんありがとうございます」

 

 

歌川さんにエネドラを受け渡すと若干距離をとられた。

いや、流石にもう追撃はしないよ……。

 

しかし、当初の想定とは違って生きたエネドラとボルボロスが手に入ったわけだが、これはこれでありではないだろうか。

通信室の死者0人だけでボーダーに置いて貰えるとは思っていなかったが、連れ去られるであろうC級と交換できる可能性が高いブラックトリガーが手に入ることも迅さんの未来視にも見えていたのかもしれない。

これはもしかしたら、アフトクラトルに遠征する理由が殆どなくなったのではないか。

なんて思考していると忍田本部長がこちらを見ていることに気付いた。

 

 

「君は、確か……」

「あ、忍田本部長お久しぶりです」

「人伝に様子は聞いていたが、元気そうで何よりだ。ただ、」

「入隊以来ですね。さっきの弧月捌きマジしびれました!サムライみたいでほんとかっこよかったです!サインお願いしても良いですか!?」

 

 

忍田本部長のサインが貰えるかもしれないラストチャンスなんだ、是非とも欲しい!

という思いを全面に出して捲し立ててサイン帳を差し出そうとしたが、見当たらない。

 

 

「あれ……?」

 

 

開発室のおじさんに無理を言ってトリオン体に換装しても持てるようにしてもらったサイン帳が、無い。

 

 

「サイン帳……!何処に落としてきたんだ!?」

 

 

一番可能性が高い場所は……通信室だろう。

 

 

「ちょっと落とし物探しに行きます!!」

「神崎くん!後で話がある!」

 

 

忍田本部長が何か叫んでいるのを聞き流しながら、仮想戦闘室を飛び出した。

内ポケットにあるサイン帳が走ると身体に当たって少し存在を主張してくる。

部屋を飛び出した勢いのまま、修くんが来るであろう入り口に向かって全速力で走った。

エネドラが倒された時点で時間が殆ど無い筈だ。

 

 

「間に合ってくれよ……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オレは内側からドアを開けた。

ドアの真横のコントロールパネルには解析中であろうちびレプリカが居る。

 

 

『なっ……!』

「レプリカ先生であってる?」

『君は一体……』

「修くんの先輩って言えば解るかな?修くん達は今どうなってるんだ?」

『……今通信を繋ぐ』

 

 

内側から開けられるとは思っていなかったのか、驚いた様子のレプリカ。

嘘をついてここまで来た時点でもはや怪しまれるとかそんな次元ではない為、“先輩”なら知るはずもない事も気にしない。

ミラがこちらに来なかった事から、修くん達の様子が心配だったのだが通信越しの第一声から元気なのはよく伝わってきた。

 

 

『ワケわからないですよ先輩!今!ぼくが!基地内に千佳を届けるために決死の覚悟を決めようとしていたのに全部パァですよ!』

『お、修くん落ち着いて……』

「うわー」

 

 

今聞こえた女の子の声は千佳ちゃんだろうか。

千佳ちゃんキューブ化してないんかい。

色々と想定外だが、二人とも無事でよかった。

しかし覚悟を決めるってどんな覚悟を決めるつもりだったのか……。

 

 

「先輩から提案があってさ」

『提案……?』

 

 

修くん達が到着する前で良かった。

オレは心置きなく提案ができる。

 

 

「迅さんから聞いたんだけど、レプリカ先生はネイバーの船にハッキングして追い返す事が出来るんだよね?」

『あぁ。しかしそのためには船内に直接入る必要がある。子機では間違いなくハッキングする前に破壊されてしまうだろう』

「だったら、オレが守るよ」

『先輩!?』

 

 

迅さん適当なこと言ってごめんなさい。

あまりモタモタしていては邪魔をされてしまうだろう。

ちびレプリカを右手で持つと、返事も聞かずに基地のすぐそばのゲートに飛び込んだ。

 

 

『待て!それでは君が危険に……!』

『何やってるんですか先輩ー!!』

「大丈夫、大丈夫」

 

 

まぁ、船内に侵入した瞬間に真横にゲートが開いたのは当然だろうが。

解っていれば対処は容易いので、レプリカを放り出すと直ぐに銃型トリガーを出してゲートに向かって射撃した。

チラリと見えたミラに着弾したかは解らないが、直ぐに追撃が来ない辺りいい線いっている可能性もある。

 

操作盤らしきものにちびレプリカが到着したのを見てミッションコンプリートだ。

レプリカのハッキングは本当に早く、触手を伸ばして触れたか触れなかったかでボーダー基地前と繋がるゲートに異変が現れた。

 

 

『今から3分後に出発するように設定した』

「おっけー」

『長居は無用だ。外に出て身を隠した方がいい』

 

 

原作ほど切羽詰まってないからか、緊急発進まで1分ではなく3分になっていた。

まぁ誤差の範囲内だろう。

銃を消して右手を空けると、こちらに早く外に出るように促してくるちびレプリカを掴んで、船外に放り出した。

 

 

「サンキューレプリカ先生」

『!!!』

 

 

やっと、目標が叶いそうだ。

 

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