モッ...モリアさんは最強なんやで(棒読み) 作:ニルドアーニ四世
〜聖地マリージョア〜
世界政府...
それは世界へ圧倒的な影響力を持つ国際組織で、加盟国は170ヵ国以上に及び、今から800年前に20人の王により創設された。そしてその20人の王の末裔を“天竜人”と呼び、そしてこの“聖地マリージョア”に住んでおり、この世界の頂点に君臨している。
そしてその世界政府に略奪行為を許された七人の海賊の猛者がいる。その代わりに政府の犬となり海軍と共にこの不安定な世界の均衡を保っている。そしてその一人が今、マリージョアの海岸へ到着し、船から降りて来た。
『海軍本部からマリージョアへ...
“王下七武海” ゲッコー・モリア様がお着きに...』
高貴な印象を持たせる黒い貴族服に身を包み、血のような紅き髪は背中まで届き、そしてその端正な顔立に似合わぬほどの異常すぎる威圧感と威厳に護衛という名目で警備をしている海兵達は固唾を呑んで彼を見守った。
そして彼がマリージョアの内部へ入ると海兵達は胸を撫で下ろし、そして彼らがただの海賊でなく、七武海である事を安堵した。
***
数時間後
「おいやめろ‼︎ 何をするッ!」
会議の行われる円形の広い机に座っている海兵が側にいる海兵に首を絞められていた。すると首を絞めている海兵が慌てたように声をあげた。
「違うんだ!手が勝手に‼︎ 」
声をあげた海兵は手を緩めない。正確には緩めることができないようだ。まるで操り人形のように...
「バカ言えッ!こんな時にふざけてる場合かッ!」
「そうだよ。ふざけてる時ではない。ドフラミンゴ...。いい子だからおやめ。」
“海軍中将”おつるが王下七武海ドンキホーテ・ドフラミンゴへと注目が集まった。ドフラミンゴは指を怪しげに動かしていた。
「フフッ...フッフッフ...いい子だからか。敵わねぇなぁ。あんたにゃ...。だったらよ...
さっさと話すこと話して終わらせちまおうぜ。こんな集会...。」
「おい‼︎バカよせッ!」「うォ!」
すると二人の中将は刀を抜き、互いを切り裂こうとした。だが刀が交わる寸前に二人の動きが止まった。
「おぉ...。」「助かった...。」
「...ッ!...モリア。おめぇの仕業か?邪魔すんなよ...楽しいとこだったのによぉ...。」
ドフラミンゴは二人の海兵の影に黒い針が刺さっているのを見てそう判断した。するとモリアはゴミを見るかのような目で見下すように見ていた。
「俺は海兵の争いなんぞ、滑稽で不快だったがな...。なんなら代わりに俺がおめぇと遊んでやろうか?」
「お?...やんのか?」
張り裂けるようなピリピリとした二人の雰囲気は誰にも止められないと実感させられた中一人の男が止めた。
「やめんか海のクズ共...。」
アフロに細長く編み込まれた顎髭に丸メガネした巨大な男がヤギを連れて現れた。かの男が海軍のトップに立つ“海軍元帥”センゴクである。
「フフッ...“仏”の名が泣くぞセンゴク。」
「だが的を得ている...。」
「ほぅ...俺もクズか?」
センゴクの挑発と威圧を軽く受け流した。そして議題について話そうとゆっくりと歩いて向かった。
「三人も集まるとは私の予想以...『コツン...コツン...コツン...。』
「おぉ最も意外な男が来なすった。」
足音が響き渡り皆の注目が集まると背中に巨大な黒い刀を持った細身の男が現れた。この男は世界最強の剣士“鷹の目”のミホーク。
「フン...。俺はただの傍観希望者だ。たまたま今回の議題に関わる海賊達に興味があるだけだ...。」
麦わらのルフィの情報を得ていたのかそのまま空けられた四つの椅子に座ろうとするとその場に居合わせた強者達が一斉に窓際に鋭い目を向けた。
「ならば私も“傍観希望者”として参加させて頂きたい...。空いた七武海の枠に推薦したい男がいるのでね」
窓の端に座りながら口を開き、そしてタップダンスと杖をクルクルと回しながら歩いてきた。
「その男の海賊団は“黒ひげ海賊団”。」
その海賊団のキーワードを聞くとモリアの顔色が変わった。そして腕から蝙蝠をスリラーバーグへ飛ばした。