鎧なんて飾りです。   作:C-WEED

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思いの外長くなってしまいました。
楽しんでいただければ良いんですけどね。

7/27 shu-ji様、誤字報告ありがとうございます。
8/1 黒祇式夜様、誤字報告ありがとうございます。
9/25 通りすがり様、誤字報告ありがとうございます。


第七話

「まそっぷ!!」

 

「えぇっ!?」

 

 ここは……救護詰所? 何だ今の声。俺はどんな夢を見てたんだ。

 

「ほ、本田君、どうかしたの? どこか痛い?」

 

 俺の唐突な大声に驚いていた雛森が、オロオロした様子で聞いてくる。悪いことしたな。

 

「ああ、大丈夫だ。どこも痛くないよ」

 

「本当に? 無理しなくて良いんだよ?」

 

「大丈夫だって」

 

 そう、どこも……ってあれ? 胃が……痛くない……? 痛く……ない!! やった! 胃が痛くないぞ! これでちょっとは気が楽だ!

 

「薬が効いたみたいですね」

 

「あ、虎徹副隊長」

 

 見ると、虎徹副隊長が近づいてきていた。

 

「お加減は如何ですか?」

 

「絶好調……だと思います」

 

 胃痛が無いだけでこんなに違うのかと思うと、今後胃薬が手放せなくなりそうだ。

 

「そうですか、それは良かったです。……ちゃんと体調管理はしないとダメですよ? それに疲れるのは体だけじゃないんですからね?」

 

「ハハハ、気を付けます」

 

「本当に気を付けて下さいよ? 胃に穴があく所だったんですから」

 

 笑いながら返事をしたらなんか睨まれた。何か間違えた? って胃に穴? 重症じゃないか。ストレスか? 思い当たる節が有りすぎて困る。

 

「雛森さんがしっかりしてあげてね。この調子じゃまたすぐ倒れちゃうわ」

 

「は、はい! 頑張ります!」

 

 雛森が頑張るそうです。応援したくなるね。なら副隊長代わってくれないかなー、なんて。言ってみたら代わってくれたりするのかな。言わないけど。

 

「頑張れよ、雛森」

 

「もう! 本田君のことなんだよ?」

 

 

「では、私はこれで。ちゃんと安静にしてくださいね?」

 

 そう言って虎徹副隊長は去っていった。入れ替わりで現れたのは。

 

「良かった、思っていたより元気そうだね」

 

 我らがヨン様。部下思いの上司で幸せです。おかげで俺の胃が……思ったより何ともないな。薬すげぇ。

 

「ご心配をお掛けしました。更木隊長の霊圧に当てられただけなので、明日はまた普通に仕事します」

 

「それは違うぞ、本田君。診断によると、内臓機能、特に胃がかなりダメージを受けていたらしいじゃないか。いつ倒れてもおかしくなかった状態だったそうだよ。更木隊長の霊圧に当てられたのはきっかけに過ぎなかったらしい」

 

 思っていたより重いな。症状が。

 まぁいつもいつもあなたと顔合わせてりゃそうなりますわ。なんて口が裂けても言えないけれど。

 

「気付けなかった僕のミスでもある。すまなかったね。辛いならいつでも頼ってくれて良かったんだが……今後はしっかり相談するように。君は一人じゃないんだからね」

 

「ありがとう……ございます」

 

 なんて良い上司だろう。感動的だな。これが黒幕の演技じゃなかったらどれだけ良かったか。現実は非情だ。こんなに良い上司なのに主な胃痛の原因はこの人なんだよなぁ。

 

「取り敢えず、暫くは休みを取ってのんびりするといい」

 

「え、待ってください。仕事はどうするんですか?」

 

「数日くらいなら僕だけでも何とかなるさ。君は体を休めることを考えるんだ。ま、できるだけ早く戻ってきてくれると助かるけどね」

 

 お休みだ! やった! ……のか? この休みをどう過ごせば良いのだろう。いや体を休めろって話だけど。

 

 

 

「あの、雛森。そんなに見られても困るんだが」

 

 ドタドタと、騒がしい足音が聞こえる。

 

「だって本田君いつも平気な顔してたのに今回いきなりこうなったんだもん。ちゃんと見てないと」

 

 そんなに平気な顔をしてた覚えは無いんだが。

 

 外では何やら焦ったような声が飛び交っている。

 

「別に今は仕事とかしてるわけでもないんだからそんなに心配することないだろ」

 

「そうかもしれないけど……」

 

「そう言えば恋次から聞いたぞ? 吉良も入れて三人で飯食いに行ったんだって? 何で誘ってくれなかったんだよ」

 

「誘おうとしてたんだよ? でも行ったのは本田君が副隊長になったばかりの時で引き継ぎとか色々すごく忙しそうにしてたし、仕事終わったらすぐ寝に帰っちゃうしで誘えなかったの。元々は本田君の副隊長就任のお祝いのつもりだったのに」

 

 その頃か。確かに布団と自分の机との往復だった。雛森がチラチラこっちを見てたのはその所為か。

 

「言ってくれて良かったのにな」

 

「なら、このお休みに集まって行こうよ」

 

「……そうだな」

 

 うん、友達と接するのも心を休めるのに必要だ。遊んでる訳じゃない。

 

 あ、静かになった?

 

「さっきから外が騒がしかったけど、何かあったのかな?」

 

「どうだろう? 聞いてくるね」

 

 

 

「十三番隊の偵察部隊が全滅したみたい……」

 

「全滅……!?」

 

 十三番隊、偵察部隊、全滅……もしかしてメタスタシア。もしかしなくてもメタスタシアですありがとうございます。てことはあれか、これから海燕さん死亡か。誇りを守る戦いとか意味わからんな。少なくとも俺にはわからん。まぁその、画面の向こうとか、一枚隔ててやられる分には、そうかこれもオサレか、で済むんだけど、目の前とかであんなん言われても困るよな。なんであんな満足げに死ねるんだか。部下に思いっきりトラウマ植え付けてたのに。

 ……あんなトラウマまみれになるのを見過ごすのはどうなんだろ。でも下手に手を出してもなぁ……。

 

 ……泣き顔は見たくないかもなぁ。

 

 

「雛森、まだ帰らないのか?」

 

「だってちゃんと本田君のこと見ておかないと」

 

 真面目なのか、ちょっとおバカさんなのか。

 

「俺はちょっと散歩に行ってくる」

 

「なら、わた」

 

 続きは聞いてない。瞬歩で一気に外へ飛び出した。

 

 

 

 こうして外に出てきたものの、だ。トラウマを防ぐとなったら海燕さんを助けなきゃならない。

 俺も行った所で何になる? 助けられるのか? 俺が、海燕さんを? 厳しいよなぁ……。いっそ俺がパッと行ってメタスタシア倒しちゃう? ……ホンダム封じられて、体乗っ取られて、後からやって来た海燕さん達に切られるわけだ。

 無理だな。

 ……海燕さん死んだけど最終的にルキア立ち直ってたよな。うん、慰める方を頑張ろう!

 

 よし、引き返

 

「……本田?」

 

 あっ、追い付いちゃった。俺の瞬歩有能過ぎ。ちょっと疲れたけど。瞬神も夢じゃなかったりして。……調子に乗りましたすみません。

 

「こんばんは、三人でお出掛けですか? 散歩日和ですもんね。月見酒なんか良さそうだ」

 

 天気は曇り。月明かりなんて欠片も見えない。アホか俺は。テンパり過ぎだよ。

 

――――――

 

「こんばんは、三人でお出掛けですか? 散歩日和ですもんね。月見酒なんて良さそうだ」

 

 正勝は、虚の住処へ向かおうとしている私達にそう言った。月明かりの一筋も差してこないような曇天の下で言うには余りにずれた発言だ。正勝らしくない。

 

「本田、遠足に出掛ける訳じゃないんだ」

 

「えぇ、仇討ち……ですよね? 偵察部隊の方達の」

 

「何故お前がそれを「さっき俺も救護詰所に居たもので」……お前はこの件に関係ないだろ」

 

「ええ、まあ。でも、力にはなれるかもしれませんよ? これでも副隊長になれるだけの実力はあります。部隊一つが全滅するような相手ですよ? 戦力が多いに越したことはないんじゃないですか?」

 

 成る程。私達に同行するために来たのか。確かに正勝が来てくれるのなら心強いが……。

 

「申し出はありがたいが、これは十三番隊の問題なんだ。俺たちだけで行くよ」

 

 浮竹隊長の返事は申し出を断る言葉だった。

 

「……そうですか。なら、お気をつけて」

 

 感情の読み取れない静かな声でそう言った後、正勝は姿を消した。

 

「……隊長、ありがとうございます」

 

「……いや、気にするな。行くぞ」

 

 

 

 都殿を殺したという虚は、巨大な仮面に細い手足、無数の触腕をもった不気味な姿をしていた。

 

「隊長、俺一人でやらせてください」

 

 浮竹隊長はそれを認め、海燕殿は一人で虚の前に立った。

 

 死神を食い殺すことに何の躊躇いも、悔いもないという虚。あんな虚に、都殿が……!

 

 激昂した海燕殿の動きに圧倒されているかと思われたが海燕殿が触碗に触れた直後、海燕殿の斬魄刀、捻花が消失した。

 

「海燕殿っ……!」

 

「待て、朽木!」

 

「ですがあのままでは!」

 

 海燕殿が負けるとも思わないが、不利なのは事実。一体何故そんなことを。

 

「戦いには二つ種類がある。命を守るためのものと、誇りを守るためのものと……。確かに助けに入れば海燕の命を助けることができるだろう。だが、それは同時にあいつの誇りを永遠に殺してしまうことになる」

 

 私は何も言えない。何を言えば良いのかわからなかった。誇りは確かに大切かもしれないが……。

 

「海燕は今、妻の誇りを、偵察部隊の奴らの誇りを、そして何よりあいつ自信の誇りをかけて戦っている。くだらん意地だと思ってくれてかまわん……だが今は、見守ってやってくれ」

 

 苦し気な表情で浮竹隊長は言う。きっと隊長も助けに入りたいのだ。

 海燕殿は今も、白打と鬼道で戦っている。傷だらけになりながらも一歩も引かずに。……私には、何もできないのか。

 

「俺には、わかりませんね」

 

 いつの間にか、浮竹隊長の右隣に正勝が立っていた。

 

「正勝っ!?」

 

「本田!? 何故ここに」

 

「藍染隊長は言ってました。たとえ必要とされていなくても、誰かの怒りを買うとしても、大切なものを守るための一歩を躊躇っちゃいけないって。綺麗事かもしれないけど、副官として、尊敬する隊長の言葉を信じてるんです」

 

 藍染隊長がそのようなことを……。

 藍染隊長の言葉を語る正勝の横顔からは、隊長に対する多大な尊敬が窺えた。

 

「だから、俺は行きます。あの人は、海燕さんは、まだ死んじゃいけない人だ。海燕さんを必要としている人間は沢山居るんだから」

 

 一瞬、正勝と目が合う。

 それだけ言って、正勝は海燕殿の方へ飛び出していった。

 

――――――

 

 浮竹隊長に同行を断られた後のこと。俺は救護詰所への帰り道をのんびりと歩いていた。

 

 同行申し出たけど断られちゃったもんなぁ。仕方ないよなぁ。うん、仕方ない。ルキアのことは精一杯慰めよう。全力で甘やかそう。海燕さんごめんなさい。俺は生き残ります。

 

 夜空でも見ながら歩くかと思って見上げたら曇りだった。そのまま上を向いて歩いていたら顎をぶつけた。ホンダムだった。目があった。

 

「また背中押すのか? 押されても無理なものは無理だぞ。いくら強力とは言っても鎧じゃないか。霊体融合とかどうしようもないだろ?」

 

 ホンダムは首を横に振った。だよな。って横?

 

「どうにかできるの?」

 

 今度は縦に振る。マジかよ。ホンダム化け物か。強すぎだろ。

 

「どうやって?」

 

「……!」

 

 何か言ってるんだろうけどわかんねぇや。

 

「本当にできるんだな?」

 

 大きく頷くホンダム。

 

「本当に、絶対大丈夫なんだな? 頼むぞ? 俺の命とか色々お前に掛かってるんだぞ? わかってる?」

 

 デコピンされた。首から上がちぎれ飛ぶかと思う程の衝撃だった。

 

 みたいなことがあった。

 

 

 で、何故か気付かれないまま浮竹隊長の話を聞いている。やっぱり誇りを守るとやらはよく分からない。

 

「俺には、わかりませんね」

 

 つい口が滑ってしまった。ひどく驚かれているが俺はずっと居た。

 理由聞かれても困ることは誰しもある。俺の場合は今がまさにそうだ。あ、ヨン様の所為にしよう。

 

「藍染隊長は言ってました。たとえ……」

 

 つまり全部、藍染ってやつの所為なんだ。

 ああ、人に押し付けるの楽しい。きっと俺は清々しい顔をしているだろう。

 

 

 

「なっ! 本田!? ……これは俺の戦いだ! 下がってろ!!」

 

 海燕さんは怒ってる。そりゃそうだ。見せ場だもんな。

 

「下がりませんよ。ボロボロじゃないですか」

 

 ここで下がったら来た意味がない。

 

「あなたを必要としている人が沢山居るんですから」

 

 

「なんじゃ、新しいエサか? ひひひひひひひひひ「赤火砲」ひっ!!」

 

 手から赤い火の玉が飛んでいき、爆発。煙が広がる。勿論やってない。

 

「静かにしててくれ。話してる途中だ」

 

「ひひひひひひ、少し驚いたわい」

 

 煙が晴れて見えたメタスタシアは無傷。無傷かよ。へこむわ。リスカしない。どうせ超速再生だろうし。

 

「海燕さん、あなたの誇りも、奥さんの誇りも、他の人の誇りも、俺の知ったことじゃありません。一個だけ言わせてください。目の前で上司が死んだ時の部下の気持ちを考えろ」

 

「本田、お前……」

 

 本当に考えてほしい。俺の場合はほとんど関わりのない人だったからそれほどでもなかったけど。ルキアはがっつりトラウマできるから。

 

 

「ひひひひひひひひひ。なんじゃ、お前、その男を助けに来たのか」

 

「だったら何だよ」

 

 気色の悪い笑い声を出さないで欲しい。鳥肌が立つ。見た目と相まって本当にひどい。

 

「ひひひひひ、なに、憐れなことじゃと思うてな……」

 

「何?」

 

「その望みは叶わんからじゃぁぁぁぁ!!!」

 

 メタスタシアは雄叫びをあげると、海燕さんに向け、爆発的なスピードで触手を伸ばす。

 海燕さんは消耗していて反応できていない。

 

「起動せよ 忠勝」

 

 鎧を纏い、触手を受ける。おっ……お? すげぇ、侵食されてない。流石ホンダム。伊達じゃないな。

 

「ひひ、防ぎよったか。成る程、鎧の部分はどうしようもなさそうじゃ」

 

 当然よ。ホンダムの防御は世界一……ではないかもしれんけど。搦め手にも強いなんて無敵じゃない「じゃが」ん?

 

「隙間が無いわけではないのう」

 

 再び触手を伸ばすメタスタシア。隙間って、そりゃあるけど。隙間!? ど、どどどうすんだよホンダムお前今あれしたらまずいって糞硬い虚が大暴れとかどうしようもねぇよ。

 あっ……当たっちゃった。続いて襲ってくる痛み。焼けつくような激しい痛みが広がる。次々に他の触手も隙間や顔に殺到してきた。

 大丈夫って言ったじゃん……。

 

――――――

 

 あれが、正勝の斬魄刀……。

 海燕殿を庇い、正勝が触手を受けた。一度目の攻撃は鎧に阻まれ、何も起こらなかった。

 

 しかし、二度目。

 鎧の隙間や顔を狙った触手はそこから吸い込まれるように正勝の体に入っていく。虚が居た位置には虚の仮面と外殻だけが残されていた。

 

 正勝の始解が解かれる。

 

「正勝……?」

 

 反応がない。静寂が辺りを包む。

 

 

「ひひひひひひひひひ」

 

 虚と同じ笑い声が正勝の口から漏れる。

 

「儂の名を呼んだか? 小娘?」

 

 目の前で起こったことだと言うのに、認められない。認めたくない。思わず膝から崩れ落ちた。嫌だ。こんな……こんなことが……。

 

「……冗談だろう、正勝?」

 

「ひひひひひひひひひ……そんなに儂が、愛おしいか? ……ならば、まずお前から食ろうTE8蝋」

 

 

「乗っ取られた……のか?」

 

「待て海燕、様子がおかしい」

 

 

「う、ぐ、ぎぎぎ、わ、和紙のyouGOに、抵抗……ぶ、ぐ、あばばばばぶぺびぱばぱひぼびぴぴぴびぴひ」

 

 苦し気に体を押さえ、のたうち回った後、高速振動を始める正勝の体。正勝が、抵抗しているのか?

 

 やがて正勝は右手で拳を握り、自分の顔に振り下ろした。ピタリと動きが止まる。

 

 

 

 どの程度そうしていただろうか。

 

「俺はポテトだ!! はっ!」

 

 謎の発言と共に正勝が目を覚ます。……ポテト?

 

「……本田、なのか?」

 

「俺ですよ」

 

「証明できるか?」

 

「皆さんが知らないようなことを言えばいいんですかね?」

 

「……それでいい」

 

「……じゃあ、そうですね。藍染隊長が伊達眼鏡だって知ってます?」

 

 そうなのか? てっきり度が入っているものだと……。

 

 浮竹隊長が藍染隊長に連絡しているようだ。

 

「こんな時間にすまない……ああ……うん、所で、お前伊達眼鏡なのか? ……いや、すまん、それだけだ……ああ、ではな」

 

「どうなんです?」

 

「伊達眼鏡だそうだ」

 

 ならば、本当に?

 

「言ったでしょう?」

 

 

 気が付けば正勝の元へ駆け出し、その胸に飛び込んでいた。正勝の温もりを、心音を感じる。ちゃんと、生きている。良かった。本当に……良かった。

 

 ……? 正勝の心臓の鼓動が早くなっている?

 あ……思わず抱きついてしまったが、不味い。我ながらなんてことを。意識したら恥ずかしくなってきた。顔から火が出そうだ。

 

 でも……もう少しだけ……このままで……。

 

 

「あ、あのー、ルキア?」

 

「ど、どうした?」

 

「すまん、もう限界……」

 

「え……?」

 

それだけ言うと正勝は意識を失ってしまった。全く、締まらないな……。

しかし、またこうして助けられてしまった。

 

「ありがとう、正勝」

 

いつかは私がお前の力になってみせよう。

 

――――――

 

 気が付くと、ご存知例の茶室。大体いつも通り。いつもと違うのは。

 

「ひひひひひひひひ、鎧もお前も内側から食らいつくしてやるわ」

 

 メタスタシアさんがログインしました。どうすんのこれ。

 

「まずはお前からいただくと……?」

 

 後ろから仮面を掴まれ、持ち上げられるメタスタシア。

 ホンダムだ。

 

「ぐっ……は、放せぇ!」

 

 ホンダムの手から逃れようと、触手や手足をつかって抵抗している。だが、ホンダムはびくともしない。

 

 俺はすることがない。応援でもしてるか。

 

「がんばれー、まけるなー」

 

 仮面がギシギシいってるのが聞こえる。てか今のだとメタスタシア応援してるみたいじゃん。失敗失敗。

 

「ぐぐ……おのれ……やめ」

 

 ホンダムの目が赤く輝き、メタスタシアの仮面は一気に握り潰された。流石ホンダム、俺にできないことを平然とやってのける。

 

 

 

「これどうする?」

 

 何故か残ったメタスタシアの体。俺が問いかけるとホンダムはおもむろにそれを持ち上げ、背中のバックパックに……えっ……メタスタシアの体が……消えた……?

 

「今のは……?」

 

 ホンダムは首を横に振った。教えてくれない感じですかそうですか。

 

 

 

「俺はポテトだ!! はっ!」

 

 何で聞かれても無いことを答えながら目覚めるんだ。なんか今日おかしいよ。薬の副作用? 何か顔痛いし。

 

 

 

 証明……証明なぁ。

 

「皆さんが知らないようなことを言えばいいんですかね?」

 

「……それでいい」

 

 俺のスリーサイズとか言ってもしょうがないよね。俺も知らんし。あ、そうだ。

 

「……じゃあ、そうですね。藍染隊長が伊達眼鏡だって知ってます?」

 

 確証はない。でも脱ヨン様するとき握り潰すくらいだからいらなかったんでしょう。

 

 あ、確認する感じですか。これ違ったらヤバくない? 胃が……まだそうでもない。

 

「伊達眼鏡だそうだ」

 

 よし! ありがとうヨン様! 今度眼鏡誉めよう!

 

 

 ルキアが抱きついてきた模様。予想だにしない展開に困惑しております。ど、どうしたんこれ。無事で良かった的なあれか。

 理由はわかったとは言え、女の子に抱き付かれているこの状況で平然としていられるほど俺は女の子に慣れていない。あ、胃が痛くなってきた……別に嫌じゃないのに。ごめんルキア本当ごめん。胃が痛いの。一旦はなれて欲しい。でも直球で言うのは何かあれだよなどうしよう。

 

「あ、あのー、ルキア?」

 

「ど、どうした?」

 

あっ、上目遣いですか。しかも抱きついたまんまで。何だこれ。かわいい。もう無理。倒れる。

 

「すまん、もう限界」

 

 




読んでいただきありがとうございました。
楽しんでいただけたでしょうかね?次回を楽しみにしてもらえたらいいなぁ。

私にはシリアスが書けないのがよくわかりました。なので海燕さんは死んでません。最初は死んでもらうつもりだったんですけどね。この作品には合わないかと思って生かす方向で考えたらこのザマです。ホンダムだし別にいいですよね。

今回のネタ
まそっぷ:ギャグマンガ日和 「誤植」より 本来は「うおおおおお」だったらしい。やっちゃったぜ☆

ホンダムの防御力は世界一→ドイツの○○(科学など)は世界一ィィ!!:ジョジョの奇妙な冒険 第二部より シュトロハイム少佐の名言。実際に口にだす時は、世界一ィィの時に語尾を上げ、裏声気味にするとよい。

俺はポテトだ:ギャグマンガ日和 「誤植」より 「お前はトマトか」という問いに対する答え。どちらも誤植。

流石ホンダム、俺にできないことを平然とやってのける→さっすがディオ!!俺達にできないことを平然とやってのける!!:ジョジョの奇妙な冒険 第一部より 通常はこの後、そこに痺れる憧れるゥ!!と続く。
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