オレだけなんか世界観が違う   作:ろくす

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いつもながら誤字脱字報告、評価ありがとうございます。


A級一位パネェ

「お前と唯我はあっちな。こっちはオレで、そっちは出水担当で」

「ええーっ!?」

「唯我のお守り頼むぞー新人!」

「こ、個人戦はボクの得意分野では……」

「大丈夫大丈夫、風間さんから聞いたけど、そこの新人くんお前よりは全然強いらしいから」

「なんかあったら呼べよー。間に合えば助けてやるから」

「ぜ、絶対ですよ!」

「うわぁ……」

 

 

漫画でよく見たデフォルメ顔のA級一位パネェ。

 

 

 

 

 

 

 

 

言うだけ言って本当に立ち去っていった。

取り残された唯我さんにおそるおそる声をかける。

 

 

「あ、あのー……」

「っ!」

 

 

オレがいることを思い出したのか、まだ青ざめているがキリッとした顔を作ると声高々に自己紹介をしてくれた。

 

 

「ボクはA級一位の太刀川隊のガンナー唯我尊だ。平たく言うと、君の先輩に当たる。敬意をもって唯我先輩と呼ぶように」

「はい、唯我先輩」

「素直だな……よし、行くぞ!」

「はい、後でサイン下さい!」

「さ、サイン!?君はもしやボクのファンなのか!?」

「はい!」

「フッフッフ……そんなに欲しいなら仕方ない。サインの一つ二つ書いてやろうじゃないか!!」

 

 

驚きのチョロさである。

なんというか、こうまで完璧に裏がないとわかると安心する。

太刀川隊の愛されキャラなだけあるな。

 

いや、でも本当に良いキャラしてると思うよ唯我先輩。

太刀川隊の扱いとか考えると、根性のないボンボンならとっくにやめてそうなのにやめる気がないとか。

お金持ちなのにわざわざ自らボーダーに来る辺り、もしかしたら正義感も強いのではないだろうか。

ランク戦では取りやすいポイント扱いされているだろうに、それでも折れないメンタルは純粋に尊敬する。

いつか本誌で大活躍をする日が……来るかもしれない。

 

でも、流石に指揮1の人の指示を聞くのは怖いし、読み切りの中のそっくりさんのこともあるので誘導しながら戦おうと思う。

あそこまで低いグラフだと、逆に細かい値を覚えちゃうよねっていう。

なんて考えていたらゲートが開く前兆が見えた。

 

 

「あっ、来ましたね」

「ここは先輩のボクが華麗に……」

「撃ちまーす」

「……」

 

 

バムスターが二体同時に現れたので、近い方にいるバムスターに向けて攻撃した。

トリガーのアシストのおかげできっちりとバムスターの口の中を撃ち抜けた。

防衛任務3回目となると、流石に大きさにもなれる。

こちらがガンナー2人のため、風間さん達と練習したような囮戦法は必要がないし、負ける要素はないなぁ。

油断をしないように気を引き締めていかなくては。

 

まぁ距離を保ちながら一方的に攻撃ができるのでモールモッドが3体以上とか、余程の事がない限り危機に陥ることはないだろう。

太刀川さんも出水さんも何だかんだ唯我先輩を放っておくような人ではないだろうし。

 

 

「よ、よし!残り一体だ!」

 

 

心なしかオレの半歩後ろにいる唯我先輩が言ったけど、動く様子はない。

これもオレがやる系?

まぁ問題ないけど。

ネイバーの討伐数でチームを考えてくれるって言ってたしね!

あれ、むしろ効率が良いのでは??

 

 

「どんどんいきましょー!」

「あ、あぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結論、うまかったです。

また唯我先輩と一緒に防衛任務したいなー。

 

途中、モールモッドが3体出てきたので2体をオレ、一体を唯我先輩がさばいたがなんとかお互い無傷である。

太刀川さんと出水さんの名前を呼んで半泣きになってる唯我先輩を横目に戦っていたので、申し訳ないが吹き出しそうになった。

ギャグキャラは癒しである。

 

 

「お疲れー自力でトリオン兵倒したか唯我?」

「失礼な!ちゃんとボクもモールモッドを一人で倒しましたよ!」

「へー、全部任せっきりじゃなかったのか」

 

 

出水さんに弄られている唯我さんと、いつものことのように流している太刀川さん。

サインをねだるには、今しかない!

 

 

「唯我先輩!太刀川さん!出水さん!よかったらなんですけど、サイン下さい!」

「そういえば約束をしていたな。心の広い先輩のボクに感謝するんだな!」

「あ、新人くん意外とそーゆータイプ?唯我のサインとかマジでか」

「彼はボクのファンなんですよ!」

「芸人としての?」

「違います!!」

 

 

この調子ならサインを貰えそうだ。

最初に唯我さんと約束をしていてよかった。

サイン帳とペンを準備していると、ずっと黙っていた太刀川さんが口を開いた。

 

 

「ランク戦でお前がオレに一撃でも入れたらやるよ」

 

 

……………へっ?

 

 

「あっ、自分のファンじゃないからってランク戦で憂さ晴らしをするつもりですね!そうはさせませんよ!ボクのファンはボクが守る!」

「はいはい調子のんなー。しかし、太刀川さんがそんなこと言うなんて珍しいな」

「ぐちゃぐちゃ言われたこと色々考えるの面倒になった。戦ってみれば解るだろ」

 

 

こんな展開、流石に想定してなかったなー……。

てか、太刀川さんのサイン貰えないのが確定したんだけど泣いても良いだろうか。

 

本誌で今一つ強そうに見えないとか思っててすみません。

大規模侵攻ではラービットとイルガーを破壊するシーンのが印象強くて、ハイレインやヴィザみたいな強キャラ感があまりなくて……。

 

でも過去の対戦ログからしてオレなんかが一撃入れるなんて地球が太陽を100回回っても無理なんだよ!

超強かったしかっこよかった!

ボーダー来てから評価が上がった人の筆頭は太刀川さんなんだよ!サイン欲しいです!

 

 

「じゃ、戻るぞ」

「はい……」

 

 

結論から言うと、太刀川さんのサインは貰えなかった……。

 

 

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