色々と思いこみの上で書いているせいでミスだらけで申し訳ありません。
提示された戦闘ログを確認し、思わず声が漏れた。
「どういうことだ……?」
「やっぱおかしいんですね」
戦闘ログを持ってきた太刀川も訝しげだった。
彼との防衛任務前に太刀川には大まかな事情は伝えていたが、まさかどの程度の驚異なのか確認するためとはいえ直接ランク戦をするとは思わなかった。
しかし、その(恐らく考えるのが面倒だという思考により行われた)ランク戦が驚きの結果を出している。
太刀川と対戦するその時、彼のサイドエフェクトは発動していなかった。
連続して出されたログの出水戦、唯我戦でも共に発動していない。
彼の、【対人戦闘】と名付けられたサイドエフェクトの効果を根底から覆す結果が出ていた。
「噂の【対人戦闘】がどれ程のものかと思えば、トリオン兵狩ってる時と大差なかったんでログ持ってきたんですけど」
「普段は発動しているときは明らかに身体能力の向上が見える。こんなこと初めてだ。……いや、初めてなのか?」
もしやと思い、彼がボーダーに入ってからの全ランク戦を確認する。
すると、僅かながら同じようにサイドエフェクトが発動していないランク戦の記録があった。
サイドエフェクトの存在について今まで本人には告げていかったが、これはもう直接確認をする必要がある。
立場の難しい彼のためにも、ボーダーのためにも明らかにしなくてはならない。
太刀川を帰すと備え付けの内線で彼の部屋に繋がる番号を打ち込んだ。
鬼怒田さんに呼び出されて、何事かと思えばなんとオレにもサイドエフェクトがあったらしい。
思わずはしゃいでしまい、どんなサイドエフェクトなのか食い気味に聞いてみたら非常に微妙な顔をされた。
不穏な気配である。
「……我々にも正確な内容が解らないのだ」
「えっ、何でですか?」
「今まで君のサイドエフェクトは、戦闘時のみ発動する身体強化系のサイドエフェクトだと思われていた。しかし、どうにも一部の隊員に対して発動していないようでな。そこで君に彼らに何か共通項があるか直接聞きたかったんだ」
「一部の隊員……?」
そういって示された名前は、太刀川、出水、唯我、緑川、黒江、歌川、辻、犬飼……見事に原作キャラですありがとうございます。
オレの主観では共通項がありまくりである。
だがそんなこと鬼怒田さんに言えるはずもない……。
「えーと……ちょっと解りません」
「ふむ、君の方も心当たりはないか」
「はい、すみません」
オレのサイドエフェクトって、原作キャラ以外にしか発動してないんだよな?
そういうのって何て言うサイドエフェクトになるのだろうか。
モブキラーとか?
……対モブでしか発動しないとかマジかよ……。
もし誰にでも発動するなら太刀川さんのサインが貰える可能性がミリ単位でも上がったかもしれないのに……。
今まで原作キャラと対戦するときは、必ずと言って良いほど大きな実力差があったから動きが良いとか悪いとか考えたことがないんだよな……。
なんて考えていたら、少し鬼怒田さんの表情が強ばった。
「君に辛い記憶を思い出させるのは心苦しいのだが…………サイドエフェクトがある前提で記憶を遡っても、今まで同様の事象は無かっただろうか」
あぁ、優しいなぁ。
そうだよなぁ、奥さんとお子さんのために離婚しちゃうような人だもんな。
オレなんかにも思いやりをもってくれている、本当に優しい人だ。
ワートリのキャラって、一見誤解されそうな人も本当にいい人だらけなんだよなぁ。
「別にオレは全然気にしてないのでそんな申し訳なさそうな顔しないで下さいよ。……でも、正直今まで意識していたことがなかったのでパッと思い浮かぶことはないですね……」
「そうか……急に呼び出してすまなかったな。もう戻って良いぞ」
気にしないで良いと言ったけど、鬼怒田さんは気にしているようだった。
最後に何か不便はないかと聞かれたが、特に無いので満足していることだけ伝えて部屋に戻った。
……しかし、もしかしての話であるが、オレが今まで生きてこれたのはこのサイドエフェクトのおかげかもしれないのか。
そう思うと、何だか嬉しくなってくる。
オレも案外生きようとしていたのかー。
人生どうなるか解らないから結構刹那主義だったと思ってたんだけどな。
結果、なんだかんだで生きてたおかげでボーダー来れたし原作で見れなかったファン垂涎モノのシーンも沢山見れた。
これはもしや、オレのサイドエフェクトに万歳?
そうそう、原作といえば、こないだの入隊式では修らしきメガネも居たし、今のうちに沢山ランク戦して鍛えておかなくては。
大規模侵攻までにはA級並み……とは言わないが、アフト勢に瞬殺されないくらいにはなりたい。
それまでにサインも出来るだけ集めておきたいな。
太刀川さんのサイン欲しすぎるので、今度ボーダー内部で見かけたらもう一回お願いしてみよう。
遠征がいつからなのか解らないから早めに行動するぞ。