モッ...モリアさんは最強なんやで(棒読み)   作:ニルドアーニ四世

20 / 69
今日、ふと先週のUAを見たら1万6000まで行ってました。正直チラシ裏でここまで伸びるとは思っても見なかったので驚いています。このペースでちょいちょい更新していき、原作の進み待ちのところまで行こうと思います。


海賊としての格 5

 

 

 

「“一刀流 獅子歌歌”ッ!」

 

モリアがゾロの間合いに入っている事を理解し、突然目を鋭めた。自分が微かにしか感じれない程度の気配の消し具合は見事だった。モリアの顔色には余裕はなくなったが興味深そうな顔をしている。

 

「かなりの筋だ...。間合いに入るまでの集中力は凄まじい...。」

 

「...ッ!身体が動かねぇ!」

 

ゾロは刀を半分程抜き、いつでもモリアを斬り裂く事ができるが身体が一ミリも動けない。ゾロの足元の影には黒い針が刺さっていた。ゾロがモリアを斬り裂く前に両脚の間の影へ向けて針を放ったのだ。

 

 

(凄まじい腕だ。奴の殺気は微塵も感じなかった...。覇気と能力がなく察知が遅れていたら死んでいたな。)

 

 

「おめぇ...なにをした?」

 

「まだ貴様じゃ影の拘束は解けない。そこで船長の死に様を目に焼き付けておけ。」

 

モリアの“影縫(シャドウ・ストリング)”は全身に覇気を込めれば軽く拘束は免れる。だがそれはモリアの放つ針に覇気を込めなければの話である。仮に覇気を込めた場合に拘束を解くにはそれ以上の覇気を込めるか覇気を込めた力を上回る程の力があれば問題ない。そしてモリアは倒れているルフィへ止めを刺そうとするとゾロはモリアへ懇願するように大声をあげた。

 

「クソッォォ!!!!やめろッ!!!! やめろォォォ!!!!」

 

「俺の仲間に手ぇ出すんじゃねぇよッ!!!!」

 

するとロビンに避難させられ休んでいたサンジが復活し、脚に炎を纏わせた蹴りでモリアを攻撃しようとしたが、軽く躱され、そして顔を鷲掴みにされるとそのまま後頭部から地面へ叩きつけられた。地面がひび割れる程の衝撃を受けたサンジはもはやしばらく立ち上がることは不可能であると思われた。

 

「頼む待ってくれ!!!!」

 

「喚くなよ...。俺がお前らを生かすメリットがない...。」

 

モリアが拘束されて一歩も動けぬゾロの願いを軽く突っぱねて見下すように冷たく見た。

 

「...どうしてもルフィの首をとるのか?」

 

「あぁ...。正確には“麦わらの一味”の首だがな。」

 

「首はやるよ。だが俺の首だけだッ!ウオォォォッッッッ...『パリン!!!』」

 

ゾロは全身に異常な程力を込めるとモリアの拘束から抜け出した。そして針がパリンと砕け散るとモリアの目の前へひざまづいた。

 

「ほぅ...逃れたか。だが貴様は何を言ってる?」

 

「未来の世界最強の剣士の首を取れると思えば不足はねぇはずだ...。ルフィは海賊王になる男だ。ここで死なせるわけにはいかねぇ」

 

ゾロは地面に頭を叩きつける様に土下座をすると“麦わらの一味”に手を出さず、首を取るのは自分だけにして欲しいと頼んだ。

 

「二度言わせるな。俺にはお前の首だけでなく、ここで倒れている敗者の首を取る権利がある。まぁ放棄するかどうかは別の話だが。」

 

 

(...アブサロムとギルノスの情報によれば“麦わらの一味”が海賊行為を行った事はない。そして世界の均衡を崩しかけたのはクロコダイルの件とエニエスロビー。これらは仲間の為に落としたと聞いているため案外危険因子ではないとも考えられる。ただ何をしてかすか分からないという危険があるのも事実だ...。)

 

 

「後生だ...。」

 

ゾロの覚悟にモリアは少し眉毛をピクッとさせるとゾロの目の前に跼み手のひらをゾロの頬へ添えて顔を上げさせた。

 

「ならばお前は俺に何をくれる?一体何のメリットを与えてくれる?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何なりと...。」

 

モリアはゾロの揺るがぬ瞳をジッと睨みつけ覇気を解放させて彼を威圧した。だがゾロの瞳に迷いは見られない。するとモリアは突然笑い始めた。

 

 

「クックック...気に入った...。揺るがぬ意志程美しく逞しいモノは存在せぬと実感させられる。貴様にチャンスをやろう...。俺のゾンビ兵に剣士のお前に相応しい侍がいる...。そいつにサシで勝ったら船長の首、そしておめぇらの首も取らない。そして尚この海域での安全の保障を約束しよう。無論影も返してやる。ただし負けたら反乱因子ごと皆殺しだ。管理してないゴミなどまた掻き集めればいいからな。」

 

「恩にきる...。」

 

ゾロが静かにモリアからチャンスを貰った事へ感謝した。彼の面持ちからは自分が破れる事など信じないと思わせる程の気迫を放っていた。『良き眼だ...。』とつぶやくと息をスゥと吸うと口を開いた。

 

「“リューマ”ッ!!!!」

 

スリラーバークへ響き渡る程の声が轟くと数分後一人のゾンビがゆっくりと下駄をカツン...カツン...と響かせながら歩いてきた。容姿はホグバックによって改造させられた肉体に白と黒の着物、そして頭には丁髷をした倭国の武人の格好をしていた。

 

「何の用だ...クソモリア。」

 

「殺し合いの時間だ。この男を殺せ...。」

 

「了解...。」

 

リューマは不機嫌気味にモリアに何の用があるかを尋ねた。そしてゾロと斬り合う様に命じるとリューマは了承し、日本刀を抜くと刃先は黒く艶めいた。

 

「さぁ斬りあえ‼︎ 勝てば全てを守り、負ければ全てを失う。リタイア不可能な無慈悲で非人道的なゲーム(殺し合い)!海賊らしくていいじゃねぇか!!!! 」

 

 




すみません、作者としても無理があるとは思ったんですけど、ゾロの秋水イベントは回収しなければならなかったのでこの様な成り行きとなりました。ですが戦争編で確実にモリアさんは暴れますのでもう暫くお待ちください...



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。