軍の隊長で
輝夜の家庭教師
(´・_・`)
俺は今、永琳に連れられ、ある大きな屋敷に来ていた。
輝夜という姫様の屋敷らしい。
「かぁ〜…こいつぁ…バカデケェな」
「まぁ姫ですしね」
「それで納得しちまうのがな〜…いや、なぜお前らがいるんだ」
1人で来たはずだというのに、返事が返ってきた。ふ
ふと横を見ると神美と月夜見が、輝夜姫の屋敷を見上げながら感嘆の声を上げていた。
「輝夜の屋敷が大きいのは常々聞いていたのですが、直接見たことはなくて」
「妾は暇じゃ」
これだ…輝夜姫の邪魔にならなきゃいいんだが。
とりあえず2人には茶でも飲んでて貰うかな。
門を潜って玄関へと向かう。
玄関には守衛と思われる兵が2人、扉の前に立っていた。
あれ?なんか、見たことある顔だな…
「そこで止まってください。身分証を確…隊長!?」
「あ〜…そういやそうだったな…」
「何がじゃ?」
「隊長になったの忘れてた」
神美、月夜見とイチャコラしてたら完全に記憶が消し飛んでた。
見たことがあるのは、元隊長をぶっ飛ばした時に、元隊長を運ぶのを手伝ってくれたからだろう。
「え〜と…君は〜…」
「雅夢です!」
「そうか、あの時は手伝ってくれてありがとう」
「いえいえ!これから訓練よろしくお願いします!」
「あぁ、ビシバシ鍛えてやっから付いて来いよ」
「はい!」
随分と元気がいいな。
「永琳に話を聞いてると思うんだが…」
「はい、永琳様から姫様のご指導の件は聞いております。どうぞお入りください」
そう言うと雅夢は通してくれた。
雅夢は黒髪、黒目、背は俺より少し低いぐらいか…
「なんか妾とかスルーされておらんか?」
「気にするな」
「なんか私もスルーされてた気が…」
「気にするな」
『…』
神美達は雅夢が自分達に反応しなかったのが不思議で仕方ないんだろうが、気にしないほうが楽だ。
主に俺が。
〜〜〜〜
私は今、永琳に勉強させられている。勉強よりも、もっと外で遊んでいたいが親がキャンキャン煩いので、渋々勉強に取り組んでいる。
「ねぇ、永琳」
「なんでしょうか姫様」
「もう1人の教師って誰が来るの?それって私の知ってる人?」
確か今日はもう1人教師が付くという話をしていた。
「ふふ、それはお楽しみですよ姫様」
「ふ〜ん…」
永琳が珍しく楽しそうな表情を見せた。とても嫌な予感がする。
私はよく永琳に悪戯をするのだが、そのしっぺ返しが今来るのでは無いかと恐れている。
コンッコンッコンッ
「少しお待ちください」
永琳がそう言って戸に近づく。
私は無意識に自分の服の端を握っていた。
恐怖などではない。
単なる緊張だ…緊張の筈だ…
なのになぜあの扉の先から異様な力を感じるのだろう。
ガチャッ
永琳が戸を開けると、そこから紫色の瞳をした銀髪の青年が出てきた。
「遅れたかな?」
「いえ、大丈夫よ」
「そうか、なら良かった」
永琳とその青年が軽い会話を終えると、青年が私に向き直り話しかけてきた。
「やぁ、君が輝夜ちゃんかな?」
「へ?」
輝夜…ちゃん?
次回か次次回には戦闘入ります。多分…