オレだけなんか世界観が違う   作:ろくす

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感想評価ありがとうございます。
嬉しくて遅筆なのに頑張ってます。
サイドエフェクトについては後程。


小さくて高性能なクールガイ

ついに、ついにやって来たぞ防衛任務!

前もって伝えられていた同伴させてもらうチームはなんとあの風間隊!

ボーダーからの信頼の厚い、小さくて高性能なクールガイ風間隊長が率いる個性的なメンバー。

特別扱い最高!危険視上等!全ては風間さんと菊地原さんと歌川さんのサインのために!

 

風間さんの初登場はワートリ初期で、遊真のブラックトリガーを奪いに来た時、申し訳ないが当時のオレは実力派エリートの噛ませとしか見ていなかった。

その後25戦してトリオンに縛りのない状態とはいえ、修にスラスターオンされた姿からやはり噛ませかと思われたが、全てを覆した大規模侵攻でのあの戦いである。

 

チームとしての強さ、司令塔としての強さ、冷静な指揮に今まで噛ませかと思って申し訳ありませんと土下座ものだった。

 

そしてそんな風間さんのチームの大黒柱菊地原さん!

聴覚強化という一見地味なサイドエフェクトながら、風間さんの戦術のもと輝く姿。

実は聴覚よりも優れているのではないかと個人的に思う観察眼も合わさって、菊地原さんという人がただサイドエフェクトだけの男ではないことを証明している。

 

でも、風間隊は二人だけではダメなのだ。

歌川さんが居なくては!

どこか私情を挟まず淡々とした人のように見える風間さんと、聴覚で知ってしまった不信感からか毒舌が目立つ菊地原さんをA級に押し上げたのは歌川さんに違いない。

本誌で目立つシーンはあまりないが、まずそもそも菊地原さんと付き合える人が貴重で、かつ風間隊としての実力も兼ね備えているとなるといかにすごい人か解るだろう。

 

そんな3人が合わさったことにより、A級3位の風間隊はあるのだ!

 

テンションが可笑しいのは仕方ないな!

 

同伴チームを教えてもらった三日前からエア風間隊と戦うトレーニングを重ね、いかに自然にサインを貰うかばかり考えていた。

 

 

「回り込んで……素早く!」

 

 

市街地の塀から飛び出してカメレオンを解くと狙いを合わせ引き金を引く。

周囲を警戒していた矢代くん(本誌未登場。オレと同じくチームにまだ入っていない)は慌ててこちらを振り返るが、時既に遅し。

ほぼ同時に連続して着弾したオレの弾が、苦し紛れの片手でのシールドを撃ち抜いてトリオン器官を破壊した。

 

……どうにかこんな感じでサインを貰えないだろうか。

 

相手がベイルアウトしていくのを見ながらそう思った。

 

 

 

 

 

なーんて、思っていたよたしかに。

でも現実は非情である。

 

 

「あ、今日はよろしくお願いします!」

 

 

どもらなかったオレを誉めてくれ……。

集合場所に30分前についてそわそわしていたら、実際に風間隊の皆さんが来たときにはもう緊張マックスで、エア風間隊の皆さんと繰り返したウィットに富んだ小粋な挨拶ができなかった。

 

 

「風間だ。今日はよろしく頼む」

「歌川だ。初めての防衛任務みたいだけどそんな緊張するなよ」

「……菊地原です」

 

 

サインなんて頼める空気じゃないよ!

でも歌川さんありがとうございます。

 

先日貰ったばかりのB級用のトリガーを握りしめる手が痛い。

わずかばかりの沈黙に勇気を出して、サインを頼もうとした瞬間門が開いた。

 

なんでこうタイミング悪いんだよー!

 

 

「まずは俺たちの動きを見ていろ」

「はい!風間さん!」

 

 

言われなくてもよろこんで見させていただきます!

 

現れたネイバーはバムスター(真)。

やはり本物は訓練で戦うものより大きく、威圧感が強い。

本来風間さん達なら個人でも容易く撃破できる敵だが、オレに見せるためにわざわざ3人で攻撃をしに行った。

 

 

「自分の仲間の位置を常に把握しろ。個人ではなく、チームで戦うということを忘れるな」

「はい!」

「焦って攻撃をする必要はない。無駄な隙を生むだけだ。お前がダメなら仲間に任せることも必要だ」

 

 

風間さんがそう言った瞬間、菊地原さんがバムスターの後ろに回り込んだ。

背後はバムスターの形からして、一番隙の多い箇所だ。

風間さんと歌川さんがバムスターの注意を引いているうちに、菊地原さんはスコーピオンを勢いよく振り下ろした。

 

お手本のような連携だった。

初心者のオレのために、まず一番大切なことを教えてくれた風間さんは流石の貫禄である。

 

 

「お疲れさまです、皆さんホントに息がピッタリで凄かったです!」

「……別にこれくらい普通にできて当然」

「はい!菊地原さんサインください!」

「えっ」

「風間さんと歌川さんも是非お願いします!」

「……今の聞いてた?」

「はい!」

「戦闘中だ、終わってからにしろ」

「あっ、そうだった。浮かれてすみません」

 

 

チーム戦の初歩にテンション上がりすぎなオレに冷静な指摘をしてくれた菊地原さん。

流石です!菊地原さん!とか思ってたら欲望が溢れて語尾についてた。

あまりに脈絡がないからか、一瞬引かれたのが解ったけど勢いで風間さんと歌川さんにもお願いしたが、気を引き締める風間さんの言葉に慌ててサイン帳をひっこめた。

撃破されても死なないからって気を抜きすぎていた。

 

 

「次は菊地原の立ち位置をやってもらう。自分の役割は解るか」

「仲間が引き付けてくれている間に背後から攻撃、ですね」

「そうだ。奇襲役は仲間の作ったチャンスを無駄にしないように冷静に行動する必要がある」

「頑張ります」

 

 

囮は命懸けだからな。

起動して相棒の姿そっくりになった銃型トリガーを握りしめる。

 

 

「来たぞ」

 

 

再度現れたバムスターに散開する。

今度は正面に風間さんと菊地原さん、両サイドにオレと歌川さんの立ち位置だ。

バムスターが菊地原さんに向かって巨大な口を向けた瞬間、オレと反対側の歌川さんがスコーピオンで牽制した。

 

回り込んで………素早く!

 

アステロイドで中心辺りの繋ぎ目を狙う。

 

連続して放たれた弾は、ほぼ同じ場所に降り注ぎ厚い装甲を突破した。

ランク戦の時ほどうまく出来なかったが、バムスターが振り返るほどの余裕は与えなかった。

実戦は緊張する……。

 

 

「オッケーこの調子で行こうぜ」

「よくやった。次からはメンバーのポジションを交換していくぞ」

「はい!」

 

 

オレ、今憧れの人たちと一緒に戦ってるんだなぁ。

みっともないとこ見せないように頑張らなくては!

 

 

 

張り切って戦って、戦闘が終わったらまずは一番嫌がりそうな菊地原さんからと用意していたサイン張とペンを差し出す。

 

 

「お願いします!」

 

 

ごり押した。

 

 

コミュ障とは人と喋れない人のことを指す言葉ではなく、話が通じなくて空気が読めないやつのことも言う。

後に、菊地原さんはそう語ったそうだ。

 

意外にもあっさりと書いてくれた風間さんと、「なんか照れるな」と良いながら書いてくれた歌川さん(字が綺麗)と、ごり押して書いてもらった菊地原さんのサインは感涙ものである。

 

風間隊のメンバーのサインをコンプリートしてるのなんて世界でオレだけではないだろうか。

でも菊地原さんからは露骨に距離をとられているのは自業自得なので、できれば挽回したい。

 

 

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