とある学生の難儀(?)な日常   作:九牙タイト

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遅くなってすみません!
いろいろあったのですよ!大人の事情です!
では六時間目どうぞ!


6時間目 部活

帰り道。よくわからないけど修羅場になってた。

「あの、綾さん、箒さん。ケンカはよくないと思うんです」

「出てくるな純」

「これは私たちの戦いなの」

…何で君たちはそう仲が悪いのか。昔からそうだよね君たち。

睨み合う綾と箒を無視して回想に入る。

昼休み、輝から吉岡先生が病院に運ばれたと聞いて急いで職員室に向かった。吉岡先生が運ばれた理由は階段から落ち、足を怪我をしたかららしい。そろそろ退職も近かったということでこれを機に吉岡先生は退職。来週から新しい担任になるそうだ。

まぁ、その間、俺がHRしなきゃいけないのだが。

しかし、吉岡先生が入院か…。お見舞いとかしなきゃいけないのだろうか。めんどいからやりたくない。恩師ってほど習ってもないし。

この逃げがいけなかったのだろうか。綾と箒が俺に話を振ってきやがった。

「純。これはどういうことか」

「教えてもらうぞ」

「えー…。何で俺が悪いみたいになってんの…」

「純がいけないのよ」

「その通りだ」

「俺に攻撃する時だけ仲良くなるのやめなようか2人とも」

ったく俺が何をしたっていうんだよ。俺は無実。まったくの無罪だ。

「箒。同じ学校のやつと帰っちゃいけないなんてルールがあるのか?」

「それはないが…」

「次に綾。知り合いと帰ってはいけない理由は?」

「ないけど…」

「もうその時点で俺の勝ちじゃねぇか。はいこれでケンカ終わり」

反論できないのに挑むなっての。

「…もう切り札使うことになるなんてね」

…え?

「確かに反論はできないわ。でもね、純。私は1つだけあなたの弱みを握ってるのよ」

よし、考えてみようか。

……。

「…まったく見当もつかないんですが」

「私が気付かないと思った?」

「?」

「何で純とみやびの弁当の中身が毎日いっしょなのかしら…?」

「……」

あー、えーと、その。

「いつから気付いて…?」

「一週間前から」

おおう。闇が見える。綾だけじゃなくて箒からも。

…やっぱり幼馴染みって暗殺者のコードネームなんじゃねぇの? 2人の目が確実にどう俺を仕留めるか考えてるやつなんだけど。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…。

よく修羅場になってみたい! みたいなやついるけどこの空間に立ってみろ。死ぬぞ。

…えっと…。

(穂高さん。説明できる?)

(え、でも綾ちゃんも篠ノ之さんも怖いんだけど…)

(穂高さんならできる!)

「そ、そういや俺バイトだったわぁ。さらばッ!」

穂高さんたちを置いていって別の道に入る俺。家に帰ったらちゃんと謝るからー!

後ろから絶叫が聞こえる。楽しそうでなによりだ!

 

「ういーす」

ドアを開いてテキトーな挨拶。俺がこの環境に慣れた証だ。

「こんにちは、純さん」

「おう、チノ」

チノとも昔のように馴染んできた。たった一週間でこれとは俺のコミュ能力高いだろ。理由は別にもあるけど。

「来たか、純」

「よお、リゼ」

ほらな? もう名前を呼びあう仲ですよ。さすが俺のコミュ能力。すげえよ俺は。

着替えた俺は自分でコーヒーを入れる。バイト開始前にコーヒーを飲むのが俺たちの日課だ。

俺がコーヒーで優雅な時間を過ごしているとチノとリゼがジト目で見ていた。

「な、なんだよ」

「純…。練乳入れすぎじゃないのか?」

「甘いレベルじゃないですよね?」

「俺の尊敬するコーヒーはマッ缶かブラックだ。それにな。人生は苦いからコーヒーくらい甘くていいんだよ」

「否定できない私が悔しい…!」

なんか今日俺口論強いな。今なら誰にも負けない気がする。

全員がコーヒーを飲み終わり立ち上がる。

「よし。じゃあ今日も頑張るか!」

「ああ」

「はい」

ラビットハウス開店だ。

 

「…ってなことがあってな」

客足も薄くなったころ、俺は学校での事件を話していた。

「それは災難だったな。先生の様態はどうなんだ?」

「足の骨折以外目立った怪我はしてないってさ。でも年齢も年齢だから来週から別の先生に変わる」

「その間はどうするんですか?」

「俺が担任の代わりだとさ」

「クラス委員は大変だな」

リゼがまた挑発してくる。知ってるか。その程度挑発って言わないんだぜ。

「まあたった3日の話だ。大丈夫大丈夫」

俺はそう言って笑った。

 

で、月曜日。大丈夫じゃなかった。

「千石 千尋(せんごく ちひろ)よ。よろしく」

なんだあの先生本当に聖職者か。ヤンキーとかスケバンの間違いじゃねぇの?

ギロリ。

いえ、なんでもございません。

こえぇ…。一睨みが恐ろしいわ。やっぱり職業間違えてるだろ。

HR修了の鐘がなる。あの人の下で働くのかぁ。絶対に嫌だね。

と、教室を出ようとしていた千石先生に呼ばれた。

「姫矢、穂高。職員室に来なさい」

…すっげぇやな予感。

 

俺と穂高さんに突き出される生徒名簿。

「なんでアンタたち住所いっしょなの?」

ですよねー。その話だと思いましたよ。

でもこの間の穂高さんの話だと忍たちは告げ口してないはずだ。となるとこの先生が自力で気付いたことになる。

意外と侮れない。

でも俺は勝てるぞ。ここ最近は口論で1度も負けてねぇし。

「そんなことよくあることでしょう。俺の知り合いにもいますよ。別々の家に住んでるのに同じ住所のやつ。宅配便がよく迷うタイプなんですよ」

ふっ…。本当、今の俺絶好調。神も殺せるんじゃね?

「見に行ったけど穂高なんて表札なかったけど? それにアパートもない。どういうことかしら?」

確認済みかよ! それはずるいぞチートだぞ! 勝てる訳ねぇだろ!

「えー実はですね…」

現在の家事情を説明中。

「…という訳なんです。許してくれませんかね」

言えることは全部言った。これでダメだったらどうしよう…。

「ふーん…」

ゴクリ。

「ま、許してあげる」

「本当ですか! よかったな穂高さん!」

「うん!」

「でも条件ね」

「「条件?」」

「あなたたち、美術部に入りなさい」

「「美術部?」」

 

放課後。俺らは特別教室2に来ていた。

「ここが美術部かぁ…。絵なんて書いたことないぞ」

「私はそれぐらいしかやることなかったからまぁまぁ…」

「へー。今度書いてみてよ」

「恥ずかしいからやだ」

「頑固だよなそういうとこ」

「そう?」

「うん」

「と、とりあえず入ろう?」

話を剃らされた。まっ、いいか。

「そうだな。失礼しまーす」

美術部ってパソコン使いましたっけ。パレットとかもないんだけど。

…絶対教室間違えたろ。

「帰ろっか、ほた」

「この泥棒がぁー!」

「南無三ッ!」

誰かにタックルされ倒れた。

「姫矢君!?」

「いてて…。いったい何事…。ってうわ!?」

誰この美少女!? リボンの色から2年先輩なのはわかるが…。

「何事はこっちだ泥棒め! 覚悟しろ!」

「誰が泥棒か!」

いきなり冤罪だぞ本当誰だよアンタ!

しかし穂高さんは知ってるらしくその名を呼んだ。

「上井草先輩…?」

「この人が!?」

上井草先輩という名は俺も聞いたことがある。確か優秀なのに宇宙人とかなんとかかんとか。

「なんで泥棒たちが私の名前を知ってるんだ!」

「先生から聞いてないんですか!? 美術部に入部する姫矢 純です!」

「泥棒は皆同じことを言うんだ!」

「言うわけねぇだろ!」

「あのー…」

ここで呆然としていた穂高さんが会話に入ってくる。

女神の助けってこういうことか。

「美術部ってここですか…?」

「そうだよー」

「私たち、入部するんです。えっと、穂高 みやびっていいます」

「みやみやかー」

「み、みやみや?」

「で君はそらたん?」

「さっき姫矢 純って名乗ったろうが! なんで萌えキャラみたいになってるんです!?」

「じゃあそらぴょん?」

「人の話聞いてたか!? そして次はゆるキャラかよ!」

「ソラニン?」

「有機化合物」

この先輩めっちゃ疲れるな!

「それで後輩君は何で入部希望者なの?」

「結果それかよ…。千石先生にこの部活に入れと…」

「泥棒は皆同じことを言うんだ!」

「アンタは某RPGの王様かッ!」

めんどくさいなこの人! っていうか穂高さん助けてよ!?

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…。

何でだよ!? 俺の周りには敵しかいないと!?

黒いオーラを出す穂高さんとめんどくさい上井草先輩…。いやもう帰りたい…。

死んじゃおっかなー…。

「後輩君の目が虚ろに!」

「姫矢君!?」

「アンタらが原因だからな!? 理解しろ!?」

バイトでもこんな疲れねぇよ…。もうボッチになりたい…。

逃走パターンを考え始めた時、ドアが開いた。

まずくね? 変人とはいえ美少女に馬乗りにされてる+穂高さんの黒いオーラとかヤバイだろ。即職員室行きだ。

「何やってるんだ?」

入ってきたのは眼鏡の男子だった。って先輩か。

「おお、仁君。いいところに来てくれた」

「いやいいからどいてやれよ」

「まさか後輩君! 重いのかい!?」

「うん普通に重いです。女の子に重いとか言っちゃいけないのはわかるんですが重いです」

「というわけだ。どいてやれ」

涙目でどいてくれる上井草先輩。何故だろう。罪悪感をいっさい感じない。

「大丈夫か、後輩君」

差し伸ばされた手を掴み立ち上がる。

「えっと、俺は姫矢 純っていいます」

「三鷹 仁だ」

「三鷹先輩」

「仁でいいよ。どうした、純?」

「では…。仁さん。助けてくださってありがとうございます」

「いいよいいよ」

この人いい人だなぁ。幼馴染みたちに見本として見せてやりたい。

穂高さんは穂高さんで上井草先輩と仲良くなりかけてるし。案外やっていけるのかもしれない。

「仁さん。ここは美術部なんですよね?」

「アニメ製作のな」

「なるほど…。確かに美術ですね」

だからパレットとかないのか。納得。

「今日からよろしくな、純」

「はい。よろしくお願いします」

握手を交わした。

こうして俺の高校生活に部活が追加されたのだった。

けど、何故かいやではなかった。

 

バイトも終わって夕飯を食べてる時、ニュースを見ていたのだが…。

『謎の仮面ライダーは泊警部』

「バレちゃってるじゃないですか…」

思わず笑ってしまう。

「なんのこと?」

「なんでもないよ」

まっ、頑張れ、泊さん。




また追加ですよキャラとアニメ…。混ざりまくってもはや茶色でしょこれ。
まぁ、忘れないように頑張っていくんでよろしくなのです!
では、ノシ!

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