修正も気付いた時に行ってはいるのですが、足りない部分があると思われる所に関しては指摘などがあれば直していきたいと思います。
一歩踏み出す度に血生臭さが嗅覚を麻痺させ、肉を潰したような奇怪で不愉快な音が脳に伝わる。
私が歩いている地面は、同族だった妖怪達の屍体によってできているもの。
いや、屍体と呼べるものではないだろう。
無理矢理押し潰されたかのような
そんな肉の地面を進むのは、目の前に立っている彼と話をするためだ。
「俺の助言が役に立ったようだな」
彼の視界に入った私は、彼がその言葉を発すると同時に頭を下げた。
「先程の主の無礼、申し訳ありませんでした」
「構わんさ。で?その本人は無事なのかな?」
「まだ穴の中で眠っていますが、ッ!?」
私自身が掘った穴に目を向けると、そこから這い上がってくる鬼子母神様の姿が見えた。
地面に立ち、足元を見た鬼子母神様は、この赤黒い地面が何によってできているのか理解できないようだった。
「お目覚めにッ「ッ!?イヤァァァァァァァァ!」!?」
私が声をかけると、鬼子母神様は悲鳴を上げた。
肉の正体が分かったのだろう。自分が従えていた部下達が、一人の男によって肉塊へと変えられてしまったのだ。
自分の置かれている状況を理解した、いや理解してしまった。
「寝起きなのによくそんなに大声出せるね〜」
「な、なんで…」
「警告はしたじゃないか…それでも逃げなかったんだ、死ぬ覚悟はできていたんだろう?」
「…」
彼は地面を指差しながら続けた。
「こいつらが選んだ道だ。お前が胸を痛める理由がよくわらんのだが」
「ッ…あたしは…これからどうすればいいんだい」
鬼子母神様は目を瞑り俯きながら小さく、か細い声で呟いた。その声は余りにも弱くすぐにでも消えてしまいそうだった。
〜〜〜〜
「お前の本当の名を教えろ。勝ったら教えてくれるんだろ?」
真の問いに鬼子母神は顔を俯かせ、僅かながらに答えることを拒否しようとしている。
しかしその静寂が、沈黙が、答えへと導くことになった。
「…ない」
「何?」
その言葉に真は破顔する。
「ない…親などいない。力でねじ伏せる事ができるようになると、周りの妖怪たちが鬼子母神と呼び始めた。だから本当の名前などない…」
顎に手を添えながら悩み続ける真を、鬼子母神と常識妖怪はそれぞれ別のことを考えていた。
子分を全滅させた人物が目の前にいるという事実は、鬼子母神の身を震わせるには充分過ぎた。
「…なら俺が名付けてやろうか?」
その言葉に今度は鬼子母神が破顔する。
鬼子母神の少し後ろで見守っている常識妖怪も、こいつは何を言っているんだと言いたげな表情を浮かべている。
目の前の絶対的強者を不愉快な気分にさせてしまえば死ぬという状況の中でそんな表情をするのは、それだけ絶対的強者の言動が理解不能だったという事だ。
「女性としての美と
「
美虎
それが鬼子母神である鬼の名前。
姐さん系のキャラにしようと思ったら、真暴走で弱気なキャラに変更?かも。