モッ...モリアさんは最強なんやで(棒読み)   作:ニルドアーニ四世

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空からの軍艦とモリアの暗躍

 

「クソッ!!!このバケモンがッ!!!!」

 

モリアは遥か後方まで吹き飛ばされたがゆっくりと進み己に襲いにかかる雑兵の相手をしていた。銃や剣を駆使して集団で襲いかかるが全くもって無駄な抵抗だった。

 

「貴様らの親父の方がバケモンだ。もう七十超えてるのではないのか?...ん?」

 

モリアが上空から微かな声を聞くと空を見上げた。すると空から黒い影のようなモノが降ってきた。次第に異常な光景を前に皆がその影の正体を理解し始めた。

 

「あれは海軍の軍艦...。囚人服を着ている者が多いな...。まさか脱獄囚か?」

 

軍艦は凄い勢いで落下するとジョズが氷をくり抜いた部分に思いっきり着水した。水飛沫が激しく昇ると次第に船の中にいた面子が現れ始めた。

 

「ルフィ!!!!」

 

死刑台の上からこの戦争の引き金となったエースが大声をあげた。そして船の上に立っているルフィは笑顔で返した。

 

「エース!!!!やっと会えたァ!!!!」

 

ルフィも歓喜の声をあげると次第にインペルダウンから脱獄した強者達が船の上に登り集まった。

 

「ジンベエ、クロコダイル、革命軍のイワンコフまで !!」

 

「後ろにいるのは過去に名を馳せた海賊達!!!インペルダウンの脱獄囚達だッ!!!!」

 

海兵達が次々とメンツを見て大声をあげた。白ひげは海賊であり、自分らは海兵である。どう考えても味方にはならないからだ。処刑台の上に立つセンゴクはルフィの祖父のガープへ問い詰めると頭を抱えて困った声をあげた。

 

「なぜ麦わらがここへ?」

 

 

(ヤツがインペルダウンに囚われたという情報はなく、囚人服も着ていない。恐らくヤツが主犯...。誰が手引きをした?...船に潜り込むか?いや厳しい。正義の門を通れるのは政府関係者と俺達七武海...。“黒ひげ”か?だがヤツの姿は見えぬ。『戦争で始末しろ』という俺のメッセージ...。少なくともヤツが戦争に来たのなら始末せねばならぬな...。おそらくヤツの手引きだ。)

 

 

「...。」

 

モリアが“黒ひげ”がルフィを手引きし、インペルダウンへ引き入れたと考察すると比較的近くにいたハンコックがモリアを意味深な瞳でジ〜ッと見ていた。

 

「どうした?」

 

ハンコックに問いかけるとわかりやすく顔をぷいっと逸らした様子を見たモリアは少し目を細めるとハンコックへの距離を詰めながら質問をした。

 

「ハンコック...お前は遅れて来てたな?どこへ行ってた?」

 

思い出してみればハンコックは七武海の招集に最後に応じてやってきた。囚人達とハンコックが関係があるとは思えぬが、かなり怪しい。モリアが彼女の目の前にまで移動するとハンコックは声をあげた。

 

「男が妾に話しかけるなど無礼千万であ...『他人のふりをするな...』...すまぬ。」

 

ハンコックは普段男に扱うようにモリアにもそう振る舞ったが恩人である為一言で罪を認めた。これでハンコックが“麦わら”を手引きしたと理解する

 

 

(おそらくハンコックは“麦わら”が天竜人を殴った事件から気に入っていり、おそらくエースを助けに向かったのだろう。やはり面白い男だ)

 

 

「わかった...あとで事情は聞かせてもらうが、“麦わら”の援護はするな...“九蛇”の皇帝でいたいのならな...。」

 

「...ッ!見逃してくれるのか?」

 

モリアがハンコックの元から離れようとすると彼女は彼へ声をかけた。ハンコックの知るモリアならば確実に怒られると思っていたのに案外あっさりと終わったのだ。

 

「当たり前だ...お前は強い。七武海から除名させるわけにはいかぬ。ただ囚人は始末する。いいな?」

 

「礼を言う...。我儘じゃがルフィにだけは手を出さないでくれまいか?」

 

モリアはインペルダウンの囚人達やルフィよりも世界の均衡の方が大事だったのだ。むしろ多くの死体を手に入れられると思っていた。ハンコックはモリアに頼み事をした。彼女はルフィに惚れていたが大恩人の彼もぞんざいに扱う事のできぬという二つに挟まれていたのだ。

 

「...それはできぬ。七武海という立場も尊重せねばならぬからだ。せめて俺と“麦わら”が出会わぬ事を祈れ。お前がどちらにつくのは自由だが敵となれば容赦はせぬと心得よ。」

 

「...。」

 

モリアがそう言い放つと地面に手を触れた。あの数の援軍を相手にするには面倒だし生き残りを出すわけにはいかぬと思っていたのだ

 

「“影扉影(シャドウホール)”...。」

 

モリアの手から影が地面へ伝い地面から黒い出口が現れると常闇の奥底からゾンビ兵達が続々と現れた。

 

「ようやく動いたか...これがヤツの最強たる所以の一つ...ゾンビ兵の道を空けろ!!!!」

 

センゴクが待ち侘びた様にモリアを見て部下達に指示を出した。するとゾンビ兵は続々と増え続けていく様子を見て白ひげが声をあげた

 

「グラララ...これがヤツの能力の最大の強みだ。おめぇらゾンビの両腕を狙え!!!!」

 

「「「「「「「オオオッッッ!!!!」」」」」」」

 

“白ひげ”の指示はゾンビの数少ない弱点を指摘した。ゾンビは肉体にダメージを食らわぬため頭を切り離そうとも何ともない。仮に頭を斬り落とされても手で拾い復活する。故に両手さえ斬り落とせばもう何もできないのだ

 

地面から全てのゾンビ兵が完全に地上へ出てくると凡そ少なくとも七十体はいる様だった。そしてモリアを中心に隊を成すとモリアは口を開いた。

 

「余計な事を言いやがって...だがこいつらは俺の最強クラスのゾンビばかりだ。容易くは行えぬぞ...

 

 

痛みも苦痛も感情も失われしゾンビよ!!!!

 

 

貴様らには如何様な攻撃も決して届かぬ!!!!

 

 

痛みに非ず!

 

苦痛に非ず!

 

恐怖に非ず!

 

 

貴様らを死の淵から蘇らせた主の為その身が朽ち果て千切れようともこの俺に奉仕せよ!!!!

 

 

 

殺戮の行進(パレード)”...。」

 

 

 




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