楽しんで頂ければ幸いです。
7/15 加筆しました。
7/17 修正しました。
8/1 黒祇式夜様、誤字報告ありがとうございます。
どうにかこうにか霊術院を卒業できた。
嘘ついた。余裕だった。首席ではなかったけど。流石俺って言いたいとこだけど下手に実力ある感出すと危ない仕事が増えそうだから気を付けよう。でもねぇ、卒業試験の成績がいいやつから優先的に希望を汲んで貰えるって聞いたら……ねぇ?
俺は四番隊に行きたい。あそこはまず何より戦闘員として期待されない。まぁそのぶん後方支援の技術が必要になるけど。
一番隊、エリートコース。俺はエリートじゃない。
二番隊、隊長の性格がきつそう。副隊長を上手く乗せれば快適に過ごせそうではある。
まぁ次、三番隊、故に侘助。13キロさんは結局いいやつだったけど巻き込まれるのはねぇ……? ゆくゆくは吉良と同僚になるわけだけど、まぁ……パスで。
四番隊、非戦闘員が主。安全安心。戦わなくていい可能性濃厚。
五番隊、ヨン様のお膝元。怖い、以上。雛森頑張れ。超頑張れ。
六番隊、恋次と同じ職場と考えると気楽そうではあるがあくまで気楽そうというだけである。気楽さは別にいらない。でもそんなに悪くない職場だとは思う。
七番隊、わんわんお。思っていたより醜いなって言われたときの悲しそうな表情が印象的だった。以上。
八番隊、副隊長が真面目なとこ。仕事さえすれば割と良さげではある。保留。
九番隊、隊長やってた時は人格者だったっぽい? まぁ積極的に関わりたくはない。
十番隊、シロちゃんのとこ。悪くはない。でも副隊長は目に毒だ。嘘。眼福ってやつだよね。
十一番隊、俺とは合わない。あとなんか臭そう。
十二番隊、科学の力ってすげー!!俺は結構です。
十三番隊、いい人達の巣窟って感じ。でも下手に関わり持ったら俺は立ち直れない気がするからパス。
とまぁこんな具合に、四番隊が一番良いと思った訳である。
現在掲示板前。ここに配属される隊が貼り出される。
さてさて俺の配属先は……?
……ああ、そっか、そんな感じだったっけ。
「本田君も五番隊なんだね!」
「なんだ、また一緒かよ。ま、よろしくな!」
「本田君も一緒なら心強いね」
はい、五番隊です。キャー、ヨン様ー! なんて。つらいわ。やだねぇ。どうするよ、使える駒とか思われちゃったらもう本当にどうしようもねぇよ。……まだそこまで思われてないよね? いやでもなんか前に楽しみにしてるとか言ってたような……。
丁度二人きりになったので、気になっていたことを聞いてみることにした。
「六番隊じゃなくてよかったのか……?」
あの時は焦ったよね。俺自身忘れてたってのはあるけど、いきなり朽木白哉とすれ違うとかね。霊圧で内臓がキュッてなったのを俺は忘れていない。いつか同じ目に遭わせてやろう、そう思った。
朽木家への養子入りなんて、止められるはずないよね。
メリット多いし。原作通りだし。そう思ってたんだけど。
「そうだな……そうすべき、だな……」
ってな具合にルキアは悲しそうな顔して行っちゃうし、恋次は恋次で怒ってくるしで非常に困った。
途中ですごい腹痛に襲われて、何話したか全く覚えてないけど、恋次は落ち着いてくれたからよかった。
ただまぁ、その後ルキアとは疎遠になり、特に会ったりすることもないまま過ごしております。まだ志波夫妻は元気だよね? ルキアが元気に過ごしてればいいんだけど。
「僕が五番隊隊長、藍染惣右助だ。君達を心から歓迎しよう。これから、よろしく頼むよ」
隊長からの挨拶。女性隊士の黄色い声援が響く。イケメン死……何でもない。俺は別にモテたいとか思ってる訳じゃない。そう、無事に生きられればそれでいい。……でもムカつくわ。やっぱイケメン死ね。
雛森は……あれ、思ってた程反応してないな。あ、目があった。ニコッと笑顔を向ける雛森。いい子じゃないか。守っておやり。シロちゃん本当しっかりしてくれよ。あまり強い言葉を使わなければきっと。
「や、本田君」
「ヨン……藍染隊長! これからよろしくお願いします!」
「こちらこそよろしく頼むよ。君のように優秀な人材を獲得できてとても嬉しいよ」
俺は四番隊で希望出してたんですけどねー。
異動があるのっていつだっけ。早く逃げないと。確か吉良は四番隊の経験があるんだっけ。その時にご一緒してそのまま留まりたい所だ。
今はヨン様から役に立たないとかとるに足らないって判断されるように頑張ろう。
――――――
「本田君はどの隊に入りたいの?」
いつもの四人で勉強している時に聞いてみた事がある。
「俺は、そうだな……四番隊かな」
意外だった。五番隊とか一番隊とかに行きたいって考えてると思っていた。
「おいおい雛森、お前今まで俺の何を見てきたんだよ。俺はそんなに前に出るタイプじゃないだろ」
笑いながら言う本田君。
今まで見てきたのを踏まえて言ったんだけどな。
鬼道が得意で、瞬歩が上手くて、何よりあの時、私達を守ってくれた。
後方支援よりは前線に出てる方が向いてる気がするんだけど。
本田君が前に出て。
そして私が本田君の援護をしたりして。
本田君も鬼道が得意だから二人で誰かの援護とか出来たりするんだろうけど。
実現は……しないよね。
「私も四番隊にしようかなー」
勿論冗談だけど。ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、それも良いかなって思ってたり。
その後で吉良君も「実は僕も四番隊を希望してるんだ!」って言ってた。そんなに意外な感じはしなかった。
でも本田君と阿散井君は吹き出してた。そんなにおかしかったかな?
試験を終えて、隊の配属先が発表される日が来た。
私は……五番隊。希望通りだ。少し下まで目を向ける。本田君は……五番隊!
「本田君も五番隊なんだね!」
――――――
「六番隊じゃなくて良かったのか……?」
「……色んなとこを見てからでも、遅かねぇだろ」
正勝に問われて思い出すのは、六番隊隊長朽木白哉。あの時感じた圧倒的な力、そして敗北感。
朽木家の養子になる話を持ち掛けられたルキアを、俺は、いや俺たちは引き止めることができなかった。
悪い話ではない。むしろ流魂街出身の俺たちからすれば、奇跡のような話だ。勧めこそすれ、止めようなんてことがあるはずない。
感情的な部分を抜きにすれば。
ルキアが去った後、俺は正勝に食ってかかった。
「何で止めなかったんだよ! お前が引き止めればアイツだって……ッ!」
「止めてどうするんだ? 俺だって納得は行ってねぇよ。けどな、無理に引き止めるより、朽木家に行く方がルキアにとっては良いかもしれないだろ?」
そんなことはわかってる。わからない筈がない。だが。
「何で……何でそんなに冷静でいられんだよ!!」
苦し気に顔を歪める正勝。悔しそうな声がその口から洩れた。
「……今の俺らじゃ、ルキアを守れない……! あいつは守ってくれなんて言わないだろうけど、今の俺らじゃ、どうにもできねぇだろ……」
その言葉で俺は、いや俺も、冷静になった。悔しいが、確かにその通りだ。今は圧倒的に力が足りない。
「だから、いつか、あの人を超えられたら、ルキアを迎えに行こう」
ああ、そうだな。約束だ。
「いつか、必ずな……!」
――――――
「さて、折角だから、誰か僕と手合わせしてみないかい?」
読めたぞ。これは鏡花水月のパターンだ。新入隊員に胸を貸してやることで自分の度量の広さを見せつけて株を上げつつ、まとめて一網打尽にする感じだ。ずるいなぁ。けど、巧いなぁ。
ここで、俺の前には二つの選択肢が生じる。鏡花水月にかかるか、かからないようにどうにかするか、である。自分で言っておいてなんだが、どうにかするってなんだよ。どうすんだよ。席外すか。うん、そうしよう。
「誰も居ないのかい? なら……そうだな、本田君」
気のせいだ。俺は今から席を外す。頭痛が痛いからな。仕方ない。
「すみま「是非君の実力を見せてほしい。同期の君の勇姿を見れば他の皆も励みになるだろう。……勿論、手加減はするよ」…………」
何で俺なんだよ。しかも名指しかよ。めっちゃ見られてるって。止めろよ。ちょっと鬼道できて多少早く動けるだけだって。剣術も拳術も普通だよ。言ってみるならそう、鬼道力と機動力が高いだけだ。……何でもない。
「藍染隊長」
「何かな?」
「隊長にお相手頂けるのはなかなか無いことであり、すごく光栄なことであるのは理解しています。ですが、私は予想外の事態に弱く、また藍染隊長に憧れておりまして、緊張の余り現在立っているのがやっとという状態です。折角の機会なのですが……」
「そうか……それは済まないことをしたね。では、君との手合わせはまたの機会にしておこう」
「……代わりと言ってはなんですが、吉良イヅルはいかがでしょうか? 彼は今回の首席です。きっと良いものを見せてくれると思います」
「ふむ……よし、では吉良君、手合わせといこうか」
「は、はい! よろしくお願いします!!」
よし! きた! 戦闘回避!! ……今回はね。またの機会とか言ってたし。
で、ヨン様と吉良の模擬戦が始まった。
「勿体ねぇな、折角の機会だったのによ」
隣の恋次が話し掛けてきた。なんか不服そうだ。そんなにあれなら手ぇ挙げればよかったんだよ。
「いや、こんなに人一杯居んのに戦えるかよ」
「お前がそんなこと気にするタマかよ」
すっごく不本意。遺憾の意を表明する。恋次お前このやろう。誰が目立ちたがりだ。
「ところでお前藍染隊長のファンだったんだな」
「うん? あ、うん、そうなんだよ」
「本田君! 危ない!!」
えっ……赤火砲? なんで? 誰か止めるとか止めるとかなんかやれよ!! てか何あの巨大さ。死ぬわ。ごめんなさい皆さん私はお先に逝きます。ああ、迫ってくる炎の玉がスローに見え……。
気がつくと、見慣れてないけど知ってる天井。ここは確か……救護詰所か。死んでなかった。良かった。俺は……あれ? 特に怪我ない? 四番隊すげぇ。半端ないわ。有能にも程があるだろ。
にしても誰だよいきなりあんなの撃ってきたやつ。吉良か? 緊張してんなら無理すんなよ。雛森の前でカッコつけたかったのはわかるけど。故に侘助しとけば良いって。カッコよかったよあれ。雛森の前でやれば……あー、引かれるかな? まぁいいや。
「あ! 本田君、よかった! 目が覚めたんだね!」
雛森が近づいてくる。後ろには……ヨン様。……ヨン様。
「済まなかったね、本田君。体の調子は大丈夫かい?」
お前か。吉良なら許すけどお前は許さん。嘘です。許すんで目ぇつけないでください。こっち見んな。
「君は倒れてしまったし、そこは反省しているが、今日の僕のミスはそれほど悪くなかったと思っているよ。……やはり、君には期待できそうだ」
「え、あ、ありがとうございます」
期待って重い。特に敵のボスから言われるともう、ね。俺はいつまで生きていられるんだろう。
――――――
はじめて彼が目に留まったのは、霊術院生の実習に巨大虚をけしかけた時。
ある程度能力のある駒を得られればいい。そのくらいの軽い気持ちだった。
巨大虚を前に絶望した所で手を差し伸べてやれば、それで容易く心を掴むことができる。
そのはずだった。
だが、いざ虚をけしかけてみると、絶望するどころか、自らの手で巨大虚を倒した者が居た。それが、本田正勝。
まだ霊術院生の身でありながら、正面から巨大虚を打ち砕いた。おそらくあの姿は始解によるものだろう。
「どうしはるんですか?藍染隊長」
「どうも何も……彼は確かに才能はありそうだが、大した脅威にはならないよ」
「鏡花水月の前では、皆等しく道化に過ぎないのだからね」
巨大虚に襲わせた四人を纏めて獲得した。
意外なことに、本田正勝は四番隊を希望していた。よくあるような戦いに対する恐れや、忌避感など抱いていないように見えたのだが。
何か目的があると考えるべきか。一先ず監視下に置いて様子を見ることにしよう。
入隊式を終え、新入隊員を相手に模擬戦を持ちかける。
丁度良い機会だ。
実力を測るついでに、鏡花水月の支配下に置くとしようか。
「是非君の実力を見せて欲しい。同期の君の勇姿を見れば他の皆も励みになるだろう。……勿論、手加減はするよ」
まさか断られるとは。実力を隠そうとしているのか、先程の言葉が真実なのか。おそらく前者だろう。とすると、彼は何か勘づいて……いや、それはないか。単に目立ちたくないのだろう。
だが。
私と吉良イヅルとの立ち会いの流れ弾が飛んできたら、どう捌くのか。見せてもらうとしよう。
「うん、卒業したばかりにしてはかなりいい腕をしているね」
「ありがとうございます!」
「では」
射線上に本田正勝が来るように瞬歩で移動する。
「これはどうかな? ……破道の三十一 赤火砲」
隊長格が放つ鬼道は、たとえ中級程度でも他とは一線を画する。
吉良イヅルは回避した。そうでなくては。目的は君ではない。
「本田君! 危ない!!」
声を掛けられてようやく本田正勝は危機に気付いたらしい。さぁ、どうする?
「……!!」
……あの姿。巨大虚を倒した時のものか。
あの鎧の防御力……詠唱破棄したとは言え、私の鬼道を受けて無傷。末恐ろしいものだ。
まだ使いこなせていないのは明白だが、今後使いこなせるようになれば……。
面白いな、本田正勝。君は、手元に置いておく必要がありそうだ。……せいぜい足掻いて見せるがいい。
読んでいただきありがとうございました。
今回の話は何回か書き直したんですよ。これになる前に2パターン書いて、結局これになりました。これじゃない2つはかなりアホです。
次はホンダム出したいな。
7/17 ホンダム出しました。ちょっとだけですけど。まぁ、これも無理があるかもしれませんけど、断空よりマシかな?
今回のネタ
キャー、ヨン様ー→キャー、イクサーン:東方Projectのキャラ、永江衣玖へのリスペクトを込めたやつ。今回はそれをもじりました。