オレだけなんか世界観が違う   作:ろくす

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いつも感想、誤字脱字報告ありがとうございます。
ハーメルンの素晴らしき機能と報告者様には本当に頭が上がりません。

今回全部かくといつ出せるか解らないのでとりあえず前編だけです。

また、「オレは間違っている」の序盤を大きく書き換えました。
その後は同じですが、先輩がよりくずになってます。


先輩シャバに出る前編

今日はボルボロスではなく新しいトリガーのテストをしていた。

一定範囲から出ると強制的にベイルアウトさせられ、本人の意思ではトリガーオフができず、当然戦闘力はない特殊なトリガー。

対象を無力化、拘束することに特化しており、倒した人型ネイバーに対して殺すと言う回答のないここだからこその発想で作られたものだ。

 

テスターとしては、トリガーオンされると本人から最も遠く使いづらい体型に換装する機能もつけたらどうかと提案してみた。

トリオン体であれば怪我なんてしないんだからとことん無力化しちゃえばいいじゃん、という発想である。

今のところの問題らしい問題は、トリオン体の作成から維持まで本人のトリオンを使えないので異常に作成コストが高いことぐらいだろうか。

 

 

「お疲れー」

「お疲れです寺島さん」

 

 

ガラス越しにゆるーい感じで手を振ってくれた人は寺島さんである。

オレの身の上とか問題行動とか一通り知っているはずなのだが、全く感じない。

今握りしめている待機状態のトリガーでも生身の人間なら簡単に殺せる程度の戦闘能力はあるって言ったはずなんだけど欠片も意識されてない。

今だって、仮想戦闘室から出たオレの目の届くところに重要書類が無造作に置いてあるし、最近仮想戦闘室の外からかけるロックをかけていない。

 

流石にボルボロスを使っているときは管理の手順なのかロックがかかるが、久々に相棒を使わせてもらった時や、今みたいな新トリガーの開発ではロックをかけていないことがほとんどだ。

理由を聞いたら、「別に何もしないだろ」とあっさり言われてしまい、疑い疑われることになれたオレの常識の外に居るのだと諦めたのは記憶に新しい。

 

 

「ほんと、ロックかけてないことバレたら始末書とかなんじゃないですか?」

「んー」

「興味ないからって、鬼怒田さんに怒られたって知りませんからね」

 

 

寺島さんのデスクに使用していたトリガーを置く。

あまり寺島さんの立場が悪くなるようなのは嫌だ。

今だって研究とか言いながら、別に自分じゃなくても出来るような仕事を任せてなんだかんだ自由にさせてくれてるし、安眠用のモデルガン(形だけ)作ってくれたの知ってるんだ。

 

 

「別に、神崎が何かするはずないってのはもうテストしたから」

「へっ?」

 

 

いつの間に!?

された覚えないんだけど?!

混乱するオレを横目にデータを保存すると、置いてあった重要書類を指差しながら何てことない口調で続けた。

 

 

「神崎さ、これ読めるでしょ」

「いや、流石に会話は頑張りましたけど文字の方までは手が回ってないので」

「ってことになってるだろうけど、さっき渡したテスト概要小学生レベルじゃ読めない単語とか使いまくってるから」

 

 

う、迂闊……!

オレはすっかりふ抜けていたようだ……!

当然のように渡されたから当然のように始めてしまったが、そういえばいつもより難読漢字とかあった気がする。

 

 

「ちなみに前のキャリアは?」

「キャリア?何のことですか?」

「とぼけなくていいから。長期間スマホ使ってたの手の形で解る」

「……リンゴの6Sでした」

「パソコンは?」

「窓10強制アプデで泣きましたよ色々」

「じゃ、後でこれ電子化しといて」

 

 

そう言って渡してきたのはテストで気づいたこととかがびっしり注釈された設計図で……この人ほんと警戒心というものが無いな!

政府にバレたら困ったことになるかもしれないから隠してきたのに……「わるいこと」沢山してきた身で何を言うかと言われたらぐうの音も出ないのだが。

 

 

「い、いや、いくらなんでもパソコンは不味いですって」

「あっあと鬼怒田さんにも言ってあるから」

「はぁっ!?」

「トリガー試すのはいいけどそれ以外の作業のが多いんだからデスクワーク覚えさせていいですかって。どうせ神崎はここにずっといる可能性高いんだからその方がいいだろって」

「まじかよ……」

 

 

今までほんとーに気を使ってきたオレの立場は一体……。

馬鹿で可哀想な子供ぶってた時は心配されまくったせいで行動ガチガチだったのに、本音暴露して問題行動したのに緩くなるとか……。

 

 

「あっ、あと当然お守りは要るけど申請すれば外出許可出るから行きたくなったら言って」

「ちょっとついていけないです!!」

「政府のお偉いさんにはカウンセラーの人と口裏合わせてもうほとんど一般的な子と違いありませんって言ってあるらしいから。まぁあくまで建前でボーダー的には前行動制限し過ぎたことも無断渡航未遂の要因だっただろうから要所は押さえつつ緩くしてこうぜって方針になったのもある」

「うわぁ」

「今までの防衛任務の成果もカウントしてあるし給料もあるからちょっとくらい遊んでくれば?」

「……怒濤の展開すぎてちょっと頭働かないっす」

 

 

な、なんなんだこのオレにだけ都合のいい展開は……。

ちょっとついていけないんだが……!

 

伝えるだけ伝えたら、寺島さんは作業に戻ってしまった。

とりあえずショートした頭で注釈を電子化したあと、今日はここまでだから後はこれ読んでてと渡されたボーダーの就業規則に更にビビり、暇になったらようつべでも見ればって寺島さん私物のらしきスマホまで渡されてこれはもうわけわかんねぇなって。

というか言われなくてもエロサイトとか見ないから!

 

ここまでノーガードで受け入れられてしまうと、逆に困るというかなんというか……。

寺島さんの信頼を裏切ることなど出来ないので大人しく就業規則読んでちょっとだけようつべを見て今日は終わった。

 

幼き頃のヒーロー、ジャ○キーのベストアクションシーンだけ見た。

 

 




先輩主観だと都合の悪いことを隠しまくるので出ていない設定が沢山あります。

ちなみに今回神崎呼びで反応してるのは文脈から読み取れるのと神崎神崎呼ばれて慣れてきたからです。
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